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2013年夏 甲子園ドラフト候補総括(投手編)
甲子園も明日、決勝を迎えます。そこで今回は、ドラフト的な観点で今年の甲子園を振り返ってみましょう。今回は、3年生を中心とした投手編です。

不作・不作と叫ぶのは、自分が能なしと言っているように聞こえるので好きではありません。しかしこの夏、いや2013年度の高校生投手は、私が「迷スカウト」を立ち上げた1998年度以来・最も不作だと言わざるえません。それは、この夏の甲子園で決定的になりました。これから記事を読んで頂く前に申し訳ないのですが、あえてそのことを頭の片隅に入れて読み進めて頂きたいと思います。

そんな中、ドラフト指名される可能性を秘めた選手をあげると、山岡 泰輔(瀬戸内)右腕が筆頭にあがります。例年なら 172/70 の小柄な右投げ投手で、まだストレートの質が本物になりきれていないことを考えると、社会人で実績を積んでからと言いたい選手ではあります。

しかしこの選手、常時140~中盤のストレートが、低めに決まる球筋。そして武器が、強烈な縦のスライダーで空振りを誘えること。持ちえる野球センスも高く総合力の高さからも、現時点で指名レベルに達していることから、上位でなければという条件付きならば指名もありだと思うわけです。心配なのは、すでに完成度の高い投手だけに、ボールそのものがプロ入り後も変わらなかった場合。その時は、かなり汲々のピッチングになるのではないか? そんな不安はよぎります。総合力が高いと言っても、まだ今の力で即プロで通用するだけの投手ではないので。個人的には下位指名ならと思いますが、今年は高校だけでなく、大学・社会人の投手も層が薄いことを考えると、実際には中位ぐらいで指名されることになるのではないのでしょうか。

もうひとり指名されるレベルにあるのが、宮本 幸治(富山第一)右腕でしょう。先の山岡(瀬戸内)同様に、強烈な落差を誇る縦のスライダーを武器にする投手ですが、キレ味では山岡に劣るものの、自在にコントロールできるという意味では宮本の方が上のように思います。まだ細かいコントロールや、ボールに凄みはありませんが、下位指名ならばありだろうと思える力はすでにあります。しかし彼に関しては、某大学への進学の可能性も高く、プロ志望届けを提出しない可能性も否定できません。数少ない指名候補が、また一人消えてしまう危険性があります。

この二人を追うのが、古川 侑利(有田工)右腕になります。緒戦の最後の打者に決めた147キロのストレートは圧巻ですが、まだ良い球が持続しない傾向にあります。二戦目の常葉菊川戦ではチェンジアップのキレも良かったのですが、まだ全国レベルの常葉打線を抑えきれなかったように、総合力では物足りません。また体幹の強さを活かした打撃での評価も高いのですが、個人的には対応力に課題があり、投手として様子をみたい素材です。指名となると意見も別れボーダーレベルですが、私は指名リストには入れない選手だと評価します。まぁ本人がプロ志望届けを提出すれば、下位指名か育成枠あたりでの話があっても不思議ではありません。恐らく今大会でドラフト指名される投手は、あってもここまでではないかと考えます。

この3人を除くと、大学や社会人などに進んだ数年後に期待、そんな選手は他にも何人かいました。故障で出遅れたが、夏の予選から復活した 政木 拓真(三重)右腕は、MAX145キロのズバーンとミットに突き刺さるストレートの威力には見るべきものがある。大学などで変化球などを磨き、ピッチングの幅を広げることができれば将来は楽しみ。

柳沢 和希(上田西)右腕も、均整の取れた体格、癖のないフォームで、まだまだ上積みが期待できそうな体つき。それでいてMAX142キロを記録し、同じ腕の振りで変化球を操れる器用さも併せ持つ。

仲村渠 康太(福知山成美)右腕も、ボールに伸びがあり、速球には観るべきものがあった。ただ変化球含め、攻めのバリエーションが少なく、投球に奥行きが感じられないのが今後の課題。翁田 勝基(西脇工業)右腕は、想像以上に変化球が良かったが、球威型のストレートが高めに集まるのが今後の課題。空振りを誘えるストレートではないので、低めで詰まらせたい。

中村 文英(福井商)右腕などは、140キロ台のストレートが球速ほどではなく、むしろ縦・横二種類のスライダーのキレが光った。むしろ将来性では、2番手で登板した長谷川 凌汰(福井商)右腕の方が光った。柔らかい腕の振りに、空振りを誘える球質は、3,4年後大化けしている可能性がある。個人的には現時点ではドラフトレベルではないが、将来的に一番楽しみなのはこの投手だと思っている。

左腕では、東 克樹(愛工大名電)左腕は、小柄だが全身を活かした力投派左腕。マウンド捌き、変化球レベル・制球力などもよく、スケールはないが実戦力は高い。田部 稜太(石見智翠館)左腕も、135キロぐらいでもボールに力があり低めに集まる。更にボールを振らせるスライダーのキレもよく、大学などで大いに活躍できるかもしれない。

また山梨のダルビッシュ・山田 基樹(3年)右腕も、194センチの体格を生かし、今後の成長が期待される一人。まだまだ投手としてのまとまりが物足りなく総合力は低いが、うまくまとめられるようになると楽しみな素材ではあるのは確か。

こうやって見てみると、高卒プロほどの総合力や圧倒的な能力はないが、大学などに進んでから楽しみな選手は少なくない。逆に高校の間からプロに人材が多く吸い取られないとするならば、3,4年後は資質を伸ばした多くのものが大量に出現する可能性は残されている。彼らの成長を、今後も見守るのは大いなる楽しみとなって来る。

残念ながらこの傾向は、甲子園だけでなく全国的に見ても同様。そのため今年は、高校からプロに指名される投手は極めて少なくなるだろう。特に中位~下位指名ぐらいの評価にとどまっている選手の中には、大学側からの囲い込みが厳しく、進学する選手も少なくない。それだけに、余計にタマが少なくなっている。ただ現2年生世代は、全国的にも三年生を凌駕している地域も少なくなく、来年は高校生投手の当たり年、そんな予感が早くも漂う。

(2013年夏 甲子園 ドラフト候補リスト)

山岡 泰輔(瀬戸内高) 172/70 右/左
宮本 幸祐(富山第一) 179/83 右/左
古川 侑利(有田工業) 178/77 右/右

政木 拓真(三重高校)  177/83 右/右
柳沢 和希(上田西高)  179/73 右/左
仲村渠康太(福知山成美)178/83 右/右
翁田 勝基(西脇工業)  182/81 右/右
中村 文英(福井商業)  182/85 右/右
長谷川凌汰(福井商業)  188/84 右/左
東  克樹(愛工大名電) 170/70 左/左
田部 稜太(石見智翠館) 182/84 左/左
山田 基樹(日川高校)  194/88 右/右
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