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2019年夏 甲子園レポート12


大会七日目・第一試合 宇部鴻城 VS 宇和島東

背番号8をつけた先発の 岡田 佑斗(宇部鴻城3年)右腕は、腕をしっかり縦に振り実に回転の好いボールを投げ込んでくる。球速は130~135キロ程度だったが、こういう土台が好い選手はある日突然ボールがビックリするぐらい速くなるときがあるので、将来的に投手を続けるのも好いのかもしれない。その一方で、一番打者としてライトスタンドに突き刺さったときのスイングも圧巻だった。とにかくヘッドスピードが速く、ビックリするような打球を放つ。卒業後も、投打の可能性を意識しながら追いかけてみたい。

宇和島東では2番手に投げた 和田 真虎(2年)右腕が、均整のとれた体格を実にダイナミックに体を使い楽しみな本格派。まだ球速は135~MAX141キロ程度だが、一冬超えたら見違えるように良くなるかもしれない。切れ味鋭いスライダーを低めに集め、カーブやフォークといった変化球も悪くない。ビシッとして来ると、ドラフト候補に浮上しても不思議ではないだろう。

この試合では登板がなかったが、エースナンバーをつける 池村 健太郎(宇部鴻城3年)左腕がヒットを連発するなど、野手としての才能もあるところを示してくれた。また宇和島東では、7番打者ながらレフトへの大きなフライの次の打席では、レフトスタンドに叩き込んでみせた 兵頭 仁(3年)三塁手の打撃が目立った。7番を打っていたが、元々は4番を担うなど長打力には光るものを持っている。ボールの迎え方がよく、三塁手としても広い守備範囲を誇る。また一番を任せられていた 阿部 颯稀(3年)捕手も打撃ではレフト前へのヒット一本に留まったものの、捕手としてのセンスを感じさせる選手で、試合でどんぴっしゃの1.95秒の送球は見事だった。大学などでも、野球を続けて欲しい。

岡田 佑斗(宇部鴻城3年)投手 178/78 右/左
池村健太郎(宇部鴻城3年)投手 181/83 左/左

和田 真虎(宇和島東3年)投手 180/81 右/右
兵頭 仁 (宇和島東3年)三塁 169/75 右/右
阿部 颯稀(宇和島東3年)捕手 171/60 右/右

大会七日目・第二試合 海星 VS 聖光学院

両チームとも、突出した選手がチームを引っ張ってゆくタイプのチームではないように感じました。そんななか海星では、2番を打つ 大串 祐貴(3年)一塁手がチーム1の強打者。ボールの呼び込み方がうまく、腕っぷしの強さを活かしライトスタンドに叩き込んで魅せた。けして守備・走塁でアピールするタイプではないが、ぶりぶりとバットを振って「2番最強説」を地でゆく。

聖光学院の方では、3番を打つ 荒牧 樹(3年)二塁手が、力を内に凝縮するような隙のない構えに高い集中力が感じられる。それほど無理しなくても、スコーンと角度よく打球が飛んでゆくタイプで、2打席連続でスタンドに叩き込んだ。気になるのは、解説の中村順司氏(元PL学園監督)が指摘するように、送球が抜けがちだったり、キャッチングでもミスしたセカンド守備の方。打撃に好いものがあるだけに、守備・走塁を上のレベルで高めたい。

また八戸学院光星戦でリリーフ登板した 江越 永輝(海星3年)右腕は、173/65 と小柄な力投派。非常に柔らかい腕の振りが特徴で、コンスタントに140キロ前後~MAX146キロの球速が光る。速球と見分けのつかない腕の振りから繰り出されるスライダーのキレが圧巻である一方、速球が球速ほど苦になく振り抜かれていたのは気になる材料。いずれにしても投げっぷりの好さが魅力で、大学などでいかにスキルアップできるかではないのだろうか。将来、どのようなに投手に育ってゆくのか楽しみなのは間違いない。

大串 祐貴(海星3年)一塁 175/78 右/左
江越 永輝(海星3年)投手 173/65 右/右

荒牧 樹(聖光学院3年)二塁 171/71 右/右

大会七日目・第三試合 八戸学院光星 VS 智弁学園

49校最後の登場となった智弁学園の先発は、小畠 一心(1年)右腕。185/82 の大型右腕で、135キロ級の角度のある球筋が武器。カーブ・スライダー・フォークなどを織り交ぜる変化球は悪くないが、まだストレートのバラツキが顕著で収まりが悪い。今後体がビシッとして球筋も安定して来ると、スケールアップして行けるかもしれない。現状は驚くほどではないが、最終学年にどのレベルに達するのか見守ってゆきたい。

坂下 翔馬(智弁学園3年)遊撃手は、165/67 と小柄ながら、奈良大会打率.682厘・5本塁打・13打点の強打者。また守っても抜群に広い守備範囲を誇り、アクロバティックな動きで魅了する。ただしこの試合では、それほどショートとしての見せ場はなく終わってしまった。打撃では甘い球を逃さない集中力、ミートセンスの片鱗は魅せてくれたが、やはり高校からプロといった感じの打球ではなかった。大学の4年間で、どのぐらいの存在になりえるのか能力を見極めてゆきたい。イメージ的には、東海大時代の 平野 恵一(オリックス-阪神)を彷彿とさせる。プレースタイルは、奇声を発し気持ちを全面に押し出すファイター。大学時代の、平野 の領域まで到達するのか興味深い。

そのほか1番打者ながらパンチ力の効いた打撃が魅力の 塚本 大夢(3年)三塁手や、一年生ながら4番を任されていた 前川 右京(1年)左翼手に、マウンド度胸に優れた 西村 王雅(1年)左腕など、タレントの多いチームだった。

緒戦では取り上げなかったが、実績・経験豊富な 近藤 遼一(八戸学院光星3年)一塁手が、2試合連続の本塁打を含む4安打を放つなど高校球界では上位の強打者であることを改めて実証。先発した 横山 海夏凪(3年)左腕は、正統派のサウスポー。まだ球速は135キロぐらいだが、強力なチェンジアップを武器にしている。大学などで球速が上がってくるようだと、ドラフト候補に浮上してきても不思議ではないフォームの良さがある。

小畠 一心(智弁学園1年)投手 185/82 右/右
坂下 翔馬(智弁学園3年)遊撃 165/67 右/左
塚本 大夢(智弁学園3年)中堅 170/80 右/右
前川 右京(智弁学園1年)左翼 175/77 左/左
西村 大雅(智弁学園1年)投手 171/65 左/左

近藤 遼一(八戸学院光星3年)一塁 175/90 右/右
横山海夏凪(八戸学院光星3年)投手 177/70 左/左

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2019年夏 甲子園レポート11


大会六日目・第三試合 北照 VS 中京学院大中京

中京学院大中京の先発・不後 祐将(3年)左腕は、135キロ前後(MAX138キロ)だったが非常にキレのある真っ直ぐが目を惹いた。カーブ・スライダー・チェンジアップ系の球も織り交ぜ、相手にツケ入る隙を与えない。キレ型投手故に鈍ってくると打ち込まれるが、テンポや制球ももよく、センス溢れるサウスポーだった。大学や社会人あたりからは、引く手あまたのタイプではないのだろうか。今後もどんな活躍を魅せてくれるのか、追いかけてみたい一人。

その不後の好投を導いた 藤田 健斗(3年)捕手は、U-18日本代表候補。ミットが全くブレないキャッチング・ボールまわしの良さ・細かく指示の出せる捕手らしい捕手。打ってもチームの4番を務めるなど、高校球界でも上位クラスの捕手といった印象を受けた。ドラフト候補というよりは、有力大学などに進んで下級生の時からマスクを任されそうなタイプといった印象を受けるが、志望届けを提出しても下位でならば指名する球団があっても不思議ではない。スケールよりも、センスが勝った完成度の高い選手だった。

北照の先発・桃枝 丈(3年)右腕は、スリークォーター気味のフォームから135~MAX140キロの速球を投げ込んでくる。荒れ球で、なかなか的を絞り難い。この選手が好いのは、左打者内角に食い込んでくるスライダーに、左打者の外角に沈むシンカー系の球にも威力がある。変化球で空振りが奪える選手なので、上のステージでストレートの出力が上がって来ると面白い存在になりえるかも。また打っても4番を任される、この試合でも2安打を放っていた。

中京学院大中京では、県大会でも取り上げた 赤塚 健利(3年)右腕がリリーフで登場。193/103 の巨体から投げ下ろす140キロ台の速球が武器の素材型。投球の全てはストレートといった感じで、この試合では自己記録を塗り替えるMAX148キロまで到達。日本人離れした体格と、意外に要所では踏ん張れる精神面は素材型では終わらない将来性を感じさせる。現状プロ志望届けを提出しても育成指名があるかどうかだと思うが、これだけのスペックは魅力だけに指名の有無に関わらず気にしてゆきたい。

また最後のマウンドに上がった 元 謙太(2年)右腕&一塁手は、186/78 という素晴らしい体格の持ち主。しかし球速は135キロ前後と現時点では平凡で、将来性では9番打者とは思えないスイングから切り出す打者としての才能が勝る。県大会でもホームランを叩き込んだ打球をみたが、確実性を何処まで引き上げられるかではないのだろうか。

不後 祐翔(中京学院大中京3年)投手 170/72 左/左
藤田 健斗(中京学院大中京3年)捕手 173/73 右/右
赤塚 健利(中京学院大中京3年)投手 193/103 右/右
元  謙太(中京学院大中京2年)一塁 186/78 右/右

桃枝 丈(北照高校3年)投手 171/64 右/右

大会六日目・第四試合 花咲徳栄 VS 明石商

1年夏から甲子園で投げている 中森 俊介(明石商2年)右腕は、先発だと140~140キロ台中盤ぐらい。しかしリリーフで登場した八戸学院光星戦では、MAXで149キロまで到達するなど成長していることを実感させられた。181/79 とそれほど体格に恵まれているわけではないので、その成長力に不安を感じていたが、この一年で球威・球速はワンランク引き上げられた印象はある。スライダー・チェンジアップ・フォークなど多彩な変化球を織り交ぜ、世代を牽引する存在になりつつある。今夏~来夏までに、どのぐらいスケールを増してゆくのかチェックポイントとしたい。

花咲徳栄の方では、ドラフト候補の 韮澤 雄也(3年)遊撃手が、1安打で甲子園をあとにしたがバットコントロールの良さは健在だった。県大会までは、西川 愛也(西武)のような独特の腕の使い方を真似ていたが、甲子園ではシンプルな動きに変わっていた。守備では少々大事にアウトにしようと打球を下がって捕っていたのは気になったが、球際での強さは健在だった。5位前後ぐらいになってしまうかもしれないが、志望届けを提出すれば本会議の中では指名されるのではないのではないのだろうか。総合力では武岡 龍世(八戸学院光星)よりも劣るかもしれないが、打撃の潜在能力では韮澤の方が将来は上をゆくことになるかもしれない。

また4番の 井上 朋也(花咲徳栄2年)右翼手は、先輩の 野村 佑希(日ハム2位)内野手よりも対応力と右翼手としての守備力などは上を行っている気がする。投手としても140キロ台を連発できたり圧倒的な飛距離を誇った先輩よりも、肩・長打力で劣る印象はあるが、総合力で先輩と比べてどうなのか来年は気にしてゆきたい。ちみに一塁までの塁間は、右打席から4.35秒前後。左打者換算で4.1秒前後と、基準を満たすだけの脚力を持っている。個人的な好みでいえば、この 井上 の方が好きなタイプではある。いずれにしても、来年世代を代表する強打者という位置づけにはなってくるだろうし、当然ドラフトの有力候補に上がってくるだろう。

また 羽佐田 光希(3年)二塁手は、ホームラン性の特大ファールを打ったあとでも、打ち気に逸ることなく低めのボール球を見極めていたところには好感が持てた。また2番の 橋本 吏功(3年)中堅手らも、ミート力があり大学などでの活躍が期待される。

明石商の 来田 涼太(2年)中堅手は、すでに2年生ながら全国でもお馴染みの外野手。一年生の頃は柳田悠岐(ソフトバンク)ばりのフルスイングが印象的だったが、今はそこまで振り回さなくても結果が出るようになってきた。対応力、マインドなど来年の上位候補であるのは間違いない。ただし長打力・体格などのスケールでは柳田のようなスケールは感じられないのと、俊足ではあるが塁間4.1秒前後と思ったほどではないところが以前から気になっていった。もっと走力などはあると思うが、潜在能力がまだ引き出されていないのか? 底がそのへんなのか慎重に来年は見極めてゆきたい。現状は、藤原 恭大(大阪桐蔭-ロッテ)の方が近いタイプになりつつあるのかもしれない。

中森 俊介(明石商2年)投手 181/79 右/左
来田 涼斗(明石商2年)中堅 178/78 右/左

韮澤 雄也(花咲徳栄3年)遊撃 177/80 右/左
井上 朋也(花咲徳栄2年)右翼 180/80 右/右
羽佐田光希(花咲徳栄3年)二塁 173/73 右/右
橋本 吏功(花咲徳栄3年)中堅 168/78 右/右

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2019年夏 甲子園レポート10


大会六日目・第一試合 作新学院 VS 筑陽学園

筑陽学園は、神宮大会・選抜・春季九州大会・夏の選手権と、ことごとく大舞台で結果を残してきた強豪チーム。そのエースに成長したのが、西舘 昂汰(3年)右腕。恵まれた体格を生かした右の本格派で、球速は135~140キロ台前半ぐらい。外角一杯にカットボール気味の球を投げたり、内角の厳しいところで詰まらせることができる制球力があり、ボールが常に外に外にと微妙に動く。そのため生で見ると、イマイチボールが手元まで来ている感じがしないのはそのせいか? 変化球は、主にスライダー中心に織り交ぜてくる。この投手が好いのは、ピンチでも平常心で投げ続けられる精神面。個人的には大学に行ってからの方がという印象を受けているが、プロ志望届けを提出した場合に、育成あたりでの指名があっても不思議ではない。それだけ、秘めたるスペックは高そうなので。

むしろ高校からプロとなると、進藤 勇也(3年)捕手の方が現実的か。安定したキャッチングを軸に、リード・フットワーク・地肩と総合力に優れている。内角を積極的に突く大胆さに加え、試合後半にストレート中心の配球に変えるなど一試合トータルでリードできる。打っても6番だが資質は高く、チームでは最も頼れる打者といった感じで結果を残す。少々スローイングの際に腕が横から出たり体勢が崩れるなど安定感には欠けるが、1.9秒前後の送球で適度に刺せる肩がある。派手さはないが実力は確かで、下位指名~育成あたりならば高校からの指名がありそうな素材。

中村 敢晴(2年)遊撃手は、兄・宜聖(ソフトバンク)・父は日本文理大監督というサラブレッドで、攻守にまだ荒削りだがポテンシャルが高い。身体能力が高く強肩・俊足にパンチ力を秘めた打撃は、来年のドラフト候補。あとは何処まで、走攻守の確実性を高めて行けるかではないのだろうか。

作新学院では、1番を打っていた 福田 真夢(3年)左翼手が、大和(DeNA)のようなスイングが印象的。柔らかいバッティングをする選手で、それでいてパンチ力も秘めている。試合では左翼だったが、背番号は8。ワンバウンドするような打球を、スライディングしてアウトにしていた。延長で出塁すると、緊迫する場面でも臆することなく二盗塁・三盗を決めて魅せた野球センスも光った。また4番の 石井 巧(3年)遊撃手は、一成(早大-日ハム)内野手を兄に持つ。対応力が高く、パンチ力も秘めた好打者。遊撃手としても球際に強く、堅実で安定している。走力は一塁まで右打席から4.6秒(左打席換算で4.35秒と速くなく)兄ほどポテンシャルの高さは感じられないが、攻守のセンスという意味では上ではないのだろうか。実戦で力を発揮する、玄人好みの選手なのでは? 有力大学に進みそうな素材で、そこでどのぐらいの実績を残せるかではないのだろうか? またエースの 林 勇成(3年)右腕は135キロ前後と球速は地味だが、ズバッと決まってくる勢いは、球速表示より遥かに速く感じられた。

西舘 昂汰(筑陽学園3年)投手 187/84 右/右
進藤 勇也(筑陽学園3年)捕手 182/84 右/右
中村 敢晴(筑陽学園2年)遊撃 183/70 右/右

福田 真夢(作新学院3年)左翼 175/74 右/右
石井 巧 (作新学院3年)遊撃 178/74 右/右
林  勇成(作新学院3年)投手 178/80 右/左

大会六日目・第二試合 東海大相模 VS 近江

ショートとしてもドラフト候補の・遠藤 成(東海大相模3年)右腕が先発。神奈川大会ではエースナンバーをつけていたものの、わずか2試合の登板に留まった。そのため甲子園では、再び背番号6に戻っていた。非常にオーソドックスなフォームの投手で、球速は135~MAX145キロでテンポ好い投球が持ち味。スライダー・フォークなどの縦の変化を武器に、カーブなども織り交ぜまとまっている。元々中学時代から名の知れた投手だったらしいのだが、故障もあって野手として出場することがほとんどだった。それでも、野手が投げているといった感じはしない。

第一打席に出塁すると、二盗・三盗 を決めて、近江バッテリーを大いに揺さぶって魅せた。どちらかというと、打撃や守備の印象が強かった選手なので、走力でもそれだけアピールできるのかと驚いた。それでも、甘い球を逃さない「鋭さ」は健在。将来的にはこのショートもできる野手としての才能だと思うが、なにか系列の大学などに進みそうだというイメージはある。しかしこういった野球エリートでも、ボールに食らいつく泥臭さをこの選手は持っている。もしプロ志望届けを提出すれば、本会議中に指名されるのではないかとみているがどうだろうか。

近江の先発・林 優樹(3年)左腕は、大きく一塁側に踏み込んで投げるアウトステップが特徴のサウスポー。左打者にぶつかりそうな恐怖感を抱かせる球筋を活かし、両サイドを広く使ってくる投球が持ち味。球速こそほとんど130キロ前後と球威・球速は物足りないものの、スライダー・チェンジアップに威力があり、ストレートも低める集中力がある。味方のエラーなどで失点こそしたが、中盤までは安定した投球を示しており、評価を下げるといったことはなかったのではないのだろうか。対左打者中心の中継ぎタイプとしてマークしている球団もあると思うが、常識的には大学・社会人タイプなのではないかとみている。球筋を武器にするサウスポーにしては珍しく、制球力・変化球にも良さがある稀少価値の高い存在。上のレベルで総合力をさらに引き上げられれば、近い将来のプロ入りも現実味を帯びてきそうだ。

高校球界でも屈指の好捕手と呼び声の高かった 有馬 諒(近江3年)捕手は、東海大相模の打力よりも走力に翻弄された。有馬自身も送球ミスなどらしくないプレーも見られたが、むしろ相模の走力のプレッシャーに県大会無失策の内野手のミスが頻発した。それでも中盤までは、林の好投を導くリードや第一打席にはレフト線にツーベースは放って魅せた。しいていえばこの選手、スローイングが塁間1.9秒前後とドラフト候補としては平均的。状況に応じて勝負強い打撃は魅せてくれるが、ポテンシャルで圧倒するプロスカウト受けするタイプではない。進学も噂されており、大学ジャパンの正捕手などアマの王道を突き進み、4年後のプロ入りを目指す方が正解なのかもしれない。個人的には捕手らしい捕手として今年の高校生の中では最も評価しているが、プロ志望届けを提出すれば中位ではと評価するが提出するだろうか?

昨年甲子園最高打率を残し、多賀監督も「もう二度と出会えないかもしれない選手」と評している 住谷 湧也(近江3年)中堅手だが、この試合では最終打席に放ったヒット1本で甲子園をあとにした。センターからの返球で肩は悪くなかったが、ホームに送球している間に二塁を陥れるなど、状況判断の悪さが気になった。この非凡なボール捌きは、プロよりも大学などアマチュア球界で生かされることになりそうだ。

遠藤 成 (東海大相模3年)投手 178/82 右/左

林  優樹(近江3年)投手 174/64 左/左
有馬 諒 (近江3年)捕手 183/81 右/右
住谷 湧也(近江3年)中堅 170/70 左/左

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2019年夏 甲子園レポート9


大会五日目・第ニ試合 山梨学院 VS 熊本工業

山梨学院では、プロ注目の 野村 健太(3年)右翼手。位置づけとしては、今年の高校生で飛距離は屈指のものがある右のスラッガー。ただしこの試合でも3安打放っていたのだけれども、芯でキッチリ捉えられた打球ではなかった。けして当て勘が悪いわけではないけれど、金属打ちという感じで芯の狭い木製バットでは苦労しそうな気が。守備・走力のレベルが低い選手だけに、プロ志望届けを提出しても、指名の最後の方か育成あたりといった感じになりそう。本人もプロ志望届けを出すかは微妙とのことだが、個人的には木製バットでしっかり実績を残してからでもプロ入りは遅くはないのではないかという気はしている。

熊本工業では、2番手の 村上 仁将(2年)右腕。170/73 と少しぼってりした体格で、もう少し身体やボールに切れが欲しいところ。それでも球速は、135キロ~後半ぐらいは出せており、来夏には140キロ台を連発するぐらいには成長していそう。変化球もスライダーやチェンジアップなども織り交ぜ、ある程度まとめることができていた。来年のドラフト候補かは別にして、熊本を代表する投手には成長しそう。またその村上が弱気になったところを、うまく盛りたてて好投を導いていた 青山 典勢(3年)捕手は、なかなかの好捕手。肩も悪くないし、ディフェンス全般に捕手らしさが感じられ大学などでも野球を続けて欲しい選手だった。

山梨学院では、横を抜ける打球をダイビングキャッチしてアウトにした 小吹 悠人(2年)遊撃手。180センチ台の大型ショートの割には動きがよく、打撃の成長が見られるようだとスケールな大きな内野手としてドラフト候補に浮上して来るかもしれない。

野村 健太(山梨学院3年)右翼 180/88 右/右
小吹 悠人(山梨学院2年)遊撃 180/81 右/右

村上 仁将(熊本工業2年)投手 170/73 右/右
青山 典勢(熊本工業3年)捕手 175/72 右/右

大会五日目・第三試合 広島商 VS 岡山学芸館

アクシデントで急遽マウンドにあがった 中川 響(岡山学芸館3念)右腕は、135キロ前後ぐらいの球速ながら内外角・低めに集める丹念なピッチングが持ち味の正統派。スライダーや積極的にスプリットを織り交ぜるスタイルで、身体ができてくると土台はしっかりしているだけに楽しみ。140キロ台中盤まで出せる能力があるということで、今後は平均してそういった球が投げられるようになることが課題だろうか。大学などに進み、素直に全体の出力アップを望みたい。

この試合では投げなかったが、続く作新学院戦で登板した 仲村 竜(1年)右腕も将来楽しみな本格派。184/76の均整の取れた体格から、癖のないキレイなフォームで投げ込んでくる好素材。まだ球速は130キロ台だったが、2年後にはドラフト候補への期待も高まる将来性を秘めた素材だった。また野手だと、ボールの呼び込み方にセンスを感じさせる核弾頭・好田 凌(3年)右翼手の打撃が気になった。大学などに進んでも、注視してみたい選手だった。

一方の広島商業では、1番の 天井 一輝(3年)中堅手の、振り出しに優れたスイングが目を惹く。守もはまずまず良さそうだが、この試合でよくわからなかった走力など含めて、もう少し広島大会などの模様も確認して能力を見極めてゆきたい。大学進学だとは思うが、どのぐらいの実績を残すのか興味深い天才肌。

また4番の 真鍋 駿(3年)三塁手の、潔いスイングから繰り出す打球が凄かった。県大会で本塁打は0だったが、大学で環境が合えばブイブイ本塁打を連発しそうなスラッガー候補。三塁守備が緩慢なところを、岡山学芸館に浸け込まれるなど守備や走塁などに課題がありそうだった。

中川 響(岡山学芸館3年)投手 180/80 右/右
仲村 竜(岡山学芸館1年)投手 184/76 右/右
好田 凌(岡山学芸館3年)右翼 170/73 右/右

天井 一輝(広島商3年)中堅 178/78 右/左
真鍋 駿 (広島商3年)三塁 181/80 右/右

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2019年夏 甲子園レポート8


大会四日目・第四試合 鶴岡東 VS 高松商

香川 卓摩(高松商3年)は、全国でもお馴染みのサウスポー。135キロ前後のキレのある真っ直ぐに、低めにチェンジアップやスライダーを集めて三振を奪う好投手。キレ型ゆえに空振りを誘えるいっぽうで、甘く入ると長打をくらいやすい球質。マウンドさばきは洗練しているが、意外に細かいコントロールがないのが課題ではある。いずれにしても社会人に進む予定だそうなので、そこでいかに全体のスキルアップができるかではないのでしょうか。早熟で伸び悩むのか? 実戦力に強さが加わって、いっきに3年後あたりにプロ入りを実現できるのか見守りたい。

鶴岡東の先発・影山 雄貴(3年)左腕は、186/80 の大型で荒れ球で的を絞り難い。球速的には香川と同様に135キロ前後ぐらいでも、こちらは球威型。ヒットを打たれても、意外に連打を喰らい難いタイプではないのだろうか。ただしコントロール・キレともまだまだなので、上のレベルで通用するためにはスキルアップが望まれる。大学などで、うまく資質を伸ばしてくれる環境に出会いたい。

鶴岡東では、丸山 蓮(3年)左翼手の思っきりの好いスイングを生かした長打力が魅力。習志野戦では、右に左に本塁打を連発した。高校球界では貴重な大物打ちで、右方向へも打球がよく伸びる。しかし守備・走塁レベル(右打席から4.6秒強)が高い選手ではないので、高校からプロとなるとどうなのだろうか?本人がプロ志向が高く志望届けを提出した場合に、面白いと育成あたりで評価する球団が出てくるか? それともワンクッション置いて、上のレベルの野球でどのぐらいやれるか見極めてからという判断になるのだろうか? 今後の試合もみて、見極めてゆきたい。

高松商では、2番の 大塚 慶汰(3年)遊撃手の、安定した守備が光った。派手さはないが堅実で、野球を知っている選手だけに監督として起用しやすいタイプだろう。打っても低めの難しい球を拾ってセンター前にはじき返したり、バットコントロールの良さが光った。

香川 卓摩(高松商3年)投手 165/62 左/左
大塚 慶汰(高松商3年)遊撃 174/62 右/右

影山 雄貴(鶴岡東3年)投手 186/80 左/左
丸山 蓮 (鶴岡東3年)左翼 183/80 右/右

大会五日目・第一試合 日本文理 VS 関東一

関東一の2番手・谷 幸之助(3年)右腕は、130キロ台後半~140キロ台中盤の速球には威力があった。6月に見た時は、もっと全身を使ってガンガン投げ込む力投派といった印象だったが、今はコントロールに気をつけてキャパを抑えて投げている感じ。ストレートの勢いだけでなく、縦に切れ込むスライダーやフォークなど縦の変化に威力がある。投げてみないとわからない危うさはあるものの、好調時の投球には見るべきものがある。高校からプロとなるとまだ怖い部分があり、ワンクッション置いてしっかりした土台を構築してからでもプロは遅くはないのではないのだろうか。

日本文理も2番手の 長谷川 優也(2年)が135~140キロ級のボールを投げていた。背番号5を付けているように本職ではないようなので、まだ球速ほどボールが手元まで来ていない。しかし縦に鋭く落ちるチェンジアップは一級品で、秋以降投手に専念できれば来夏までには新潟を代表する投手に育ってゆきそうだ。

また両チームの先発である 土屋 大和(3年)右腕や 南 隼人(3年)右腕は、非常にキレイなフォームから投げ込む正統派右腕。ともに130キロ台中盤~後半ぐらいの平凡な球速ではあったが、球速以上にボールは手元まで来る感じだし、変化球も含めて総合力に優れた好投手。2人ともうまく大学などで肉付けできると、土台が良いだけに大化けしても不思議ではない。

野手では、関東一の核弾頭・大久保 翔太(3年)中堅手の走力と、日本文理の2番打者・長坂 陽(3年)の粘り強い打撃と軽快な遊撃守備が眼を惹いた。他の試合の模様もみて、能力を見極めてゆきたい選手達だった。

谷 幸之助(関東一3年)投手 177/82 右/左
土屋 大和(関東一3年)投手 175/74 右/右
大久保翔太(関東一3年)中堅 173/64 右/左

長谷川 優也(日本文理2年)投手 175/72 右/右
南   隼人(日本文理3年)投手 176/74 右/右
長坂 陽  (日本文理3年)遊撃 175/65 右/右

 

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