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2019年夏 甲子園レポート3


大会二日目第二試合・津田学園 VS 静岡

この試合の注目は、前 佑囲斗(津田学園3年)右腕。立ち上がりはボールがバラついていたものの、130キロ台後半~140キロ台中盤の速球が要所では良いところに決まっていた。特に、あの与田剛(現中日監督)の入団時を思わせるようなスピンの効いた真っ直ぐは、わかっていても高めの球に吊られてバットに当たらない。変化球はスライダーとのコンビネーションで単調ではあるものの、試合中盤から緩いカーブやツーシームなどを織り交ぜ余裕が出てきた。春からの成長は、低めに決まる球も増えてきたこと。まだ球速的にはドラフト候補としては平凡ではあるが、まだまだ良くなりそうな素材としての奥行きもある。また精神的にも、ピンチでも気持ちが揺らがないところも良いところ。ドラフトでも3位前後での指名は期待できるのではないのだろうか。いずれにしてもこの順位での入団でも、将来かなりの確率でプロのローテーションに入ってきそうな好素材だと評価する。

静岡高校では、下級生の頃から世代屈指の外野手と評価してきた 斎藤 来音(3年)右翼手が出場。ヘルニアの手術から5月にようやく復帰した影響で、静岡大会では.211厘と勘を取り戻せていなかった。しかしこの試合では、前の速球をほとんどの打者が捉えられないなか、センター前にきっちりはじき返したり、一二塁間を破ったりと才能の片鱗を伺うことができた。またスライディングキャッチでヒット性の当たりを好捕したり、ライトからの送球も基準以上。しかし左打ちのセンス型だけに、静高の選手であることも考えるとワンクッション置いて大学に進むのではないかというイメージがある。将来性では、先輩の 鈴木 将平(西武4位)外野手より上だと見ているが、よほど本人のプロ志向が強くない限りは有力大学などに行って様子を見るという判断になるのではないのだろうか。むしろ、大学などでどのぐらいの実績を残すのか興味がある。

津田学園では、鋭い打球と球際での守備が光った 3番・藤井 久大(3年)右翼手や、パワフルな打撃と強肩の三塁守備が目立った 前川 夏輝(3年)三塁手は大学などで野球を続けて行ける素材。静高では、軽快な遊撃守備ときっちりはじき返す打撃をする 相羽 寛太(2年)遊撃手が、来年のドラフト候補として秋以降東海地区では話題の一人となって行きそうだった。

前 佑囲斗(津田学園3年)投手 182/87 右/右
藤井 久大(津田学園3年)右翼 167/69 左/左
前川 夏輝(津田学園3年)三塁 178/85 右/右

斎藤 来音(静岡高校3年)右翼 180/77 右/左
相羽 寛太(静岡高校2年)遊撃 177/76 右/右

大会二日目・第三試合 星稜 VS 旭川大高

旭川大高の先発・能登 嵩都(3年)右腕は、立ち上がりから縦に切れ込むスライダー、左打者外角に大きく沈むチェンジアップを武器に星稜打線を翻弄した。球速もコンスタントに140キロ前後刻み、試合途中からは緩いカーブも織り交ぜ的を絞らせない。もう少しストレートに磨きがかかるようならば、この変化球が大いに活かせるはず。獲得に興味を示す球団もあったというが、進学を希望しているという。近年北海道の大学では非常に速い投手が増えているので、そのノウハウをものにして大きく育つこそを楽しみにしている。

一方の星稜の先発は、今ドラフトにおいて 佐々木 朗希(大船渡)と共にドラフトの目玉にあげられる 奥川 恭伸(3年)右腕。立ち上がりから150キロ前後(MAX153キロ)の速球をコーナーいっぱいに決めるなどモノの違いを魅せてくれた。試合序盤に抜けていたスライダーも、イニングの最後にはしっかり調整。速球・変化球の切れとも、高校生離れしている。1位競合は確実なレベルであり、藤浪晋太郎(阪神)以来の高卒ルーキー二桁勝利も久々に意識できる素材だということを改めて実感する。特にこの投手は、精神面の強さに加え、ボールも低めや厳しいゾーンに決められるという技術は素晴らしい。今大会において、最も選手権優勝投手にふさわしい投手といった印象を受けた。

両投手の投球に目が奪われがちだが、両チームの捕手も素晴らしかった。旭川大高の 持丸 泰輝(3年)捕手は、最初の打席こそ見逃さし三振だったが、あとの打席では奥川のボールをしっかり捉える打球には見るものがあった。捕手としても投手や周りに細かく指示をしつつ、ゲームを作って行ける捕手。少々ボールを自分から掴みにゆくキャッチングは気になったが、ワンバウンド処理も素早い上にミットのブレもない。二塁送球の機会はなかったが、一塁への送球みる限り相当な強肩にも見える。また能登の好投を導いたように、リードにも光るものがあった。プロ志望ということだが、指名して来る球団はあるのではないかと思えるほどで、今大会で知った新たなサプライズとなった。

星稜の 山瀬 慎之助(3年)捕手は、ミットのブレないキャッチング・この試合では見られなかったが超高校級のスローイングなど総合力は高校球界でも上位の捕手。そんなに相手の気持ちを察してとか、細かい洞察力は感じられないものの、小学生以来のコンビで以心伝心で奥川とはやりとりできるのであろう。打撃でも下位打線ながらヒットを連発するなど、奥川をなんとか援護しようとする気持ちが伝わった。そういったことができるだけに、派手さはないが仕事はきっちりするだけの打力も持っている。大学進学という話を耳にするように、高校からプロの匂いはしてこない。しかし有力大学などで、世代を引っ張っていって欲しい存在だ。

来年のドラフト候補と注目される 内山 壮真(星稜2年)遊撃手は、小柄ながら4番を任されるようになっていた。長打で魅了するタイプではないが、ボールの呼び込み方がうまく打撃の潜在能力は高い。守備も軽快であり、上のレベルでも二遊間を担える素材。何より、プロ向きのマインドが素晴らしい。来年の上位候補として、その片鱗を示してくれた。なんとなくだが、右と左の違いはあれど、森友哉(大阪桐蔭-西武)のような匂いのする選手だった。

能登 嵩都(旭川大高3年)投手 183/71 右/右
持丸 泰輝(旭川大高3年)捕手 178/76 右/左

奥川 恭伸(星稜高校3年)投手 183/84 右/右
山瀬慎之助(星稜高校3年)捕手 177/85 右/右
内山 壮真(星陵高校2年)遊撃 172/72 右/右

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