オリックス4位指名 高木 伴(NTT東日本)投手
2014/12/18|Category:個別寸評
高木 伴(24歳・NTT東日本)投手 (市立川口-東農大出身)
「リリーフならイケるのでは?」
昨秋・アマチュアながら侍JAPANのメンバーに選出され注目された 高木 伴 。しかしその期待とは裏腹に、中々先発では結果を残すことが出来なかった。そのため都市対抗本戦では、リリーフとして登場。球の勢いで押せるリリーフこそ、この選手の持ち味が遺憾なく発揮される場面ではないのだろうか?
(投球内容)
ランナーがいなくても、クィックモーションで投げ込んで来るフォームで、軸足に体重を乗せきる前に膝を折って投げています。
ストレート 常時145~MAX149キロ
軸足に体重を乗せなくても、常時145~150キロ級のボールを連発できるスピード能力は、今年の社会人の中でもトップクラス。驚くような球威はないのですが、打者の手元までそれなりに勢いは感じます。特に冷静に投げられているときは、外角にコントロールできており、意外にコントロールの精度も悪くないのだと改めて驚きました。ただしコーナーへの投げ分けはキッチリできる割に、球筋が真ん中~高めに集まることが多く、長打を浴びる機会も少なくはないのでしょう。
変化球 スライダー・ツーシーム・フォークだかチェンジアップ・カットボールなど
安心してカウントを整えるのは、体の近くで小さく横滑りするスライダー。その他にフォーク・ツーシーム、カットボールなどがあるが、それほど空振りを誘うような絶対的な球種は見当たらない。あくまでもストレートを見せておいて、アクセントとして使って来る感じ。
その他
クィックは、0.95~1.05秒 ぐらいとかなり高速。昨年よりも、クィック自体は早くなっており、このへんは成長の跡か?牽制も鋭いものを持っており、ランナーとしては容易に盗塁を試みることができない。ランナーへの目配せなどもでき、リリーフでの適正は高いのではないのだろうか。
(投球のまとめ)
素材としては上位も、ゲームメイクできるセンス・技術に欠け、やはり彼の持ち味が発揮されるのはリリーフではないかと。しかし松山フェニックス戦では素晴らしいリリーフをしたものの、続く富士重工戦ではリリーフでも打ち込まれました。こうやってみると、リズムが狂ってしまうとまだまだ脆い部分があり、安定感という意味では不安が残ります。DeNAでいえば、国吉 佑樹 みたいな投手、そんなイメージを持って頂けると近いのではないのだろうか。
(投球フォーム)
投球を見る限りは、目に見えての大きな変化は感じられなかった。そのためフォーム分析をしてみて、昨年との違いを考えてみたい。
<広がる可能性> ☆☆
外人のようにお尻を落とさず、突っ立った感じで投げ込んでくるので、お尻は一塁側には落とせません。体をひねり出すスペースが確保できないので、カーブで緩急をつけたり、フォークのような縦の変化球には適しません。
「着地」も当然早くなり、体を捻り出す時間も確保出来ず。こうなるとカーブやフォークだけでなく、変化球のキレ・曲がりの大きさなどの部分でも中途半端になり、決め手に欠くのは納得することろ。このへんは、昨年とさほど変わっていません。
<ボールの支配> ☆☆☆☆
グラブは最後まで内に抱えられ、両サイドの投げ分けは安定。足の甲での地面への押し付けは、昨年よりもしっかり地面を捉えるようになりました。幾分低めに行く球が増えたのも、このせいかもしれません。
<故障のリスク> ☆☆☆
お尻は落とせないフォームなものの、カーブやフォークといった球種をそれほど投げません。そういった意味では、肘への負担は悲観することはないでしょう。
腕の送り出しにも無理は感じず、肩への負担は少なそう。そういった意味でも、それほど故障に悩まされるタイプではなさそう。こういう部分も、リリーフでの適性を感じます。
<実戦的な術> ☆☆☆
「着地」までの粘りがない分、打者としては合わせやすいフォーム。更に「開き」も少し早くなり、球筋をいち早く読まれてしまいます。コースを突いた球でも痛打を食らうのは、このへんに原因がありそう。
腕はしっかり投げ終わったあと絡んでくるので、速球と変化球の見極めは困難。しかしボールにしっかり体重が乗り切る前にリリースを迎えており、まだまだ発展途上だと言えます。逆にいえば、この辺を改善できればストレートの質・球威・球速の向上もまだまだ望めるということなのでしょう。
(フォームのまとめ)
投球の4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、いずれにも課題があり実戦的なではないことがわかりました。これだけのボールを持っていても活かしきれていないのには、コントロールではなくフォームに大きな原因があるのがわかってきました。
(最後に)
即戦力を期待するのには不安なフォームではあるのですが、短いイニングならば押しきれてしまうだけの、球速・勢いはあると評価します。しかし状況次第で打ち込まれるケースもあるので、安定感としてはどうでしょうか。1年目からでも、40試合・3点台ぐらいの成績ならば、その期待に応えられるのではないかと。そんな活躍を期待して、指名リストに名前を残してみることにしました。
蔵の評価:☆☆
(2014年 都市対抗)
「リリーフならイケるのでは?」
昨秋・アマチュアながら侍JAPANのメンバーに選出され注目された 高木 伴 。しかしその期待とは裏腹に、中々先発では結果を残すことが出来なかった。そのため都市対抗本戦では、リリーフとして登場。球の勢いで押せるリリーフこそ、この選手の持ち味が遺憾なく発揮される場面ではないのだろうか?
(投球内容)
ランナーがいなくても、クィックモーションで投げ込んで来るフォームで、軸足に体重を乗せきる前に膝を折って投げています。
ストレート 常時145~MAX149キロ
軸足に体重を乗せなくても、常時145~150キロ級のボールを連発できるスピード能力は、今年の社会人の中でもトップクラス。驚くような球威はないのですが、打者の手元までそれなりに勢いは感じます。特に冷静に投げられているときは、外角にコントロールできており、意外にコントロールの精度も悪くないのだと改めて驚きました。ただしコーナーへの投げ分けはキッチリできる割に、球筋が真ん中~高めに集まることが多く、長打を浴びる機会も少なくはないのでしょう。
変化球 スライダー・ツーシーム・フォークだかチェンジアップ・カットボールなど
安心してカウントを整えるのは、体の近くで小さく横滑りするスライダー。その他にフォーク・ツーシーム、カットボールなどがあるが、それほど空振りを誘うような絶対的な球種は見当たらない。あくまでもストレートを見せておいて、アクセントとして使って来る感じ。
その他
クィックは、0.95~1.05秒 ぐらいとかなり高速。昨年よりも、クィック自体は早くなっており、このへんは成長の跡か?牽制も鋭いものを持っており、ランナーとしては容易に盗塁を試みることができない。ランナーへの目配せなどもでき、リリーフでの適正は高いのではないのだろうか。
(投球のまとめ)
素材としては上位も、ゲームメイクできるセンス・技術に欠け、やはり彼の持ち味が発揮されるのはリリーフではないかと。しかし松山フェニックス戦では素晴らしいリリーフをしたものの、続く富士重工戦ではリリーフでも打ち込まれました。こうやってみると、リズムが狂ってしまうとまだまだ脆い部分があり、安定感という意味では不安が残ります。DeNAでいえば、国吉 佑樹 みたいな投手、そんなイメージを持って頂けると近いのではないのだろうか。
(投球フォーム)
投球を見る限りは、目に見えての大きな変化は感じられなかった。そのためフォーム分析をしてみて、昨年との違いを考えてみたい。
<広がる可能性> ☆☆
外人のようにお尻を落とさず、突っ立った感じで投げ込んでくるので、お尻は一塁側には落とせません。体をひねり出すスペースが確保できないので、カーブで緩急をつけたり、フォークのような縦の変化球には適しません。
「着地」も当然早くなり、体を捻り出す時間も確保出来ず。こうなるとカーブやフォークだけでなく、変化球のキレ・曲がりの大きさなどの部分でも中途半端になり、決め手に欠くのは納得することろ。このへんは、昨年とさほど変わっていません。
<ボールの支配> ☆☆☆☆
グラブは最後まで内に抱えられ、両サイドの投げ分けは安定。足の甲での地面への押し付けは、昨年よりもしっかり地面を捉えるようになりました。幾分低めに行く球が増えたのも、このせいかもしれません。
<故障のリスク> ☆☆☆
お尻は落とせないフォームなものの、カーブやフォークといった球種をそれほど投げません。そういった意味では、肘への負担は悲観することはないでしょう。
腕の送り出しにも無理は感じず、肩への負担は少なそう。そういった意味でも、それほど故障に悩まされるタイプではなさそう。こういう部分も、リリーフでの適性を感じます。
<実戦的な術> ☆☆☆
「着地」までの粘りがない分、打者としては合わせやすいフォーム。更に「開き」も少し早くなり、球筋をいち早く読まれてしまいます。コースを突いた球でも痛打を食らうのは、このへんに原因がありそう。
腕はしっかり投げ終わったあと絡んでくるので、速球と変化球の見極めは困難。しかしボールにしっかり体重が乗り切る前にリリースを迎えており、まだまだ発展途上だと言えます。逆にいえば、この辺を改善できればストレートの質・球威・球速の向上もまだまだ望めるということなのでしょう。
(フォームのまとめ)
投球の4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、いずれにも課題があり実戦的なではないことがわかりました。これだけのボールを持っていても活かしきれていないのには、コントロールではなくフォームに大きな原因があるのがわかってきました。
(最後に)
即戦力を期待するのには不安なフォームではあるのですが、短いイニングならば押しきれてしまうだけの、球速・勢いはあると評価します。しかし状況次第で打ち込まれるケースもあるので、安定感としてはどうでしょうか。1年目からでも、40試合・3点台ぐらいの成績ならば、その期待に応えられるのではないかと。そんな活躍を期待して、指名リストに名前を残してみることにしました。
蔵の評価:☆☆
(2014年 都市対抗)
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