2013年 甲子園初日レポート
2013/07/22|Category:観戦記
今日から夏の選手権大会が始まりました。簡単ではありますが、各試合のレポートでも。詳細なものは、個別に各選手取り上げるときに行いたいと思います。
第一試合 有田工業 VS 大垣日大
プロ注目の 古川 侑利(有田工3年)投手は、178/77 と少しゴロンとした体型で、もっさりした印象を受けました。球速は確かに140~MAX148キロまで記録していましたが、殆どのストレートは狙ったところに上手くコントロールできず、ばらついてビシッと決まりません。その分、スライダー・チェンジアップ・カーブなどを織り交ぜて、相手の的を絞らせませんでした。ようやく最後の打者に、ビシッと148キロのストレートを決めた時には唸るボールでしたが、現状はそういった球が殆どいかない完成度の低さを感じます。ストレートの馬力はドラフト級ですが、総合力で考えた場合は物足りません。
打撃の方でも、あまり柔軟性を感じず体幹の強さでかっ飛ばすタイプ。フィールディングの動きやクィックなどの動作を切り返しなどを見ると外野手だろうなぁという感じ。高校から外野手を取るとなると、絶対的なものが欲しい印象で、そこまでのものは感じません。二回戦以降の試合も見て判断したいと思いますが、個人的にはリストに載せることはないと思います。
大垣日大では、横江 大聖(3年)捕手が注目でした。体を小さく屈め、ミットを示しグラブを下げない選手で、一球一球のボールの押し込みが素晴らしいキャッチングには目を見張るものがあります。スローイングに関しても、捕ってからスローイングまでの型しっかりしており、制球が安定してそう。タイムは1.93秒ぐらいでしたが、それ以上に評価できる内容でした。ディフェンス力に関しては、ドラフト級の素材だと思います。ただチームでも下位打線を打つように、打撃には特徴を感じません。三塁強襲の当たりは放ちましたが、高卒でのプロ入りとなると物足りません。ディフェンス力を評価しての指名がないとは言いませんが、大学などに進学することになるのではないのでしょうか。
そのほかでは、2年生で4番を務めた 滝野 要(大垣日大2年)三塁手の、合わせるのが上手い打撃が目を惹きます。また塁に出れば2つの盗塁を決めるなど野球センスの高い選手。中学時代は、ボーイズ日本代表の片鱗を伺わせてくれました。
第二試合 大阪桐蔭 VS 日本文理
注目のドラフト1位候補である 森 友哉(大阪桐蔭3年)捕手は、レフトスタンドに高々と上げて本塁打・続く打席ではライナーでライトスタンドに、更にライト前に火の出るようなジャストミートで、打撃ではモノが違うことを改めて印象づけた。
しかし昨年から指摘するように、キャッチングでポロポロ後逸する場面が目立ち、スローイングでも塁間1.9秒前後で投げられる素早さはあるものの、二度とも送球が安定しないなどディフェンス面に成長が見られなかったのは残念。今年の大阪桐蔭は、大型チームにありがちな雑なプレーが目立ち、私は連覇は厳しいだろうなと強く思ったもの。いずれにしてもドラフト1位は揺らがない選手だとは思うが、プロで捕手でやってゆくという意味では、時間がかかるだろうなという印象は否めなかった。
選抜大会前に故障して出場できなかった 近田 拓矢(大阪桐蔭3年)一塁手が4番として出場。昨夏の甲子園で、代打で出場して以来気になってきた選手。打てるポイントは極めて限られていそうだが、ツボにハマった時の飛距離・スイングの迫力は桁外れ。森の本塁打に続いて、圧巻の打球をレフトスタンドに叩き込んだ。こういう選手は、アマでちまちま育ててもなぁと思うのだが、どのような進路を選択するのか?
日本文理では、文理史上最高の素材と監督が評する 飯塚 悟史(2年)右腕が腰痛のため先発できず。終盤ようやく投げるも、135~後半でその片鱗を伺うまでには至らなかった。体格にも恵まれ、打撃もあるなど、高い野球センスを秘めていることは窺い知れたが・・・。
大阪桐蔭は9回に 高西 涼太(3年)右腕が登板。180/82 とガッチリとした体格の投手で、常時140~中盤を叩きだすスピード能力は確か。ただこれだけのボールを投げながら、文理打線に合わせられていたのは、打者にとっては苦にならないフォームなんだなという印象を受けた。できれば、別の試合も見てレポートを作成してみたい。
第三試合 箕島 VS 日川
箕島の先発・須佐見 将馬(3年)右腕は、球速こそ135キロ前後~後半ぐらい。しかしながら、ベース板まで力が落ちない力強さに、スライダー・チェンジアップなどの変化球もよく、適度にまとまった好投手。182/61の体格からも、上手く肉付けできれば大学で総合力に優れた投手になれる可能性を秘めている。関西の大学あたりで、野球を続けることを期待したい。
日川の194センチ右腕・山田 基樹(3年)右腕は、独特のテイクバックなどもあり、ボールの送り出しが下手なフォーム。そのため球筋が安定しないのが気になったが、2回以降投球が安定してきた。時々外角低めに決まるストレートの球筋、スライダー・フォーク・カーブなども時々好い球を持っている。あとは、そういったものを上手く一つにまとめきられるようになるのかが鍵を握る。
今日見た時は、春季山梨大会で生で見た時と似た印象。しかし夏の山梨予選では、荒れ荒れでも、かなり速い球を投げており、今日は少し丁寧に投げようという意識が強かったかも。幸いにして勝利したので、次戦の投球を見て最終判断を下したい。
素材としての魅力は感じるが、現状は総合力に課題があり、高校からのプロ入りは難しいのではないかとは思っている。有力大学などに進んで、上手くピッチングをまとめられるようになりたい。昨年の山梨ならば、素材型ならば 平間 凛太郎(山梨学院大)程の絶対的なスピード能力もなければ、神原 友(東海大甲府)右腕ほどの総合力もなく、彼らに比べると一枚、二枚劣る印象は否めない。現時点で、素材重視で指名するのにはリスクが大きいのではないのだろうか。
打者では、日川の4番・山形 勝一(3年)左翼手の、引き手の強い強打が目を惹いた。ホームランだけでなく球足の速い打球が目立つ。引き手が強く引っ張り専門かと思ったら、右方向にも強い打球を飛ばせるのも大きい。守備・走塁との兼ね合いでドラフト候補云々ではないが、チームの4番に相応しい強打者だと言えよう。
第一試合 有田工業 VS 大垣日大
プロ注目の 古川 侑利(有田工3年)投手は、178/77 と少しゴロンとした体型で、もっさりした印象を受けました。球速は確かに140~MAX148キロまで記録していましたが、殆どのストレートは狙ったところに上手くコントロールできず、ばらついてビシッと決まりません。その分、スライダー・チェンジアップ・カーブなどを織り交ぜて、相手の的を絞らせませんでした。ようやく最後の打者に、ビシッと148キロのストレートを決めた時には唸るボールでしたが、現状はそういった球が殆どいかない完成度の低さを感じます。ストレートの馬力はドラフト級ですが、総合力で考えた場合は物足りません。
打撃の方でも、あまり柔軟性を感じず体幹の強さでかっ飛ばすタイプ。フィールディングの動きやクィックなどの動作を切り返しなどを見ると外野手だろうなぁという感じ。高校から外野手を取るとなると、絶対的なものが欲しい印象で、そこまでのものは感じません。二回戦以降の試合も見て判断したいと思いますが、個人的にはリストに載せることはないと思います。
大垣日大では、横江 大聖(3年)捕手が注目でした。体を小さく屈め、ミットを示しグラブを下げない選手で、一球一球のボールの押し込みが素晴らしいキャッチングには目を見張るものがあります。スローイングに関しても、捕ってからスローイングまでの型しっかりしており、制球が安定してそう。タイムは1.93秒ぐらいでしたが、それ以上に評価できる内容でした。ディフェンス力に関しては、ドラフト級の素材だと思います。ただチームでも下位打線を打つように、打撃には特徴を感じません。三塁強襲の当たりは放ちましたが、高卒でのプロ入りとなると物足りません。ディフェンス力を評価しての指名がないとは言いませんが、大学などに進学することになるのではないのでしょうか。
そのほかでは、2年生で4番を務めた 滝野 要(大垣日大2年)三塁手の、合わせるのが上手い打撃が目を惹きます。また塁に出れば2つの盗塁を決めるなど野球センスの高い選手。中学時代は、ボーイズ日本代表の片鱗を伺わせてくれました。
第二試合 大阪桐蔭 VS 日本文理
注目のドラフト1位候補である 森 友哉(大阪桐蔭3年)捕手は、レフトスタンドに高々と上げて本塁打・続く打席ではライナーでライトスタンドに、更にライト前に火の出るようなジャストミートで、打撃ではモノが違うことを改めて印象づけた。
しかし昨年から指摘するように、キャッチングでポロポロ後逸する場面が目立ち、スローイングでも塁間1.9秒前後で投げられる素早さはあるものの、二度とも送球が安定しないなどディフェンス面に成長が見られなかったのは残念。今年の大阪桐蔭は、大型チームにありがちな雑なプレーが目立ち、私は連覇は厳しいだろうなと強く思ったもの。いずれにしてもドラフト1位は揺らがない選手だとは思うが、プロで捕手でやってゆくという意味では、時間がかかるだろうなという印象は否めなかった。
選抜大会前に故障して出場できなかった 近田 拓矢(大阪桐蔭3年)一塁手が4番として出場。昨夏の甲子園で、代打で出場して以来気になってきた選手。打てるポイントは極めて限られていそうだが、ツボにハマった時の飛距離・スイングの迫力は桁外れ。森の本塁打に続いて、圧巻の打球をレフトスタンドに叩き込んだ。こういう選手は、アマでちまちま育ててもなぁと思うのだが、どのような進路を選択するのか?
日本文理では、文理史上最高の素材と監督が評する 飯塚 悟史(2年)右腕が腰痛のため先発できず。終盤ようやく投げるも、135~後半でその片鱗を伺うまでには至らなかった。体格にも恵まれ、打撃もあるなど、高い野球センスを秘めていることは窺い知れたが・・・。
大阪桐蔭は9回に 高西 涼太(3年)右腕が登板。180/82 とガッチリとした体格の投手で、常時140~中盤を叩きだすスピード能力は確か。ただこれだけのボールを投げながら、文理打線に合わせられていたのは、打者にとっては苦にならないフォームなんだなという印象を受けた。できれば、別の試合も見てレポートを作成してみたい。
第三試合 箕島 VS 日川
箕島の先発・須佐見 将馬(3年)右腕は、球速こそ135キロ前後~後半ぐらい。しかしながら、ベース板まで力が落ちない力強さに、スライダー・チェンジアップなどの変化球もよく、適度にまとまった好投手。182/61の体格からも、上手く肉付けできれば大学で総合力に優れた投手になれる可能性を秘めている。関西の大学あたりで、野球を続けることを期待したい。
日川の194センチ右腕・山田 基樹(3年)右腕は、独特のテイクバックなどもあり、ボールの送り出しが下手なフォーム。そのため球筋が安定しないのが気になったが、2回以降投球が安定してきた。時々外角低めに決まるストレートの球筋、スライダー・フォーク・カーブなども時々好い球を持っている。あとは、そういったものを上手く一つにまとめきられるようになるのかが鍵を握る。
今日見た時は、春季山梨大会で生で見た時と似た印象。しかし夏の山梨予選では、荒れ荒れでも、かなり速い球を投げており、今日は少し丁寧に投げようという意識が強かったかも。幸いにして勝利したので、次戦の投球を見て最終判断を下したい。
素材としての魅力は感じるが、現状は総合力に課題があり、高校からのプロ入りは難しいのではないかとは思っている。有力大学などに進んで、上手くピッチングをまとめられるようになりたい。昨年の山梨ならば、素材型ならば 平間 凛太郎(山梨学院大)程の絶対的なスピード能力もなければ、神原 友(東海大甲府)右腕ほどの総合力もなく、彼らに比べると一枚、二枚劣る印象は否めない。現時点で、素材重視で指名するのにはリスクが大きいのではないのだろうか。
打者では、日川の4番・山形 勝一(3年)左翼手の、引き手の強い強打が目を惹いた。ホームランだけでなく球足の速い打球が目立つ。引き手が強く引っ張り専門かと思ったら、右方向にも強い打球を飛ばせるのも大きい。守備・走塁との兼ね合いでドラフト候補云々ではないが、チームの4番に相応しい強打者だと言えよう。
スポンサーサイト