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プロ野球ドラフトサイト「迷スカウト」の管理人・蔵建て男が、日本中を駆け巡り本音でトーク!

2009年秋・関甲新リーグ

群馬の伊勢崎にある上武大Gに、今季初の関甲新リーグを観に行ってきました。日曜日の観戦と言うことで二日目だったので、見たかった4年生が見られるか心配でしたが、思いのほか多くの4年生をチェック出来ました。

第一試合 作新学院大 VS 上武大

作新学院大の先発は、小林と言う投手。上武大の先発は、小向修治(八王子実践出身 3年)右腕。小林は、立ち上がりから甘い球を上武大打線に打ち込まれ、早々降板。小向は、オーソドックスな右上手投手で、130~135キロぐらいの速球に、カーブ・スライダーなどを投げ込んで来る右腕。両先発に、これは!と言うものはなかったものの、作新は2番手に劉昌俊(作新学院出身 2年)を投入。この投手は、高校時代も栃木で話題の本格派だった。184/90 の見事な体格の投手で、ボールに角度があり本格派としての雰囲気は充分。ただ現状は、135キロ前後の速球とカーブ・スライダーなどを投げ込む普通の投手で、もう一皮剝けないかなと言うのが率直な感想だった。

上武大では、その後・矢作-赤羽-野口-斉藤とつなぎ、秋のMVPにも輝いたエースの松永大介(九州学院出身 2年)投手以外の投手が多く登場。特に最後に登板した斎藤康樹(春日部共栄出身 3年)投手は、194/84 の長身が目を惹く選手。ただ球速は、135~後半程度で、昨年見た時よりもスピードが感じられなくなっていたことが残念だった。

そんな中、作新学院大は、プロ志望届けも提出しているエース寺田哲也(作新学院出身 4年)を投入。寺田は、相変わらず大人しい感じのフォームの正当派右腕で、球速は130~MAX86マイル(137.6キロ)ぐらいの速球に、カーブ・スライダーなどを織り交ぜる投球。制球や1.2秒前後のクィックなど適度にまとまっているが、球威・球速不足の上、やや全体的に球が高いなど、ドラフト指名となると厳しいかなと言うのが率直な感想だった。

その他、志望届け提出組では、その寺田と高校時代からバッテリーを組む、笹沼明宏(作新学院出身 4年)捕手。ディフェンス力は適度にまとまり力はあるものの、スローイングは2.1秒前後と平均的。特にテイクバックをあまりとらないでスローイングするタイプなので、制球が不安な点が気になるところ。チームの4番を務める打撃も、この日は1打席目にライト前に上手くはじき返していたものの、プロとなるとインパクト不足かなと。攻守にバランスの取れた好捕手ではあるが、プロとなると物足りないかなと言うのが率直な感想。

一方、上武の4番を務めていたのは、同じく志望届けを提出している安達了一(榛名出身 4年)遊撃手。この選手、春のリーグ戦では、4本塁打 17打点 打率.436厘と際だった成績を残せるようになり急成長。捕ってから素早いスローイングに、地肩もまずまずで、上のレベルでも遊撃と言わないまでも二塁あたりならば面白そうな素材。打っても広角に打ち返す技術があり、今の関甲新リーグでは抜けた存在なのかなと言う印象を受けた。あまり話題になっていないが、来週の月曜日に行われる神宮大会の関東予選でのアピール次第では、ドラフト指名の可能性も期待させるだけの力がある内野手だ。

またドラフト候補として話題になっていた松井 雅人(桐生第一出身 4年)捕手は、前日に優勝を決めたと言うことで、試合途中から登場。捕手としてのインテリジェンスを感じるかは別にして、スローイング・キャッチングなどなど捕手としての総合力はそれなりにある選手。今年の大学・社会人捕手の人材の薄さを考えると、名前が浮上して来るのもわからなくはない。春・打率.190厘と打撃でアピール出来なかったものの、けして打力のない選手でもないので、彼も神宮大会での予選でのアピール次第ではといった印象もあり、今度はスタメンで出場して来るだろうから、再度チェックを入れてみたい存在だ。

安達・松井は、来週の月曜日から神宮大会の出場を賭けた、関東代表決定戦が横浜Sで行われるので、その時に再度観てみて、最終的な評価をしてみたい。作新学院大は、久々にプロ志望届けも提出しているバッテリー・寺田・笹沼の最後の勇姿を見られて充実した観戦となった。

第二試合 平成国際大 VS 白鴎大

大学選手権にも出場した白鴎大は、見たかった本多俊弘(宇都宮工出身 4年)投手が第二戦に登場。また平成国際大も上杉真也(東京学館新潟出身 4年)が先発で、両4年生の最終チェックが出来て個人的にはラッキーだった。

本多は、常時135キロ前後(MAX86マイル 137.6キロ)の速球に、曲がりながら落ちるブレーキの効いたスライダーを武器に、縦に落ちるシンカー系の球もあるようなスリークオーター。元々適度にまとまった好投手タイプで、大学選手権では140キロ台の球を投げ込んでいて驚かされた。しかしこの日は、球威・球速とも物足りない印象。また制球も、高めに球威のない球が浮いたところを痛打され、試合序盤で降板している。このまま社会人などに進むことになると思うが、もうワンランク上の球威・球速を身につけたい。

一方の上杉は、腕の振りと体重移動の良さを感じさせる本格派。球速は、130~135キロぐらいで(初回は140キロ近く出ていたかもしれないが)、イニングが進むにつれ球威・球速が落ちて来るところが気になった。変化球は、スライダー・チェンジアップなどもあるが、甘く入る球も多く、白鴎打線に痛打を浴びる場面が目立った。持っているものは悪くないので、もう少し投球の繊細さを求めたい。

平成国際大は、昨年の関東大会の時にも触れた、木内翔太(霞ヶ浦出身 1年)遊撃手が、よく粘った末に、第一打席にライトスタンド弾。春は、打率.138厘と苦労したようだが、その経験が生きてきたようだ。攻守にセンスを感じさせる選手で、今後、関甲新を代表する選手に成長しそうな選手。

その他、3番を打つ野呂 大樹(堀越出身 3年)中堅手は、パンチの効いた打撃が目立つ強打者。それでいて春のリーグ戦、盗塁9個の俊足も魅力。来年に向けて、注目してみたい一人。また4番の澤山翔太(姫路工出身 4年)捕手は、まさに強肩・強打の捕手。けしてスラッガーではないが、センター方向に強烈な打球を打ち返す強打者。またスローイングも中々のもの。社会人に進んでからの活躍も期待してみたい存在だ。

白鴎大は、快足の中島ユン(羽黒出身 3年)中堅手は、肩は基準レベルながら、塁間3.9秒台の俊足選手。走力があるだけに、盗塁でのアピールを期待したい。ただミートセンスなど、打撃も悪くない好選手。4番の塚田正義(古河第一出身 2年)一塁手も健在ぶりをアピール。

そんな中、目を惹いたのは、3番・岡島豪郎(関東学園大附出身 2年)右翼の鋭いスイングと脚力も塁間3.95秒強ぐらいと中々もの。また5番に座った・ヴィアナ・ウェリソンの右中間スタンドへの本塁打は圧巻。今年見たアマの試合では、NO.1の打球ではなかったのだろうか。高校時代は、少々脆い印象があったが、別の打席でもセンターにしっかり捉えた打球が飛ぶなど、ボールを捉える技術にも成長の証が。打球のパワフルさは、強打者の揃った白鴎大打線でも一番だった。


白鴎大は、上武大共に神宮大会の出場権を賭けて、26日の月曜日から行われる関東代表決定戦・横浜市長杯にまわることが確定した。強打者の揃った白鴎大打線を、ここで再度じっくり見てみたいと思う。平成国際大も、中々好選手は多いだけに、来年以降にも期待の持てる内容だった。

関甲新リーグは、中々我が家から遠いので、足を運ぶのも大変なのだが、見に行けば期待を裏切らない面白い選手が多い。今回もその期待を裏切らない新鮮味溢れる観戦ができ、個人的には満足の行く観戦が出来た。


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