2017年 社会人候補を考える(投手編)
2017/10/22|Category:個別寸評
2017年度のドラフト戦線を考える上で、高校生投手は不作であり、大学生投手は上級生達の陰に隠れ登板に恵まれず、後から入ってきた下級生にエースの座を奪われるまさに谷間世代。そんななか社会人投手に関しては、例年並のレベルは維持していると言える。そんな比較的充実している、社会人の投手候補について今回は考えてみたい。
今年の候補で競合が予想されるのは、いわゆる高校生野手の選手たち。そんな中、唯一投手で1位・競合の可能性がありそうなのが、田嶋 大樹(21歳・JR東日本)左腕。佐野日大時代から全国指折りの左腕として注目され、志望届けを提出していれば上位指名確実だった逸材。入社当初からエースになるべく起用されてきた選手で、今年は殆どの主要な試合を任されてきた。そんな状況で安定して能力を発揮するために、力の抜き加減のコツを自然と身につけ投球に余裕が生まれたことが最大の成長。都市対抗で見せた投球が安定して出せるのであれば、開幕ローテーション・二桁前後の勝ち星が1年目から期待できそう。左腕であるということを考えると、どうしても1位で欲しい球団が複数出てくるのではないのだろうか。
また競合を避けて有望株を確実にゲットしたい球団が狙ってきそうなのが、鈴木 博志(20歳・ヤマハ)右腕。こちらは、どの試合でも150~中盤ぐらいを叩き出せる圧倒的なスピード能力の持ち主。そういったエンジンの大きさは、今年の候補でも一番だと言えるでしょう。しかしその圧倒的な球速の割には簡単に合わされたり、変化球を見極められたりと、実戦力という意味では不安が残ります。田嶋同様に高卒3年目での解禁で、まだまだ伸び代も残されているとみる向きもあるのではないのでしょうか。とにかく速い球を投げられる能力こそ最大の才能だと考える球団には、なんとも魅力的な素材に映るのではないのでしょうか。ハズレ1位ではなく、最初の入札から名前を呼ばれる可能性が高いとみています。事前に1位指名は公表すれば、競合は避けられるのではないのでしょうか。
そしてもう一人1位候補に入ってきそうなのが、もう一人の鈴木こと、鈴木 康平(23歳・日立製作所)右腕。こちらは、千葉明徳・国際武道大時代からドラフト候補として期待されたが、指名まで至らずここまできた大器・精神的な不安定さが未だに残るが、力を入れなくても厚みのある140キロ台中盤の速球はプロの素材。ブレーキの効いたカーブがアクセントになり、多彩な変化球を織り交ぜる。開幕からローテーション入りできる力があり、7,8勝ぐらいは期待したくなる即戦力候補。競合して敗れたチームが、複数入札に走りそうな実力の持ち主。
都市対抗の内容次第では、上位指名の有力候補になっていただろう 西村 天裕(24歳・NTT東日本)右腕。しかし都市対抗本選では、ことごとくリリーフに失敗し最後には負のオーラすら漂っていた。チームが大会を制するなか、1人蚊帳の外といった感じになってしまい評価を下げてしまったのは残念。150キロ級の厚みのある速球は、社会人でもトップクラス。しかし合わされやすいフォームなのと一辺倒なところがあり、打たれ出すと止まらない。しかし馬力のある投球は一級品だけに、中位指名ならば充分指名されるのではないのだろうか。
投げっぷりの良い投球が光るのが、柏原 史陽(24歳・JX-ENEOS)右腕。こちらは、将来性よりも一年目から使えて欲しい完成度の高さがある。しかし微妙にコントロールにまとまりを欠けたり、一辺倒な時があって投球に奥深さがなくでリリーフで持ち味が発揮されそう。チームメイトの斎藤 俊介(24歳・JX-ENEOS)右腕も、柏原よりも全体にまとまりのある先発タイプだが、こちらも簡単に打ち返されてしまう球威の無さをどう見るか?2人とも、1年目から使えて欲しいタイプなのだが・・・。
同じ神奈川では、奥村 政稔(25歳・MHPS横浜)右腕が注目。三菱重工長崎時代からドラフト候補として注目されてきたが、チームが統合されて横浜で更に成長した。こちらは140キロ台後半のある厚みのあるボールはドラフト級で、あと一步まとまり切れないコントロールの粗さがどうでるか? 毎年少しずつ成長を遂げたきた選手で、今年は指名されるところまで来たのではないのだろうか。
その他だと都市対抗ではもう一つだったが、予選では文句なしの投球を見せていた 阿部 翔太(25歳・日本生命)右腕。こちらは、手足の長い体型から威力のあるストレートと強力な縦の変化球もあり、関西球団あたりから評価されそうな実力派。また左腕では、今年のNO.1ではないかというほどの150キロ級のボールを投げ込む 永野 将司(24歳・HONDA)左腕に注目。速球の勢い・球威ならば、田嶋を遥かに凌駕するだけのボールがある。しかしその速球を簡単に合わされてしまったり、四球を出すなど究極のロマン型。才能はすごいが、使えるようにできるか育成力が問われる。左腕ということも考えると、何かしらの形で指名はあるのではないかとは考えられるが。
穴っぽいところを紹介してゆくときりがないので、指名が有力だと思われる選手に絞ってご紹介してみた。もちろんここにあげた選手以外にも、指名される選手がきっと出てくるだろう。高校・大学の投手達が薄い年だけに、多めの指名が予想される。
田嶋 大樹(JR東日本)投手 182/77 左/左
鈴木 博志(ヤマハ)投手 183/85 右/右
鈴木 康平(日立製作所)投手 186/88 右/右
西村 天祐(NTT東日本)投手 176/92 右/右
柏原 史陽(JX-ENEOS)投手 175/79 右/右
齋藤 俊介(JX-ENEOS)投手 176/81 右/右
奥村 政稔(MHPS横浜)投手 176/68 右/右
阿部 翔太(日本生命)投手 178/78 右/左
永野 将司(HONDA)投手 181/82 左/左
今年の候補で競合が予想されるのは、いわゆる高校生野手の選手たち。そんな中、唯一投手で1位・競合の可能性がありそうなのが、田嶋 大樹(21歳・JR東日本)左腕。佐野日大時代から全国指折りの左腕として注目され、志望届けを提出していれば上位指名確実だった逸材。入社当初からエースになるべく起用されてきた選手で、今年は殆どの主要な試合を任されてきた。そんな状況で安定して能力を発揮するために、力の抜き加減のコツを自然と身につけ投球に余裕が生まれたことが最大の成長。都市対抗で見せた投球が安定して出せるのであれば、開幕ローテーション・二桁前後の勝ち星が1年目から期待できそう。左腕であるということを考えると、どうしても1位で欲しい球団が複数出てくるのではないのだろうか。
また競合を避けて有望株を確実にゲットしたい球団が狙ってきそうなのが、鈴木 博志(20歳・ヤマハ)右腕。こちらは、どの試合でも150~中盤ぐらいを叩き出せる圧倒的なスピード能力の持ち主。そういったエンジンの大きさは、今年の候補でも一番だと言えるでしょう。しかしその圧倒的な球速の割には簡単に合わされたり、変化球を見極められたりと、実戦力という意味では不安が残ります。田嶋同様に高卒3年目での解禁で、まだまだ伸び代も残されているとみる向きもあるのではないのでしょうか。とにかく速い球を投げられる能力こそ最大の才能だと考える球団には、なんとも魅力的な素材に映るのではないのでしょうか。ハズレ1位ではなく、最初の入札から名前を呼ばれる可能性が高いとみています。事前に1位指名は公表すれば、競合は避けられるのではないのでしょうか。
そしてもう一人1位候補に入ってきそうなのが、もう一人の鈴木こと、鈴木 康平(23歳・日立製作所)右腕。こちらは、千葉明徳・国際武道大時代からドラフト候補として期待されたが、指名まで至らずここまできた大器・精神的な不安定さが未だに残るが、力を入れなくても厚みのある140キロ台中盤の速球はプロの素材。ブレーキの効いたカーブがアクセントになり、多彩な変化球を織り交ぜる。開幕からローテーション入りできる力があり、7,8勝ぐらいは期待したくなる即戦力候補。競合して敗れたチームが、複数入札に走りそうな実力の持ち主。
都市対抗の内容次第では、上位指名の有力候補になっていただろう 西村 天裕(24歳・NTT東日本)右腕。しかし都市対抗本選では、ことごとくリリーフに失敗し最後には負のオーラすら漂っていた。チームが大会を制するなか、1人蚊帳の外といった感じになってしまい評価を下げてしまったのは残念。150キロ級の厚みのある速球は、社会人でもトップクラス。しかし合わされやすいフォームなのと一辺倒なところがあり、打たれ出すと止まらない。しかし馬力のある投球は一級品だけに、中位指名ならば充分指名されるのではないのだろうか。
投げっぷりの良い投球が光るのが、柏原 史陽(24歳・JX-ENEOS)右腕。こちらは、将来性よりも一年目から使えて欲しい完成度の高さがある。しかし微妙にコントロールにまとまりを欠けたり、一辺倒な時があって投球に奥深さがなくでリリーフで持ち味が発揮されそう。チームメイトの斎藤 俊介(24歳・JX-ENEOS)右腕も、柏原よりも全体にまとまりのある先発タイプだが、こちらも簡単に打ち返されてしまう球威の無さをどう見るか?2人とも、1年目から使えて欲しいタイプなのだが・・・。
同じ神奈川では、奥村 政稔(25歳・MHPS横浜)右腕が注目。三菱重工長崎時代からドラフト候補として注目されてきたが、チームが統合されて横浜で更に成長した。こちらは140キロ台後半のある厚みのあるボールはドラフト級で、あと一步まとまり切れないコントロールの粗さがどうでるか? 毎年少しずつ成長を遂げたきた選手で、今年は指名されるところまで来たのではないのだろうか。
その他だと都市対抗ではもう一つだったが、予選では文句なしの投球を見せていた 阿部 翔太(25歳・日本生命)右腕。こちらは、手足の長い体型から威力のあるストレートと強力な縦の変化球もあり、関西球団あたりから評価されそうな実力派。また左腕では、今年のNO.1ではないかというほどの150キロ級のボールを投げ込む 永野 将司(24歳・HONDA)左腕に注目。速球の勢い・球威ならば、田嶋を遥かに凌駕するだけのボールがある。しかしその速球を簡単に合わされてしまったり、四球を出すなど究極のロマン型。才能はすごいが、使えるようにできるか育成力が問われる。左腕ということも考えると、何かしらの形で指名はあるのではないかとは考えられるが。
穴っぽいところを紹介してゆくときりがないので、指名が有力だと思われる選手に絞ってご紹介してみた。もちろんここにあげた選手以外にも、指名される選手がきっと出てくるだろう。高校・大学の投手達が薄い年だけに、多めの指名が予想される。
田嶋 大樹(JR東日本)投手 182/77 左/左
鈴木 博志(ヤマハ)投手 183/85 右/右
鈴木 康平(日立製作所)投手 186/88 右/右
西村 天祐(NTT東日本)投手 176/92 右/右
柏原 史陽(JX-ENEOS)投手 175/79 右/右
齋藤 俊介(JX-ENEOS)投手 176/81 右/右
奥村 政稔(MHPS横浜)投手 176/68 右/右
阿部 翔太(日本生命)投手 178/78 右/左
永野 将司(HONDA)投手 181/82 左/左
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