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プロ野球ドラフトサイト「迷スカウト」の管理人・蔵建て男が、日本中を駆け巡り本音でトーク!

神宮大会大学の部・2日目


二日目第一試合 明治大 VS 徳山大

明大の先発は、オリックスから1位指名された 山崎 福也(日大三出身・4年)左腕。山崎の良さは、勢いのある真っ直ぐで主導権を奪いつつ、多彩な変化球で相手の的を絞らせないで翻弄するピッチング。そういった意味では、普段対戦していなく、それでいて地方リーグでは中々いないレベルの山崎を徳山大が打ちあぐねたのは当然のことかと。しかし山崎自身の投球は、今年の平均的な出来で、やはり相手レベルが落ちていたからの好投という印象は否めない。山崎が頭角を現した大学2年生時には、ストレートも145キロ前後出ていただけに、勢いのある真っ直ぐで投球を優位に運べていた。しかし今は、140キロ前後ぐらいしか出ておらず、何度も対戦してきた相手・それもハイレベルの六大学の野手達相手では、中々抑え込めなくなっている。すなわちプロに入っても、最初の方は気合も入って力のあるボールを投げ込むかもしれないし、相手も中々いないタイプで掴めない。しかしそれが、段々時間が経って来ると通用しなくなる、それと同じことが起きるのではないかと。ましてプロレベルの打者であれば、そう長い期間誤魔化しが効くだろうか? 一年目は良くても、年々投球内容を劣化させてゆく、そういった不安はつきまとう。それでも今のレベルでは、先発では5勝前後ぐらい出来るだろうし、むしろ勢いで押せるリリーフの方が向いている気はするのだが。

来年のドラ1候補の 高山 俊(日大三出身・3年)中堅手は、しっかり芯でボールを捉えられず変な当たりが多かった。どうしても長打を狙うようになると、スイングが大きな弧を描く分、内からバットが出ずに打ち損じが多くなる。これがあまりに極端になると、巨人の 高橋 由伸 のようなスイングになってしまう。むしろ高山には、もう少し内からバットを出せるようになり、単打でも芯で射抜くスイングを大事にして欲しい。

また 坂本 誠志郎(履正社出身・3年)捕手なども、ソツのないプレーは大学生離れした大人のプレー。そのかわり、地肩・打力・体格などから、プレーに凄みは感じない。イメージ的には、ベイスターズ~ソフトバンクにいった 細山田 武史 を思い出す。ドラフトでも指名されるが、4位前後ぐらいのタイプではないのだろうか。ただし頭がよく使い勝手が良い選手なので、チームのNO.2,、3 あたりに一人いると重宝するのではないのだろうか。かつての日ハムでいえば、大野という素材がいるなかに、鶴岡がいたような感じだろうか。

高山と共に、来年の1位候補である 上原 健太(広陵出身・3年)左腕は、最後の打者一人に登板。初球から146キロを記録するなど、190/86 の体格から150キロ級のボールを投げ込む左腕は、今まで殆ど記憶のない迫力。これまで先発で、あるいはエースとしてという実績が乏しい選手なので、来年はそういった責任ある立場で結果を残すことが求められる。素材として持っているものは、来年世代ではNO.1だろう。

一方の徳山大は、井内 克(祐誠出身・3年)右腕が、135~140キロぐらいは投げていたものの、コントロール・変化球に特徴なく明大打線に捕まった。地方リーグレベルならば、充分このぐらいの球を投げれば通用するのかもしれないが、やはり中央のタレント揃いの打線を抑えこむのはこれだけでは厳しい。来年に向けて、上のレベルを意識した取り組みを期待し神宮に戻ってきて欲しい。

二日目第二試合 東農大オホーツク VS 京都産業大

東農大オホーツクの先発は、ヤクルトから2位指名された 風張 蓮(伊保内出身)右腕。打者二人目のセカンドゴロの際に、一塁ベースカバーに入った時に太ももを痛め、なんとかその後も1イニングを投げきったところで降板。以後、神宮大会で登板することなく大学生活を終えました。高校時代~大学下級生時代も見てきた投手ですが、観戦するのは今年はじめて。見た感じ、常時140~MAX144キロのストレートは、それまでとそれほど変わった感じは致しません。またストレートの精度が上がったのか?と思ったのですが、元々ストレートの球筋が結構暴れる投手で、その辺も打者二人を見る感じ変わっていませんでした。あとは、スライダーとのコンビネーション。この球は低めに決まっていて、彼の一番の武器。他にカーブやフォークのような球も投げていましたが、これも以前から観られた球種。

風張は、入学以来非常に期待されてきた投手。しかしチームでの位置づけでは、同期の玉井の方が安定感では上で、むしろ大事な試合では玉井の方が担っていたぐらい。その力関係が、この秋は完全にかわりました。そういった意味では、風張は確かに、昨年よりも良くなっているのでしょう。特に神宮大会代表に至るまでの秋の過程では、圧倒的な安定感がありました。しかし今回の投球を見る限りは、あまり変化が感じられなかったというのも、多くの人がうけた印象ではないのでしょうか。特に大学下級生時は四死球率が高かったのですが、昨年秋あたりから改善されてきました。ボールの威力に頼っていた以前のイメージとは、少し違うのかもしれません。しかしこの日の登板だけではよくわかりませんし、評価をあげることはできませんでした。

東農大の2番手・井口 和朋(武相出身・2年)右腕は、この大会で一気に評価を高めた一人。130キロ台後半~MAX145キロのストレートは、風張に比べるとワンランク球威・勢いでは落ちる印象。それでもボールをしっかりコントロールする技術や安定感では、むしろ風張以上ではないかと。武相時代に比べると、体つきも更に立派になり、来年のドラフトを意識できるところまで来ている。変化球の精度・マウンド捌きもそれなりなので、もうワンランクストレートに磨きがかかると、指名も現実味を帯びてくるのではないのだろうか。

東農大の三番手・玉井 大翔(旭川実出身・4年)右腕は、3人の中でも最も投手らしい投手で実戦的。旭川実時代から好投手として知られ、東農大に進んでからは1年時から主戦として活躍。テンポよく、ポンポンと140キロ台のボールを投げ込んできます。ストライクを先行でき、常に自分有利にマウンドを支配するのが上手い。キレで勝負するタイプなので、風張のような厚みのあるボールは投げられないものの、ピッチングセンスがあり社会人ならば1年目から活躍しそう。

残念ながら軽く見た感じでの京産大では、3番の小南 憲吾(香川西出身)中堅手が、右に左へと鋭い当たりを飛ばしていたぐらい。この選手・秋のリーグ戦は打撃30傑に入っていないなど、故障か不調だったのだろうか? 塁間4.0秒前後の脚力も併せ持ち、ヘッドスピードもまずまずだったぐらいだろうか。今後東農大トリオが、野球界にどのような影響を及ぼしてゆくのか気になる一戦でした。
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