2019年センバツレポート4
2019/03/28|Category:テレビ・動画観戦
大会3日目・第二試合 一岡一 VS 盛岡大付
石岡一の先発・岩本 大地(3年)右腕は、評判どうり素晴らしい投手だった。175と上背はないが、140キロ台のボールの伸びもよく、内角を厳しく突いたり、高めで吊ったりと使い方の幅も広い。身体の近くでキュッと曲がるスライダー、緩いカーブ、チェンジアップなどの各変化球のキレもよく、総合力の高い完成された投手との印象を受ける。精神的にもムラが少く、投球以外の技術・センスも素晴らしい。この時期としては、なかなかこれ以上の完成度を望むのは難しいのでは? けして体格に恵まれているわけでもなく、すでに引き出しという引き出しをフルに使ってしまっているので、ストレートの球速などが夏に向けてさらに伸びて来るのかがポイントではないのだろうか。今すぐファームに混ぜても、それなりにゲームメイクできそうなぐらいのレベルにはある。夏までの伸び代があまり感じられなかったとしても、昨今のドラフト事情を考えると指名して来る球団があっても不思議ではない。実際生で見てみて、物足りなさを感じないのであれば5位前後ぐらいでもアリの素材ではないのだろうか。
盛岡大付属では、3番・4番の打力が目を惹いた。3番・平賀 佑東(3年)左翼は、早めに足を上げて待つ独特の構え。柔らかさとパンチ力を兼ね備えた中距離ヒッターという感じで、一塁までの塁間も左打席から4.25秒ぐらいと基準レベルはあった。また4番の 岡田 光輝(3年)右翼手も、結果こそ出なかったものの背筋の強さを活かしたパワフルな打撃には見るべきものがあった。ライトから返球もまずまずで、一塁までの塁間も右打席から4.3秒(左打者換算で4.05秒と脚力もまずまず。二人とも、甲子園の雰囲気に慣れた次戦以降の活躍に期待したい。
岩本 大地(石岡一3年)投手 175/80 右/右
平賀 佑東(盛岡大付3年)左翼 183/77 右/左
岡田 光輝(盛岡大付3年)右翼 176/75 右/右
大会3日目・第三試合 山梨学院 VS 札幌第一
本塁打を皮切りに、右に左へと5安打を量産させた 菅野 秀斗(山梨学院3年)二塁手は、神宮大会か何かで打ち出の小槌のようにヒットを連発した 上本 博紀(阪神)の広陵時代を彷彿とさせる内容だった。セカンドの守備でもキビキビした動きを魅せており、大学などに進んだらどういった活躍を見せるのか気にしてみたい。
「山梨のデスパイネ(SB)」と大会前から異名をとっていた 野村 健太(3年)右翼手は、この試合でも2本の本塁打を放つなど、当たれば桁違いのパワーがあるところを全国に知らしめた。ただしバットが外回りに軌道してくるなど、典型的な金属の化物的なスイングであり、木製バットへの対応には苦労することが予想される。守備・走力・肩などのレベルも低く、本当に飛距離だけが売りの選手。当て勘自体は、昨年の 万波中正(横浜-日ハム) より上だが肩などでアピールできるものがあった彼に比べると、位置づけとしては劣るのではないのだろうか。それでも飛ばすことに関しては、高校球界随一の存在。昨今の長所を評価するドラフトの傾向を考えれば、高校の間に指名される可能性は充分ある。逆に高校の時点で指名されないと、プロ入りは厳しいかもしれない。夏までその能力を、正確に見極めゆきたい一人。少くても上位指名云々というよりも、ボーダーライン上の選手だと評価する。
大量リードを奪われた札幌第一だが、1番・大平 裕人(3年)遊撃手は、攻守にセンスを感じさせる選手で3安打を放った。捕手としては出場していなかったが、村田 凜(3年)一塁手はのパワフルな打撃には見るべきものがあり、4番の 山田 翔太(2年)三塁手も、将来性を感じさせるスインをしていた。高校からプロ云々ではないのだろうが、大学などでも野球を続けて行ける素材ではないのだろうか。タレント的には、けして山梨学院にヒケをとるチームではなかった。
菅野 秀斗(山梨学院3年)二塁 170/72 右/左
野村 健太(山梨学院3年)右翼 180/88 右/右
大平 裕人(札幌第一3年)遊撃 171/66 右/右
村田 凜 (札幌第一3年)一塁 178/93 右/左
山田 翔太(札幌第一2年)三塁 177/80 右/右
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