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山岡 泰輔(瀬戸内3年)投手

山岡 泰輔(瀬戸内・3年)投手 171/68 右/左 (東京ガス入社予定)





              「甲子園NO.1投手」





2013年の夏の甲子園において、最高のパフォーマンスを魅せたのが、この 山岡 泰輔 。小柄ながら、高校生離れした完成度の高いピッチングと抜群のキレを誇るスライダーで異彩を放った。あのダルビッシュ有も、twitter で彼が一番ではないかと評し話題になった投手。そんな山岡は、プロ志望届けを提出せずに社会人野球・東京ガスに進むという。

(投球内容)

一見小さな身体をめい一杯使った力投派に見えますが、足の引き上げや足の高さなどを見ると、それほど最初から力を入れて投げているわけではないようです。自分の「間」を重視して、淡々と投げ込んできます。

ストレート 常時140キロ台~MAX147キロ

初回から140キロ台の球速を刻んで来るように、高校生としては上位のスピード能力。ボールの伸び勢いも悪くありませんが、まだプロの球というよりはアマの好投手との域は脱していません。

しかしこの投手が素晴らしいのは、ストレートの球速や球質ではありません。そのストレートを内外角に投げ分けるコントロール。そして小柄な速球派投手には稀な、低め中心にボールを集めることができる点ではないのでしょうか。

変化球 カーブ・縦横のスライダー・チェンジアップ

この選手は、縦・横二種類のスライダーを軸にピッチングを組み立てます。横のスライダーでカウントを整え、追い込むと縦に曲がりながら落ちる鋭いスライダーを低めに集め空振りを誘います。このボールの曲がり・キレだけでなく、その活かし方が非凡だと言えます。

他に時々緩いカーブを投げて、緩急・カウントを整えたり、たまにチェンジアップを使いますが、この2つの球はそれほど使ってきません。あくまでも、二種類のスライダーを軸にピッチングを組み立てます。

その他

牽制の動きはややモーションが大きい気も致しますが、ターンが鋭いので走者の足を釘付けにできます。フィールディングの動きも良く、クィックも1.0秒前後で投げ込むなど極めて高速。野球センスだけでなく、身体能力の高さもA級。

(投球のまとめ)

まだストレート単体の物足りなさは感じますが、変化球も含めてボールの活かし方に非凡な投球センスを感じます。コントールも時々甘く高めに浮く球を痛打される場面はありますが、それが続かないので連打を許しません。要所では、しっかり自分の最高のボールを投げることができ、失点を許しません。追い込まれば追い込まれるほど、ギアあげて自分のベストボールを投げられるセンスは天性のもの。

中でも素晴らしいなぁと思えたのは、甲子園で試合開始直後にフォームを指摘されたり、立ち上がりヒットを打たれたりしたにも関わらず、浮足だつこともなく切り抜けた点。初めての大舞台でも、自分の普段のピッチングに徹し続けたハートの強さは特筆。この選手の良さは、インテリジェンスの良さとハートの強さではないのでしょうか。

(投球フォーム)

少し身体を前に傾け、背中が丸まった感じで投げ込んできます。小さな身体を、大きく魅せるタイプではありません。

<広がる可能性> ☆☆☆

引き上げた足をそれほどピンと伸ばさないので、お尻は一塁側には落ちません。そういった意味では、身体を捻り出すスペースは確保できないので、カーブで緩急をつけたり、フォークのような身体を捻り出して投げる球種には適しません。しかしそれを、縦に鋭く切れ込むスライダーで代用することができています。

「着地」までの粘りは平均的で、身体を捻り出す時間も並み程度。そのためスライダーやチェンジアップという球種は問題ありませんが、それ以外だとカットボール・ツーシーム・スピリットのような速く小さな変化を中心にピッチングの幅を広げてゆくことになるのではないのでしょうか。

<ボールの支配> ☆☆☆☆

グラブは最後まで内に抱えられ、両サイドの投げ分けは安定。足の甲でもしっかり地面を捉えられており、ボールが低めに集まるところが最大の特徴。「球持ち」に際立つものはありませんので、これからもっと押し込むようになれると、更に微妙なコントロールもつくようになるのではないのでしょうか。

<故障のリスク> ☆☆

お尻を落とせない割にカーブを使うので、肘への負担がないとは言えません。しかしその頻度もそれほど多くありませんし、この点は悲観しなくても良いでしょう。むしろカーブを使わない方が、ピッチングが単調になり弊害が大きいように思います。

振り下ろす腕の角度は、グラブを持っている肩が下がり・ボールを持っている肩は上がっているので、送りだしに無理は感じます。肩への負担はそれなりにあるので、日頃から身体の手入れには注意を払って欲しいもの。それでもそれほど力投派ではないので、無理をしなければ消耗が激しいわけではないようです。

<実戦的な術> ☆☆☆

「着地」までの粘りはそれほど感じませんが、体の「開き」は早くありません。苦になるフォームではありませんが、甘く入らなければ痛手は食い難いと考えられます。

腕が短い体型なのもありますが、それほど身体に腕が絡んできません。それでも腕の振りが鈍いわけではないので、この点は「球持ち」と体型によるところが大きいのかと。ボールへの体重の乗せは平均的で、可も不可もなしといった感じ。もっと上手く下半身が使えるようになると、打者の手元までグッと来る感じが増して来るでしょう。この辺が改善されて来ると、大人の球質に変わってくるのではないのでしょうか。

(最後に)

広島県大会決勝戦では、15回を無失点に抑え引き分け再試合。更に翌日の試合でも9回1死まで無安打という驚異的なピッチングを魅せました。その体力・精神力は素晴らしく、まさに隙なしの好投手といった感じです。特にその野球センスは、投手をするために生まれてきたような男と言えるでしょう。

それでもまだ高校生、ボールの質はアマの域を脱しておらず、現時点で即プロで通用するというほどではありませんでした。そこを社会人に進んで、大人の球が投げられるようになることが、今後の一番の課題ではないのでしょうか。

しかし意識も高く、基礎体力・技術・インテリジェンスも素晴らしいので、3年の月日があれば充分に課題クリアは可能でしょう。3年後は、文句なしの上位指名でプロの門を叩いて欲しいと期待します。プロ志望届けを提出していれば、3位以上での指名があったと考えます。

蔵の評価:☆☆☆

(2013年夏・甲子園)
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