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プロ野球ドラフトサイト「迷スカウト」の管理人・蔵建て男が、日本中を駆け巡り本音でトーク!

高岸 宏行(28歳・ティモンディ)投手

高岸 宏行(28歳・ティモンディ)投手 188/90 右/右 (済美-東洋大出身)





                  「旬の不一致?」





済美高校出身で、お笑いコンビ ティモンディの 高岸 宏行 。東洋大に進んで故障のため野球の道を断念したが、今でもトレーニングを続けており、150キロも記録する芸能界切っての速球王だという。果たして彼は、ドラフト指名されるほどの逸材だったのか検証してみた。

(投球内容)

今でも、番組の企画などでいろいろなプロ野球選手と対決している。しかし彼の公式戦での登板を確認するには、済美高校時代の映像で確認するしかない。背番号7を付けて外野兼投手として出場しており、野手としても高校通算20本塁打を記録するほどの強打者だったという。

ストレート 常時135キロ~後半 ☆☆★ 2.5

ガッチリとした恵まれた体格から投げ込む姿は、どことなく後輩にあたる 安楽 智大(楽天)を彷彿とさせる。愛媛大会の中継には球速表示もされていて、当時から135キロ~後半ぐらいながら力強いボールを投げ込んでいた。またそれほど、制球が荒れ荒れといった感じでもなく、将来まだまだ速くなるのではないかと言う期待を抱かせてくれるものだった。

変化球 スライダー・フォーク など ☆☆☆ 3.0

横滑りするスライダーでカウントを整えて来ることができており、時々フォークボールを投げてくる。高校の時点では、このフォークがチェンジアップのような軌道で落差に鋭さはなく、それほど大きな武器とはなりえていなかった。どうも彼の話を聞いていると、一番の武器はフォークと言っているところをみると、卒業後に磨きがかかったのかもしれない。

(投球のまとめ)

高校時代の映像を見る限り、素材の可能性は感じられるものの、高校からプロにといったレベルにはまだ到達していなかった。そのためドラフトで指名されなかったのも、大学に進学したのも必然的な流れだったのではないかとは思われる。東洋大の野球部にどのような形では入ったかはわからないが、もし推薦だとすると相当期待されての入学だったことになる。

(投球フォーム)

ではフォームを分析して、彼の可能性について検証してみたい。ワインドアップから振りかぶり、足を引き上げる勢いや高さはそれなり。軸足一本で立ったときに力みなく、膝に余裕を持って立てているところには好感が持てる。

<広がる可能性> ☆☆☆ 3.0

引き上げた足を地面に向けて伸ばしているので、お尻はバッテリーライン上に残りがち。これだとカーブやフォークが投げられないことはないと思うが、変化が鈍りやすかったり身体に負担がかかりやすい恐れはある。

「着地」までの地面の捉えも、粘りがなく淡白。したがって身体を捻り出す時間が確保できず、曲がりの大きな変化球よりも高速で小さな変化を中心にピッチングの幅を広げてゆく方が向いているのではないのだろうか。したがって空振りを誘うような変化球の習得は、厳しかったかもしれない。

<ボールの支配> ☆☆☆☆ 4.0

グラブは最後まで内に抱えられており、外に逃げようとする遠心力を内に留めることができている。そのため両サイドへのコントロールは、比較的つけやすいのではないのだろうか?

足の甲の地面の抑えも適度に深く捉えており、浮き上がろうとすると力を抑えられいてボールが高めに集まるのも抑えられそう。「球持ち」もそれなりといった感じなので、ボールの押し込みも悪くない。故に大型ながら、制球の不安は少なかったのではないのだろうか。

<故障のリスク> ☆☆★ 2.5

身体を捻り出すスペースが充分確保できていないのに、フォークを結構使っていたとしたら、窮屈になる機会が多く肘への負担はかなり高かった可能性が高い。

腕の送り出しをみても、ボールを持っている方の肩は上がり、グラブを持っている方の肩が下がるようにして角度をつけているので、球筋に角度は感じられても肩への負担もかなりあったのではないのだろうか。力投派といったほどではないと思うので、極端に疲労を溜めやすかったということはなかったと思うが、故障のリスクはかなり高いフォームだと考えられる。

野球を辞める原因となった故障箇所はわからないが、そのフォームを見ていると負担が大きく故障をしたという話も頷けてしまう。ましてフォークを武器にしようとして、肘への負担などが一気に増したのかもしれない。

<実戦的な術> ☆☆☆ 3.0

「着地」までの粘りがもう一つでタイミングが合わされやすい上に、ボールの出どころも少し早い。こうなるとコースを突いた球でも踏み込まれたり、フォークなども見極められて振ってもらえない可能性もある。ボール自体が良くても、その割に意外に合わされやすかった可能性は充分ある。

腕は強く振れているので、フォークが途中まで速球との見分けがつかないようなものであれば、ボールが早めに見えていても効果的に使えていた可能性はある。またボールに適度に体重を乗せることができているので、打者の手元まで生きた球が投げ込めていたのではないのだろうか。そういった、球速に見合ったボールの勢いはあったのかもしれない。

(フォームのまとめ)

フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」だと、「着地」や「開き」に課題があり、打者からは捉えられやすいフォームではないかと。ただし、制球を司る動作には優れており、課題は身体への負担が大きなフォームなのと武器になるほどの変化球を習得できたのかという部分ではないのだろうか。ボールは凄いけれど実戦では意外に捉えられてしまう・・・、と素材型の域を脱しられないまま終る、そういった選手だったのかもしれない。

(最後に)

今でもトレーニングを続けているとはいえ、ちょっと投げただけで150キロ近い球を投げ込んだりと、高校時代に比べ格段にパワーアップは遂げているのかもしれない。またぶきであるフォーク落差にも、磨きがかかっている可能性はある。それゆえプロに行ける可能性がなかったとは言えないものの、大事な時期に故障してしまったりとかアピールすることもままならないまま終わったのは、いろいろな意味でめぐり合わせが悪かったということなのだろう。プロ入りするためには、「旬」の時期があるといつも書く。彼には、そういったタイミングとパフォーマンスの上昇が一致せずに、世に出ることなく終わってしまった不運な部分があったことは否めない。

しかし、芸人という形ではあったものの、その非凡な野球の才能を世に示すことができたこと。高校時代のチームメイトと出会いコンビを組んだということは、彼にとってかけがえのない財産となったはずだ。彼にとって野球の神は微笑まなかったのかもしれないが、笑いの神がついていてくれた。

(2010年 愛媛大会)

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