2019年センバツレポート7
2019/03/31|Category:テレビ・動画観戦
大会5日目・第三試合 啓新 VS 桐蔭学園
桐蔭学園の 森 敬斗(3年)遊撃手は、全国屈指の遊撃手。抜群のヘッドスピードを誇るスイングで、第一打席からツーベースを放って魅せた。第四打席では俊足を活かし、ショート内野安打を記録。この時のタイムは4.1秒強と平凡だったものの、昨秋計測した打球では3.9秒台と高い走力を秘めている。さらに神宮大会でミスを連発した守備も、この試合では大きなミスは無し。将来的にプロのショートを任せられる素材かは微妙だが、強肩ぶりは一級品なので身体能力的にはプロでも充分にやって行ける素材。プロ志望届けを提出すれば、3位以内での指名になるのではないのだろうか。
またその森とニ遊間を組む・山本 慎太朗(3年)二塁手、堅実な守備が光っていた。打撃は少々弱いが、野球センスを感じさせてくれる好選手。
啓新では、3番の 穴水 芳喜(3年)捕手の打力が光っていた。力強いスイングに加え、ディフェンス力にも見るべきものがある。ボールまわしの好いテンポの良さに加え、キャッチングもなかなかうまい。この試合ではスローイング能力がよくわからなかったが、他の試合をみて能力を把握してみたい選手だった。野球センスの好い選手で、高校からプロといったタイプではないのかもしれないが、今後も長く観てゆきたい好選手だった。
また4番を務めていた 竹原 翔(2年)左翼手も、ボールの呼び込み方が良く、右方向にもうまい打撃を見せるなど将来楽しみな打者。この選手も、守備・走塁含めて、次戦以降の試合でも注視して能力を把握してみたい。
森 敬斗(桐蔭学園3年)遊撃 173/70 右/左
山本慎太郎(桐蔭学園3年)二塁 171/68 右/左
穴水 芳喜(啓新3年)捕手 174/80 右/左
竹原 翔 (啓新2年)左翼 178/75 右/右
大会6日目・第一試合 熊本西 VS 智弁和歌山
智弁和歌山では、4番の 東妻 純平(3年)捕手がドラフト候補。ガッチリした体型のキャッチャーで、1球1球しっかり捕球する。また低めの球にもミットが下から出るなど、よく鍛えられている印象を受ける。ただし捕手としての繊細さはあまり感じられず、塁間1.85秒前後で送球できるA級の地肩とある程度打てる捕手というポテンシャル型といった印象。打撃も、本塁打こそ放ったが、プロレベルでみるとさほど対応力は高くないように見える。プロ志望届けを提出すれば指名されるレベルだと思うが、プロで大成する選手かと言われると個人的には懐疑的な見方をしている。
また3番を打つ 黒川 史陽(3年)二塁手も、下級生の時から注目されてきたドラフト候補。柔らかさと長打力を兼ね備えた打者ではあるが、先輩の 林 晃汰(広島3位)のような圧倒的なパワーがあるわけではない。また柔らかさはあるが、縦系の変化に弱く、そこまでミートセンスが高いわけでもない。またセカンドの守備も、とりあえずできるといった感じで、上のレベルでは違うポジションを担うことになるかもしれない。上のレベルのニ遊間の選手としては、少々重苦しい印象を受ける。夏までドラフト候補としてマークされるかもしれないが、最終的には有力大学などに進むタイプなのかもしれない。
むしろ上のレベルでと目を惹いたのは、2番の 西川 晋太郎(3年)遊撃手。打撃と体格はドラフト候補としては迫力不足だが、守備に関しては甲子園組の3年生の中でも一番上手かったのではないのだろうか。プロに混ざっても、ショートとしてやって行ける特殊能力は持っている。打撃もヒットを連発したように箸にも棒にもといったレベルではなく、スイングも癖がない。順位にこだわらず本人がプロ志向ならば、意外に評価してくる球団があるかもしれない。
打者で最も将来性を感じたのは、1番の 細川 凌平(2年)中堅手。柔らかさと懐の深さを持った選手であり、打撃に奥行きが感じられる。来夏に向けて、守備や肩・走力(計測時は4.15秒前後)などがどのレベルか見極めてゆきたい。また最後に投げた 小林 樹斗(2年)右腕も、いかにも本格派といったフォームから、MAX142キロまで到達。身体が大きくなってゆけば、秋口からドラフト候補として騒がれる存在になってゆくのではないのだろうか。
熊本西では、4番の 堺 祐太(3年)中堅手の存在が抜けていた。目の醒めるスイングに、右に左へと打ち分ける技術もある。中堅手としての守備や肩・走力なども基準レベルにあり、大学などでも野球を続けて行ける素材だろう。
東妻 純平(智弁和歌山3年)捕手 174/75 右/右
黒川 史陽(智弁和歌山3年)二塁 182/82 右/左
西川晋太郎(智弁和歌山3年)遊撃 168/68 右/右
細川 凌平(智弁和歌山2年)中堅 174/72 右/左
小林 樹斗(智弁和歌山2年)投手 181/78 右/右
堺 祐太(熊本西3年)中堅 180/70 右/右
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