fc2ブログ

東南西北

プロ野球ドラフトサイト「迷スカウト」の管理人・蔵建て男が、日本中を駆け巡り本音でトーク!

2023年 平塚合宿(外野手編)

外野手編も内野手編同様に、ドラフト目線で気になった4年生選手をドラフト目線で取り上げてゆきます。そんななか、この合宿の野手で最も目立っていたのは、西川 史健(青学大3年)外野&三塁手の活躍の圧倒的な打力でした。右打ちの強打者で、レフトからの返球も見事。来年の上位候補として、多くの関係者にその存在を知らしめた内容だったのではないのでしょうか。

宮崎 一樹(山梨学院大4年)外野 184/84 右/右 (山梨学院出身)

大型でも、大学ジャパンの中でも屈指の脚力と強肩を誇るフィジカルモンスターです。昨年の秋は、リーグ戦で 5本塁打・打率.600厘の驚異的な成績を残します。今春も、ホームランこそ出ませんでしたが、打率.419厘・9盗塁の記録を残しました。昨秋の松山合宿の時もそうですが、一線級の投手のスピード・コンビネーション対応しきれない部分があり、この辺が技術の未熟さからなのか? 本質的にスピードボールへの反応が劣っているのか? の見極めは難しいです。逆に140キロ前後ぐらいの球であれば、けして脆い選手でもなく畳み掛けてきます。強肩ではあるのですが、打球勘がさほど良くないこと。50メートル走は速いものの、そこまで盗塁技術が高いかは微妙で、技術的には発展途上の素材です。ちなみに、まともに捉えた時の飛距離も圧巻で、そういった選手が不足する今年の外野手戦線を考えると、希少価値の高いです。プロで大成するかは微妙ですが、ドラフトでも3位以内では消えるのではないかとみています。

福島 圭音(白鴎大4年)外野 172/72 右/左 (聖望学園出身)

今春のリーグ戦では、脅威の20盗塁・打率.526厘 と大活躍の春のシーズンでした。しかし、続く大学選手権では、11打数1安打にとどまり、全国レベルの投手に対する対応に課題を残した形です。また合宿を観ていて気になったのは、50メートル走のタイムが平凡だったのと、一塁までの到達タイムも4.05秒前後(左打席から)と、そこまで圧倒的な脚力ではなかったこと。実際のところ、リーグ戦での成績や実戦でのスピード感からすれば、こんなものではないだろうという思いは残ります。打撃も結果は出ずに物足りなさも残したのですが、根本的な当て勘は悪く有りません。このへんは、経験を積むうちに改善もできるのかなと。あとは、中堅手としての、守備・足がこの手のタイプにしては平凡なのかな?といった部分。走塁という一芸はあるので、育成あたりで指名してくる球団があっても不思議ではないのですが。

天井 一輝(亜細亜大4年)外野 177/79 右/左 (広島商出身)

今春のリーグ戦では、打率.280厘・3盗塁と平凡な成績に終わります。また、過去には3割5分を超えるようなハイアベレージはなく、7盗塁というのがキャリアハイで爆発的な成績を残したことはありません。しかし、スイングの鋭さ・打球の速さなど、下級生の時から何か惹かれるものがありました。この合宿でも、鋭い当たりを連発し代表メンバーに選出されました。守備でも、常に次のプレーを想定した形で守れているので、送球なども実に正確で強いです。そういった実戦的なプレーができるのがこの選手の魅力で、意識の高さを感じます。そういった意味では、高いレベルの野球への順応も速そうで、プロに混ぜたらアマでの実績以上に活躍して行ける、そういった選手ではないかと。高校時代から良い選手だなとみていましたが、プロでもイケるという確信的なものを今回の合宿で実感しました。そういった意味では、この合宿での一番の収穫だったと言えるでしょう。ドラフト的には下位指名ぐらいだと思いますが、そのぐらいで獲得できたら美味しいタイプなのではないかと。

中島 大輔(青山学院大4年)外野 180/78 右/左 (龍谷大平安出身)

今春のリーグ戦では、.打率.333厘・5盗塁を記録し、日本一に貢献した好打者です。これまでドラフト目線で見たことはなかったのですが、合宿でも巧打者ぶりと積極的な走塁が光りました。何よりこの選手の魅力は、しぶとさにあるように思えます。守備力・走力含めて絶対的なものがあるのかと言われるとよくわからない部分もあるのですが、打席では何かしらの粘りなり爪痕を残すという意味では、好きなスカウトは好きなタイプかもしれません。イメージ的には社会人といった感じで見ていたのですが、ジャパンでの活躍・秋のリーグ戦の内容に注視して見極めて行きたいところです。

スポンサーサイト



2023年 平塚合宿(内野手編)

内野手編に関しては、気になった4年生から何人かピックアップして取り上げたいと思います。

廣瀬 隆太(慶應義塾大4年)二塁 182/91 右/右 (慶應義塾高出身)

この春は、15試合に出場し5本塁打を放ちながらも、打率.192厘と粗さは解消できず。今回の平塚合宿でもその辺は変わっていないといった感じ。昨秋の松山合宿で、冨士隼斗(平成国際大)の150キロ級の速球をスタンドにぶち込んでいたように、やはり真っ直ぐには滅法強そうだということ。この腕っぷしの強さとパワーは、日本人離れしています。イメージ的には、鵜飼航丞(駒大-中日2位)に近い感じ。今春の一番の変化は、セカンドの守備が上手くなってきている点。特に身体能力は高いので、逆シングルの当たりでもアウトにできるプレーが目立ちます。プロでもセカンドでイケると判断する球団があれば、ハズレ1位から2位の間では消えるのではないかといった気がします。50メートル走では平凡タイムでしたが、広瀬の走力は右打席から4.05秒前後(3.8秒前後に相当)で走り抜ける走力があります。

上田 希由翔(明治大4年)三塁 183/93 右/左 (愛産大三河出身)

この春のリーグ戦では、12試合 3本 12点 打率.372厘 と、相変わらずの安定感を魅せました。広瀬のような長距離砲というよりは、確実性と勝負強さを兼ね備え、中距離・ポイントゲッタータイプといった感じです。そのためプロでは、15本~20本タイプかなといった感じで、そのかわり失敗はイメージし難いところをどうみるか? 今回の合宿でも、上手く流してヒットを放つ場面がありました。その一方で今回気になったのは、三塁の守備が思ったよりも上手くなく、左翼の守備は危なっかしい感じでした。プロのサードでも厳しいとなってくると、一塁&左翼候補としては、どうなのか? 中途半端な位置づけにチームでなってしまう恐れもあります。個人的には、3位前後のゾーンでみたいなといった感じで、あまり入れ込んで上位で指名するのにはパンチ不足の印象もあります。そのへんは、需要面や球団によっても評価が別れるかもしれません。

辻本 倫太郎(仙台大4年)遊撃 168/73 右/右 (北海出身)

この春の充実ぶりで、大学・社会人ではNO.1遊撃手という位置づけであるように思えます。大学選手権でも打率.333厘をマークしているように、高いレベルの相手でも結果を残せるのも魅力。小柄ですが、パンチの効いた打撃で合宿でも目立っていました。守備の動きの良さも健在で、それ以上に周りに細かく指示を出せたり、ポジションニング含めて独特の動きのショートを魅せます。昨年の 友杉 篤輝(天理大ーロッテ2位)あたりと比べると、走力と守備力では友杉の方が分があるように思えますが、こと打撃に関しては 友杉 よりも、早く上のレベルに順応できそうといった感じがしました。その友杉でも、28試合ながら、ここまで.266厘 と一軍でやれていることを考えると、一年目から一軍に混ざってやって行けるかもしれません。ただし、体格・身体能力含めてそこまでのスケールがないだけに、元来は3位前後ぐらいが基本線なのかなと。それを、需要面で何処まで引き上げられるか? むしろ高卒組でスケールの備わった選手が浮上してくると、そちらの方が優先されて指名されそうです。

熊田 任洋(早稲田大4年)内野 174/76 右/左 (東邦出身)

高校時代から全国区の選手で、大学でも1年秋からレギュラーとして実績を重ねてきた選手です。今春のリーグ戦でも、打率.341厘 2本 13点 2盗 といった安定した内容。プロのショートとしては微妙な守備力ですが、このメンバーに混ざっても、さすがに洗練されているなといった感じがし動きは目立っていました。内野のユーティリティプレーヤーとして、チームの層を厚くしたいといった球団には、中位~下位で混ぜるならば面白い存在だと思います。ただし、本人が上位でないとプロにゆかないとなると、指名が流れる可能性があります。独特の感性を持った選手で、プロに混ぜれば中途半端になるというよりも、思いのほか異彩を放つかもしれません。現状は5位前後ぐらいが基本線とみていますが、それでもプロ入りの意志があるかどうかでしょうか? 下の順位で獲れるならばお得感がある選手で、打撃は早くからプロのレベルに順応できそうな技術・能力がありそうです。

2023年 平塚合宿(捕手編)


進藤 勇也(上武大4年)捕手 182/90 右/右 (筑陽学園出身)

ライト前に一本ヒットがありましたが、代表経験も豊富で最初から内定しているような感じでした。今春のリーグ戦は、後半戦の3試合の出場にとどまり、大学選手権出場を逃しました。攻守に高いレベルでまとまっているのが特徴ですが、何かプロということを想定すると、突出した特徴があるといった感じはしません。それでもここ5年ぐらいの大学生捕手では、一番の大物ではあるように思えます。そういった意味では、どうしても捕手補強を最重要課題とかかげる球団があれば1位指名もありうるとは思うものの、なかなか大学生捕手が1位になることは稀。人材な豊富な今年の場合、2位などにまわる可能性は十分あるのではないかと考えます。すでに、かなりレベルまで来ている選手なので、一年目から一軍に混ざって行ける、そういった力はありそうです。

萩原 義輝(流通経済大4年)捕手 180/85 右/左 (東海大相模出身)

ドラフト目線では、大学生捕手で進藤に次ぐのは、この萩原だとみていました。この春は、11試合に出場し、打率.333厘 と悪くはありません。しかし昨年の春は、.410厘で大学選手権でもホームランを放っていたのに比べると、やや地味なシーズンだったと言えます。今回観ていて気になったのは、攻守にトップレベルに混ぜると物足りなく映った点。捕殺する場面もありましたが、イニング間送球などをみると、肩は並ぐらいに見えました。打撃は、次から次へと出てくるトップクラスの投手に対応しきれない印象で、中位ぐらいで行けるかなとシーズン前は思っていたものの、社会人などに進むことになるかもしれません。現場は、下位~育成ぐらいとみています。

宮崎 恭輔(慶應義塾大4年)捕手 182/90 右/右 (国学院久我山出身)

高校時代から強打の捕手として注目されていた選手、この春にオープン戦で見た時にも気になる存在でした。春のリーグ戦では、15試合に出場し、打率.327厘 。特に送球やディフェンスに特別ものは感じられないものの、打力を活かして代打を想定しての代表選出だったのではないのでしょうか。大学からプロというよりは、有力な社会人チームに進みそうです。

友田 佑卓(日本大4年)捕手 173/76 右/左 (九州学院出身)

宮崎が打撃型の代表格ならば、ディフェンス型の代表格が彼だと思います。ハマった時の送球は、この選手が一番であるように思います。ディフェンスセンスは光るのですが、この春のリーグ戦では 打率.194厘 と、打撃ではアピールできず。進藤・有馬と攻守にバランスのとれた捕手を選出したので、三人目は代打での起用も想定できる宮崎が優先された形です。個人的にはインテリジェンスも感じられ好みの捕手なのですが、プロというよりも社会人などに進むことになるのではないのでしょうか。

有馬 諒(関西大4年)捕手 181/83 右/右 (近江出身)

近江時代は、世代屈指の捕手として注目されましたが進学を選択。1年春からリーグ戦でレギュラーを守るものの、やや伸び悩んでいるのかなといった印象を受けてました。今春は、4番・捕手として出場し、打率.273厘と彼にしては地味な成績に終わります。しかし秋に調子の悪かった送球は復調気味で、強肩ぶりも回復。打撃でも、討ち取られている打席でも、バットの芯で捉えていることが多く、内容には観るべきものがありました。やはり、進藤に次ぐ捕手はこの選手だと改めて実感。本人の意向はわかりませんが、経験・実績十分で、2年目ぐらいには一軍でのプレーも意識できるかもしれません。打撃の潜在能力に関しては、この有馬の方が上かもしれません。プロ志望であるならば、中位ゾーン(3位~5位)ぐらいでの指名も意識できるようにも思います。個人的には、この合宿で萩原との位置づけが逆転致しました。

2023年 平塚合宿投手編レポート4

今回は、下級生の投手は取り上げないことをご了承くださいませ。

武内 夏暉(国学院大4年)投手 185/90 左/左 (八幡南出身)

今までは軟投派のイメージが強いサウスポーでしたが、最終学年になり真っ直ぐで押せる力強さが身についてきました。この春のリーグ戦では、4勝0敗 防 0.68(3位)の好成績。この日もコンスタントに140キロ台を超える真っ直ぐを投げ込んできており、マイガンでは90マイル・145キロを記録。カーブ・スライダー、それに右打者外角低めに切れ込むツーシームが非常に有効でした。このツーシームで引っ掛けさせるのが持ち味だと思いますが、そこで仕留めきれないとやや苦しくなります。またリーグ戦でも良い日と悪い日のムラが結構あり、投球のまとまりと違いデキに差があるのは気になります。それでもドラフト的には、ハズレ1位~2位以内では消えそうな感じで、現状は 細野(東洋大)投手に次ぐ大学生左腕だと評価している球団も多いのではないのでしょうか。

北畑 玲央(東北福祉大4年)投手 173/73 右/右 (佐久長聖出身)

人材揃う東北福祉大から招集されたのは、この投手でした。今春は、4勝1敗 防 0.89 と安定した内容。右のスリークォーターから、マイガンで最速91マイル・146キロを記録。カット・スライダー・カーブ・チェンジアップなどを織り交ぜていました。緊張からかボールが上吊り、甘く入ってきた球を狙い打たれた形で、持ち味を発揮できなかったのではないかと考えられます。元来は、馬力のある投球で、プロなら中継ぎ向きの投手のように思います。現状は、大卒プロというよりも、有力な社会人に進む選手ではないかとみています。

西舘 昂汰(専修大4年)投手 188/92 右/右 (筑陽学園出身)

筑陽学園時代は、進藤勇也(上武大)捕手とバッテリーを組んでおり、春季九州大会などで見た記憶がありました。この日の最速は、マイガンで93マイル・150キロをマークするなど、厚みのあるボールの威力はさすがです。大きな曲がりをするスライダーに、ツーシームだかチェンジアップ系の球を織り交ぜてきます。特に四死球が多いとかそういった危うさはないのですが、ボールの威力の割に失点してしまうケースをよく目にします。高校時代から、投球の強弱を付けるとか、間を活かしてとか、そういった投球術に欠けるところがあります。そのため現状は、東都二部でも勝ち味が遅い印象。一時は、チームが3部との入れ替え戦の可能性まで残していました。現状は即戦力というよりも、数年ファームに漬け込んで才能の開花を促すといった形になりそうです。ドラフトとしては、4位前後ぐらいが目安になるのではないかとみています。ちょっと直せば良くなるという目処が立っている球団ならば、さらに上のゾーンでの獲得を狙ってくる球団も出てくるかもしれませんが。

蒔田 稔(明治大4年)投手 178/83 右/右 (九州学院出身)

リーグ戦では、チームメイトの村田賢一よりもスピードのある印象で、140キロ台中盤の速球を投げ込んできます。この日も、マイガンで92マイル・148キロを記録。カーブ・スライダー・チェンジアップなどを織り交ぜ、使い勝手の良いタイプといった気がします。この春は村田の陰に隠れがちでしたが、防 1.08 と安定。スケールで魅了するタイプではないのですが、試合を壊さないまとまりもあり、大学ジャパンのメンバーに選出されました。これまでの村田同様に、リーグ戦を見ているとプロという匂いはして来ないのですが、混ぜてみたら意外にやれる、そういったお得感があるタイプなのかもしれません。

岩井 俊介(名城大4年)投手 182/90 右/右 (京都翔英出身)

この春は、チームメイトの 松本 凌人 が不調の中、チームを支える存在でした。球速的には、篠木検太郎(法政大)に次ぐぐらいで、マイガンでも93マイル・150キロ台を連発。この真っ直ぐに横滑りする大きなスライダー・フォーク・チェンジアップ系の沈む球も投げ、一つ一つのボールの威力は目立っていました。かなりボールにバラツキがあったり、合わされやすそうなフォームである部分は気になったものの、ボールの勢いで代表入りを決定づけたように思えます。上位指名となるとまだ怖いなといった印象ですが、3位前後ゾーンぐらいで、国際試合や秋のリーグ戦の内容をみて判断して行きたいと思います。この選手も、今後のアピール次第では、さらに上のゾーンの評価になって行ける可能性を秘めています。

2023年 平塚合宿投手編レポート3


下村 海翔(青山学院大4年)投手 174/73 右/右 (九州国際大付出身)

春のリーグ戦では、3勝0敗 防 0.85(2位) と、チームメイトの  常廣 羽也斗 よりも充実した内容を魅せていました。大学選手権では、常廣が状態を上げてきた一方で、下村はやや一辺倒なところと合わされやすさを露呈した部分がありました。大学選手権を終えた直後でしたが、力投派の下村にとっては得意な舞台。平塚のガンでは150キロを記録し、マイガンでも91マイル・146キロに到達し、ボールの威力はさすがでした。下村の良さは、これだけの力投派でありながら、ボールを両サイドや低めに決められるところ。大きく横滑りするスライダーに、カーブで緩急を利かせつつ、チェンジアップだかフォーク系の球を織り交ぜてきます。素材としての奥行きはあまり感じられませんが、ハートの強い選手でガンガン押してくるタイプ。その勢いで、追加招集ながら代表メンバーに選出されました。ドラフトでは、2位前後あたりのゾーンでの指名が期待されます。また、比較的完成されている部分もあり、ある程度即戦力として一年目から期待できそうなタイプです。

西舘 勇陽(中央大4年)投手 185/79 右/右 (花巻東出身)

有力な1位候補として迎えた今春でしたが、序盤戦はなかなか勝てずに苦しみました。シーズン終盤になって、調子を上げての終了となりました。そのため今シーズンは、2勝4敗 防 3.43(9位) と、平凡な成績でした。ボールにバラツキは感じられたものの、平塚での登板では92マイル・148キロを記録。真っすぐの勢い・威力はさすがといった感じで、ゆるいカーブやスライダー系の球を織り交ぜます。制球の粗さトさや一辺倒なところがあり、プロとなると先発よりリリーフタイプといった感じがします。好調時には150キロ台中盤を叩き出せるポテンシャルは、今年の候補の中でも冨士(平成国際大)と、この西館ということになります。1位指名となると微妙ですが、数年後にはクローザークラスへの成長を期待もできる選手で、上位指名される公算は高いです。けして、何処か痛かったというよりは、変則フォーム故に狂いを修正しきれなかったといった春でした。

古謝 樹(桐蔭横浜大4年)投手 181/75 左/左 (湘南学院出身)

リーグ戦で生で見たときは、足場も悪く140キロ台前半ぐらいでした。しかし、大学選手権、あるいは今回の平塚ガンでも150キロを超える球速を魅せていました。マイガンでも90マイル・145キロを記録し、確かに真っ直ぐで押せるボールの威力は、左腕でも目立つものがあります。変化球は、スライダー・カーブ・チェンジアップなど、特にスライダーでの三振が目立ちます。本当の制球力がないので、時々甘く入った球を打たれるケースがみられます。まとまっていそうで、結構アバウトなところがあり、その辺をボールの勢いで見落としがちになりますが注意したいところです。現状の充実ぶりから、上位指名も期待される存在ですが、もう少し今後もどうなのか見極めたいところです。個人的には、3位前後ぐらいの選手だとみています。しかし、左腕で150キロ投げるということで、2位以内での指名があっても不思議ではない状況になってきました。日本代表メンバーにも選ばれて、国際大会でどのような投球を魅せるのか注目されます。

常廣 羽也斗(青山学院大4年)投手 180/73 右/右 (大分舞鶴出身)

開幕前から有力な1位候補と目されていたものの、春のリーグ戦では途中で離脱したりして、3勝0敗 防 1.44(5位)と絶対的な内容ではありませんでした。しかし、続く大学選手権で調子をピークに持ってくることに成功。そこでの好投で、1位指名を大きく引き寄せた形です。大学選手権の決勝登板から日が間もないということで、92マイル・148キロぐらいは出ていたものの、やや状態は下がり気味。それでも、カーブ・チェンジアップ・フォークなどを織り交ぜ、バランスのとれたところを魅せていました。唯一、今回の選出メンバーの中で、1イニングのみの登板で終えそのまま代表入りを決めました。昨年まではリリーフでしたが、元来投球センスのある先発タイプ。恐らく国際試合でも、チームの先発を託されることになるのではないのでしょうか。イメージ的には、森下暢仁(明大-広島)のときを彷彿とさせます。本当の意味での体の強さ・体力という意味で不安があるので、投球の完成度・総合力は二桁を意識できるものがあると評価しますが、それが実現できるのかは秋をみて判断したいところです。それでも、有力な1位候補であるのは疑いようがありませんが。

滝田 一希(星槎道都大4年)投手 183/77 左/左 (寿都出身)

地方リーグ屈指のサウスポーといった位置づけで、3勝0敗 防 1.40 という好成績で全国大会に駒を進めてきました。上下動の激しいフォームで、制球にバラツキが激しいところは気になります。この日は91マイル・146キロぐらいでしたが、真っすぐの強さという意味では目立っていました。変化球もスライダー・チェンジアップの曲がりも鋭く、特に大きな変化をするチェンジアップに特徴があります。ただし、この球が110キロ台と極めて球速が遅く、真っ直ぐと見分けがつかないというわけではないので、長い目でみると慣れられてしまう恐れはあるのかなといった気がします。そういった部分と制球の危うさを考えると、1位で指名するのにはちょっと怖いかなと思える部分はあります。それでも左腕であることを考えると、ハズレ1位~2位の間ぐらいでは指名されるのではないかと感じました。イメージ的には、濱口遥大(神奈川大-DeNA1位)と、重なるものがあります。

ブロマガ

月刊ブロマガ価格:¥ 300

紹介文:ドラフト・レポーターとして20年のキャリアを誇る、蔵建て男 のドラフト候補レポート。雑誌などにはまず掲載されない、個人に焦点をあてた詳細かつ明確なレポートを皆様にお届け致します。

ブロマガ記事一覧

購入したコンテンツは、期限なしに閲覧いただけます。

カレンダー

10 | 2023/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -

最新記事

最新コメント

月別アーカイブ

カテゴリー

プロフィール

蔵建て男

Author:蔵建て男
「迷スカウト」の管理人・蔵建て男が送る、有料記事サイトです。主にドラフト有力選手の個別寸評と観戦記のレポートをお送りしております。どうか、皆様奮ってご参加頂けると幸いです。

FC2カウンター

フリーエリア

アマゾン

検索フォーム

リンク

ブロとも申請フォーム

QRコード

QRコード