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佐藤 峻一(道都大)投手
佐藤 峻一(道都大)投手 178/68 右/右 (北見柏陽出身)





          「フォークが決まってなんぼ」





3月の法政とのオープン戦で観たときは、3位以内は確定かなと思えた 佐藤 峻一 。しかし大学選手権緒戦の国際武道大では、立ち上がりからボールが走らず、更に高めにボールが抜けて抑えが効かない散々たる内容だった。しかしイニングが進むにつれ、ボールもストライクゾーンに収まり始め、武器であるフォークも決まって徐々にリズムを取り戻す。翌日の創価大戦では、ストレートの勢いも前日と打って変わって走っていた。

(投球内容)

独特の小さなテイクバックから投げ込んで来る、少し独特のフォーム。

ストレート 常時140キロ台~MAX146キロぐらい

緒戦の国際武道大戦では、ボールが高めに抜けていただけでなく、ボールの走り・勢い自体イマイチだった。しかし連投した創価大戦では、ボールの勢いは取り戻していた。しかし相変わらず力むと、ボールが上吊る傾向が見られる。実はこれは、オープン戦で観戦した時も同様の傾向が見られていた。ただボールは真ん中~高めのゾーンに集まるのだが、両サイドには上手く散ってくる。真ん中近辺に集まって来ないのは、救いと言えば救いだろう。

変化球 スライダー・カーブ・ツーシーム・フォーク

右打者には、外角一杯に速球とスライダーを集めてくる。また左打者には、内外角に散らせつつ、追い込むと縦の変化で空振りを誘う。余裕が出てくると、カーブで緩急を。フォークが低めに決まり出す、高めのストレートに勢いがあるので、高低の幅が広くなり打者は中々ついては行けない。

その他

ランナーが出塁すれば、走者を刺すような鋭い牽制を魅せる。またクィックも1.0~1.15秒ぐらいと素早く投げ込むことができ、モーションも小さく走者としては盗塁を狙いにくい。フィールディングの動きも素早く、投球以外の部分は、しっかりできている。

(投球のまとめ)

速球が高めに集まっていても、フォークが決まり出すと打者は高低の幅が広く、中々ついて行けない。更に普段は、両サイドにしっかり投げ分けて来るので、余計に打者は的を絞りにくい。

鋭く横滑りするスライダーも実戦的で、余裕が出てくればカーブで緩急を効かしたり、ツーシームで踏み込みを封じたりもしてくる。そして高めに目線が浮いたところに、低めに落ちるフォークが決まり出すと、ストレートの勢いもあり、中々攻略するのが困難になる。

(投球フォーム)

<広がる可能性>

引き上げた足を地面に向けて降ろすので、元来カーブで緩急をつけたり縦の変化は向きません。それでもカーブを投げたりフォークを武器として投げており、身体への負担は少なくなさそうです。

それでもある程度、そういった球を投げ込めるのは、「着地」までの粘りがあり、身体のを捻り出す時間が確保できているからではないのでしょうか。それでもテイクバックが小さく、通常ならば球速のある小さな変化球を中心に投球を広げて行くのが一般的です。そういった意味では、かなり異色なタイプだと言えるでしょう。

<ボールの支配>

グラブを最後まで内に抱えられており、両コーナーへの投げ分けは安定。ただ足の甲の地面への押しつけが、完全に浮いてしまっています。これではボールが上吊るのが抑えられないのも、致し方ないと言えるでしょう。「球持ち」も、あの抑えの効かない投球を見る限り、指先の感覚が優れているとは言い切れません。

<故障のリスク>

お尻が落とせないのにカーブで緩急を、フォークを多投して武器にしています。そういった意味では、かなり肘への負担の大きなフォームだと言えそうです。更に腕にも多少無理して角度をつけているので、肩への負担も感じます。一番怖いのは、プロ入り後の故障であるように思えます。

<実戦的な術>

「着地」までの粘りは悪くないので、身体の「開き」は、けして早くはありません。そのため、それほどフォームが淡泊な印象は受けません。

振り下ろした腕は身体に絡んできて、速球と変化球の見わけは困難。下半身が上手くエネルギー伝達できているとは言えませんが、ボールにウエートを乗せるのは、けして下手ではありません。その証に、勢いのある時のボールには見応えが充分あります。

(投球フォームのまとめ)

「着地」「開き」「体重移動」「球持ち」と、特筆すべきものはありませんが、どれも欠点というほど悪い部分もありません。そういった意味では、けしてフォームとしては、実戦的ではないとは言えないでしょう。

大きな欠点があるすれば、ボールが高めに浮いてしまう足の甲の使えない部分。そして、怪我のリスクの大きな投げ方をしているという点です。この辺が、プロの世界でどう出るのか気になるところです。

(最後に)

ボールの勢い・好調時の変化球とのコンビネーションは、3位以内でないと獲れないだろうなと思わせるものがあります。しかしまだプロの即戦力を期待するのには、いろいろな意味で不安な要素があります。そのため1.2年ファームで漬け込む覚悟のある球団が、指名すべきではないのでしょうか。

あと気になる部分は、かなり日によってボールのデキに波があること。これは、そういったタイプなのか、負担の大きなフォームのため、肘・肩の状態によって変わって来るのかは定かではありません。せっかく素晴らしい才能を持っていても、怪我などで才能か開花できずに終わってしまうかも、あるいは基礎体力不足で時間がかかるかもなといった不安は感じずにはいられません。毎年コンスタントに活躍するといったタイプではなく、短い期間に爆発的に活躍するタイプかもしれませんね。ただ3位ぐらいならば、上位指名級の資質があるだけに、面白い指名にはなると思います。そういった不安を感じた分、春のオープン戦の時よりも少し評価を落としたいと思います。

蔵の評価:☆☆

(2012年 大学選手権)
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