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ヤクルト4位 寺田 哲也(27歳・香川OG)投手 

寺田 哲也(香川OG)投手 185/92 右/右 (作新学院-作新学院大-BC新潟)





                「まるで一軍投手」





よく一軍で実績のある投手が、ファームで調整登板することがある。そこで一番実感するのは、球威・球速の差ではなく、圧倒的にコントロールとテンポの違い。一軍で実績のある投手は、ポンポンとストライクを先行させ、常に自分の有利な状況を作り出し、テンポよく相手を討ち取ってゆく。そんな投球ができるのが、この 寺田 哲也 なのだ。

寺田は、これまでBCリーグの看板投手として活躍。BCで最もプロに近い男と言われ続けながら、指名されない年が続いた。しかし今年は、心機一転四国アイランドリーグに移籍。状態・成績自体はイマイチだったものの、悲願のプロ入りを実現した。

(投球内容)

寺田のベストシーズンは、私が知る限り2012年度。独立リーグ日本一を争う、グランドチャンピオンシップでの投球は圧巻だった。その時は140キロ台中盤を連発し、それまでのイメージを一変。チームを日本一に導いたその時の監督が、ヤクルトの現ピッチングコーチである 高津 臣吾 だった。その縁もあって、ヤクルトから指名されたのではないのだろうか。

ストレート 常時130キロ台後半~140キロ台中盤

今年の寺田は、アイランドリーグ選抜の一員として関東の遠征。そのときは、常時130キロ台後半~MAX89マイル(142.4キロ)と、球威・球速は少し物足りなかった。しかしソフトバンク三軍の交流戦の模様を見ると、キレのある140キロ前後~中盤ぐらいは出ていそうなボールは投げており、まだまだ球速に陰りが見えているわけではないことがわかった。

先に述べた通り、ストライクを先行させる確かなコントロールと、自分のペースに引き込んでゆくピッチングの上手さが光ります。元々ボールがキレ型だけに、球速が出ていないと球威がないぶん見栄えがしません。その辺が、年間をとおしてみた時に、どうなのかな?という不安は残ります。しかしBC時代の実績は充分なので、それほど気にしなくても良いのかもしれませんが。

変化球 カーブ・スライダー・チェンジアップ・フォークなど

球種はかなり多彩で、ひと通りものを持っています。今年の関東遠征では、緩いカーブを見せてアクセントにしていました。しかし普段は、横滑りする小さなスライダーを低めに集めたり、チェンジアップなどを織り交ぜて来るコンビネーション投手。それほど、何か絶対的な武器があるわけではありません。しかしボール球を振らせる技術はあるので、その辺で三振を取ることができます。

その他

ピッチングの上手さ・コントロールの良さはありますが、クィックは1.2秒台とそれほど早くはありません。牽制はまずまず鋭いものはありますが、走者を刺すというほどではないような。

(投球のまとめ)

27歳という年齢なだけに、今後の上積み云々ではなく、今ある能力でどのぐらいやれるのかという完成されたタイプ。私の見立てならば、今の力でも一軍でもソコソコやれるのではないかという気は致します。ただしプロの先発としては、やや球威・球速が物足りず、リリーフで大事なところを任せるのには少し決め手不足の感じも致します。

しかし投手陣の崩壊したヤクルトならば、充分に出番が巡ってくるはずですし、経験豊富なマウンド捌きで、一年目から一リリーフとしての活躍は期待できそう。今年の独立リーガーの中では、この寺田が一番のオススメです。

(成績から考える)

BC時代の圧倒的な成績に比べると、今季のアイランドリーグの成績は物足りない。それでも傾向はおおよそわかると思うので、参考にして欲しい。今季の成績は

43試合 6勝4敗6S 防御率 2.91(10位)

BC時代は先発で活躍した投手だが、アイランドリーグではリリーフとして新たな魅力を示すことができた。

1,被安打はイニングの80%以下 △

148回1/3イニングで、被安打は125本。被安打率は、84.2% と基準を満たすまでには至らなかった。この辺は、シーズン序盤は調子が上がらなかったこともあるが、やはり球威という意味では物足りない部分があったことも影響しているのではないのだろうか。しかし彼のベストシーズンだと思えた2012年でも87.3%あるので、元もと被安打率は高い投手なのかもしれない。

2,四死球は、イニングの1/3以下 ◯

四死球は45個であり、四死球率は30.3%であり、基準を満たすことができている。元来調子が良ければ、もっと精度が高い数字も期待できるのではないのだろうか。ちなみに2012年度は、24.1%であるから、やはり調子が悪かったことが影響していたのだろう。

3,奪三振は、1イニングあたり0.9個以上 ◯

リリーフでの登板も多かったので、リリーフでの基準を当てはめてみた。奪三振は145個で、1イニングあたり 0.98個 とほぼイニング数と同等の数を奪っている。2012年度との一番の違いはここで、0.87個だった奪三振が更に三振が奪えるようになっている。

4、防御率は1点台 ✕

防御率は 2.91 とかなりファクターからは離れている。しかも2012年度も 14勝4敗 と活躍しながら、2.60 ということで、それなりに失点する投手なのではないのだろうか。この年のBCには、1点台の投手が3人いたようなので、けして不可能な数字ではないのだろう。ちなみに年のアイランドリーグ1位は、元NPB の 正田 樹 (愛媛)左腕の 1.02 であり、他に元マイナーリーガーの 河本 ロバート(徳島) も 1.70 qを記録している。

(データからわかること)

こうやって2,012年度のBC時代の成績とくらべても、被安打が多いのと、防御率がいまいちなのは、同様の傾向が観られる。変わった点は、リリーフ登板が多くなり、より三振が多く奪えるようになったことではないのだろうか。

(フォームから考える)

2012年度もフォーム分析をしているので、そのときと比較しながら考えてみたい。

<広がる可能性> ☆☆☆

比較的高い位置で足をピンと伸ばすので、割合お尻は一塁側に落とせます。そういった意味では、カーブで緩急をつけたり、フォークのような縦の変化球を投げるのにも無理は感じません。

しかし「着地」までの粘りは平均的で、それほど嫌らしさあるわけではありません。体を捻り出す時間が充分ではないので、絶対的な変化球を習得し難い要因ではないのでしょうか。

<ボールの支配> ☆☆☆☆

グラブは最後まで内に抱えられており、両サイドの投げ分けは安定。足の甲の押し付けも深く、ボールも低めに集まりやすいはず。「球持ち」は並ですが、指先の感覚はまずまず。優れたコントロールの持ち主であると、フォームの上からも言えます。以前は膝小僧に土が着くぐらい深く、返ってそれがボールを上吊る要因でした。その辺は、多少緩和されているのではないのでしょうか。

<故障のリスク> ☆☆☆☆

お尻はある程度落とせるので、カーブやフォークといった体を捻り出して投げる球種でも、肘への負担は少ないはず。腕の角度にも無理がないので、肩への負担も少なそう。そういった意味では、故障の可能性は低そう。

<実戦的な術> ☆☆☆☆

「着地」までの粘りは平均的なので、それほど打者としては苦にならないフォーム。そのため、体の「開き」も平均的でしょうか。

振り下ろした腕は体に絡み、速球と変化球の見極めは困難。ボールにも適度に体重を乗せられ、打者の手元まで勢いは落ちません。

(フォームのまとめ)

投球の4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、「体重移動」はともかく、その他の部分に欠点はありません。しかしながら、その辺が嫌らしさにも欠ける部分でもあり、被安打の多い理由ではないのでしょうか。

故障のリスクが少ないのと、コントロールを司る動作に優れている点が、推せる材料。フォームではなく、投球術やコントロールに優れ、相手を抑えるタイプ。

(最後に)

凄み・嫌らしさよりも、ピッチングの上手さ・テンポの良さ・制球力で投球を組み立てて来る好投手。それだけに、コントロールを乱すと、球威・球速は抜けたものがなく、ちょっと怖いかなと思える部分もあります。しかしリリーフならば、140キロ台中盤を叩き出し、その部分の物足りなさは薄れます。

実力的には一軍半ぐらいの投手、そんな気も致します。しかしここまでの高齢での指名だけに、開き直ってピッチングができれば、一年目から一軍の戦力になっても全然不思議ではありません。10年プロで飯を食ってきたような投球術に期待して、指名リストに名前を残してみたいと思います。

蔵の評価:☆☆

(2014年 アイランドリーグ選抜関東遠征)
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