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ヤクルト5位指名・中元 勇作(伯和ビクトリーズ)投手

中元 勇作(26歳・伯和ビクトリーズ)投手 178/73 左/左 (竹原-近大工学部出身)





          「あまり好いと思ったことなかったが」





毎年のようにドラフト候補として注目されてきたが、指名されることなくここまで来た。今まで何かピリッとしない投球で、何が好いのか正直わからなかった。しかし今年の都市対抗では、微妙に昨年よりも成長しているのではないかと感じられた。今回は、何が変わったのか改めて考えてみたい。

(投球内容)

左のスリークオーターで、変則のフォームで打者のタイミングを外す技巧派。

ストレート 135~MAX141キロ

昨年と明らかに変わったのは、ボールに勢いが出てきたこと。特に左打者のインハイに浮くボールには威力があり、都市対抗では141キロを連発していた。また右打者の内角に食い込んで来ると球筋にも特徴がある。クロスの球筋は低めに、逆クロスの球筋は高めにゆく傾向が強い。変則からピュッと来る感じの球になり、打者は差し込まれやすくなってきた。

変化球 スライダー・チェンジアップ

投球の多くが、スライダーとのコンビネーションで組み立てられている。特に低め膝元から下のゾーンに切れ込むスライダーで空振りを誘う。右打者には、内角にスライダーを食い込ませつつ、外にチェンジアップを投げるのが得意のパターン。左打者には、インハイにストレートを見せつつ、外に逃げてゆくスライダーでピッチングを組み立てる。

その他

クィックは1.1秒前後とまずまずで、ランナーへの目配せ・注意も怠らない。牽制もそれなりで、フィールディングも基準レベル。リリーフの経験が豊富なのか、ランナーを背負っても浮足立つことはない。

(投球のまとめ)

それほど細かいコントロールはないのだが、ボールにキレ・勢いが増して、変化球も生きるようになってきた。今までは、球威・球速が物足りない割に、コントロールも安定しないなど、良さが掴み難かった。先入観に惑わされることなく、その成長を見逃さなかった点は評価したいポイント。

(投球フォーム)

実際どの程度実戦的なのか? フォームの観点から考えてみたい。

<広がる可能性> ☆☆☆

引き上げた足を地面に向けて伸ばすので、お尻は三塁側(左投手の場合は)には落とせません。したがって体を捻り出すスペースは確保できず、カーブで緩急を効かせたり、フォークのような縦に鋭く落ちる球種には適しません。

しかし「着地」までの粘りは作れるようになり、前に足を上手く逃して「着地」のタイミングを遅らせることが出来ています。体を捻り出す時間が確保できるようになり、カーブやフォーク以外の球種ならば、まだまだモノにできる可能性を感じます。

<ボールの支配> ☆☆

グラブは内に抱えられているわけではないのですが、結果的に最後まで体の近くに留められています。そのため両サイドへの投げ分けは、比較的安定していると言えます。足の甲での地面への押し付けが出来ないので、力を入れて投げるとボールが上吊る傾向にあります。腕が外旋しブンと振って来る感じのフォームなので、どうしても細かいコントロールはつき難いのだと考えられます。

<故障のリスク> ☆☆☆

お尻を落とせるフォームではありませんが、カーブやフォークなども投げないので、それほど悲観しなくても好いのでは。また腕の角度にも無理はないので、肩への負担も大きくはなさそう。そういった意味では、故障のリスクは低いのではないのでしょうか。

<実戦的な術> ☆☆☆☆

「着地」までの粘りが作れるので、打者としては合わせ難いはず。結果として、体の「開き」も抑えられており、見えないところからピュッとボールが出てくる感じになっています。

腕が強く振れるようになり、速球と変化球の見極めは困難。ボールへの体重乗せは不十分で、打者の手元まで球威のある球は投げられません。あくまでも鋭く腕や上体を振ることで、キレを生み出すタイプです。

(フォームのまとめ)

フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、「着地」「開き」は良いのですが、「球持ち」「体重移動」に課題を残します。

コントロールを司る動作に不安があるものの、それほど故障へのリスクは高いとは言えないでしょう。どの部分が全面に出るかで、プロ入りでの活躍も変わってきそう。

(最後に)

昨年に比べると、腕が強く振れ、「着地」までの粘りも作れるようになり、ボールも技術的にも成長を感じます。ボールをじっくり見極められた時に、本当のコントロールがないところは気になりますが、短いイニングならば、的が絞れないまま相手が打ちあぐねる可能性はあります。

実戦経験も豊富で、マウンド捌きには優れたタイプだけに、一年目から上手くハマると中継ぎでも活躍できるかもしれません。どう転ぶかは微妙ですが、プロでも何かを掴めば面白い存在になり得るのではないのでしょうか。今までは全く食指が伸びるタイプではなかったのですが、都市対抗の投球でその印象は大きく変わりました。年々資質を伸ばしてきた点も評価して、指名リストに名前を残してみたいと思います。

蔵の評価:

(2014年 都市対抗)
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