伏見 寅威(東海大)捕手
2012/05/16|Category:個別寸評
伏見 寅威(東海大)捕手 182/83 右/右 (東海大四出身)
「やっぱりNO.1かも」
やっぱり2012年度のシーズンが始まってみて、他の捕手と比べてみると、伏見 寅威 は、大学・社会人で№.1の捕手なのではないか、そんな思いが強くなってきた。一見何が売りなのか掴みどころのない選手なのだが、よ~く見ると穴が少なく、欠点らしい欠点が見当たらない。今回は、そんな 伏見選手を、オフシーズンに残した寸評と比較しながら、今年のプレーを検証してみたい。
(ディフェンス面)
彼の最大の良さは、投手のボールに対し押し返すような力強いキャッチング。捕手に求められる一番大事な要素は何か?と議論になるが、私はプロの球にも力負けしないシッカリしたキャッチングにあると考える。プロはまず地肩が強いことと、第一条件にあげるスカウトは多いが、私はまずシッカリ捕れること。このことを、捕手の第一条件にあげたい。そういった意味では、文句なしこの選手は今年の№.1だ。
ミットを一瞬しか投手に示さないので、的をつけて投げやすいのかは微妙。ただミットを下げることなく捕球し、ワンバウンド処理、低めの球への対応は悪くない。リードは、アウトコース中心に組み立てるオーソドックスなスタイル。スローイングは、1.9秒前後と驚くようなタイムや地肩の強さではないが、実戦で刺すという意味では制球よく安定している。プロでも平均的な地肩ではあるが、こと刺すということに関しては上位の部類に入るのではないのだろうか。
まずプロが第一条件としてあげる、刺せる肩というものを持っている。そして私が第一条件にあげる ボールをシッカリ捕球することも兼ね備えている。将来的に、プロのレギュラー捕手まで昇り詰められるかは微妙だが、総合力では、2012年度の大学・社会人では、やはり№.1の捕手だと評価したい。
(打撃内容)
むしろ私にとって心配なのは、打撃の方にある。下級生の頃から東海大のレギュラーを張り、リーグでは首位打者の経験もある。ただ全国レベル・更に上のレベルの野球を意識すると、まだまだ物足りない印象は否めない。今回は、前回フォーム分析した時と違う部分に着目して考えてみたい。
<構え> ☆☆☆
形としては殆ど昨年と変わった印象はありません。しかし昨年は適度に体を動かし揺らいでいたのですが、今年のプレーを見ると、ゆらぎらしい動きは観られません。その辺は、何処か脆い・固い印象は受けてしまい、実際の打撃でもそういった感じが致します。
<仕掛け> 早めの仕掛け
昨年の秋のフォームでは、「遅めの仕掛け」を採用していた。しかし3月の社会人選抜との試合では、「早めの仕掛け」を採用。典型的なアベレージ打者のそれとなり、課題であった対応力を改善しようという意思は感じられる。
<足の運び> ☆☆☆☆
以前のように足を回し込み打ちに来る、余裕のある動作に戻しました。始動~着地までの時間が取れているので、いろいろな変化に対応できます。インステップに踏み込んでいたのも、スクエアに戻し幅広く打とうという意識の現れです。フォームを変えたというよりは、良かった下級生の頃に戻したといった方が適当ではないのだろうか。
<リストワーク> ☆☆☆
ほとんど形は変わりませんが、以前は「トップ」~「インパクト」までのスイング軌道に無駄を感じなかったのですが、今回は少し遠回りにバットが出ている印象を受けました。昨秋のリーグ戦の時に比べる、と今年のフォームは少し劣ります。
<軸> ☆☆☆
昨秋に比べると、頭の動きも大きくなっていると思います。ただ体の開きは我慢できており、インパクトの際にもブレません。少し軸足の形が窮屈であり、その辺がスイングの形をいびつにしていると考えます。
(打撃フォームのまとめ)
いろいろ思考錯誤しているのは、フォームの変遷から見ていてもわかります。ただ全体としては、昨秋のフォームの方が、3月の時点でのフォームよりは良かったのではないかと思います。ただシーズン前だった3月とシーズン中だった昨年のフォームを比べると、まだまだフォームが安定していなかったのかもしれません。
(野球への意識)
ネクストバッターボックスでは、投げている投手にタイミングを合わせたりと、試合には上手く入って行けています。足場のならし方などを見ていると、打撃へのこだわりは悪くないようです。ただ打席に入るときにラインを踏んでしまうように、捕手としてのキメこなやかは感じません。実際に見ていて思うのは、こういった捕手としての適性という意味で、今まであまりピンと来たことがなかったのかもしれません。
(最後に)
ディフェンスに関しては、2012年度の大学・社会人NO.1捕手と言われる所以は、今シーズンのプレーを見るとより実感致しました。打撃も下級生の時からの活躍、リーグ首位打者を獲得したように、ボールを捉える能力は悪くはありません。ただプロで活躍するほどの対応力があるのかは微妙ですが、ドラフト候補として必要な打力は持ち合わせていると評価します。
そういった攻守のバランス・下級生の頃から積み上げてきた実績からしても、3,4位ぐらいでは指名されるのではないのでしょうか。個人的にも、改めて力はある選手なんだなという印象は持っています。ぜひこれまで苦しんできた全国での舞台で、申し分ない活躍を手土産にプロ入りを実現して欲しいとおもいます。
蔵の評価:☆☆
(2012年 春季リーグ戦)
「やっぱりNO.1かも」
やっぱり2012年度のシーズンが始まってみて、他の捕手と比べてみると、伏見 寅威 は、大学・社会人で№.1の捕手なのではないか、そんな思いが強くなってきた。一見何が売りなのか掴みどころのない選手なのだが、よ~く見ると穴が少なく、欠点らしい欠点が見当たらない。今回は、そんな 伏見選手を、オフシーズンに残した寸評と比較しながら、今年のプレーを検証してみたい。
(ディフェンス面)
彼の最大の良さは、投手のボールに対し押し返すような力強いキャッチング。捕手に求められる一番大事な要素は何か?と議論になるが、私はプロの球にも力負けしないシッカリしたキャッチングにあると考える。プロはまず地肩が強いことと、第一条件にあげるスカウトは多いが、私はまずシッカリ捕れること。このことを、捕手の第一条件にあげたい。そういった意味では、文句なしこの選手は今年の№.1だ。
ミットを一瞬しか投手に示さないので、的をつけて投げやすいのかは微妙。ただミットを下げることなく捕球し、ワンバウンド処理、低めの球への対応は悪くない。リードは、アウトコース中心に組み立てるオーソドックスなスタイル。スローイングは、1.9秒前後と驚くようなタイムや地肩の強さではないが、実戦で刺すという意味では制球よく安定している。プロでも平均的な地肩ではあるが、こと刺すということに関しては上位の部類に入るのではないのだろうか。
まずプロが第一条件としてあげる、刺せる肩というものを持っている。そして私が第一条件にあげる ボールをシッカリ捕球することも兼ね備えている。将来的に、プロのレギュラー捕手まで昇り詰められるかは微妙だが、総合力では、2012年度の大学・社会人では、やはり№.1の捕手だと評価したい。
(打撃内容)
むしろ私にとって心配なのは、打撃の方にある。下級生の頃から東海大のレギュラーを張り、リーグでは首位打者の経験もある。ただ全国レベル・更に上のレベルの野球を意識すると、まだまだ物足りない印象は否めない。今回は、前回フォーム分析した時と違う部分に着目して考えてみたい。
<構え> ☆☆☆
形としては殆ど昨年と変わった印象はありません。しかし昨年は適度に体を動かし揺らいでいたのですが、今年のプレーを見ると、ゆらぎらしい動きは観られません。その辺は、何処か脆い・固い印象は受けてしまい、実際の打撃でもそういった感じが致します。
<仕掛け> 早めの仕掛け
昨年の秋のフォームでは、「遅めの仕掛け」を採用していた。しかし3月の社会人選抜との試合では、「早めの仕掛け」を採用。典型的なアベレージ打者のそれとなり、課題であった対応力を改善しようという意思は感じられる。
<足の運び> ☆☆☆☆
以前のように足を回し込み打ちに来る、余裕のある動作に戻しました。始動~着地までの時間が取れているので、いろいろな変化に対応できます。インステップに踏み込んでいたのも、スクエアに戻し幅広く打とうという意識の現れです。フォームを変えたというよりは、良かった下級生の頃に戻したといった方が適当ではないのだろうか。
<リストワーク> ☆☆☆
ほとんど形は変わりませんが、以前は「トップ」~「インパクト」までのスイング軌道に無駄を感じなかったのですが、今回は少し遠回りにバットが出ている印象を受けました。昨秋のリーグ戦の時に比べる、と今年のフォームは少し劣ります。
<軸> ☆☆☆
昨秋に比べると、頭の動きも大きくなっていると思います。ただ体の開きは我慢できており、インパクトの際にもブレません。少し軸足の形が窮屈であり、その辺がスイングの形をいびつにしていると考えます。
(打撃フォームのまとめ)
いろいろ思考錯誤しているのは、フォームの変遷から見ていてもわかります。ただ全体としては、昨秋のフォームの方が、3月の時点でのフォームよりは良かったのではないかと思います。ただシーズン前だった3月とシーズン中だった昨年のフォームを比べると、まだまだフォームが安定していなかったのかもしれません。
(野球への意識)
ネクストバッターボックスでは、投げている投手にタイミングを合わせたりと、試合には上手く入って行けています。足場のならし方などを見ていると、打撃へのこだわりは悪くないようです。ただ打席に入るときにラインを踏んでしまうように、捕手としてのキメこなやかは感じません。実際に見ていて思うのは、こういった捕手としての適性という意味で、今まであまりピンと来たことがなかったのかもしれません。
(最後に)
ディフェンスに関しては、2012年度の大学・社会人NO.1捕手と言われる所以は、今シーズンのプレーを見るとより実感致しました。打撃も下級生の時からの活躍、リーグ首位打者を獲得したように、ボールを捉える能力は悪くはありません。ただプロで活躍するほどの対応力があるのかは微妙ですが、ドラフト候補として必要な打力は持ち合わせていると評価します。
そういった攻守のバランス・下級生の頃から積み上げてきた実績からしても、3,4位ぐらいでは指名されるのではないのでしょうか。個人的にも、改めて力はある選手なんだなという印象は持っています。ぜひこれまで苦しんできた全国での舞台で、申し分ない活躍を手土産にプロ入りを実現して欲しいとおもいます。
蔵の評価:☆☆
(2012年 春季リーグ戦)
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