85・86 2010年夏 愛知・大阪大会 7月25日
2010/07/26|Category:観戦記
この日の遠征は、気温予想37度の名古屋・瑞穂球場にまず行きました。ここでの注目カードは、愛知屈指の名門・東邦VS愛工大名電 の試合。ちなみに第二試合には、選抜出場の中京大中京も登場すると言うことで、瑞穂は、早くから立ち見状態。試合の30分前に会場に入った私も、球場最上段で立ち見観戦せざるえませんでした。
この試合のお目当ては、プロ注目の大型外野手・谷口 雄也(愛工大名電3年)中堅手のチェックでした。この選手を試合前練習から見たく行ったのですが、地肩は基準以上で、まずまずのものがあります。打球への勘・守備力も好いものがあります。この選手、ちょっとプレー全体が雑と言うのか、格好つけたがるタイプなので、その辺がどうなのかな?と言う気が致します。ただ持っている身体能力・技術は、なかなかものです。
走塁も、リードが小さく、50メートル5秒台と言われる脚力はどうなのかな?と思ってみておりましたが、相手の隙を突く走塁センスもなかなかもの。その走力以上に、相手への洞察・次の塁を狙う意欲と言う意味では、上のレベルでも通用する走力を身につけていると言えるでしょう。こと守備・走力に関しては、プロでも通用するだけの下地があります。
打撃に関しても、一打席目は、外角の難しい球を上手く合わせて三遊間への技あり。二打席目は、内角の厳しい球を引っ張って一二塁間を抜けて行くなど、内外角の難しい球をヒットゾーンに持って行く技術が目立ちました。特にスイングに凄みがあると言うよりは上手さが際だつ内容。
この選手、三拍子バランスの取れたプレーヤーでした。特に俊足・巧打タイプで候補となると、なかなか全国にはおらず、私が知る限り、走力・守備力を将来売りにできそうな外野手では、NO.1ではないかと思います(まだ未確認の選手も沢山おりますが)。ただ先にも述べた通り、プレーが雑な面があったり、一つ一つの動作に意識の高さから来る「鋭さ」はあまり感じません。天才肌なのかもしれませんが、その辺が高卒プロとして、どうなのかな?と言う気は致します。確かに素材としては、プロ級なのですが・・・。
瑞穂を序盤戦であとにして、次に向かった先は、大阪・舞洲球場。先週も訪れた会場ですが、二週連続で行きました。舞洲は、当日トライアスロン大会が行われており、交通規制がひかれておりました。そのため球場前までバスが行かない上、かなり道が混雑しておりました。それでも私が会場に着いた時は、前の試合の中盤。気温は、みるみる上がり、予想どおり36度まであがってました。ただこの日の関西は、いつものようなベト~とした蒸し暑さはなく、比較的湿度が低い上に、風も少しあったのが救いでした。それでも、この気温での観戦は堪えます。またPL学園VS履正社と言う、事実上の決勝戦と言われるカードに、大阪の高校野球ファンが一挙に集まる混みよう。第二試合終了後に、空いた席をなんとか確保するのがやっとでした・・・。
試合のお目当ては、春観戦できなかったPL学園の多司 将仁(3年)投手の投球と、ドラフト候補として大変スカウトの間で話題になっている 山田 哲人(履正社3年)遊撃手のチェックでした。また先日の試合で故障したPL学園の観野 甲輝一塁手も元気にスタメン出場。また高校生野手では、最上位候補の吉川 大機遊撃手も、春季大会以来の観戦となりました。
その吉川 大樹(PL学園3年)遊撃手は、ショートとしても、かなり上手くなってきていると思います。プロで遊撃手を担えるほどのディフェンス力があるかは微妙ですが、二塁・中堅あたりならば、担えるのかな?と言う気がしてきました。打撃も、けして身体は大きくないのですが、ツボにはまればスタンドインのパンチ力・飛距離はでます。けしてスラッガーではありませんが、ボールを飛ばせる能力はありそうです。
野球への姿勢も、春よりもかなり成長。ただ根本的に、それほど意識が高い選手ではないので、個人的にはどうなのかな?という不安と、プロに混ぜると特徴が見出せずに埋もれてしまう可能性は否定できません。今回の観戦で、指名リストに入れようとは思いましたが、高い評価はできないなと言う印象は、最後まで変わりませんでした。
一方の観野 甲輝(3年)一塁手は、風格溢れるオレ様キャラ。故障の影響もありありでしたが、雰囲気は相変わらずです。春季大会では背番号3を付けて、三塁や投手として出場しておりましたが、この日は背番号通り一塁で。けして動けるタイプではないのですが、一塁手としては上手い部類です。恐らく上のレベルでは、強肩を活かして三塁手あたりを担うことになりそうです。アマでは貴重な右のスラッガータイプなので、その辺をどうプロ側が評価するか?動けないタイプなのと、肝心なところで怪我するなどの部分で、高卒プロは見送られるかもしれません。ただ個人的には、打者としての潜在能力の高さ・こういったタイプはアマでも育てても意味がないだろうと言う観点からも、高卒で何処か指名してくれないかなと思います。評価・印象に関しては、春からは好い意味でも悪い意味でも変わりませんでした。清原のような雰囲気ですが、怪我が多いところまで似ないで欲しいところであります。全国的に見ても、右のスラッガー・強打者タイプの内野手となると、三ツ俣 大樹(修徳)投手ぐらいしか思い浮かばないので、個人的には彼よりも、この観野の方を買います。そう考えると、右のスラッガータイプの内野手では、全国でも屈指の存在と言うことになるのではないのでしょうか。ただ意見の別れる選手だけに、指名となると微妙かと・・・。
上のレベルでも守れるといった意味では、今回のお目当て 山田 哲人(履正社)遊撃手は、今年見た高校生候補の遊撃手では、一番上手いと思います。試合前練習から、柔らかくボールに吸い付くようなグラブ捌き・一歩目の判断力に優れた守備は、、プロでも守備を売りにして行ける可能性を持った素材だと評価します。ただ走力に光るものがないのと、打撃に華がないのが気になります。
打者としては、甘い球を逃さずはじき返すタイプで、けして生粋のアベレージヒッターとしての上手さ・ボールを遠くに飛ばせる強打者タイプでもありません。その辺が、ドラフトで上位指名となると疑問が残ります。ただ守備で感心させられた遊撃手は、今年皆無なだけに、そういった意味では貴重な存在。ドラフトでも中位ぐらいでの指名は期待できるのではないのでしょうか。
試合は、逆点に次ぐ逆転のシーソーゲーム。8回の裏だかに大逆転して満を持して登場したのが、昨夏甲子園で148キロの速球を投げ込み注目された 多司 将仁(PL学園)投手。誰もが、その潜在能力はドラフト上位級と認めるだけのものがある選手ですが、今年になり故障で泣かされ、思い通りの登板ができない日々が続いておりました。
やはり試合でも、私が計測した中ではMAX88マイル(140.8キロ)こそ記録しましたが、ボールの伸び・勢いはまだまだで、昨夏のデキに比べると雲泥の内容でした。せっかくリードして最後の1イニングを抑えればと言うお膳立てを作ってもらったのですが、9回に追いつかれ、延長戦で逆転を許すことになりました。元々悪いなりに器用に抑えるタイプではなく、あくまでも速球を武器に破綻のない投球をするタイプ。ボールが走らないと苦しいタイプで、打者が苦にしないフォームだと言うことを、改めて露呈しました。回復すれば上位級の素材も、この故障が癒えない限りは、怖くて指名できないといった感じでしょうか。あえてそれを承知で、指名して来る球団があるのか?個人的には大学などに進んで、立て直しを図った方が良いと思います。素材的には、高校時代の前田健太(広島)や朝井秀樹(楽天)とヒケを取らない選手なのですが・・・。
この試合により、PLドラフトトリオの夏は終わりました。履正社にはぜひ甲子園に来て欲しいのですが、チームとしては金光大阪あたりの方が、強く見えました。果たして山田は、全国の土を踏むことができるのでしょうか?
この試合のお目当ては、プロ注目の大型外野手・谷口 雄也(愛工大名電3年)中堅手のチェックでした。この選手を試合前練習から見たく行ったのですが、地肩は基準以上で、まずまずのものがあります。打球への勘・守備力も好いものがあります。この選手、ちょっとプレー全体が雑と言うのか、格好つけたがるタイプなので、その辺がどうなのかな?と言う気が致します。ただ持っている身体能力・技術は、なかなかものです。
走塁も、リードが小さく、50メートル5秒台と言われる脚力はどうなのかな?と思ってみておりましたが、相手の隙を突く走塁センスもなかなかもの。その走力以上に、相手への洞察・次の塁を狙う意欲と言う意味では、上のレベルでも通用する走力を身につけていると言えるでしょう。こと守備・走力に関しては、プロでも通用するだけの下地があります。
打撃に関しても、一打席目は、外角の難しい球を上手く合わせて三遊間への技あり。二打席目は、内角の厳しい球を引っ張って一二塁間を抜けて行くなど、内外角の難しい球をヒットゾーンに持って行く技術が目立ちました。特にスイングに凄みがあると言うよりは上手さが際だつ内容。
この選手、三拍子バランスの取れたプレーヤーでした。特に俊足・巧打タイプで候補となると、なかなか全国にはおらず、私が知る限り、走力・守備力を将来売りにできそうな外野手では、NO.1ではないかと思います(まだ未確認の選手も沢山おりますが)。ただ先にも述べた通り、プレーが雑な面があったり、一つ一つの動作に意識の高さから来る「鋭さ」はあまり感じません。天才肌なのかもしれませんが、その辺が高卒プロとして、どうなのかな?と言う気は致します。確かに素材としては、プロ級なのですが・・・。
瑞穂を序盤戦であとにして、次に向かった先は、大阪・舞洲球場。先週も訪れた会場ですが、二週連続で行きました。舞洲は、当日トライアスロン大会が行われており、交通規制がひかれておりました。そのため球場前までバスが行かない上、かなり道が混雑しておりました。それでも私が会場に着いた時は、前の試合の中盤。気温は、みるみる上がり、予想どおり36度まであがってました。ただこの日の関西は、いつものようなベト~とした蒸し暑さはなく、比較的湿度が低い上に、風も少しあったのが救いでした。それでも、この気温での観戦は堪えます。またPL学園VS履正社と言う、事実上の決勝戦と言われるカードに、大阪の高校野球ファンが一挙に集まる混みよう。第二試合終了後に、空いた席をなんとか確保するのがやっとでした・・・。
試合のお目当ては、春観戦できなかったPL学園の多司 将仁(3年)投手の投球と、ドラフト候補として大変スカウトの間で話題になっている 山田 哲人(履正社3年)遊撃手のチェックでした。また先日の試合で故障したPL学園の観野 甲輝一塁手も元気にスタメン出場。また高校生野手では、最上位候補の吉川 大機遊撃手も、春季大会以来の観戦となりました。
その吉川 大樹(PL学園3年)遊撃手は、ショートとしても、かなり上手くなってきていると思います。プロで遊撃手を担えるほどのディフェンス力があるかは微妙ですが、二塁・中堅あたりならば、担えるのかな?と言う気がしてきました。打撃も、けして身体は大きくないのですが、ツボにはまればスタンドインのパンチ力・飛距離はでます。けしてスラッガーではありませんが、ボールを飛ばせる能力はありそうです。
野球への姿勢も、春よりもかなり成長。ただ根本的に、それほど意識が高い選手ではないので、個人的にはどうなのかな?という不安と、プロに混ぜると特徴が見出せずに埋もれてしまう可能性は否定できません。今回の観戦で、指名リストに入れようとは思いましたが、高い評価はできないなと言う印象は、最後まで変わりませんでした。
一方の観野 甲輝(3年)一塁手は、風格溢れるオレ様キャラ。故障の影響もありありでしたが、雰囲気は相変わらずです。春季大会では背番号3を付けて、三塁や投手として出場しておりましたが、この日は背番号通り一塁で。けして動けるタイプではないのですが、一塁手としては上手い部類です。恐らく上のレベルでは、強肩を活かして三塁手あたりを担うことになりそうです。アマでは貴重な右のスラッガータイプなので、その辺をどうプロ側が評価するか?動けないタイプなのと、肝心なところで怪我するなどの部分で、高卒プロは見送られるかもしれません。ただ個人的には、打者としての潜在能力の高さ・こういったタイプはアマでも育てても意味がないだろうと言う観点からも、高卒で何処か指名してくれないかなと思います。評価・印象に関しては、春からは好い意味でも悪い意味でも変わりませんでした。清原のような雰囲気ですが、怪我が多いところまで似ないで欲しいところであります。全国的に見ても、右のスラッガー・強打者タイプの内野手となると、三ツ俣 大樹(修徳)投手ぐらいしか思い浮かばないので、個人的には彼よりも、この観野の方を買います。そう考えると、右のスラッガータイプの内野手では、全国でも屈指の存在と言うことになるのではないのでしょうか。ただ意見の別れる選手だけに、指名となると微妙かと・・・。
上のレベルでも守れるといった意味では、今回のお目当て 山田 哲人(履正社)遊撃手は、今年見た高校生候補の遊撃手では、一番上手いと思います。試合前練習から、柔らかくボールに吸い付くようなグラブ捌き・一歩目の判断力に優れた守備は、、プロでも守備を売りにして行ける可能性を持った素材だと評価します。ただ走力に光るものがないのと、打撃に華がないのが気になります。
打者としては、甘い球を逃さずはじき返すタイプで、けして生粋のアベレージヒッターとしての上手さ・ボールを遠くに飛ばせる強打者タイプでもありません。その辺が、ドラフトで上位指名となると疑問が残ります。ただ守備で感心させられた遊撃手は、今年皆無なだけに、そういった意味では貴重な存在。ドラフトでも中位ぐらいでの指名は期待できるのではないのでしょうか。
試合は、逆点に次ぐ逆転のシーソーゲーム。8回の裏だかに大逆転して満を持して登場したのが、昨夏甲子園で148キロの速球を投げ込み注目された 多司 将仁(PL学園)投手。誰もが、その潜在能力はドラフト上位級と認めるだけのものがある選手ですが、今年になり故障で泣かされ、思い通りの登板ができない日々が続いておりました。
やはり試合でも、私が計測した中ではMAX88マイル(140.8キロ)こそ記録しましたが、ボールの伸び・勢いはまだまだで、昨夏のデキに比べると雲泥の内容でした。せっかくリードして最後の1イニングを抑えればと言うお膳立てを作ってもらったのですが、9回に追いつかれ、延長戦で逆転を許すことになりました。元々悪いなりに器用に抑えるタイプではなく、あくまでも速球を武器に破綻のない投球をするタイプ。ボールが走らないと苦しいタイプで、打者が苦にしないフォームだと言うことを、改めて露呈しました。回復すれば上位級の素材も、この故障が癒えない限りは、怖くて指名できないといった感じでしょうか。あえてそれを承知で、指名して来る球団があるのか?個人的には大学などに進んで、立て直しを図った方が良いと思います。素材的には、高校時代の前田健太(広島)や朝井秀樹(楽天)とヒケを取らない選手なのですが・・・。
この試合により、PLドラフトトリオの夏は終わりました。履正社にはぜひ甲子園に来て欲しいのですが、チームとしては金光大阪あたりの方が、強く見えました。果たして山田は、全国の土を踏むことができるのでしょうか?
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