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白根 尚貴(島根・開星)投手(投手編)

白根 尚貴(島根・開星)投手 186/98 右/右






               「とっても繊細!」





野手編に引き続き、今回は、投手・白根 尚貴 を考えてみたい。野手編にも書いた通り、この選手は、見た目の豪快さとは違い、きめ細やかや一面がある。そのためタイプ的には、典型的な投手の性格だと言えよう。

(投球内容)

ワインドアップから、足の横幅をしっかり取り、ゆっくりと静かに足を引き上げて大人しく入ってくる。巨体を生かして投げ込んで来るが、少し肘の下がったスリークオーター。

ストレート 常時140キロ台~MAX147キロ

重い剛速球を投げ込んでくるイメージがあるが、意外にその球質は、キレ型の快速球。少し肘が下がるので、微妙にシュート回転したり、横の変化が加わることが多い。確かに球速能力は高いのだが、それほど打者としては苦にならないタイプの球ではないかと思うのだ。

変化球 スライダー・フォーク・ツーシーム

少し曲がりながら落ちるそのスライダーは、曲がりが速すぎて精度が高いとは言い切れない。またフォークと言っている球も、腕が下がって投げるのでストンとは落ちずチェンジアップのよう。2回戦からは、意識的にツーシームを交えてきたが、まだこの球も充分コントロール仕切れているとは言い難い。まだどの変化球も、狙って空振りが取れるほどのキレやコントロールには欠け完成度は低い。

その他

その巨体でも、フィールディングや牽制技術は、けして低くない。またクィックも1.0秒台を切るような超高速クィックで投げ込んで来る。大型だが、動作が緩慢な選手ではない。

時々甘い球もあるが、大まかにコースに散らす制球力がある。パッとマウンドをハズしてみたり、その所作は投手らしい一面を覗かせることが多い。ただそれでも微妙な出し入れができたり、間合いを意識した投球に心がけるとか、そういったハイレベルなレベルまでには、現在はまだ至っていない。

(投球のまとめ)

コンスタントに145キロ前後を刻めるエンジンの大きさは、まさにドラフトレベル。しかし変化球の生かし方、速球の質、総合力と言う意味では、現時点では図抜けているとは言い難い。それだけに、今後いかに自分の資質を膨らませて行けるのかが、彼の大成の大きなポイントになりそうだ。

ただ気になるのは、自分の投球が思い通りにならなかった時に、やや集中力を欠く一面が見られること。また勝負に賭ける気迫も物足りなく、精神面に不安が残る投球内容だった。

(投球フォーム)

彼の将来性を推し測る意味でも、投球フォームについて考えてみる必要がありそうだ。

<広がる可能性>

やや二塁側に足を送りつつ、一瞬ではあるが足を高い位置でピンと伸ばしている。少し甘さは残るものの、一塁側にお尻を落とすことはできている。そのため見分けの難しいカーブで緩急を利かしたり、縦に鋭く落ちるフォークのような球の修得は、けして不可能ではない。

しかしそのためには、「着地」までの粘りを作り、もっと体を捻り出す時間が必要になる。現在は、その粘りがないので、どうしてもスリークオーター気味のフォームにならざる得ない。そのため腕を高い位置から振り下ろすのも難しい。この腕の角度がないと、カーブを抜くことも、フォークをストンと落とすことも難しいと言えよう。そのため現状の腕の振りでは、スライダー・チェンジアップなどを中心に、球速のある変化球で投球を組み立てるしかなくなっている。フォームを変えて行かないと、投球の幅を広げて行くことは難しそうだ。

<ボールの支配>

グラブは最後まで内に抱えられているので、両サイドへの投げ別けはできている。ただ足の甲での押しつけができず、上体が浮いてしまいストレートが上吊ったりと安定しない。それでも「球持ち」が結構いいので、指先まで力を伝えることでボールをコントロールできるタイプ。更に指先の感覚を磨けば、将来的には高い精度の制球力は期待できよう。ただ不安定な下半身を安定させ、足の甲で押しつけられるぐらいの重心の沈みは身につけたい。

<故障のリスク> 

体の捻り出す時間が確保できないまま、フォークやツーシームを多投する投球になると、恐らく肘を故障する大きな要因になるだろう。腕を振り下ろす角度には無理がないので、現状は肩への負担は考えにくい。下半身で投げるフォームではなく、上半身を振ることで投げているため、体への負担はけして少なくないはず。充分なアフターケアに注意しないと、大きな故障に見舞われる可能性は否定できない。

<実戦的な術>

「着地」までの粘りに欠けるので、どうしても打者からはタイミングが合わせやすく淡泊な印象を受ける。またその弊害で、体の「開き」も早くボールの出所が見やすい。そのため甘くないコースを突いた球でも、打たれてしまうことが多いのだ。

腕も体に巻き付くほどは強く振れていないので、速球と変化球の見分けもされるかもしれない。更に下半身の重心移動が上手くできていないので、投げ終わったあと大きく一塁側へ倒れ込む。彼が巨体の割に、球威のある球が投げられないのは、上手く重心を乗せられていないからだ。あくまでも上半身や腕を振って、キレを生み出すことしかできていない。

(投球フォームのまとめ)

「着地」「開き」「体重移動」と言う、実戦的なフォームを司る上で大切な技術に課題を残す。足の甲の押さえができないのは気になるが、「球持ち」が良いので将来的にもっと制球力を高めることは可能だろう。

ただ足の甲の押しつけによる下半身のエネルギー伝達から始まり、下半身の弱さや「体重移動」の未熟さなどで、思いの外速い球が投げられる可能性が低いのが気になる要素。見た目の豪快さの割に、それを支える下半身が極めて未熟であることに気づく。恐らく走り込みなどのトレーニングを、あまり行ってきていないのではないかと言う疑問を持つ。

(今後は)

結論からすると、打者としての資質よりも、現時点では投手の方の可能性を評価します。しかし投手らしい一面がある一方で、忍耐力・集中力などの部分では、かなり欠如している可能性を感じます。

そのため最初の一年ぐらいは、徹底的に下半身をイジメ抜く必要性があると思うのですが、それに本人がついてこられるのか?と言う不安を覚えます。そういったプロ的な性格なのか?と言われると疑問が残るわけです。特に昨年からの課題を技術的には殆ど改善してきてはおらず、貪欲に自分の資質を伸ばそうとか、欠点に向き合おうと言う意識が感じられません。この点では、大いにプロと言う世界を前提とすると不安材料です。

「心技体」のバランスで考えると、「体」の持っている天性の資質は素晴らしいです。「技」の部分でも、けして改善が不可能なほど、大きな破綻はありません。本人が貪欲に新たなものを身につけて行こうとするならば、この問題も解決できる範疇だと思います。

問題は「心」の部分。しかし彼ほどの圧倒的なポテンシャルを持ってしまうと、アマでは中途半端になるか、持て余してしまう可能性が高いことも確かです。人間教育も含めて、上手く導いてあげられる大人の環境が用意できるプロ球団に、ぜひ進んで欲しいと言うのが私の率直な願いでもあります。かなりリスキーな選手ではありますが、プロが責任を持って育てないと行けない選手なのではないかと思います。野球で活躍することで、人格的にも磨かれることを期待して、指名リストに名前を記してみたいと思います。


蔵の評価:☆☆

(2011年 夏)

テーマ : 野球全般
ジャンル : スポーツ

ブロマガ

月刊ブロマガ価格:¥ 300

紹介文:ドラフト・レポーターとして20年のキャリアを誇る、蔵建て男 のドラフト候補レポート。雑誌などにはまず掲載されない、個人に焦点をあてた詳細かつ明確なレポートを皆様にお届け致します。

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