岡島 豪郎(白鴎大)捕手
2011/09/14|Category:個別寸評
岡島 豪郎(白鴎大)捕手 174/68 右/左 (関東学園大附出身)
「打つだけなら、小林 誠司(同志社大)より上!」
今年のアマチュアNO.1捕手だと言われる 小林 誠司 と比べても、こと打撃に関しては、この 岡島 豪郎の方が上だと言えるであろう。2011年度のアマチュア球界は、高校・大学・社会人など、どの球界でも捕手不足。そんな中、数少ない指名を意識できる選手なのだ。
(ディフェンス面)
豪打の打撃とは違い捕手としては、投手の気持ちを汲み取り、投手の得意な球を生かすリードが特徴的。右投手が、外角のクロスへの球筋が持ち味だとすれば、右打者には外角への配球を重視し、左打者には強気に内角への投球を重視するスタイル。状況によっては強気なリードになるので、うまくはまれば大きいが、ポカを喰らいやすい危険性も秘めている。
ミットを軽く示し、そのミットを地面につけることなく捕球。ボールを押し込むような、しっかりした捕球ではないが、収まったミットを動かすことがなく、審判の信頼を得られやすいキャッチングには好感。ワンバウンド処理の際のミットの出し方や打球への反応なども悪くなく、キャッチングには大きな欠点はない。それほどフットワークが機敏だとか、打球への素早い反応が見られるとか、そういった敏捷性は高くはない。
昨年までは、地肩は強いものの、スローイングタイムに時間を要するなど無駄な動きが多かった。しかし今は、安定して1.9秒前後のタイムを叩き出し、球筋も安定してきた。プロレベルに混ぜても平均レベルのスローイングには達しており、課題だったスローイングも、この一年間で大いに成長。
元々打撃型だと思われがちだが、捕手としての必要な投手や審判への配慮を忘れない選手であり、捕手的な性格の持ち主。その辺は、ボール返す時の返球からも伺うことができる。地肩の強さも、上手く実戦で使えるレベルにまで引き上げられており、プロに必要な資質を備えてきました。
まあ昨年から感じられるのは、まだ一つ一つの動作の鋭さや、ここ一番での集中力が散漫な部分は見受けられるものの、プロの基準を満たすだけの捕手になったのかなあと言うのが、この秋の率直な感想だった。
[高画質で再生]
岡島 豪郎(白鴎大)捕手 [専用サーバー]
(打撃面)
柔らかいバッティングが特徴で、対応力と長打力をバランスよく兼ね備えたおり、関甲新リーグ屈指の強打者です。昨年の大学選手権でも、ドラフトの目玉である菅野 智之(東海大)相手にも、苦にすることなく対応しておりました。
この春は、関甲新リーグに足を運べなかったのですが、平塚で行われた日米野球のセレクションで確認。そこでもセンター前にきっちりはじき返すなど、打撃は全国級であることを証明。昨年の春のリーグ戦では、打率.320 5本 17打点と破壊力のあるところを魅せましたが、今春のリーグ戦では、.419厘 0本 12打点 と対応力を高めて来ました。私が観戦したこの秋の平成国際大戦では、センター前にはじき返し先制のタイムリーを放つなど勝負強さは健在。ただ以後の打席では、打ち損じが多く仕留めきれない場面が目立ちました。そこで今回は、6月の平塚合宿での映像を元に、打撃フォームについて考えてみたいと思います。
(打撃フォーム)
<構え> ☆☆☆☆
前足をしっかり引いた左オープンスタンスから、グリップの高さは平均的で、少し捕手方向にあらかじめ引いて添えられています。腰の据わり・全体のバランス・両目で前を見据える姿勢などもよく、バットを前に倒して揺らぎながら構えます。打席ではリラックスして構えられており、理に適った構えだと言えるでしょう。
<仕掛け> 平均的仕掛け
ちょっとわかり難いのですが、仕掛けのタイミングは昨年と変わらず「平均的な仕掛け」で始動しているように思えます。より確実性が高まっているので、始動を早めたのかと思いましたが、そんなことはありませんでした。
ある程度の対応力と長打力を兼ね備えた、中距離・ポイントゲッターが多く採用する仕掛けであり、彼の勝負強い打撃を後押ししています。
<足の運び> ☆☆☆☆
足を引き上げ回し込む「間」が作れる選手なので、いろいろな球に対応できます。真っ直ぐ踏み込んだ足下は、カカトをめり込ませることで、ブレを最小限に抑えられます。真っ直ぐ踏み込むということは、内角の球でも外角の球でも捌きたいという彼の意志が感じられますし、足下がブレないことで外角の球もきっちり捌けます。ただ秋のリーグ戦では打ち損じも多かったので、この辺の下半身のバランスが悪くなっていた可能性もあります。
<リストワーク> ☆☆☆☆
打撃の準備である「トップ」の形を作るのは、けして遅くありません。そのため速い球にも、立ち後れることは少ないと思います。昨年までは、少し体から離れてバットが出ていたのが、だいぶコンパクトに無駄なくボールを捉えられるようになったと思います。そのため以前よりも、率が残るようになったのではないのでしょうか。
その分、スイングの弧は小さくコンパクトになり、破壊力は薄れた感じが致します。この選手の場合、パワフルというよりは、上手く合わせる打撃に優れたタイプ。ただ打球もスイングにも一定レベルのものがあり、プロレベルの投手相手でも、力負けするとかいう非力さや脆さは感じられません。
<軸> ☆☆☆
足をしっかり上げ下ろしするタイプなので、頭が安定して目線が動かないタイプではないようです。体の開きも我慢できておりますし、軸足も地面から真っ直ぐ伸びて、打撃の波が少ない安定したタイプだと考えられます。
(打撃のまとめ)
昨年から大きくは変わっていないように思えますが、スイング軌道がコンパクトになり、当てるのがより上手くなったように思えます。その分スイングが小さくなったので、以前ほどボールが上がらなくなった気は致します。
ただ技術的には、プロでも充分やって行けるだけの下地ができてきたので、打撃で足を引っ張るということはないでしょうし、やはりこの選手は打撃が売りの捕手ということになるでしょう。将来的には、その打力を買われて、他のポジションにコンバートされるかもしれません。イメージ的には、巨人の阿部慎之助に似たタイプです。
(最後に)
持っている打撃能力は素晴らしく、捕手としても基準レベルのものを身につけてきました。ただ地方リーグの選手のせいか、少し「鋭さ」や、ここ一番での集中力という意味では、物足りないものを感じます。プロで結果を残すまでには、少し時間がかかるかもしれません。
捕手として、プロのレギュラー捕手を任されるまで昇り付けられるのかは微妙だと思いますが、打撃に関してはプロでも通用することになると思います。もし頭角を現すとしたら、打撃から入って行くタイプではないのでしょうか。物凄い高い評価できませんが、大学からプロに指名される、数少ない選手になることでしょう。
蔵の評価:☆
(2011年 秋季リーグ戦)
「打つだけなら、小林 誠司(同志社大)より上!」
今年のアマチュアNO.1捕手だと言われる 小林 誠司 と比べても、こと打撃に関しては、この 岡島 豪郎の方が上だと言えるであろう。2011年度のアマチュア球界は、高校・大学・社会人など、どの球界でも捕手不足。そんな中、数少ない指名を意識できる選手なのだ。
(ディフェンス面)
豪打の打撃とは違い捕手としては、投手の気持ちを汲み取り、投手の得意な球を生かすリードが特徴的。右投手が、外角のクロスへの球筋が持ち味だとすれば、右打者には外角への配球を重視し、左打者には強気に内角への投球を重視するスタイル。状況によっては強気なリードになるので、うまくはまれば大きいが、ポカを喰らいやすい危険性も秘めている。
ミットを軽く示し、そのミットを地面につけることなく捕球。ボールを押し込むような、しっかりした捕球ではないが、収まったミットを動かすことがなく、審判の信頼を得られやすいキャッチングには好感。ワンバウンド処理の際のミットの出し方や打球への反応なども悪くなく、キャッチングには大きな欠点はない。それほどフットワークが機敏だとか、打球への素早い反応が見られるとか、そういった敏捷性は高くはない。
昨年までは、地肩は強いものの、スローイングタイムに時間を要するなど無駄な動きが多かった。しかし今は、安定して1.9秒前後のタイムを叩き出し、球筋も安定してきた。プロレベルに混ぜても平均レベルのスローイングには達しており、課題だったスローイングも、この一年間で大いに成長。
元々打撃型だと思われがちだが、捕手としての必要な投手や審判への配慮を忘れない選手であり、捕手的な性格の持ち主。その辺は、ボール返す時の返球からも伺うことができる。地肩の強さも、上手く実戦で使えるレベルにまで引き上げられており、プロに必要な資質を備えてきました。
まあ昨年から感じられるのは、まだ一つ一つの動作の鋭さや、ここ一番での集中力が散漫な部分は見受けられるものの、プロの基準を満たすだけの捕手になったのかなあと言うのが、この秋の率直な感想だった。
[高画質で再生]
岡島 豪郎(白鴎大)捕手 [専用サーバー]
(打撃面)
柔らかいバッティングが特徴で、対応力と長打力をバランスよく兼ね備えたおり、関甲新リーグ屈指の強打者です。昨年の大学選手権でも、ドラフトの目玉である菅野 智之(東海大)相手にも、苦にすることなく対応しておりました。
この春は、関甲新リーグに足を運べなかったのですが、平塚で行われた日米野球のセレクションで確認。そこでもセンター前にきっちりはじき返すなど、打撃は全国級であることを証明。昨年の春のリーグ戦では、打率.320 5本 17打点と破壊力のあるところを魅せましたが、今春のリーグ戦では、.419厘 0本 12打点 と対応力を高めて来ました。私が観戦したこの秋の平成国際大戦では、センター前にはじき返し先制のタイムリーを放つなど勝負強さは健在。ただ以後の打席では、打ち損じが多く仕留めきれない場面が目立ちました。そこで今回は、6月の平塚合宿での映像を元に、打撃フォームについて考えてみたいと思います。
(打撃フォーム)
<構え> ☆☆☆☆
前足をしっかり引いた左オープンスタンスから、グリップの高さは平均的で、少し捕手方向にあらかじめ引いて添えられています。腰の据わり・全体のバランス・両目で前を見据える姿勢などもよく、バットを前に倒して揺らぎながら構えます。打席ではリラックスして構えられており、理に適った構えだと言えるでしょう。
<仕掛け> 平均的仕掛け
ちょっとわかり難いのですが、仕掛けのタイミングは昨年と変わらず「平均的な仕掛け」で始動しているように思えます。より確実性が高まっているので、始動を早めたのかと思いましたが、そんなことはありませんでした。
ある程度の対応力と長打力を兼ね備えた、中距離・ポイントゲッターが多く採用する仕掛けであり、彼の勝負強い打撃を後押ししています。
<足の運び> ☆☆☆☆
足を引き上げ回し込む「間」が作れる選手なので、いろいろな球に対応できます。真っ直ぐ踏み込んだ足下は、カカトをめり込ませることで、ブレを最小限に抑えられます。真っ直ぐ踏み込むということは、内角の球でも外角の球でも捌きたいという彼の意志が感じられますし、足下がブレないことで外角の球もきっちり捌けます。ただ秋のリーグ戦では打ち損じも多かったので、この辺の下半身のバランスが悪くなっていた可能性もあります。
<リストワーク> ☆☆☆☆
打撃の準備である「トップ」の形を作るのは、けして遅くありません。そのため速い球にも、立ち後れることは少ないと思います。昨年までは、少し体から離れてバットが出ていたのが、だいぶコンパクトに無駄なくボールを捉えられるようになったと思います。そのため以前よりも、率が残るようになったのではないのでしょうか。
その分、スイングの弧は小さくコンパクトになり、破壊力は薄れた感じが致します。この選手の場合、パワフルというよりは、上手く合わせる打撃に優れたタイプ。ただ打球もスイングにも一定レベルのものがあり、プロレベルの投手相手でも、力負けするとかいう非力さや脆さは感じられません。
<軸> ☆☆☆
足をしっかり上げ下ろしするタイプなので、頭が安定して目線が動かないタイプではないようです。体の開きも我慢できておりますし、軸足も地面から真っ直ぐ伸びて、打撃の波が少ない安定したタイプだと考えられます。
(打撃のまとめ)
昨年から大きくは変わっていないように思えますが、スイング軌道がコンパクトになり、当てるのがより上手くなったように思えます。その分スイングが小さくなったので、以前ほどボールが上がらなくなった気は致します。
ただ技術的には、プロでも充分やって行けるだけの下地ができてきたので、打撃で足を引っ張るということはないでしょうし、やはりこの選手は打撃が売りの捕手ということになるでしょう。将来的には、その打力を買われて、他のポジションにコンバートされるかもしれません。イメージ的には、巨人の阿部慎之助に似たタイプです。
(最後に)
持っている打撃能力は素晴らしく、捕手としても基準レベルのものを身につけてきました。ただ地方リーグの選手のせいか、少し「鋭さ」や、ここ一番での集中力という意味では、物足りないものを感じます。プロで結果を残すまでには、少し時間がかかるかもしれません。
捕手として、プロのレギュラー捕手を任されるまで昇り付けられるのかは微妙だと思いますが、打撃に関してはプロでも通用することになると思います。もし頭角を現すとしたら、打撃から入って行くタイプではないのでしょうか。物凄い高い評価できませんが、大学からプロに指名される、数少ない選手になることでしょう。
蔵の評価:☆
(2011年 秋季リーグ戦)
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