センバツが行われているなか・・・
2009/03/22|Category:観戦記
今日からセンバツ大会が行われると言うのに、私は電車を5回乗り継ぎ、東京は日の出町にある亜細亜大学グランドに足を運んでいた。亜細亜大のグランドは、私の家から2時間半あまり。かなり遠いので、ちょっとオープン戦を観にとはいえない距離。おまけに、バックネット裏からの環境もあまりよくはなく、私がこのグランドを訪れたのは、恐らく7,8年ぶりだったのではないのだろうか?
私が今回足を伸ばそうと決意したのは、数年前にバックネット裏が改修されたと聞いていたのと、平日開催で観戦予定がたたない、亜細亜大と中央大の東都一部校同士の対決だったからである。実際のところ、昨日の試合は非常に収穫の多い試合となった。
私がスタンドに行く途中、ブルペンで昨年のセンバツ優勝投手である東浜巨(沖縄尚学出身)投手が、投げて込んでいた。センバツ帰りの沖縄尚学のメンバーは、春季九州大会(長崎)で、私のすぐ隣に陣取っていたのを思い出す。私のすぐ近くに座っていた東浜と比べると、真っ黒に日焼けしたその顔つきは、もうかつての「ニコニコ坊や」ではなく、精悍な顔つきへと変化していた。今日の先発は、この東浜だと確信してスタンドに陣取る。
亜細亜大の先発、東浜巨(1年・沖縄尚学出身)投手は、凄みこそないが、非常に投球センスに優れた投手だった。球速こそ常時135~MAX89マイル(142.4キロ)程度で、ストレートで相手を押し込む程の迫力はない。
しかしその速球の多くは、ツーシーム的にボールを動かしたり、速球より軽く沈むスピリット的なフォークなどの球速豊かな微妙な変化と、カーブ・スライダーを織り交ぜながら、要所ではフォーシーム系のしっかりとした回転のストレートをビシと打者の手の出せないところに投げ込んで決める、メリハリのある投球を披露。開幕から亜大の主戦を任されることが充分予想され、東都のニュースター誕生は時間の問題だろう。凄いと言うよりは、やっぱり好い投手と言う印象が強く、ハンカチ王子こと斉藤佑樹を観ているのと、似た感覚に陥る存在だった。
今日の観戦で際だっていたのは、次の3人。ブーチャンことドラフト注目の強打者・中田 亮二。強打の右のスラッガーの中原(下平)恵司。そして中央大の井上晴哉(2年 崇徳出身)一塁手。
中田 亮二(4年 明徳義塾出身)一塁手は、新主将にもなり、気持ちが全面に出たプレースタイル。二つのタイムリーに、ライトオーバーの長打もあるなど、打撃に凄みが出てきた。けして打球が上に上がるタイプではないが、初球から甘い球を逃さない「鋭さ」に磨きがかかり、ちょっと打撃では大学球界でも抜けた存在になりつつあるのかもしれない。主将&ドラフト候補と言う重圧がかかる中、今春のリーグ戦での成績が気になるところ。今日の内容ならば、充分にプロ入りに◎を付けられる素晴らしい内容だった。
その中田の後を打つのは、4番の中原恵司(旧下平・4年・武蔵工大二出身) 右翼手。中田が隙なしの踏み込みを魅せるのとは対照的に、かなり受け身なプレースタイルを印象づける選手。それでもじっくり球を選んでは、二つの本塁打を含む三安打。特に2本目目の本塁打は、レフトポール際にあわや本塁打の大ファールの後の、レフトスタンドへの本塁打で、中田にはない、ボールを遠くに運べると言う飛距離は学生球界でもトップクラスだろう。またライト方向にもポテンヒットを記録するなど、単に巻き込むだけの打者ではないことがわかる。こちらも学生球界屈指のスラッガーとして、今季の飛躍が大いに期待される。
すでに2年生にして、この亜大コンビにヒケを取らない存在感を示したのが、中央大井上晴哉(2年 崇徳出身)一塁手。とにかくパワフルな体型から繰り出す強打は、全国の大学生でもトップクラスに成長。崇徳時代から、スラッガーとしての資質が高い選手だったが、まだまだ粗さが目立っていた。しかし戦国東都で揉まれてきた経験で、すでにそのポテンシャルで圧倒出来る程に成長。迫力とパワーならば、亜大ドラフト上位候補コンビより上ではないかと思えるほど。昨日は、レフトスタンドへの本塁打やレフトオーバーの当たりを放ち存在感をアピール。堂々とした打席での雰囲気、パワフルな体格から繰り出される打球などを観ていると、村田修一(日大-ベイスターズ)以来のスラッガーになれる素材ではないのだろうか。守備は一塁手をしていたが、それも無難にこなしていた。
その他目立っていたのは、亜大の核弾頭・石井大輔(4年 成立学園出身)遊撃手。ボールを的確かつ強く叩けるスイングが魅力で、遊撃手としてもミスはあったもののスピード感を感じさせてくれていた。内野手の候補が不足する今年は、ちょっとチェックを入れてみる必要があるかもしれない。中央は、同じ東都一部チーム相手と言うことで、主戦投手は登板させず。亜大では、最後にリーグ戦での経験も多い、北原郷大(3年 穴吹出身)投手が、サイドから球威のある140キロ前後の球速ながら、堂々としたピッチングで貫禄を感じさせてくれた。リーグ戦でも、主戦として亜細亜の投手陣を支える存在になりそうだ。
全体的に亜大勢の活躍で圧倒した形になった試合。両軍レフトスタンドに、ポンポン本塁打が飛び出す花火大会となった。しかし中央は、自慢の主力投手が登板せず。ただ共に、非常に人材が豊富といった印象を受ける。これだけタレントが揃っている大学も、全国で殆どないだろう。2時間半はかかったが、非常に良いものを魅せてもらった一日だった。
亜細亜大グランド JR武蔵五日市線 武蔵引田駅下車 徒歩約10分
以前来た時は、梅林しか記憶がないぐらい、何にもなかったところだった。しかし近くに大型のサティが出来るなど、以前よりは随分とグランド共々発展した印象。
私の家からは、武蔵引田までは、なんと乗り換え4~5回必要で、時間に直しても2時間半以上はかかる道のり。そう簡単に行ける距離にではない。しかしながら、駅からは平坦で10分弱程度と非常に近くに感じられ、またバックネット裏も球場形式になり、格段に以前よりも綺麗で見やすくなった。
亜大にはタレントも多いし、強豪校との対戦も豊富。対戦カード次第では、また足を運んでみたいと思わせるグランドだった。特に交通のアクセスで私よりも簡単に行ける方には、外部からの観戦者も入りやすい雰囲気。メンバー表や座布団なども用意してくれて、可愛いマネージャーさんが走り回って頑張っている姿には好感(大学の女子マネって、ブレザーですまして歩いている人多いでしょ)。部員も礼儀正しいし、気分よく外部者が観戦出来る、ナイスな環境だった。
私が今回足を伸ばそうと決意したのは、数年前にバックネット裏が改修されたと聞いていたのと、平日開催で観戦予定がたたない、亜細亜大と中央大の東都一部校同士の対決だったからである。実際のところ、昨日の試合は非常に収穫の多い試合となった。
私がスタンドに行く途中、ブルペンで昨年のセンバツ優勝投手である東浜巨(沖縄尚学出身)投手が、投げて込んでいた。センバツ帰りの沖縄尚学のメンバーは、春季九州大会(長崎)で、私のすぐ隣に陣取っていたのを思い出す。私のすぐ近くに座っていた東浜と比べると、真っ黒に日焼けしたその顔つきは、もうかつての「ニコニコ坊や」ではなく、精悍な顔つきへと変化していた。今日の先発は、この東浜だと確信してスタンドに陣取る。
亜細亜大の先発、東浜巨(1年・沖縄尚学出身)投手は、凄みこそないが、非常に投球センスに優れた投手だった。球速こそ常時135~MAX89マイル(142.4キロ)程度で、ストレートで相手を押し込む程の迫力はない。
しかしその速球の多くは、ツーシーム的にボールを動かしたり、速球より軽く沈むスピリット的なフォークなどの球速豊かな微妙な変化と、カーブ・スライダーを織り交ぜながら、要所ではフォーシーム系のしっかりとした回転のストレートをビシと打者の手の出せないところに投げ込んで決める、メリハリのある投球を披露。開幕から亜大の主戦を任されることが充分予想され、東都のニュースター誕生は時間の問題だろう。凄いと言うよりは、やっぱり好い投手と言う印象が強く、ハンカチ王子こと斉藤佑樹を観ているのと、似た感覚に陥る存在だった。
今日の観戦で際だっていたのは、次の3人。ブーチャンことドラフト注目の強打者・中田 亮二。強打の右のスラッガーの中原(下平)恵司。そして中央大の井上晴哉(2年 崇徳出身)一塁手。
中田 亮二(4年 明徳義塾出身)一塁手は、新主将にもなり、気持ちが全面に出たプレースタイル。二つのタイムリーに、ライトオーバーの長打もあるなど、打撃に凄みが出てきた。けして打球が上に上がるタイプではないが、初球から甘い球を逃さない「鋭さ」に磨きがかかり、ちょっと打撃では大学球界でも抜けた存在になりつつあるのかもしれない。主将&ドラフト候補と言う重圧がかかる中、今春のリーグ戦での成績が気になるところ。今日の内容ならば、充分にプロ入りに◎を付けられる素晴らしい内容だった。
その中田の後を打つのは、4番の中原恵司(旧下平・4年・武蔵工大二出身) 右翼手。中田が隙なしの踏み込みを魅せるのとは対照的に、かなり受け身なプレースタイルを印象づける選手。それでもじっくり球を選んでは、二つの本塁打を含む三安打。特に2本目目の本塁打は、レフトポール際にあわや本塁打の大ファールの後の、レフトスタンドへの本塁打で、中田にはない、ボールを遠くに運べると言う飛距離は学生球界でもトップクラスだろう。またライト方向にもポテンヒットを記録するなど、単に巻き込むだけの打者ではないことがわかる。こちらも学生球界屈指のスラッガーとして、今季の飛躍が大いに期待される。
すでに2年生にして、この亜大コンビにヒケを取らない存在感を示したのが、中央大井上晴哉(2年 崇徳出身)一塁手。とにかくパワフルな体型から繰り出す強打は、全国の大学生でもトップクラスに成長。崇徳時代から、スラッガーとしての資質が高い選手だったが、まだまだ粗さが目立っていた。しかし戦国東都で揉まれてきた経験で、すでにそのポテンシャルで圧倒出来る程に成長。迫力とパワーならば、亜大ドラフト上位候補コンビより上ではないかと思えるほど。昨日は、レフトスタンドへの本塁打やレフトオーバーの当たりを放ち存在感をアピール。堂々とした打席での雰囲気、パワフルな体格から繰り出される打球などを観ていると、村田修一(日大-ベイスターズ)以来のスラッガーになれる素材ではないのだろうか。守備は一塁手をしていたが、それも無難にこなしていた。
その他目立っていたのは、亜大の核弾頭・石井大輔(4年 成立学園出身)遊撃手。ボールを的確かつ強く叩けるスイングが魅力で、遊撃手としてもミスはあったもののスピード感を感じさせてくれていた。内野手の候補が不足する今年は、ちょっとチェックを入れてみる必要があるかもしれない。中央は、同じ東都一部チーム相手と言うことで、主戦投手は登板させず。亜大では、最後にリーグ戦での経験も多い、北原郷大(3年 穴吹出身)投手が、サイドから球威のある140キロ前後の球速ながら、堂々としたピッチングで貫禄を感じさせてくれた。リーグ戦でも、主戦として亜細亜の投手陣を支える存在になりそうだ。
全体的に亜大勢の活躍で圧倒した形になった試合。両軍レフトスタンドに、ポンポン本塁打が飛び出す花火大会となった。しかし中央は、自慢の主力投手が登板せず。ただ共に、非常に人材が豊富といった印象を受ける。これだけタレントが揃っている大学も、全国で殆どないだろう。2時間半はかかったが、非常に良いものを魅せてもらった一日だった。
亜細亜大グランド JR武蔵五日市線 武蔵引田駅下車 徒歩約10分
以前来た時は、梅林しか記憶がないぐらい、何にもなかったところだった。しかし近くに大型のサティが出来るなど、以前よりは随分とグランド共々発展した印象。
私の家からは、武蔵引田までは、なんと乗り換え4~5回必要で、時間に直しても2時間半以上はかかる道のり。そう簡単に行ける距離にではない。しかしながら、駅からは平坦で10分弱程度と非常に近くに感じられ、またバックネット裏も球場形式になり、格段に以前よりも綺麗で見やすくなった。
亜大にはタレントも多いし、強豪校との対戦も豊富。対戦カード次第では、また足を運んでみたいと思わせるグランドだった。特に交通のアクセスで私よりも簡単に行ける方には、外部からの観戦者も入りやすい雰囲気。メンバー表や座布団なども用意してくれて、可愛いマネージャーさんが走り回って頑張っている姿には好感(大学の女子マネって、ブレザーですまして歩いている人多いでしょ)。部員も礼儀正しいし、気分よく外部者が観戦出来る、ナイスな環境だった。
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