2014年 本当に凄いやつ46 薮田 和樹(亜細亜大・3年)投手
2014/01/31|Category:個別寸評
薮田 和樹(亜細亜大・3年)投手 183/82 右/右 (岡山理大付出身)
「まるでショットガン」
小さなテイクバックから、ズバーンとミットに一瞬で突き刺さる様は、まるでショットガン。こんな表現を観戦仲間が昔していたが、まさにこの 藪田 和樹 の球は、その形容に相応しい。まだ公式戦での登板は数える程しかないが、2014年度飛躍が大いに期待される大器だ。
(投球内容)
これまでリーグ戦で2試合・大学選手権で1試合ぐらいしか、公式戦では投げていません。秋のリーグ戦も登板していなく、まだまだベールに包まれた存在だと言えるでしょう。
ストレート 常時145キロ前後からMAX151キロ
投球の殆どは、ストレートしか投げてきません。球速は常時145キロ前後~MAXで151キロ。ミットにズバーンと収まる球質は、伸びやキレというよりも、ひたすら速い印象しかありません。
細かいコントロールはなくボールのバラつきも目立ちますが、甘いゾーンには集まらずストライクゾーンの外側中心にボールが散ります。
変化球 チェンジアップ(フォーク)?
大学選手権の日体大戦では2イニングほど投げたのですが、その中で1球だけチェンジアップのような沈む球でストライクを取っています。これが、ドロンとしたフォークなのかチェンジアップなのかはわかりません。
これだけストレートばっかりを投げるところをみると、変化球レベルは低く信頼できるのはストレートだけということなのでしょう。
その他
クィックは、1.05~1.20秒ぐらいに収まりますので、ほぼ基準レベル。牽制もそれなりに鋭く、フィールディングも無難にボールは処理出来ていました。物凄く運動神経や野球センスに優れる、そういったタイプではありません。むしろ肉体のポテンシャルの高さに頼ったタイプ。
(投球のまとめ)
もう少し見てみないと、変化球レベルがよくわかりません。しかし最終学年も恐らく、リリーフでの起用になるのではないのでしょうか。現状は超素材型であり、最終学年に何処までチャンスをもらえるのかも想像できません。実際に秋は、登板がありませんでしたから。
しかし純粋にストレートの魅力という意味では、非常に素晴らしいものがあります。密かに期待して、シーズン開幕を待ちたいところ。
(投球フォーム)
ストレートばっかりの投球だったので、その本質が十分掴みきれません。今回は、フォームを分析することで、その本質に少しでも近づきたいと思います。
<広がる可能性> ☆☆☆
引き上げた足を地面に向けて降ろすので、お尻は一塁側に落とせません。そのため体を捻り出すスペースは確保できないので、カーブで緩急をつけたり、フォークのような縦の変化球には適しません。
それでも地面に着きそうなところから、前に足を逃がすことで「着地」までには適度な粘りが作れています。体を捻り出す時間は確保出来ており、カーブやフォークといった球種以外ならば、投球の幅を広げて行ける可能性があります。
<ボールの支配> ☆☆☆
グラブは最後まで内に抱えられているので、両サイドの投げ分けは安定。そのため、真ん中近辺には甘く入ってきません。足の甲での地面への押し付けは遅いので、ボールは高めに抜けることは少なくありません。「球持ち」は平均的に見えますが、指先の感覚に優れている感じは致しません。その辺が、粗っぽい投球につながっているのではないのでしょうか。
<故障のリスク> ☆☆☆
お尻が落とせないので、もし沈むボールがフォークだとすると肘への負担が心配されます。ただし投球を見るかぎりそれほど多くは投げないので、現状の投球スタイルならば悲観することはないでしょう。
腕の角度には無理はなく、肩への負担は少なそう。ただし高校の時に肘を痛めていたこともあり、その辺が少し心配な部分はあります。
<実戦的な術> ☆☆☆
「着地」までの粘りも適度に作れていますし、体の「開き」も早過ぎることはありません。特にテイクバックを小さくとって、そこから一気に投げ込んでくるので、打者としては差し込まれやすいフォームのはず。
振り下ろした腕は身体に絡み、速球と変化球の見極め困難。ボールにもう少し上手く体重が乗せられるようになると、更にグッと打者の手元まで迫力のあるボールが投げられるようになるでしょう。
(フォームのまとめ)
投球の4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、特に大きな欠点もありませんし、際立って優れているところもありません。
もしフォークボールを多投するようだと肘への心配があるのと、コントロールが安定しないのが気になる材料でしょうか。
(最後に)
今年は、荒削りでも素材だけは凄いという選手が少ないので、そういった意味ではこの選手がどういった位置づけになってくるのか気になります。彼が亜大の守護神とかになって来るようだと、ドラフト戦線も大いに盛り上がりそうで楽しみ。理屈抜きに驚くような球を投げる投手は、やはり何よりの魅力。そういったボールを投げられる、数少ない候補です。
(2013年 大学選手権)
「まるでショットガン」
小さなテイクバックから、ズバーンとミットに一瞬で突き刺さる様は、まるでショットガン。こんな表現を観戦仲間が昔していたが、まさにこの 藪田 和樹 の球は、その形容に相応しい。まだ公式戦での登板は数える程しかないが、2014年度飛躍が大いに期待される大器だ。
(投球内容)
これまでリーグ戦で2試合・大学選手権で1試合ぐらいしか、公式戦では投げていません。秋のリーグ戦も登板していなく、まだまだベールに包まれた存在だと言えるでしょう。
ストレート 常時145キロ前後からMAX151キロ
投球の殆どは、ストレートしか投げてきません。球速は常時145キロ前後~MAXで151キロ。ミットにズバーンと収まる球質は、伸びやキレというよりも、ひたすら速い印象しかありません。
細かいコントロールはなくボールのバラつきも目立ちますが、甘いゾーンには集まらずストライクゾーンの外側中心にボールが散ります。
変化球 チェンジアップ(フォーク)?
大学選手権の日体大戦では2イニングほど投げたのですが、その中で1球だけチェンジアップのような沈む球でストライクを取っています。これが、ドロンとしたフォークなのかチェンジアップなのかはわかりません。
これだけストレートばっかりを投げるところをみると、変化球レベルは低く信頼できるのはストレートだけということなのでしょう。
その他
クィックは、1.05~1.20秒ぐらいに収まりますので、ほぼ基準レベル。牽制もそれなりに鋭く、フィールディングも無難にボールは処理出来ていました。物凄く運動神経や野球センスに優れる、そういったタイプではありません。むしろ肉体のポテンシャルの高さに頼ったタイプ。
(投球のまとめ)
もう少し見てみないと、変化球レベルがよくわかりません。しかし最終学年も恐らく、リリーフでの起用になるのではないのでしょうか。現状は超素材型であり、最終学年に何処までチャンスをもらえるのかも想像できません。実際に秋は、登板がありませんでしたから。
しかし純粋にストレートの魅力という意味では、非常に素晴らしいものがあります。密かに期待して、シーズン開幕を待ちたいところ。
(投球フォーム)
ストレートばっかりの投球だったので、その本質が十分掴みきれません。今回は、フォームを分析することで、その本質に少しでも近づきたいと思います。
<広がる可能性> ☆☆☆
引き上げた足を地面に向けて降ろすので、お尻は一塁側に落とせません。そのため体を捻り出すスペースは確保できないので、カーブで緩急をつけたり、フォークのような縦の変化球には適しません。
それでも地面に着きそうなところから、前に足を逃がすことで「着地」までには適度な粘りが作れています。体を捻り出す時間は確保出来ており、カーブやフォークといった球種以外ならば、投球の幅を広げて行ける可能性があります。
<ボールの支配> ☆☆☆
グラブは最後まで内に抱えられているので、両サイドの投げ分けは安定。そのため、真ん中近辺には甘く入ってきません。足の甲での地面への押し付けは遅いので、ボールは高めに抜けることは少なくありません。「球持ち」は平均的に見えますが、指先の感覚に優れている感じは致しません。その辺が、粗っぽい投球につながっているのではないのでしょうか。
<故障のリスク> ☆☆☆
お尻が落とせないので、もし沈むボールがフォークだとすると肘への負担が心配されます。ただし投球を見るかぎりそれほど多くは投げないので、現状の投球スタイルならば悲観することはないでしょう。
腕の角度には無理はなく、肩への負担は少なそう。ただし高校の時に肘を痛めていたこともあり、その辺が少し心配な部分はあります。
<実戦的な術> ☆☆☆
「着地」までの粘りも適度に作れていますし、体の「開き」も早過ぎることはありません。特にテイクバックを小さくとって、そこから一気に投げ込んでくるので、打者としては差し込まれやすいフォームのはず。
振り下ろした腕は身体に絡み、速球と変化球の見極め困難。ボールにもう少し上手く体重が乗せられるようになると、更にグッと打者の手元まで迫力のあるボールが投げられるようになるでしょう。
(フォームのまとめ)
投球の4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、特に大きな欠点もありませんし、際立って優れているところもありません。
もしフォークボールを多投するようだと肘への心配があるのと、コントロールが安定しないのが気になる材料でしょうか。
(最後に)
今年は、荒削りでも素材だけは凄いという選手が少ないので、そういった意味ではこの選手がどういった位置づけになってくるのか気になります。彼が亜大の守護神とかになって来るようだと、ドラフト戦線も大いに盛り上がりそうで楽しみ。理屈抜きに驚くような球を投げる投手は、やはり何よりの魅力。そういったボールを投げられる、数少ない候補です。
(2013年 大学選手権)
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