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プロ野球ドラフトサイト「迷スカウト」の管理人・蔵建て男が、日本中を駆け巡り本音でトーク!
2017年(32)(33) 春季東都二部レポート
東都二部リーグに関しては、開幕してから観られる機会はあったものの、この日まで観戦を我慢してきました。その最大の理由は、みたいチームが、一同に集結した組み合わせだったから。ゴールデンウイーク明けの平日でしたが、大田スタジアムには多くの応援・観客・スカウトが訪れていました。

青山学院大 VS 国士舘大

両校の先発が、ドラフト候補としてマークされる存在。椎野 新(国士舘大4年)右腕は、195センチの体格ながら癖のないフォームで、村上桜ヶ丘時代から注目されてきた本格派。しかし大学に進んでからは、いまいち成長が感じられず球威・球速面での物足りなさが拭えなかった。しかしこの日の椎野は、コンスタントに140キロ前後を記録し、最速で89マイル(143キロ)を記録。ビシッとした勢いと角度があり、この速球中心にしっかり投球が組み立てられていた。変化球も、スライダー、カーブ・ツーシームのようなシュート系の球織り交ぜ、延長14回まで1失点と粘りの投球を見せます。

この選手が良いところは、ボールを長く持ったりして「間」を意識して投げられること。そして右打者の内角に、厳しい攻めができることではないのでしょうか? その一方でカウントを取りにゆくスライダーが、時々高めに浮いて痛打される場面が目立ちます。途中体力的にも一杯一杯になったかと思いきや、気力を振り絞って140キロ台のボールを投げ込み踏ん張ります。そういった安定した精神面以外に、ここぞのときの粘りが垣間見られたのは収穫。まだプロの一軍投手となると、球威・球速で芯の弱さを感じる部分がありますが、こういうピッチングを安定して出せるのであれば(それが問題)、大学からのドラフト指名も現実味を帯びてきます。数少ない、先発タイプの候補だと言えるのではないのでしょうか。

一方の青学の先発は、葛川 知哉(大阪桐蔭出身)右腕。サイドハンドから勢いのある、140キロ台の速球を投げ込む速球派。しかしこの日は、常時135~MAX87マイル(140キロ)程度で、ボールの勢い・キレともイマイチ。サイドハンドにしては、高速で小さく変化するカットボール・大きく横滑りするスライダー、緩いカーブ、ツーシームのようなシュート系の球など、多彩な球種で的を絞らせない投球に徹します。元々140キロ台中盤の勢いのある球を投げ込む速球派のイメージが強かったのですが、リーグ戦の第一戦での先発を任されているということで力をセーブしているのでしょうか? それともリーグ戦も終盤に差し掛かり、体力的にきつくなってきたのか? それでも延長14回を1失点で投げきったあたりは評価できるポイント。しかしこの手のタイプにしては、ボールがあまりキレず空振りを誘えないこと。両サイドに投げ分けストライクは取れるものの、それほど細かいことができるタイプではありません。椎野が普段より良く見えたのに対し、今日の葛川はやや物足りない内容。今日のピッチングだけ見れば、このまま社会人ではないかと思わせるものでした。できれば秋の早い段階で確認し、最終的な評価を定めたいところではあります。

椎野 新 (国士舘大4年)投手 195/85 右/右

葛川 知哉(青学大4年)投手 182/88 右/右

立正大 VS 駒沢大

この試合の注目は、今年の大学球界を代表する捕手である 小畑 尋規(立正大4年)捕手。この選手、大学JAPANにも選出されるような捕手なのだが、イマイチ売りがわからない。例えば同じ大学球界を代表する捕手である・小林 遼(富士大)捕手ならばディフェンス力と意外性のある打撃。大平 達樹(桜美林大)ならば、打てる捕手という武器と強肩という明確なアピールポイントがある。しかし北照時代から、そこそこ打てて、そこそこ肩は強いけれど、何かプレースタイルも雑で好感が持てない選手だった。

そんな小畑を久々に真剣に見たのだが、やはりこの選手、捕手らしさが感じられない。声がほとんど聞こえないような選手であり、周りや投手への明確な指示も見えて来ない。ベースカバーなどに手抜きはないのだが、何か周りや投手の状況を察してという気遣いやきめ細やかさなども見えて来ないのだ。

それでこの選手の売りは何なのだろうと思いながら見ていたのだが、一つはボールを押し込めるキャッチングにある。そのためコースに際どく決まった速球を審判がしっかりストライクコールしてくれるということ。特にワンバウンド処理が機敏だとか上手いという印象はないものの、ボールを捕球するときの形が素晴らしいということ。もう一つは、かなり内角を大胆に突いて来る、強気のリードに特徴がある。しかしこのようなリードは短期決戦ならば功を奏するが、プロのように何度も同じ相手と戦うシーズンではどうかという疑問も残る。内角と緩い球は、相手が意識していない時に使うもの。逆に山を張られているときには、使ってはいけないものでもあるわけだ。そういった部分で内角を意識させることは大切なものの、この大胆なリードが長い目で使えるのかには疑問が残る。

肩は、地肩の強さを前面に出すというよりも、ある種余裕を持って正確に滑り込んでくるところに投げ込むというスタイル。そのためタイム自体は、1.9秒台前半ぐらいであり驚くほどのものはない。また打撃は一定の対応力とパンチ力があるものの、これは捕手としては基準レベルであっても、他のポジションで勝負できるほど図抜けたものではないということ。入学以来ずっと東都二部で試合に出ているが、3年春に.324厘を記録したものの、あとのシーズンでは軒並み2割や1割台と粗さが目立つ。ちなみに昨日までの6試合では、1本 5打点 打率.278厘 であり、チームの6番打者という位置付けが、彼の現状をよく示している。好みじゃないというのもあるのかもしれないが、個人的には社会人に進むことになるのではないかと思っているが、各球団のスカウトの眼にはどう映ったのだろうか?

駒大の先発は、東野 龍ニ(履正社出身4年)左腕。左のスリークォーターから繰り出す独特の球筋は面白いものの、130キロ前後と球威・球速が物足りない。球速がない以上に気になったのは、この手のタイプにしてはボールがキレて来ないということ。逆に左打者の背中越しから来る球筋は、体に迫って来る感じで左打者にとっては厄介。特に外角に遠く逃げてゆくスライダーを武器にしており、右打者にもチェンジアップを外角低めに投げ込んでくる。今シーズンは、ここまでに6試合に登板し、3勝2敗 防御率 2.61 と平凡。よほど秋に巻き返しがないかぎり、このまま社会人に進むことになりそうだ。

小畑 尋規(立正大4年)捕手 179/79 右/右

東野 龍ニ(駒沢大4年)投手 174/83 左/左

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テーマ:プロ野球 - ジャンル:スポーツ

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