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プロ野球ドラフトサイト「迷スカウト」の管理人・蔵建て男が、日本中を駆け巡り本音でトーク!

2023年夏 甲子園レポート12


大会7日目第一試合 八戸学院光星 VS 明桜

八戸学院光星の先発は、洗平竜也(東北福祉大-元中日)左腕の息子である 洗平 比呂(2年)左腕。父親と同じサウスポーだが、父親は腕の振りを生かしたキレ味身上の投手だった。しかし息子は、130キロ台中盤ぐらいも、球持ちの良さを生かした球速以上に粘っこいボールを投げ込んでくる。むしろイメージ的には、父親の福祉大時代のチームメイト・吉見祐治(元ベイスターズ)に似た感じの球を投げ込んでくる。変化球は、左腕らしいカーブやスライダー・ツーシーム気味な球とのコンビネーション。今後、何処までスケールを増して行けるかはわからないが、来年が楽しみな投手の一人であるのは間違いない。上手くゆけば、高校からのプロ入りも実現するかも。

野手では、3番を打つ 中沢 恒貴(3年)遊撃手。プロでショートを続けて行けるかは微妙なものの、フットワーク、キャッチング、スローイング共に基準を満たすものはある。また、一塁までは右打席から4.35秒前後(左打者換算で4.1秒前後に相当)のタイムを出しており、これも多少緩めて走った時のものだった。そのため、実際はもう少し走力があると考えられる。そして何より、フォロースルーを生かしたスケールの大きな打撃が魅力。まだまだ攻守に未完成な印象だが、モノになった時には楽しみな素材である。そういった意味では、高校時代の 坂本勇人(巨人)を彷彿とさせる素材ではある。指名は中位(3位~5位)以降になると思われるが、将来性の高く面白い。

明桜では、4番の 吉川 新汰(3年)捕手の、強烈なサードゴロが印象的。ワンバウンド処理などの足回りも想像以上で、肩こそよくわからなかったが、けしてディフェンス力が低いわけでは無さそう。大学などで、再び出会えることを楽しみにしている。また、2番手登板した 難波 佑聖(3年)右腕は、秋田大会で147キロを記録したという速球派。この試合では130キロ台後半がほとんどで、スライダーやフォークだか沈む球を織り交ぜたが、変化球が抜け気味で制球に苦しんだ形。好い時の内容を、ぜひ確認してみたい選手だった。

洗平竜也(八戸学院光星2年)投手 174/71 左/左
中沢 恒貴(八戸学院光星3年)遊撃 178/80 右/右

吉川 新汰(明桜3年)捕手 174/73 右/右
難波 佑聖(明桜3年)投手 171/77 右/右


大会7日目第二試合 東海大甲府 VS 専大松戸

東海大甲府の先発・長崎 義仁(3年)右腕は、真っ直ぐよりも縦への変化が大きいスライダーを多く混ぜてくる。それでも時々投げ込まれる速球も140キロ前後でるので、けして直球に自信がないわけではない。その球筋も独特で、スライダー共々あまりいないタイプの投手といった感じがした。ただし、制球が不安定で思い通りのピッチングができなかったのではないのだろうか? 大学などに進んで、どんな投手に成長して行くのか少し気になる選手だった。

また野手では、兼松 実杜(3年)中堅手の振りが気になった。ヒットはセンター前への一本に留まったが、少しアッパー気味に角度を付けて飛ばしてくるタイプ。スイング自体にも力があり、打撃には面白いものがあるなと。調べてみたら、山梨大会でも3本塁打放っており、この選手も今後どうなって行くのか気になる選手だった。ちなみに走力も、右打席から4.3秒(左打者換算で4.05秒前後に相当)で一塁を駆け抜けるなど基準レベルの脚力を有していた。

専大松戸では、中山 凱(2年)遊撃手。第一打席にはツーベース、第二打席には犠牲フライと活躍。チーム屈指の打撃能力に加え、深いところから球筋乱れない送球にも目を見張るものが。この選手は、来年のドラフト候補として話題になって行ける選手。来年世代のショートの中でも、トップクラスの素材ではないのだろうか。

長崎 義仁(東海大甲府3年)投手 178/78 右/左
兼松 実杜(東海大甲府3年)中堅 176/76 右/右

中山 凱(専大松戸2年)遊撃 180/70 右/右


大会7日目第三試合 土浦日大 VS 九州国際大付属

出場校最後の登場となった九州国際大付属では、一年秋から注目されてきた 佐倉 侠史朗(3年)一塁手が登場。結果的には、センター前へのヒット一本に留まったものの、第一打席のレフトフライや第二打席の一塁ライナーなど、しっかり捉えていた打球だったので、打撃の評価は下がらなかったのではないのだろうか。問題は、やはり守備が一塁手だということと走力の無さ。個人的には、鍛えれば三塁もイケるかもとは思っているものの、現時点では未知数だと言わざるえない。確かに好い打者ではあるが、圧倒的に長打力があるといったほどでもなく、技術の高い中距離・ポイントゲッターの一塁手。一時のような力んで凡退ということは無くなっていたが、現状は下位~育成あたりで指名があるかどうかといった感じではないのだろうか? ただし、プロ志望届を提出すれば、何かしらの形では指名されるのではないかとみている。

また、先発した 田端 竜也(2年)左腕は、大きく一塁側にステップしてきて、左打者にとっては恐怖感のある球筋。それでいて、右打者からも結構見難い実戦派。球速こそ130キロ台中盤ぐらいまでだったが、カーブ・スライダー・チェンジアップを織り交ぜ、厄介な存在といった感じだった。マウンドさばき、制球力なども良く、来年も福岡を引っ張って行く存在になりそう。

また、ショートの 隠塚 悠(3年)遊撃手は、深いところからでも踏ん張ってアウトにできる守備は見事。動きも良く、上のレベルでも守備を売りにできる選手ではないのだろうか。打席でもしぶとく、出塁すれば盗塁を決めていた。大学などでも、個性全開にアピールして欲しい。

一方の土浦日大では、初戦では登板がなかった 小森 勇凜(3年)右腕。春は、この選手がエースとしてチームを関東大会に導いた原動力。やや調整遅れが心配されており、立ち上がりは丁寧に投げていた印象。それでも試合中盤には145キロを記録するなど、真っ直ぐの強さも出てきていた。スライダーよりもチェンジアップを多くする配球で、左打者には厄介な存在。ドラフト候補といった匂いはしてこないが、制球力・投球術・変化球・要所での踏ん張りなど含めると、4年間で何処までの選手に育って行くのか注視して行きたい存在だった。

佐倉侠史朗(九州国際大付3年)一塁 184/110 右/左
田端 竜也 (九州国際大付2年)投手 177/68 左/左
隠塚 悠  (九州国際大付3年)遊撃 172/72 右/右

小森 勇凜(土浦日大3年)投手 183/82 右/右

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古謝 樹 と 平井智大 と 衛藤冴仁 について



古謝 樹(桐蔭横浜大)左腕 と 平井智大(駿台甲府)右腕 と 衛藤 冴仁(関東一)捕手 について触れた動画をUPしました。

2023年 選抜レポート6


大会4日目・第二試合 長崎日大 VS 龍谷大平安

龍谷大平安の 山口 翔梧(3年)遊撃手は、秋に6割以上の打率を残し、個人的にはその芯で捉えられる能力に注目していた選手。しかし、この試合では結果を残せなかったものの、サードゴロの一塁到達タイムは、右打席から4.15秒前後(左打者換算で3.9秒前後に相当)と、プロでも俊足レベルの脚力であることがわかった。遊撃の守備の動きこそ悪くなかったものの、送球などに不安定なところも魅せていた。

二戦目となった仙台育英戦では、第一打席にライト前にきっちりはじき返し、第四打席ではレフトスタンドへ一発を放って魅せ能力の片鱗を伺わせた。緒戦はフワついていた守備も、元来の軽快の良い動きでボールをさばいており、肩もけして悪くない。やはりこの選手は能力があるのだと改めて実感。進学の可能性もあるが、個人的には夏まで追いかけてみたい好選手だと再認識した。

長崎日大の攻守の中心は、豊田 喜一(3年)捕手。テンポの良いボールまわしにセンスを感じさせる選手で、リードも考えられていた。フットワーク・キャッチングなどもそれなりで、二塁までの送球は、1.9秒台前半ぐらいと平均的。しかし、打撃では3番打者として、強烈な打球を放っていた。大学などで、捕手として続けて行ける素材ではないのだろうか。

投手では、龍谷大平安の2番手・岩井 聖(3年)右腕が147キロを記録。少々粗っぽいフォームの投手ではあったが、コンスタントに140キロ台を記録するスピード能力とボールの威力には見るべきものがあった。緩いカーブにスライダーやチェンジアップもあり、高校からプロに入れるほどの総合力があるのか見極めて行きたい。

山口 翔梧(龍谷大平安3年)遊撃 176/68 右/右
岩井 聖 (龍谷大平安3年)投手 184/80 右/右

豊田 喜一(長崎日大3年)捕手 168/66 右/右


大会4日目・第三試合 慶応 VS 仙台育英 

仙台育英の先発・仁田 陽翔(3年)左腕は、立ち上がりからストライクが入らず苦しんだ。MAX141キロを記録した真っすぐの勢いや球威はそれ以上に感じさせ、スライダーやチェンジアップなど一つ一つ球は悪くない。ランナーを出しながらも、粘り強く抑えてゆくというのが持ち味の投手だが、この日は僅か2回途中での降板となってしまった。プロ志望かはわからないが、素材としての魅力はある。左腕であることを考えると、プロ志望届を提出すれば、指名して来る球団があっても不思議ではない。ただし、現時点では、高い評価をするのには怖さが残る。

一方の 慶応の先発は、小宅 雅己(2年)右腕は、スリークォーターから繰り出す130キロ台後半の球には伸びがあり、球速以上に厄介。両サイドや低めに集める制球力もあり、カーブやスライダーを織り交ぜてくる。まだ新2年生ということで、来夏までに何処まで伸びて来るか?

仙台育英の2番手・高橋 煌稀(3年)も、適度な球威と伸びがある140キロ前後(MAX143キロ)には威力があった。また、その球を比較的低めに集められるなど実戦的。カーブ・スライダー・チェンジアップなどを織り交ぜ、3人の中では一番総合力が高い。ただし、高卒プロというよりも、大学などで実績を積んでからといったタイプに見えなくはなかった。

仙台育英で最後に登板した・湯田 統真(3年)右腕は、真っすぐでグイグイ押す力投派。最速144キロの球威のある速球を武器に、スライダーなどを織り交ぜてくる。この日は、武器であるスライダーが制御できずに苦しんだが、最後の最後で良いところに決まってタイブレークを無失点で切り抜けた。高校からプロとなると微妙なところではあるのだが、この馬力をどうみるか? 

野手では、斎藤 陽(仙台育英3年)右翼手が、近藤 健介 を彷彿とさせるような上手いバッティングが光った。また、ドラフト候補の  山田 脩也(仙台育英3年)遊撃手が、最後の最後でサヨナラ打を放つ活躍。地肩や走力など身体能力は悪くないが、プロに混ぜてしまう突き抜けたものがないところをどうみるか? 本人はプロ志望だということだが、センス型で大学進学タイプにも見えなくはない。ただし、バットの使い方が、山田哲人(ヤクルト)に少し似ているのが面白いなといった感じがした。もう少し他の試合もみて、見極めて行きたい。

一方、慶応では、清原和博氏の次男・清原 勝児(2年)三塁手が目立った。腕っぷしの強いパワフルな打者といった感じではあるが、慶応の野手陣の中ではお世辞抜きに、一番ひかるものを持っている。高校からプロといった匂いはしてこないが、兄同様に大学で野球を続けて行ける素材ではないのだろうか。

仁田 陽翔(仙台育英3年)投手 175/74 左/左
高橋 煌稀(仙台育英3年)投手 183/85 右/右
湯田 統真(仙台育英3年)投手 181/84 右/左
斎藤 陽 (仙台育英3年)右翼 166/77 右/左
山田 脩也(仙台育英3年)遊撃 177/71 右/右

小宅 雅己(慶応2年)投手 180/75 右/左
清原 勝児(慶応2年)三塁 175/80 右/右

2023年 選抜レポート3


大会二日目・第二試合 大分商 VS 作新学院

大分商の先発・児玉 迅(3年)投手は、球速こそ130キロ台中盤。それでも、キレのある球を低めに集めた。肘の使い方が柔らかく、ブレーキの効いたカーブ・スライダー・チェンジアップの変化球も良かった。高校の先輩である 川瀬 堅斗(オリックス)投手を彷彿とさせる好投手だった。先輩に比べると、球速・体格に見劣るだけに、大学などに進んで才能を育みたい。

作新学院の注目は、旧チームから活躍する 磯 圭太(3年)遊撃手。ショートとしては、やや重苦しい印象。それでも、強肩を生かして送球は安定していた。投手としてもマウンドに上がり、最速140キロを記録する重いボールを投げ込んでいた。将来的には、パワフル打撃をする打者としての才能ではないかとみている。

両チームとも、タレントが揃うというよりも、チーム総合力で勝負するといった感じ。最後までもつれる、好ゲームとなっていた。作新学院では登板がなかったが、小川 哲平(2年)右腕が登板が2回戦以降あるのか注目される。

児玉 迅(大分商3年)投手 173/73 右/右

磯 圭太(作新学院3年)遊撃 178/76 右/左


大会二日目・第三試合 英明 VS 智弁和歌山

智弁和歌山では、一番打者の 多田羅 浩大(3年)左翼手の快速ぶりが光った。左打席からの一塁到達タイムは、3.9秒前後とプロに混ぜても上位クラスの脚力の持ち主。試合でもショートゴロで内野安打を稼ぎ、盗塁を決めるなどその脚力を遺憾なく発揮した。

大会注目の強打者だった 青山 達史(智弁和歌山3年)は、外野からセカンドにコンバートされていたのは驚いた。けして動きの俊敏な二塁手ではなかったが、強肩でゲッツーが成立させやすかったり、丁寧にプレーしようとする姿勢は伝わった。むしろ自慢の打撃では、ボテボテの内野安打やレフト前へのポテンヒットなど、徹底的な内角攻めにあい芯で捉えた打球がなく甲子園をあとにした。特に長いリーチが逆に災いして、内角のさばきが窮屈であることを露呈した。高校からプロというよりも、有力大学などに進んで才能を磨いてゆくことになるのではないのだろうか。

一方の英明では、5番の 中浦 浩志朗(3年)捕手が光った。先発・下村 健太郎(3年)のナチュラルシュートする癖球や脱力したピッチングを活かす好リードが光った。打者の内角を厳しく攻め続けることで、智弁和歌山の強力打線をを封じた。また、高めや両サイドなどストライクゾーンを幅広く使うことで、相手に的を絞らせない工夫なども見られた。さらに、二塁までの塁間を 1.85秒前後で到達送球には目を見張るものがあった。キャッチングやフットワーク等は平凡だったが、リードセンスとスローイングには見るべきものがあった。打撃でも腕っぷしの強さを活かし、決勝打となるタイムリーを放って魅せた。高校からプロといった感じではないが、今後の試合でも相手をどんな形で翻弄してくれるのか興味深い。

多田羅 浩大(智弁和歌山3年)左翼 168/69 右/左
青山  達史(智弁和歌山3年)二塁 184/87 右/右

下村 健太郎(英明3年)投手 171/65 右/右
中浦 浩志朗(英明3年)捕手 177/82 右/右

2023年本当に凄いやつ73 石澤 大和(東農大北海道オホーツク3年)投手

リーグでは2季連続で最優秀防御率に輝いている 石澤 大和(東農大北海道オホーツク3年)左腕。全国レベル・あるいはプロを想定した場合に何が必要なのか? 今回は考えてみた。
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