2021年 ロッテのドラフトを考える
2021/12/22|Category:ネタ
(ロッテ指名選手)
1位 松川 虎生(市立和歌山)捕手 ☆☆☆
2位 池田 来翔(国士舘大)二塁 ☆☆☆
3位 廣畑 敦也(三菱倉敷)投手 ☆☆☆
4位 秋山 正雲(二松学舎大付)投手 ☆☆
5位 八木 彬(三菱重工WEST)投手 ☆
育1 田中 楓基(旭川実業)投手 ☆☆
育2 速水 将太(BC富山)内野 指名見送り
育3 永島田 輝斗(立花学園)投手 指名見送り
育4 村山 亮介(幕張総合)捕手 指名見送り
1位の 松川 虎生(市立和歌山)捕手は、高校球界屈指の「打てる捕手」。対応力とパンチ力を兼ね備えた打撃は、今年の大学・社会人含めても捕手の中でも屈指のものを持っている。またディフェンス面でも、大型でもボール処理などは素早く、とっさの判断力も悪くない。少々スローイングの際に腕が横から出るので、野手が捕球し難いのではないかという不安があるぐらい。あとは、キャッチングが雑だったり投手への返球が乱れがちなど、根本的にあまりキメ細やかさがない点が、捕手として今後どうでるかではないのだろうか? 理想の将来像としては、2割6・7分ぐらいで、15~20本塁打 ぐらい残しながらも、6番ぐらいで正捕手を担えるようになることではないのだろうか。
2位の 池田 来翔(国士舘大)二塁手は、三拍子バランスのとれた右打ちの内野手。甘い球を逃さない高い集中力を打席で魅せ、隙き無しの打撃を魅せる。守備範囲も広く、二塁手としても上手い部類。積極的に次の塁を陥れる走塁含め高い次元で野球がやれている。強打の二塁手ということで、今年の 牧 秀悟(中央大-DeNA)と比較されることが多いのだが、牧のほうが打撃重視型で長打力もあるのかなと。池田の場合は、そこまで長打力はないかもしれないけれど、そのぶん守備や走塁などの能力がありトータルバランスに優れていて甲乙つけがたい。そのため、一年目から一軍でレギュラー争いを演じられる選手ではないのだろうか。
3位の 廣畑 敦也(三菱倉敷オーシャンズ)投手は、総合力では今年の社会人でNO.1投手。ドラフトでも、1位の12名の中にに入るのではないかという予測も多かったほどの実力者。回転に優れた真っ直ぐで空振りが奪え、多彩な変化球を織り交ぜた大人びたピッチングできる。右打者への投球に優れる反面、左打者への投球に課題を残す。また、絶対的な決め球がないなどの物足りなさもあるが、一年目から先発ならば5勝前後、リリーフならば勝利の方程式に加わってきても不思議ではないだろう。ただし、昨年の栗林 良吏(トヨタ自動車-広島)あたりに比べると、縦に強力な落差がないので、クローザーというよりは7回やセットアッパー的な役割になるのではないのだろうか。
4位の 秋山 正雲(二松学舎大付)投手は、高校生ながら完成度の高いサウスポー。切れ味勝負というよりも、比較的球威で詰まらせる球質も、要所では140キロ台中盤を連発できる馬力もある。ツーシーム的なチェンジアップが比較的良いが、絶対的な決め球がないのと、左投手の割に左打者を苦手としているのがどうだろうか? 小柄だが体力もしっかりした選手でもあり、2年目ぐらいから一軍を意識できる能力を持っているのではないのだろうか。先輩の 大江 竜聖(巨人)の高校時代に比べると、ボールの勢いや爆発力は大江のほうがあった気がするが、安定感・総合力では今の秋山のほうが勝っているような気がする。
5位の 八木 彬(24歳・三菱重工WEST)投手は、東北福祉大の下級生時代から故障で投げられなかったものの、社会人2年目で復活し才能が開花させた。体も立派になり、投球フォームにも実に奥行きが感じられる。まだボールが高かったり、絶対的な変化球がないなど課題は多いが、150キロ台の真っすぐは魅力たっぷし。大卒社会人ではあるが、一年ぐらいファームでということが徹底できれば、大化けしても不思議ではない。八木は、上手く導けば将来はクローザー級にまで育っても不思議ではないスケールを秘めている。
育成1位の 田中 楓基(旭川実業)投手は、最終学年で伸び悩んだ。しかし、元々は上位を狙える才能の持ち主だっただけに、素材が劣化したわけではない。特に最終学年では、真っ直ぐの球速が上がらず制球も乱れがちだった。しかしそのぶん縦の変化球などが磨かれ、単調だったピッチングに奥行きが出てきた。少し時間はかかるかもしれないが、将来ローテーション投手への可能性を秘めている。
育成2位の 速水 将太(BC富山)内野手。元楽天などで活躍した 渡辺直人 を彷彿とさせる右打ちの遊撃手。脚力はあるが盗塁技術が、守備の動きは悪くないが長い距離の送球に課題を残す。打撃は、打席での集中力の高さを感じさせ、長打で魅了するタイプではないが鋭い打球を放つ。総合力で本会議となるとパンチ不足で育成枠になったが、実戦的なプレーができる内野手である。全体のレベルアップが遂げられれば、支配下も近うちに意識できるまでになるかもしれない。
育成3位の 永島田 輝斗(立花学園)投手は、コントロールに難はあるが140キロ台中盤の強いボールが投げられる速球派。将来的に武器になる変化球が習得出来るのか?とか不安要素はあるものの、ボールの出どころは隠せており、真っすぐのレベルアップが素直に実戦で生かされそうなタイプ。将来的には、150キロ級のボールを連発できるリリーフとしての適正を感じさせる。
育成4位の 村山 亮介(幕張総合)捕手は、巨体を活かした強打が売りの捕手。かなりフットワークが重苦しく、プロの捕手と見るのは厳しいかもしれない。それでも打撃の資質は良く、パワフルなだけでなく、勝負どころではセンターから右方向に追っつける打撃や、内角の球に対しては上手く肘をたたんでさばくなど打撃の技術はしっかりしている。なんとか捕手として、許容範囲のディフェンス力を身につけられると、まさに「打てる捕手」になれるとは思うのだが、打力を生かして一塁やDHなどでも右打ちの強打者という形での起用になってゆくのかもしれない。
(ロッテの指名を考える)
1位の 松川 は、バリバリの1位候補というよりも、2位のロッテの指名だと先に獲得されてしまうという恐れから、確実に獲りにいったのではないのだろうか。そろそろポスト・田村龍弘 を意識したいところで、ディフェンス型の田村に比べると、打力型の松川の存在は興味深いものもあったのだろう。2位の池田も、中村奨吾や安田尚憲 などの二塁・三塁あたりを刺激し競争を煽る・選手層を厚くしたいという意味合いが強い。彼らとレギュラー争いを演じ、隙きあらばレギュラーを奪っても不思議ではない好選手。
上位二人を野手で行っても、結果的に3位で即戦力性の高い 広畑 を獲得できたことでバランスがとれた形に。広畑は、先発・リリーフ両方に適正があり、チーム状況で起用も仕方も変わってくるかもしれない。課題だった左腕獲得も、高校生としては、比較的短期間で一軍に出てきそうな 秋山 を獲得。またリリーフ要員としては、八木 という、いかにもロッテが好みそうな正統派の右投手を獲得し、数年後の一軍を見据えた指名となっている。
育成に関しては、将来の先発を意識できる素材の 田中 を獲得できたことは大きい。速水・永島田・村山 などは少し時間はかかるかもしれないが、チーム層を厚くする狙いとして期待される。1位~育成1位 までの六人は、個人的に高く評価した、あるいは、確実にはモノになるとは言えないものの可能性を秘めた楽しみな面子を揃えた形。上位二人を野手でという思いきった指名ながら、3位で広畑が残っていたことで、最終的にはうまくまとめられた指名ではなかったのだろうか。個人的には、派手さはないが高印象のドラフトとなった。
蔵の評価:☆☆☆☆ (指名した面子が素晴らしい)
1位 松川 虎生(市立和歌山)捕手 ☆☆☆
2位 池田 来翔(国士舘大)二塁 ☆☆☆
3位 廣畑 敦也(三菱倉敷)投手 ☆☆☆
4位 秋山 正雲(二松学舎大付)投手 ☆☆
5位 八木 彬(三菱重工WEST)投手 ☆
育1 田中 楓基(旭川実業)投手 ☆☆
育2 速水 将太(BC富山)内野 指名見送り
育3 永島田 輝斗(立花学園)投手 指名見送り
育4 村山 亮介(幕張総合)捕手 指名見送り
1位の 松川 虎生(市立和歌山)捕手は、高校球界屈指の「打てる捕手」。対応力とパンチ力を兼ね備えた打撃は、今年の大学・社会人含めても捕手の中でも屈指のものを持っている。またディフェンス面でも、大型でもボール処理などは素早く、とっさの判断力も悪くない。少々スローイングの際に腕が横から出るので、野手が捕球し難いのではないかという不安があるぐらい。あとは、キャッチングが雑だったり投手への返球が乱れがちなど、根本的にあまりキメ細やかさがない点が、捕手として今後どうでるかではないのだろうか? 理想の将来像としては、2割6・7分ぐらいで、15~20本塁打 ぐらい残しながらも、6番ぐらいで正捕手を担えるようになることではないのだろうか。
2位の 池田 来翔(国士舘大)二塁手は、三拍子バランスのとれた右打ちの内野手。甘い球を逃さない高い集中力を打席で魅せ、隙き無しの打撃を魅せる。守備範囲も広く、二塁手としても上手い部類。積極的に次の塁を陥れる走塁含め高い次元で野球がやれている。強打の二塁手ということで、今年の 牧 秀悟(中央大-DeNA)と比較されることが多いのだが、牧のほうが打撃重視型で長打力もあるのかなと。池田の場合は、そこまで長打力はないかもしれないけれど、そのぶん守備や走塁などの能力がありトータルバランスに優れていて甲乙つけがたい。そのため、一年目から一軍でレギュラー争いを演じられる選手ではないのだろうか。
3位の 廣畑 敦也(三菱倉敷オーシャンズ)投手は、総合力では今年の社会人でNO.1投手。ドラフトでも、1位の12名の中にに入るのではないかという予測も多かったほどの実力者。回転に優れた真っ直ぐで空振りが奪え、多彩な変化球を織り交ぜた大人びたピッチングできる。右打者への投球に優れる反面、左打者への投球に課題を残す。また、絶対的な決め球がないなどの物足りなさもあるが、一年目から先発ならば5勝前後、リリーフならば勝利の方程式に加わってきても不思議ではないだろう。ただし、昨年の栗林 良吏(トヨタ自動車-広島)あたりに比べると、縦に強力な落差がないので、クローザーというよりは7回やセットアッパー的な役割になるのではないのだろうか。
4位の 秋山 正雲(二松学舎大付)投手は、高校生ながら完成度の高いサウスポー。切れ味勝負というよりも、比較的球威で詰まらせる球質も、要所では140キロ台中盤を連発できる馬力もある。ツーシーム的なチェンジアップが比較的良いが、絶対的な決め球がないのと、左投手の割に左打者を苦手としているのがどうだろうか? 小柄だが体力もしっかりした選手でもあり、2年目ぐらいから一軍を意識できる能力を持っているのではないのだろうか。先輩の 大江 竜聖(巨人)の高校時代に比べると、ボールの勢いや爆発力は大江のほうがあった気がするが、安定感・総合力では今の秋山のほうが勝っているような気がする。
5位の 八木 彬(24歳・三菱重工WEST)投手は、東北福祉大の下級生時代から故障で投げられなかったものの、社会人2年目で復活し才能が開花させた。体も立派になり、投球フォームにも実に奥行きが感じられる。まだボールが高かったり、絶対的な変化球がないなど課題は多いが、150キロ台の真っすぐは魅力たっぷし。大卒社会人ではあるが、一年ぐらいファームでということが徹底できれば、大化けしても不思議ではない。八木は、上手く導けば将来はクローザー級にまで育っても不思議ではないスケールを秘めている。
育成1位の 田中 楓基(旭川実業)投手は、最終学年で伸び悩んだ。しかし、元々は上位を狙える才能の持ち主だっただけに、素材が劣化したわけではない。特に最終学年では、真っ直ぐの球速が上がらず制球も乱れがちだった。しかしそのぶん縦の変化球などが磨かれ、単調だったピッチングに奥行きが出てきた。少し時間はかかるかもしれないが、将来ローテーション投手への可能性を秘めている。
育成2位の 速水 将太(BC富山)内野手。元楽天などで活躍した 渡辺直人 を彷彿とさせる右打ちの遊撃手。脚力はあるが盗塁技術が、守備の動きは悪くないが長い距離の送球に課題を残す。打撃は、打席での集中力の高さを感じさせ、長打で魅了するタイプではないが鋭い打球を放つ。総合力で本会議となるとパンチ不足で育成枠になったが、実戦的なプレーができる内野手である。全体のレベルアップが遂げられれば、支配下も近うちに意識できるまでになるかもしれない。
育成3位の 永島田 輝斗(立花学園)投手は、コントロールに難はあるが140キロ台中盤の強いボールが投げられる速球派。将来的に武器になる変化球が習得出来るのか?とか不安要素はあるものの、ボールの出どころは隠せており、真っすぐのレベルアップが素直に実戦で生かされそうなタイプ。将来的には、150キロ級のボールを連発できるリリーフとしての適正を感じさせる。
育成4位の 村山 亮介(幕張総合)捕手は、巨体を活かした強打が売りの捕手。かなりフットワークが重苦しく、プロの捕手と見るのは厳しいかもしれない。それでも打撃の資質は良く、パワフルなだけでなく、勝負どころではセンターから右方向に追っつける打撃や、内角の球に対しては上手く肘をたたんでさばくなど打撃の技術はしっかりしている。なんとか捕手として、許容範囲のディフェンス力を身につけられると、まさに「打てる捕手」になれるとは思うのだが、打力を生かして一塁やDHなどでも右打ちの強打者という形での起用になってゆくのかもしれない。
(ロッテの指名を考える)
1位の 松川 は、バリバリの1位候補というよりも、2位のロッテの指名だと先に獲得されてしまうという恐れから、確実に獲りにいったのではないのだろうか。そろそろポスト・田村龍弘 を意識したいところで、ディフェンス型の田村に比べると、打力型の松川の存在は興味深いものもあったのだろう。2位の池田も、中村奨吾や安田尚憲 などの二塁・三塁あたりを刺激し競争を煽る・選手層を厚くしたいという意味合いが強い。彼らとレギュラー争いを演じ、隙きあらばレギュラーを奪っても不思議ではない好選手。
上位二人を野手で行っても、結果的に3位で即戦力性の高い 広畑 を獲得できたことでバランスがとれた形に。広畑は、先発・リリーフ両方に適正があり、チーム状況で起用も仕方も変わってくるかもしれない。課題だった左腕獲得も、高校生としては、比較的短期間で一軍に出てきそうな 秋山 を獲得。またリリーフ要員としては、八木 という、いかにもロッテが好みそうな正統派の右投手を獲得し、数年後の一軍を見据えた指名となっている。
育成に関しては、将来の先発を意識できる素材の 田中 を獲得できたことは大きい。速水・永島田・村山 などは少し時間はかかるかもしれないが、チーム層を厚くする狙いとして期待される。1位~育成1位 までの六人は、個人的に高く評価した、あるいは、確実にはモノになるとは言えないものの可能性を秘めた楽しみな面子を揃えた形。上位二人を野手でという思いきった指名ながら、3位で広畑が残っていたことで、最終的にはうまくまとめられた指名ではなかったのだろうか。個人的には、派手さはないが高印象のドラフトとなった。
蔵の評価:☆☆☆☆ (指名した面子が素晴らしい)
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