戸根 千明(日大・4年)投手
2014/04/30|Category:観戦記
戸根 千明(日大・4年)投手 175/90 左/左 (石見智翠館出身)
「オッサンみたいな体型だけれど」
元々小太りな体型ではあったが、更に一冬越えて中年のオヤジが投げているような感じになってきた 戸根 千明 。しかしこれは、単にウエートコントロールができないのではなく、意識的に球威・球速をあげるために体重を増やしているのだという。そのかいあって、球威も球速も確かに昨年よりもワンランク上がっていた。
(投球フォーム)
けして下半身を活かしてというフォームではなく、少し投げやりなフォームには見えます。腕もスリークオーターというよりも、かなりサイドに近いぐらいに下がった位置から投げ込んできます。
ストレート 常時140キロ前後~MAX91マイル(145.6キロ)
腕が外旋して、ブンと振って来る投げやりなフォーム。そのためあまり細かいコントロールはなく、とりあえずストライクゾーンの枠の中に、ポンポンと集めて来るといった感じ。それでもストライクを先行できるコントロールはあるので、自分の有利な状況でピッチングを組み立てられます。
普段は140キロ前後ぐらいと、驚くような球威・球速はありません。しかし勝負どころになれば、いつでも140キロ台中盤を叩き出せる馬力があります。特に昨年よりは、常時3キロ程度は速くなっている感じで、それに比例するように球威もボールの勢いも増してきています。そのためボールもかなり見栄えがしてきて、存在感を増してきました。
変化球 カーブ・スライダー・スクリュー
スライダーはカウントを整えるという意味では良いのですが、曲がり自体は平凡。カーブはそれなりに曲がりますが、やはり投球において大きな役割は担っていません。素晴らしいのは、右打者外角低めに沈むスクリューボールで、この球に絶対的な自信を持っているよう。
勝負どころになると、ストレートのサインに首を振って、この球で勝負する場面も目立ちます。三振の多くは、力を入れたストレートか、このスクリューボールで奪います。この球は、充分プロでも通用するでしょう。
その他
フィールディングもまずまずですし、牽制もかなり鋭いものがあります。見た目は鈍そうですが、意外に俊敏な動きを見せているところは見逃せません。
(投球のまとめ)
細かいコントロールや、微妙な出し入れができるような技術はありませんが、投球に強弱をつけたり、勝負どころで要所を締めることが出来ます。左スリークオーター独特の背中から来る球筋でもあり、リリーフならば面白い存在だと言えるでしょう。
(投球フォーム)
パッと見、体が使えていないようなフォームに見えますが、技術的にどうなのか検証してみたいところ。
<広がる可能性> ☆☆
引き上げた足を地面に向けて伸ばしており、お尻は三塁側(左投手は)に落とせません。そういった意味では体を捻り出すスペースが確保できず、カーブで緩急を利かしたり、フォークのような縦の変化には向きません。まして、腕もかなり下げて投げるのでなおさらでしょう。
「着地」までの粘りもあっさりしていて、体を捻り出す時間もそれほどではありません。そういった意味では、スライダー・チェンジアップ(スクリュー系)のボールなら問題ありませんが、それほど良い変化球を今後身につけられるかは微妙。それでもすでに、スクリューという武器がありますので悲観することはなさそう。
<ボールの支配> ☆☆☆
グラブは最後まで内に抱えられているので、両サイドの投げ分けは安定しやすいはず。しかし実際はそうでもなく、腕が体から離れてブンと振られるので、あまり細かいコントロールは期待できません。
足の甲での地面への押し付けも少し浅く、それほど低めに決まらず。腕を下げているので高めに極端に抜けることはないと思いますが、低めにビシバシ決まるというタイプでもありません。
<故障のリスク> ☆☆☆☆
お尻を落とせない割にカーブを投げますが、それほど多投するわけではないので気にしなくて良いでしょう。振り下ろす腕の角度にも無理がないので、肩への負担も少なく故障の可能性は低いのでは。そのため、タフなリリーフでの活躍を期待させます。
<実績的な術> ☆☆☆
「着地」までの粘りはあっさりしていますが、体の「開き」は抑えられています。そういった意味では、ボールは適度に隠れ、合わせやすいということはなさそう。
腕の振りは強いので、振り下ろした腕は叩けています。ボールへの体重の乗せはそれほどでもなく、前にグッと乗って来るような迫力のあるボールは投げ込んできません。
(フォームのまとめ)
投球の4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、「着地」「体重移動」はもうひとつも「球持ち」「開き」はそれなりといった感じでしょうか。もう少しフォーム全体に粘っこさが出てくると、もっとイヤらしい投球ができると思います。
(最後に)
意識的にウエートを増やし、計画的にスキルアップしてきている点は高く評価できます。パッと見ヌボ~としたタイプに感じられますが、意識も運動神経にも優れたギャップに惹かれます。
スケールで魅了するタイプではありませんが、プロでも中継ぎなら即戦力で活躍できる投手ではないかと思います。上位指名されるような本格派ではないのですが、3位~5位ぐらいでの指名ならば面白い存在になろうかと評価します。
蔵の評価:☆☆
(2014年 春季リーグ戦)
「オッサンみたいな体型だけれど」
元々小太りな体型ではあったが、更に一冬越えて中年のオヤジが投げているような感じになってきた 戸根 千明 。しかしこれは、単にウエートコントロールができないのではなく、意識的に球威・球速をあげるために体重を増やしているのだという。そのかいあって、球威も球速も確かに昨年よりもワンランク上がっていた。
(投球フォーム)
けして下半身を活かしてというフォームではなく、少し投げやりなフォームには見えます。腕もスリークオーターというよりも、かなりサイドに近いぐらいに下がった位置から投げ込んできます。
ストレート 常時140キロ前後~MAX91マイル(145.6キロ)
腕が外旋して、ブンと振って来る投げやりなフォーム。そのためあまり細かいコントロールはなく、とりあえずストライクゾーンの枠の中に、ポンポンと集めて来るといった感じ。それでもストライクを先行できるコントロールはあるので、自分の有利な状況でピッチングを組み立てられます。
普段は140キロ前後ぐらいと、驚くような球威・球速はありません。しかし勝負どころになれば、いつでも140キロ台中盤を叩き出せる馬力があります。特に昨年よりは、常時3キロ程度は速くなっている感じで、それに比例するように球威もボールの勢いも増してきています。そのためボールもかなり見栄えがしてきて、存在感を増してきました。
変化球 カーブ・スライダー・スクリュー
スライダーはカウントを整えるという意味では良いのですが、曲がり自体は平凡。カーブはそれなりに曲がりますが、やはり投球において大きな役割は担っていません。素晴らしいのは、右打者外角低めに沈むスクリューボールで、この球に絶対的な自信を持っているよう。
勝負どころになると、ストレートのサインに首を振って、この球で勝負する場面も目立ちます。三振の多くは、力を入れたストレートか、このスクリューボールで奪います。この球は、充分プロでも通用するでしょう。
その他
フィールディングもまずまずですし、牽制もかなり鋭いものがあります。見た目は鈍そうですが、意外に俊敏な動きを見せているところは見逃せません。
(投球のまとめ)
細かいコントロールや、微妙な出し入れができるような技術はありませんが、投球に強弱をつけたり、勝負どころで要所を締めることが出来ます。左スリークオーター独特の背中から来る球筋でもあり、リリーフならば面白い存在だと言えるでしょう。
(投球フォーム)
パッと見、体が使えていないようなフォームに見えますが、技術的にどうなのか検証してみたいところ。
<広がる可能性> ☆☆
引き上げた足を地面に向けて伸ばしており、お尻は三塁側(左投手は)に落とせません。そういった意味では体を捻り出すスペースが確保できず、カーブで緩急を利かしたり、フォークのような縦の変化には向きません。まして、腕もかなり下げて投げるのでなおさらでしょう。
「着地」までの粘りもあっさりしていて、体を捻り出す時間もそれほどではありません。そういった意味では、スライダー・チェンジアップ(スクリュー系)のボールなら問題ありませんが、それほど良い変化球を今後身につけられるかは微妙。それでもすでに、スクリューという武器がありますので悲観することはなさそう。
<ボールの支配> ☆☆☆
グラブは最後まで内に抱えられているので、両サイドの投げ分けは安定しやすいはず。しかし実際はそうでもなく、腕が体から離れてブンと振られるので、あまり細かいコントロールは期待できません。
足の甲での地面への押し付けも少し浅く、それほど低めに決まらず。腕を下げているので高めに極端に抜けることはないと思いますが、低めにビシバシ決まるというタイプでもありません。
<故障のリスク> ☆☆☆☆
お尻を落とせない割にカーブを投げますが、それほど多投するわけではないので気にしなくて良いでしょう。振り下ろす腕の角度にも無理がないので、肩への負担も少なく故障の可能性は低いのでは。そのため、タフなリリーフでの活躍を期待させます。
<実績的な術> ☆☆☆
「着地」までの粘りはあっさりしていますが、体の「開き」は抑えられています。そういった意味では、ボールは適度に隠れ、合わせやすいということはなさそう。
腕の振りは強いので、振り下ろした腕は叩けています。ボールへの体重の乗せはそれほどでもなく、前にグッと乗って来るような迫力のあるボールは投げ込んできません。
(フォームのまとめ)
投球の4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、「着地」「体重移動」はもうひとつも「球持ち」「開き」はそれなりといった感じでしょうか。もう少しフォーム全体に粘っこさが出てくると、もっとイヤらしい投球ができると思います。
(最後に)
意識的にウエートを増やし、計画的にスキルアップしてきている点は高く評価できます。パッと見ヌボ~としたタイプに感じられますが、意識も運動神経にも優れたギャップに惹かれます。
スケールで魅了するタイプではありませんが、プロでも中継ぎなら即戦力で活躍できる投手ではないかと思います。上位指名されるような本格派ではないのですが、3位~5位ぐらいでの指名ならば面白い存在になろうかと評価します。
蔵の評価:☆☆
(2014年 春季リーグ戦)
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