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47・48・49・ 5/17(火) 関東選抜リーグレポート1

東日本大震災の影響で、社会人野球の公式戦が軒並み中止。そんな中で数少ない、公式戦となった関東選抜リーグ。例年では、公式戦でもそれほど重視されている大会ではないので、普段なかなか大事な試合を任されないような若手選手を試してくる場として知られている大会だが、今年は勝利を重視した真剣勝負の場とかしている。そのため好投していれば、一人の投手が完投してしまうケースも少なくない。ただ今年は、他の公式戦も潰れているので、ここ大田Sに、一日3試合×4日間の12試合が一挙行われる。4月にも大田Sで関東選抜リーグが行われた時の模様をここでもレポートしたが、これと合わせるとほぼ社会人の有力どころは、ここまで網羅できる計算となる。そのため12球団の多くのスカウトが、連日球場に足を運んでいたのだった。

第一試合 JX-ENEOS VS 鷺宮製作所

この試合の注目は、JX-ENEOSの先発であった 大城 基志(24歳・名桜大出身)左腕。立ち上がりや2回ぐらいまでは、制球が甘く失点を重ねた内容。元々この投手は、綺麗なフォーム、球威に欠けるキレで勝負するタイプ。どうしても常時135キロ前後~MAX87マイル(139.2キロ)程度だけに、甘く入ると長打を浴びやすい傾向にある。それでも3回以降は、元来のリズムを取り戻す。カーブ・スライダー・スクリューなどを織り交ぜ、両サイドに球を散らす配球。この選手は、けしてスケール・凄みはないが、試合を作ることができる、投球術が魅力。プロでは左の中継ぎと言う味方もあるが、あくまでも先発をやって持ち味が出るタイプ。左腕の頭数が豊富で、このレベルでは先発は難しいチーム事情のチームは獲る必要はなく、あくまでもローテーションの5,6番目でも先発左腕を探しているような球団向きだろう。特に立ち上がりが悪く、エンジンのかかりが遅いタイプからだ。ただ悪い投手ではないが、上位で指名されるほどの投手ではない。球速以上に感じさせるキレはあるが、タイプ的にはトヨタからロッテに入団した 服部 泰卓 投手に似たタイプだ。ただ下位指名あたりなら、意外に儲け物的な活躍はプロでも期待できるかもしれない。

鷺宮は、ベテランの小高~岡崎リレーであり、ENEOSも2番手は、変則左腕の倉又だった。野手にも見所はなく、この試合は、大城に限るといった試合だった。

第二試合 JR東日本 VS かずさマジック

JR東日本の先発は、湯本 五十六(専修大出身 24歳)投手。元々は、184センチの長身から投げ下ろしてくる140キロ台中盤のストレートが魅力だった本格派。社会人での2年間での成長次第では、プロをも意識できるポテンシャルの持ち主だった。しかし4月の関東選抜の時でもそうだったが、今や球速は135キロ~MAX87マイル(139.2キロ)程度にとどまり、こじんまりまとまってしまった感は否めない。カーブ・スライダー・フォークなどを織り交ぜ、コントロール重視なのかもしれないが、正直面白味に欠ける内容。これでは、スカウトの食指は動かないだろう。元々コントロールに気をつけても、それほど繊細な投球ができるタイプではない。現状、ドラフト戦線からは、大きく後退した印象は否めない。もう一度原点のストレートを磨いた上で、技術を磨くべきではないのだろうか。

一方のかずさマジックの先発は、久保 貴広(24歳・東海大北海道出身)投手。大学選手権でも地方の逸材として注目された正統派右腕。綺麗なフォーム、綺麗な球筋の好投手だったが、この日は初回からエンジン全快の投球を披露。常時140キロ前後~MAX91マイル(145.6キロ)の速球を披露し、いつになく速球に勢いが感じられた。元々は、カーブ・スライダー・チェンジアップを織りまぜて、総合力で勝負するタイプ。ただ中盤以降は、完全にペースダウンとして、130キロ台中盤ぐらいに戻っていた。アベレージでパワーアップしたと言うよりは、初回からアピールしたかったのだろう。ただこれだけの球も放ることもできるのだと言うことを証明したことは大きく、今後も単なる綺麗にまとまった投手との先入観は捨てて注目してみたい。結局この日は、完投して見事チームを勝利に導いた。

野手や、それ以外の選手たちに関しては、それほど目新しく目についた選手はいない試合だった。

第三試合 住友金属鹿島 VS 明治安田生命

この試合は、住金鹿島の石崎剛(21歳・三和出身)や佐藤朔弥(20歳・東北出身)などの若手投手が観られるのかが、大きな目的となっていた。しかしこの日の先発は、山崎 洋(24歳・徳山大出身)左腕。えっ、まだ社会人3年目なの?と思えるほど、随分と観てきた投手。球速は、130~135キロぐらいだが、スライダー・スクリューなどを織り交ぜ、テンポよくポンポンと組み立ててくる投手。この投手を取り上げたのは、ルーキーイヤーの時。着地までの時間を稼ぎ、なかなかタイミングが計りにくい投手として、面白いと評した選手。しかし昨年は、やや物足りない内容だったが、ここに来て抜群の安定感を身につけてきた。もう26,27歳ぐらいだと思っていたが、24歳となるとドラフト候補の大城 貴志(JX-ENEOS)投手と、あまり球威・球速は変わらないかもしれない。更に投球の安定感・着地までに、なかなか足を下ろさないタイミングの取りにくい投手。もう一度その辺の観点から、プロを意識できないか考えてみたい投手だと思うようになってきた。きっと都市対抗に向けて、住金の中心的な役割を担う投手。その活躍次第では、意外に面白い存在になるかもしれない。再度注目してみたいと思う。

明治安田生命の先発は、ルーキーの上松 英一朗(23歳・中央大出身)投手。中央大時代は、線が細く球威に欠け、ひ弱さが目についた投手。しかし年々進化を重ね、最終学年では140キロ台の球速を記録するまでに資質を伸ばしてきた努力の人。球速は、135前後~後半程度。それも、相変わらず球威に欠ける部分はあるが、元々投球センス・総合力で勝負する投手なので、それほど問題はない。今後は明治安田生命の中心的な投手としての期待も高まる選手。着実に進化を続けてきた選手だけに、更にこの2年間ぐらいで成長を遂げれば、ひょっとしてなんてこともあるかもしれない。今後も、その成長ぶりを期待してみたい投手だった。

試合の方は雨が強くなり、山崎投手の好投から交代はないまま終るなと思い、4回途中で球場をあとにする。あとで調べたところ、7回雨天コールド。予想どおり住金鹿島は、山崎投手一人が7回まで投げ続けた。野手の方は、4月の観戦の時にチェックしたメンバーで、それほど目新しいものはなかった。


(この日の感想)

ドラフト指名が有力視されている、大城基志(JX-ENEOS)投手が、今年はじめて見られたことにつきる一日。大城投手は、高くは評価できないものの、指名は濃厚ではないかと言う気はしてくる。それは、やはり左腕できっちり投球を組み立てて来ることができるからだ。

その他では、先日はリリーフだった湯本五十六(JR東日本)の先発での登板が見られたり、久保貴広(かずさマジック)投手の意外なパワーピッチングが確認できたこと。更に改めて大城投手との比較を考えるならば、山崎洋(住金鹿島)左腕も、候補として考えなおさなければならないのではないかと思える内容だったことだった。野手に収穫はなかったが、投手に関しては今後に向けて参考になる一日だったと言えよう。ただ社会人の一日3試合は正直きついので、適度に抜かないと残り3日は持たないと改めて実感した一日だった。

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エネオスの大城投手のお名前は「貴志」ではなく「基志」ですよ~
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