2018年(14) 春季埼玉大会
2018/04/26|Category:観戦記
今年の高校生投手の中で、最も確認したかった投手が、今回上尾まで足を運んた 米倉 貫太(埼玉栄3年)右腕。動画でしかみたことがなかったので、ぜひ生で観てみたいと思っていました。
183/80 という均整のとれた投手、腕の振りの柔らかい筋の良い本格派。球速は130キロ台後半~MAXで89マイル(143キロ)ほどと驚くものはないものの、夏までにさらに伸びてくると楽しみな投手といった印象を受けた。この投手が素晴らしいのは、カーブ・スライダー・フォーク・チェンジアップなどの一通りの変化球の曲がり・質が良いということ。それほどまだ細かい制球力、奥行きのある投球術などをしているわけではないが、順調にゆけば6月ぐらいにグ~ンと一伸びしてきそうな成長曲線を描きそう。
いまでこそ技巧派になってしまったが、大竹寛(浦和学院-広島1位)も、春まではほれぼれするようなフォームの割に、いまいちボールが来ない感じだった。しかし夏ぐらいにグ~ンと成長し、1位指名を確実にときとダブって見える。大竹ほどの素材化は微妙だが、現時点で3位前後ぐらいの力であり、その成長曲線を実現できれば2位ないし外れ1位ぐらいまで評価が上がっても不思議ではなさそうな好素材。
この埼玉栄は、ダルビッシュ有の恩師である若生監督が九州国際大付の後に就任したチーム。各選手のポテンシャルも高く、大型チームであるのは間違いない。そんななか米倉以外に目を惹いたのが、3番打者の 和田 康平(2年)一塁手。大型の右の強打者で、第一打席にいきなりセンターバックスクリーンに突き刺さる特大の一発を叩き込みビックリさせられた。そうかと思ったら、次の打席ではライトにきっちりヒットを放つ。3打席目は、レフト方向への大きなフライをかっ飛ばした。好い打者だなと思ってみていたら、知り合いがまだ2年生だと教えてくれた。現在は一塁手だが、新チーム以後に他のポジションにコンバートされたら、秋は大いに注目されそうなスラッガー候補である。
熊谷工業では一番の市川という選手が、振り出しの好いスイングで米倉の球をものともしないスイングが目を惹いた。中堅手としての肩は並だが、機会があれば再度注目してみたい。熊谷工業は、秋もベスト16まで残るなど好チーム。今回は埼玉栄のパワーに呑み込まれてしまった形だが、夏に再度対戦が実現したら、こうあっさり負けないのではないかという気がする。個々に際立つものはないものの、自力に差はなさそうな印象を受けた。
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