大学選手権初日・東京ドーム1
2013/05/27|Category:観戦記
今日から、大学野球最大の大会「全日本大学選手権」が始まりました。会場となった神宮球場と東京ドームの中継があったのですが、神宮球場の第一試合・第二試合の半分ぐらいまで録画出来ませんでした(事情を説明すると長くなる)。ということでそれらの試合は、7月1日の再放送を待つしかありません。そこで今回は、それ以外の試合についてドラフト候補という観点中心に、レポートを作成したいと思います。
第一試合 創価大 VS 四国学院大
この試合の注目は、両チームの4年生先発にありました。石川 柊太(創価大4年)投手は、先日東京国際大との優勝を賭けた一戦の模様をレポートした投手。
183/85のスラッとした投手体型から、かつて西武のリリーフで活躍した 森 慎ニ を彷彿させるような、ちょっと癖のあるフォームから投げ込んできます。この日の球速は、常時130~MAX139キロ程度だったかと思うのですが、先日見たときは要所で140キロ台中盤を投げていたのに比べると、かなり地味な球速ではありました。
ただこの投手のストレートは、それほどグッと体重が乗って来ないので140キロ台中盤ぐらいまで出て来ないと見栄えがしてきません。そういった意味では、今日はストレートは物足りない印象は否めませんでした。それもストレートの多くは、高めにかなり浮く・抜ける傾向があります。それでも四国学院大が捉えきれなかったのは何故か?
彼のストレートは、中途半端な高さではなく、少しバットが下から出てきそうなぐらいストライクゾーンでもギリギリの高さに集まること。またかなり角度をつけて投げて来るので、けして伸びやキレがあるような球ではないのですが、バットの芯で中々捉えられないのではないかと思います。ピッチングスタイルとしては、巨人にいるホールトンに似たタイプだと思います。
またストレートに的を絞らせなかった最大の要因は、独特のカーブのような軌道を辿るスライダーの存在。このチョッと抜いて来るようなスライダー、更に緩いカーブ、思わずタイミングが狂わされるチェンジアップのような沈む球など縦の変化中心で、高低の変化に最後まで四国学院の打者達がついて来れなかったのではないのでしょうか。
けしてこの選手自身が、投球をまとめるセンスが高いとか、絶妙なコントロールがあるわけではありません。それでも抑えられるのは、打ち難い投手であり、的を絞り難い類の投手だということなのでしょう。ただこのピッチングが、レベルの高い相手にそのまま通用するかどうかは、かなり微妙な気はしています。今日勝ち上がったので、次戦の投球がひとつ試金石になるのでは。ただ今日の内容だと、個人的には物足りないなぁと感じたのは確かです。個人的には、140キロ台後半も期待していただけに残念でした。
一方のの四国学院大の先発・高野 圭佑(4年)右腕は、ボールに体重をグッと乗せられ、打者の手元まで勢いの落ちない本物ストレートを投げられる投手。ただ球速的には、常時140~144キロ程度と地味で、151キロを記録している彼の能力からすれば物足りない数字。
ただ実際一つ一つのボールの勢いは確かで、かなりドームのガンが厳しいのではないかと考えます。変化球も打者の手元で小さく曲がるスライダー、それにフォークのような沈む球も持っています。
あまり今春は調子が良くなかったと訊いていましたが、ボールの勢いはまずまず。ピッチングも思ったよりは、間合いなどを意識して、投手らしい内容ではあったと思います。ただスライダーとの単調なコンビネーションのせいで、高めに浮いたストレートをことごとく創価打線に打たれ失点します。そういった勝負どころでの甘さがあり、良い球を投げても報われ難いタイプなのかなといった気は致します。
まだ勝てる投手ではないのですが、順位にこだわらなければ指名されると思います。またこれからグッと良くなる可能性も感じられますし、先発よりもリリーフでの方が持ち味が発揮されそう。出来ればもう一回ぐらい、ドラフトまでに見てみたい投手ではあります。一回戦で敗戦してしまったことを考えると、日米野球の追加招集には厳しいかなぁと思いましたが。
第二試合 東京情報大 VS 近大工学部
この試合の注目は、小林 慶祐(東京情報大3年)右腕。186/80 の均整の取れた体格から、常時140キロ台~MAX143キロの角度のあるストレートと、縦に鋭く落ちるフォークとのコンビネーションが光ります。また時々中間球のスライダーも織り交ぜてきます。
恐らく他球場ではもっと球速は出ていただろうし、ボールの勢いは中々のもの。素材としては魅力で、千葉大学リーグでは久々に、大学から直接プロ入りを意識できる素材だと言えるのではないのでしょうか。
その一方で、本当の制球力がないこと。フォークを武器にする投手にありがちな、フォークへの依存度が高く多投してしまい、投球が汲々になる場面が目立ちます。フォークピッチャーに言いたいのは、フォークに依存しないピッチングを日頃から心がけること。そうしないとピッチングの幅はどんどん狭まるし、故障の可能性も格段に増します。必要な大事なとき以外は、基本的にフォークという球種はあまり使わないことが、まわりまわってフォークの価値と自分のピッチングを高めます。いずれにしても、来年のドラフト候補としてマークできる素材ではないのでしょうか。
試合に勝った近大工学部の方ですが、エースの森原 康平(山陽出身 4年)右腕を始め、これといった突出した選手はおらず。ドラフト候補云々の選手はおりません。しかしその森原は、リーグでは圧倒的な安定感を誇る好投手。185/81 の恵まれた体格ながら、とってもゆったり脱力したフォームで、球速は130~135キロぐらい。しかし回転の悪そうなボールを両コースに散らし、ゴロの山を築かせるピッチングスタイル。縦横二種類のスライダーを織り交ぜ的を絞らせません。派手さはありませんが、卒業後も中国地区の社会人あたりで、野球を続けて行くことになるのではないのでしょうか?
第一試合 創価大 VS 四国学院大
この試合の注目は、両チームの4年生先発にありました。石川 柊太(創価大4年)投手は、先日東京国際大との優勝を賭けた一戦の模様をレポートした投手。
183/85のスラッとした投手体型から、かつて西武のリリーフで活躍した 森 慎ニ を彷彿させるような、ちょっと癖のあるフォームから投げ込んできます。この日の球速は、常時130~MAX139キロ程度だったかと思うのですが、先日見たときは要所で140キロ台中盤を投げていたのに比べると、かなり地味な球速ではありました。
ただこの投手のストレートは、それほどグッと体重が乗って来ないので140キロ台中盤ぐらいまで出て来ないと見栄えがしてきません。そういった意味では、今日はストレートは物足りない印象は否めませんでした。それもストレートの多くは、高めにかなり浮く・抜ける傾向があります。それでも四国学院大が捉えきれなかったのは何故か?
彼のストレートは、中途半端な高さではなく、少しバットが下から出てきそうなぐらいストライクゾーンでもギリギリの高さに集まること。またかなり角度をつけて投げて来るので、けして伸びやキレがあるような球ではないのですが、バットの芯で中々捉えられないのではないかと思います。ピッチングスタイルとしては、巨人にいるホールトンに似たタイプだと思います。
またストレートに的を絞らせなかった最大の要因は、独特のカーブのような軌道を辿るスライダーの存在。このチョッと抜いて来るようなスライダー、更に緩いカーブ、思わずタイミングが狂わされるチェンジアップのような沈む球など縦の変化中心で、高低の変化に最後まで四国学院の打者達がついて来れなかったのではないのでしょうか。
けしてこの選手自身が、投球をまとめるセンスが高いとか、絶妙なコントロールがあるわけではありません。それでも抑えられるのは、打ち難い投手であり、的を絞り難い類の投手だということなのでしょう。ただこのピッチングが、レベルの高い相手にそのまま通用するかどうかは、かなり微妙な気はしています。今日勝ち上がったので、次戦の投球がひとつ試金石になるのでは。ただ今日の内容だと、個人的には物足りないなぁと感じたのは確かです。個人的には、140キロ台後半も期待していただけに残念でした。
一方のの四国学院大の先発・高野 圭佑(4年)右腕は、ボールに体重をグッと乗せられ、打者の手元まで勢いの落ちない本物ストレートを投げられる投手。ただ球速的には、常時140~144キロ程度と地味で、151キロを記録している彼の能力からすれば物足りない数字。
ただ実際一つ一つのボールの勢いは確かで、かなりドームのガンが厳しいのではないかと考えます。変化球も打者の手元で小さく曲がるスライダー、それにフォークのような沈む球も持っています。
あまり今春は調子が良くなかったと訊いていましたが、ボールの勢いはまずまず。ピッチングも思ったよりは、間合いなどを意識して、投手らしい内容ではあったと思います。ただスライダーとの単調なコンビネーションのせいで、高めに浮いたストレートをことごとく創価打線に打たれ失点します。そういった勝負どころでの甘さがあり、良い球を投げても報われ難いタイプなのかなといった気は致します。
まだ勝てる投手ではないのですが、順位にこだわらなければ指名されると思います。またこれからグッと良くなる可能性も感じられますし、先発よりもリリーフでの方が持ち味が発揮されそう。出来ればもう一回ぐらい、ドラフトまでに見てみたい投手ではあります。一回戦で敗戦してしまったことを考えると、日米野球の追加招集には厳しいかなぁと思いましたが。
第二試合 東京情報大 VS 近大工学部
この試合の注目は、小林 慶祐(東京情報大3年)右腕。186/80 の均整の取れた体格から、常時140キロ台~MAX143キロの角度のあるストレートと、縦に鋭く落ちるフォークとのコンビネーションが光ります。また時々中間球のスライダーも織り交ぜてきます。
恐らく他球場ではもっと球速は出ていただろうし、ボールの勢いは中々のもの。素材としては魅力で、千葉大学リーグでは久々に、大学から直接プロ入りを意識できる素材だと言えるのではないのでしょうか。
その一方で、本当の制球力がないこと。フォークを武器にする投手にありがちな、フォークへの依存度が高く多投してしまい、投球が汲々になる場面が目立ちます。フォークピッチャーに言いたいのは、フォークに依存しないピッチングを日頃から心がけること。そうしないとピッチングの幅はどんどん狭まるし、故障の可能性も格段に増します。必要な大事なとき以外は、基本的にフォークという球種はあまり使わないことが、まわりまわってフォークの価値と自分のピッチングを高めます。いずれにしても、来年のドラフト候補としてマークできる素材ではないのでしょうか。
試合に勝った近大工学部の方ですが、エースの森原 康平(山陽出身 4年)右腕を始め、これといった突出した選手はおらず。ドラフト候補云々の選手はおりません。しかしその森原は、リーグでは圧倒的な安定感を誇る好投手。185/81 の恵まれた体格ながら、とってもゆったり脱力したフォームで、球速は130~135キロぐらい。しかし回転の悪そうなボールを両コースに散らし、ゴロの山を築かせるピッチングスタイル。縦横二種類のスライダーを織り交ぜ的を絞らせません。派手さはありませんが、卒業後も中国地区の社会人あたりで、野球を続けて行くことになるのではないのでしょうか?
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