4 日本製紙石巻 VS 日本通運
2011/03/10|Category:観戦記
水曜日に観戦したスポニチ大会の第二試合 日本製紙石巻 VS 日本通運 のレポート。今大会の観戦目的は、普段あまり見られないチームのドラフト候補を見ること。そんな選手が、日本製紙石巻にいた。更に日本通運は、埼玉のチームなのだが、不思議と神奈川在住の私にとって、大きな大会ぐらいしか観戦機会に恵まれない珍しいチームでもある。そんな組み合わせだったので、ぜひここでおさえておきたいカードだった。
日本製紙石巻は、この試合のお目当てである 沖山 勇介(24歳・中央大出身)投手。一方の日本通運は、左腕の野村 健太(27歳・三重中京大出身)だった。野村 健太(日通)投手は、130~135キロぐらいのストレート中心に投げ込む、まとまったタイプの左腕。しかし勝負どころでは140キロ台を記録するストレートで攻めて来る。えぇ~そんなに出るんだと言う感じの投球内容だったが、私のガンでもMAX88マイル(140.8キロ)を記録しており、そういったメリハリが終盤まで試合を壊さなかった要因かもしれない。適齢期も過ぎ、投球内容も地味なので、ドラフト候補と言う感じではないが、これから都市対抗に向けて、日本通運の中心投手としての活躍が期待される実力派。
沖山 勇介(日本製紙石巻)投手は、ルーキーイヤーだった昨年の都市対抗でも140キロ台中盤のストレートを披露し、少し気になる存在となっていた。力で押す明らかなリリーフタイプだと言う先入観があったのだが、この日は先発から登場。序盤は、135キロぐらいのストレートに、カーブ・スライダー・シンカーなど変化球中心の配球。先発だとこんなもの?と思っていたら、4回ぐらいから速球主体のピッチングに切り替えてからは、みるみる球速がUP。140キロ台中盤のストレートを連発していたかと思ったら、140キロ台後半、ついには150キロの球速表示を連発するまでにスピードアップ。この選手、172センチと上背もなく、フォームも肘の下がったスリークオーター気味ではあるのだが、勝負どころでの魂のこもった時のストレートの球威・勢いは本物。見栄えのある球を投げ込んで来る。
一見制球は結構アバウトで粗さが目立つように観えるのだが、実はかなりクレバーな側面も。相手打者の力量を見て、ランナーを背負った苦しい場面では150キロ級の速球で力でねじ伏せたかと思ったら、相手の中心打者には以外に変化球を多投したりして、ストレートに的が絞られない配球に切り換えるなど、単に力だけで押す力投派ではない側面を垣間見せた。
意外にアドレナリン全快の力投派と言う熱いイメージが持たれがちだが、かなり冷静な側面もある頭の好い投手。単なる力投派だと思ってみていると、痛い目に遭いそうだ。こういった幅広い思考の持ち主なので、アバウトで単調なピッチングスタイルに見られがちな投球でも、しっかり試合を作り要所を締めることができるのだと妙に納得。私には、150キロを連発(私のガンでも93マイル・148.8キロ)したことよりも、こういった投球ができることの方が大きな収穫であった。この日93マイルを記録した投手は4人いたが、本気モードで投げたときのストレートの威力は、この選手が断然だった気がする。この選手は、この大会で大きくプロに近づいた投球だったのではないのだろうか。
野手では、前日に打って走って守っての大活躍を魅せて話題になっていたのが、比屋根 渉(24歳・城西大出身)中堅手。試合前練習から注目してみていたが、打球への反応・キャッチングも悪くなく、地肩も確かに強いものがある。前日にニ盗・三盗した走力はよくわからなかったが、足でも前日はアピールしていたとか。ただこの日は相当マークされたのか?打撃では結果は出なかった。機会があれば、もう一度昨年の都市対抗の模様でも見なおして、詳細を詰めて寸評でも作成したいと思う。私にはピンとはこなかったが、前日の活躍は大いにスカウトの達の目を惹きつけたようだった。
むしろこの試合で目を惹いたのは、日本通運の一番打者・小甲 和俊(29歳・北海道東海大出身)中堅手。177/75の体格には見えない筋骨隆々の立派な身体から、強烈な打球はまさにプロ級。この日は、内角の球をレフトスタンドに突き刺さるホームランを魅せるなど、社会人の中に一人プロが混ざっているような打撃を見せていた。この選手が目を惹いたのは、試合の中だけではなく試合前練習でも、肩も猛肩でプロでもトップクラスの強さを誇る。たまにドラフト適齢期に頭角を現すことができず、遅くになって本格化する選手と言うのがいる。まさに現時点の力量は文句なしドラフト級なのだが、それが叶わないタイプ。まさに巡りあわせの悪さだといえよう。来季30歳でも、右の即戦力外野手が欲しいと言う球団には面白い存在ではないのだろうか。
その他では、日本製紙石巻の4番は、濱田 正輝(24歳・創価大出身)左翼手は、4番に据わりフェンス直撃のツーベースを放ち強打者ぶりをアピール。日本通運は2番手に、菅井 聡(24歳・立正大出身)投手が、低めに粘っこい140キロ前後のストレートを投げ込んでいた。試合の方は、第一試合に引き続きタイブレイクとなり、日本製紙石巻が勝利を勝ち取った。
(感想)
この試合は、先発した沖山(日本製紙石巻)の力投に限る試合だった。沖山は、前日リリーフで登板するも同点に追いつかれる荒れ荒れの投球を魅せチームを不要のタイブレイクにもつれ込ませてしまったようだが、それを払拭する力投。チームでは、一関学院時代からプロから注目されていた 太田 裕哉(元日産)投手と共に、ドラフト候補として注目される存在。ぜひ再び、二人の勇姿を都市対抗の舞台で見てみたい。沖山は、今年一年間追いかけてみたいと思わせるだけの気迫のこもった投球だった。
日本製紙石巻は、この試合のお目当てである 沖山 勇介(24歳・中央大出身)投手。一方の日本通運は、左腕の野村 健太(27歳・三重中京大出身)だった。野村 健太(日通)投手は、130~135キロぐらいのストレート中心に投げ込む、まとまったタイプの左腕。しかし勝負どころでは140キロ台を記録するストレートで攻めて来る。えぇ~そんなに出るんだと言う感じの投球内容だったが、私のガンでもMAX88マイル(140.8キロ)を記録しており、そういったメリハリが終盤まで試合を壊さなかった要因かもしれない。適齢期も過ぎ、投球内容も地味なので、ドラフト候補と言う感じではないが、これから都市対抗に向けて、日本通運の中心投手としての活躍が期待される実力派。
沖山 勇介(日本製紙石巻)投手は、ルーキーイヤーだった昨年の都市対抗でも140キロ台中盤のストレートを披露し、少し気になる存在となっていた。力で押す明らかなリリーフタイプだと言う先入観があったのだが、この日は先発から登場。序盤は、135キロぐらいのストレートに、カーブ・スライダー・シンカーなど変化球中心の配球。先発だとこんなもの?と思っていたら、4回ぐらいから速球主体のピッチングに切り替えてからは、みるみる球速がUP。140キロ台中盤のストレートを連発していたかと思ったら、140キロ台後半、ついには150キロの球速表示を連発するまでにスピードアップ。この選手、172センチと上背もなく、フォームも肘の下がったスリークオーター気味ではあるのだが、勝負どころでの魂のこもった時のストレートの球威・勢いは本物。見栄えのある球を投げ込んで来る。
一見制球は結構アバウトで粗さが目立つように観えるのだが、実はかなりクレバーな側面も。相手打者の力量を見て、ランナーを背負った苦しい場面では150キロ級の速球で力でねじ伏せたかと思ったら、相手の中心打者には以外に変化球を多投したりして、ストレートに的が絞られない配球に切り換えるなど、単に力だけで押す力投派ではない側面を垣間見せた。
意外にアドレナリン全快の力投派と言う熱いイメージが持たれがちだが、かなり冷静な側面もある頭の好い投手。単なる力投派だと思ってみていると、痛い目に遭いそうだ。こういった幅広い思考の持ち主なので、アバウトで単調なピッチングスタイルに見られがちな投球でも、しっかり試合を作り要所を締めることができるのだと妙に納得。私には、150キロを連発(私のガンでも93マイル・148.8キロ)したことよりも、こういった投球ができることの方が大きな収穫であった。この日93マイルを記録した投手は4人いたが、本気モードで投げたときのストレートの威力は、この選手が断然だった気がする。この選手は、この大会で大きくプロに近づいた投球だったのではないのだろうか。
野手では、前日に打って走って守っての大活躍を魅せて話題になっていたのが、比屋根 渉(24歳・城西大出身)中堅手。試合前練習から注目してみていたが、打球への反応・キャッチングも悪くなく、地肩も確かに強いものがある。前日にニ盗・三盗した走力はよくわからなかったが、足でも前日はアピールしていたとか。ただこの日は相当マークされたのか?打撃では結果は出なかった。機会があれば、もう一度昨年の都市対抗の模様でも見なおして、詳細を詰めて寸評でも作成したいと思う。私にはピンとはこなかったが、前日の活躍は大いにスカウトの達の目を惹きつけたようだった。
むしろこの試合で目を惹いたのは、日本通運の一番打者・小甲 和俊(29歳・北海道東海大出身)中堅手。177/75の体格には見えない筋骨隆々の立派な身体から、強烈な打球はまさにプロ級。この日は、内角の球をレフトスタンドに突き刺さるホームランを魅せるなど、社会人の中に一人プロが混ざっているような打撃を見せていた。この選手が目を惹いたのは、試合の中だけではなく試合前練習でも、肩も猛肩でプロでもトップクラスの強さを誇る。たまにドラフト適齢期に頭角を現すことができず、遅くになって本格化する選手と言うのがいる。まさに現時点の力量は文句なしドラフト級なのだが、それが叶わないタイプ。まさに巡りあわせの悪さだといえよう。来季30歳でも、右の即戦力外野手が欲しいと言う球団には面白い存在ではないのだろうか。
その他では、日本製紙石巻の4番は、濱田 正輝(24歳・創価大出身)左翼手は、4番に据わりフェンス直撃のツーベースを放ち強打者ぶりをアピール。日本通運は2番手に、菅井 聡(24歳・立正大出身)投手が、低めに粘っこい140キロ前後のストレートを投げ込んでいた。試合の方は、第一試合に引き続きタイブレイクとなり、日本製紙石巻が勝利を勝ち取った。
(感想)
この試合は、先発した沖山(日本製紙石巻)の力投に限る試合だった。沖山は、前日リリーフで登板するも同点に追いつかれる荒れ荒れの投球を魅せチームを不要のタイブレイクにもつれ込ませてしまったようだが、それを払拭する力投。チームでは、一関学院時代からプロから注目されていた 太田 裕哉(元日産)投手と共に、ドラフト候補として注目される存在。ぜひ再び、二人の勇姿を都市対抗の舞台で見てみたい。沖山は、今年一年間追いかけてみたいと思わせるだけの気迫のこもった投球だった。
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