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白根 尚貴(島根・開星)投手 (野手編)
白根 尚貴(島根・開星)投手 186/98 右/右





              「ジャイアンはね」





 見た目のごつさや風貌から想像できないような、きめ細やかさと器用さがある選手。そんな印象を投打から受けた。今回は、投打に非凡な才能を持つ彼の才能において、野手としての可能性について考察してみたい。

(打撃内容)

その巨体から繰り出されるパワーは、規格外。昨夏の甲子園でもホームランを叩き込みました。この夏の島根予選でも3本塁打、場外へ越えていった打球は圧巻の一言。ただパワーがあるだけでなく、右方向にも上手く合わせたり、変化球について行ける柔らかさも兼ね備えます。規格外のパワーに、上手さも兼ね備えた超高校級の打者であることは間違いありません。では今度は、技術的な側面からも観てみましょう。

<構え> ☆☆☆

両足を揃えた、スクエアスタンスで構えます。腰の据わり具合はよく、全体のバランスも悪くありません。ただ、両目で前を見据える姿勢はもう一つ。昨年もそう思ったのですが、柔らかいハンドリングを魅せるものの、この選手、体自体は硬い気が致します。打席では力みこそ感じませんが、自分のリズムで立っていると言う感じは致しません。意外に強打者にしては、受け身の性格なんだなと思います。

体が固いと、低めへの対応も厳しいですし、故障の可能性も高くなりますね。そのことを強く認識して、試合前から入念なストレッチなどをする習慣を身につけたいところです。

<仕掛け> 遅すぎる仕掛け 投手のリリース前後に始動

 多くの欧米人やキューバ人などは、このタイミングで始動する。狙い球を絞って、打てる球を引っぱたく、そんなスタイル。ただこのようなスタイルは、非常に脆く打てる球は限られる。

 また始動~インパクトまでの時間が極端に短いので、スイングに不可欠な動作を端折ることで、インパクトを間に合わせようとすることになる。それでも打ててしまう欧米人のヘッドスピードと筋力の強靱さは、残念ながら日本人には真似出来ない。日本人の場合このタイミングでは、プロレベルの投手を相手には通用しないと私は考えてている。ただし、もしこのタイミングの始動を使いこなす日本人が現れた時、パワーで世界のスラッガーと対峙出来る存在になっているだろう。

白根の場合、規格外のパワーがあるので、これでも高校生レベルならば対応できた。ただプロを想定するのならば、根本的にこの始動の遅さを改善しないと苦しいだろう。一回戦の柳井学園戦では、ストレートに狙いを絞ったものの、結果が伴わなかった。2回戦の日大三戦では、ことごとく吉永の変化球に合わせ結果を残した。これは、単なる偶然ではなく、全国レベルのスピードに対しては、今の仕掛けだと遅すぎて苦しいからだ。

<足の運び> ☆☆☆

始動が遅すぎるために、足を軽く浮かし踏み込むだけ。そのため「間」がないので、その打撃は「点」のスイングになる。打てるポイントが限られるために、あらかじめ狙い球を絞って、その球を逃さない鋭さが求められる。そういった甘い球を逃さない「鋭さ」は、この選手に備わっている。

アウトステップするので、元来は引っ張って巻き込む打撃を好むタイプ。上手く引っ張り込めた時は、桁違いなパワーを発揮する。それでも踏み込んだ足下がブレないので、外角でも真ん中~高めの球ならば対処できる。日大三戦では、バットに当てただけの打撃が目立ったが、あれは彼のミートポイントの高さも光ったものの、金属バットだからこそ、当てただけでも抜けていったと言えるであろう。そう打てるポイントが限られ、外角低めの変化球に対しては、しっかり振り切るスイングができない。あの打撃をみると、それがハッキリわかるのだ。

<リストワーク> ☆☆☆

打撃の準備段階である「トップ」の形を作るのは、少し遅れている。ただこの選手、トップ自体を深く取ってスイングする選手ではないので、中途半端な形から振っても、そのパワーでヒットにしてしまう。ただこれは、木製バットでできる芸当ではない。ちゃんと形を作らないまま振り出しても、間に合わせるという中途半端な器用さがこの選手にはある。

また腰の逃げが早く、体から少し遠回りするスイングは相変わらずで、昨年からフォームは変わっていない。スイングの弧は大きくはないのだが、強引なまでフォーロスルーを活かし、上手く巻き込めた時は特大のホームランを放つ。

甲子園優勝投手である、吉永レベルの投手相手でも、臆することなく対応していたように、技術云々を越えてボール捉える能力には優れたものがある。ヘッドスピードは際だたないが、圧倒的なパワーで細かい欠点を凌駕できるポテンシャルはまさに規格外だと言えよう。

<軸> ☆☆☆

足の上げ下げが小さいので、目線のブレは小さいはず。腰の逃げ早いのは気になるが、足下が盤石なので、ある程度のところで開きを我慢できる。軸足にも大きな崩れはなく、波の少ない打撃ができるタイプなのだろう。

(打撃のまとめ)

遅すぎる仕掛け、腰の逃げの速さ、やや遠回りなスイング軌道など、打撃に関しては、昨夏と全く変わっていなかった。少なくても本人の中では、それ程打撃を高めて行こうと言う意識は、この一年の中で無かったのだろう。

甲子園では、金属バットの恩恵もあって、中途半端な当てただけのスイングでも結果が伴った。それを可能にしたのは、彼の芯で捉えられるセンスと非凡なパワーがあったからだろう。ただこれが、木製バットでプロの投手相手にできるものではないことも、また覚えておきたい。

(守備・走塁面)

この選手、まず本気で走り抜ける場面にも出くわさないで、正直どの程度の脚力があるかはわからない。ただ観る限り、本気如何に関わらず、足が速いようには見えないし、走塁への意欲も全く感じない。プロで足を売りにするということはまずないだろう。

フィールディングなどでの動きや、身のこなし、クィック動作などを観ていると、全く動けない選手ではない。ただプロでの守備位置は、一塁かDHに限定されてしまう。それでも和製大砲が欲しいと言う球団が、評価することになるのではないのだろうか。

(野球への意識)

この選手、見た目の豪快さはあるが、かなりきめ細やかで、受け身な性格との印象を受けます。圧倒的なパワーから、和製大砲としてのニーズの方が高いと思いますが、性格的には典型的な投手タイプだと評価します。

更にウエートコントロールだけでなく、技術的にも、この一年間全く改善のあとが観られなかったことを考えると、野球への意識が高い選手には思えません。これから本気で野手に専念すれば、大きな変化も望めるかもしれませんが、高校からプロに行く選手にしては、あまりに欲がありません。そういう部分では、よほど周りが上手く導いて行かないと、物凄く時間がかかるか、その才能が開花する前に球界を去ることになるのではないのでしょうか。

(最後に)

持っている才能は、投打共に間違いなくプロ級だと思います。しかし「心技体」のバランスで考えれば、技術や精神的な部分では、正直どうかな?と思います。少なくても現時点では、野手と言うふうには私には捉えられません。投手として目が出なかった時に、本人がどのぐらい野手で「飯を食っていってやろう」そういった気構えにならない限りは、野手として才能が開花することもないのではないのでしょうか。

現時点では、野手・白根 で観た場合は、私は指名リストに載せることはありません。次回は、投手・白根としてのレポートを作成したいと思います。

(2011年・夏
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