102 BCリーグ観戦1
2010/10/18|Category:観戦記
今回は、ドラフト目前と言うことで、BCリーグを観戦しに、群馬の敷島球場まで遠征して参りました。リーグチャンピオンシップ最終戦 石川VS群馬 戦です。
群馬の先発は、BCリーグ2年目で今や群馬を代表する投手に成長した 堤 雅貴(高崎商出身 20歳)投手。初回から優勝のかかった大事な試合のマウンドと言うことで、プレッシャーがかかったのか?四球や死球で制球を乱し1イニングを投げただけで降板。オーソドックスな右腕で、両サイドをに投げ分けつつ、速球とスライダーで勝負するタイプ。ただこの日、敷島の球場ではMAX144キロまで記録し、コンスタントに140キロ台を記録したものの、球の伸び・勢いはなし。また敷島の球場も、私のガンよりも常時5キロ程度速く、私のガンではMAXで87マイル(139.2キロ)程度。ほとんどが、135~後半程度と球速も平凡。特に特徴らしい特徴は見出せず、リーグ戦 8勝4敗 防御率 2.51(リーグ9位)の片鱗は伺えず。まだまだ若いだけに、今後の成長に期待。
一方の石川の先発は、山下 英(名古屋学院大出身 25歳)左腕。こちらは、常時私のガンで130~135キロぐらいのまとまった左腕。カーブ・スライダー・スクリューを織り交ぜつつ、打たせて取るタイプで終盤まで好投。彼は今シーズン、10勝7敗 防御率 2.45(リーグ8位)の成績。この2人の投球を観ていると、大方このリーグのレベルがわかってくる。こちらもソコソコの年齢まで来ており、貴重な実戦派左腕でもNPB入りとなると疑問が残る。
この日の観戦目的は、戸田 衛(25歳・阪南大出身)遊撃手。内村(楽天)の持つリーグ盗塁記録31を大幅に更新する47を記録した快足・巧打の打者。バットを短く持って、徹底的に四球で出塁してやろうと言うイヤらしいタイプ。少々スイングにひ弱さを感じさせるのは気になるものの、当てるのは上手いようで、リーグ3位の.321厘をマーク。更に断トツの四死球数が光る。
この選手、この日も盗塁を決めるなど、このリーグではマークされていても簡単に決めてしまうほどの脚力。遊撃手としても地肩はまずまずながら、スムーズさに欠け安定感はイマイチ言う印象が残った。その印象通り調べてみると 72試合で14失策は多すぎ。本来は、小回りの効く二塁手タイプなのではないのだろうか?
この選手は、一芸に秀でており、育成枠あたりならば指名があってもおかしくはない。内村を観た時のような「鋭さ」は感じられなかったものの、野球への意識の高さ・こだわりは強く感じられる選手。打撃では苦労しそうだが、さすがNPBからマークされる素材の片鱗を魅せてくれた。
うんで、この日のサプライズは、ロバート・ザラテ(23歳・ベネゼエラ出身)左腕。事前に150キロ台を出す左腕がいるとは聞いていたが、たまたま観られたのはラッキーだった。191/92の巨体から投げ込んで来る左腕で、敷島のガンではMAX152キロまで到達。私のガンでも常時90マイル(144キロ)~MAX92マイル(147.2キロ)を記録。この投手の登場で、会場は大いにヒートアップ。
この選手、一見粗そうに見えるのだが、この日は常にストライクを先行して打者を圧倒。さすがに、4イニング目あたりから球威・球速が落ちていたが。更にスライダーのキレもハードで、ツーシームのような球速豊かなシュート系の球も併せ持つ。たまたま今日は上出来なのかと思って、家に帰って調べてみる。今シーズンは、10試合に登板(シーズン途中から来日したとか)、1勝2敗0S 防御率 1.23。投球回数は、14回2/3イニングと言うことで、この日同様にリリーフ専門のようだ。更に数字を詳しくみると、被安打10 奪三振11 四死球は4つと言う内容。四死球数が、イニング数の1/3以下であることからも、この日の投球だけでなく普段から制球で自滅するタイプではないようだ。
おまけにノーモーションで投げ込む牽制でランナーを刺したり、0.95秒前後の高速クィックで投げ込んで来る。フィールディングの動きや連携プレーの技術に関してはよくわからなかったが、来季は何処かのNPB球団と契約しても全然不思議ではない逸材。もし彼がドラフト対象選手で、23歳の年齢に、この体格、投球内容ならば、文句なしのドラフト1位候補だろう。ただこの選手を獲得するのには、いろいろ問題もあるようで・・・
うんで、このザラテの剛球を力強く打ち返して、まさにNPB級の打撃を魅せていた選手がいます。それが、石川の3番を打ち、今季打点王にも輝いた本間 満(37歳・駒大出身)二塁手。この選手の打撃が一番いいなあと思って帰ってきたのだが、家で調べたら元ソフトバンクの本間選手だったんですね(笑)。
更に石川は、元巨人の南 和彰(福井工大出身 28歳)右腕を投入。BCリーグ移籍一年目は、150キロ級の球を投げ込んで、NPBカムバックもあり得ると言われたほどの選手。しかし今は、135~後半ぐらいの球速しか出ず、むしろボールを手元で動かすアメリカンスタイルへ移行していた。ただこれでは、物足りない印象は否めなかった。更に同じ石川には、元ベイスターズの森 大輔が在籍している。彼は今シーズン、26試合に登板して 5勝7敗0S 防御率 3.07と結構登板していたとのことで、とても嬉しかった。ベイスターズ在籍時には、結局ファームの1試合、それも打者1人相手で現役を終えてしまっただけに、今これだけ投げられるだけでも奇跡だろう。私が今まで観た左腕の中でも、大学・社会人では歴代No.1左腕。あの江夏豊に最も近かった男と評する人がいたほどの逸材だった。
戸田衛のチェックもでき、ザラテの思わぬ登場など、滅多に観られない選手達だけに新鮮だった。また機会があれば、ぜひ観に行きたい。本当は、ドラフトの有力選手がいると言う、福井の試合を観てみたかったのだが・・・。
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