2023年 選抜レポート1
2023/03/18|Category:テレビ・動画観戦
大会初日・第一試合 山梨学院 VS 東北
大会注目の投手である ハップス 大起(東北3年)右腕が初戦から登場。球速は、135~143キロ程度と、秋からの上積みは感じられなかった。カウントが悪くなったり、ランナーを背負う場面も多かったが、球威のある球で内角を突いて再三のピンチを凌いでいた。球速以上に感じさせる球威と、要所で踏ん張れる精神力の強さには見るべきものがあった。他にも、フォーク・スライダー・カーブなどを織り交ぜ、的を絞らせず5回まで無失点で凌いだ形。
秋から球速的な上積みがなかった点、目に見えて試合序盤から比べると球速が落ちる体力の無さなど課題も多い。しかし、バネのある素材でもあり、大幅な球速アップは次のステージで実現できる可能性は高いのでは? プロ志望であれば、素材の良さを買って、下位~育成あたりならば指名があるのではないのだろうか? 夏までの、さらなる上積みを期待して見守ってみたい。
山梨学院では、先制となる三遊間へのタイムリーを放った 進藤 天(3年)遊撃手。初回こそ正面の打球をトンネルしたが、打球への反応・フットワーク・ボールさばきの良い守備は下級生から光っていた。肩も深いところから強い送球ができるなど基準を満たすものがあるが、一塁までの到達タイムは右打席から4.6秒(左打者換算で4.35秒)ぐらいと平凡だった。また打撃に圧倒的なものがなかったり小柄な体格などを考えると、高校からプロというよりも有力大学に進んでゆくセンス型といった気がする。上のステージに進んでも、気にかけてゆきたい好選手だった。
山梨学院の先発・林 謙吾(3年)右腕は、130キロ台中盤ぐらいだったが質の良い真っすぐで空振りを誘えていた。スライダー・カーブ・チェンジアップなどを織り交ぜるオーソドックスなスタイルだが、早めに追い込める制球力・投球リズム・精神力と安定しており、いかにも好投手といったタイプ。大学などに進んで、野球を続けて行ける素材。
また山梨学院の4番・高橋 海翔(3年)一塁手は、秋の公式戦で4本塁打の長打力が光る強打者。この試合では、軽打のヒット2本で終わったが、次戦以降の長打にも期待したい。一方の東北では、4番の 佐藤 玲磨(3年)右翼手が2安打と気を吐いた。共に、大学などでも野球を続けて行ける素材だけに覚えておきたい選手たちだった。
またテンポの良いリードで好投を導いた 佐仲 大輝(山梨学院3年)捕手。ドンピッシャの1.9秒前後の速球でアウトにし、型がしっかりしているので送球も安定している印象。6番打者ながら、ライト前にキッチリはじき返す打撃を魅せた。課題とすれば、少し上から捕りたがるキャッチング。 一方の 日隈 翔弥(3年)捕手は、キャッチングに優れた捕手。苦しい状況に追い込まれる場面でも、リードに意図を感じさせるインサイドワークで試合を壊さないで作ることができていた。3番を打つ打撃では、あまりアピールできなかったのは残念。両チームの好捕手が、光った試合でもあった。
ハップス大起(東北3年)投手 188/85 右/右
佐藤 玲磨(東北3年)右翼 184/82 右/右
日隈 翔弥(東北3年)捕手 179/76 右/右
林 謙吾(山梨学院3年)投手 178/81 右/右
佐仲 大輝(山梨学院3年)捕手 180/82 右/右
高橋 海翔(山梨学院3年)一塁 179/80 右/右
進藤 天 (山梨学院3年)遊撃 172/72 右/右
大会初日第二試合 北陸 VS 高知
エースで4番の 友広 陸(3年)右腕が、北陸の投打の中心。球速こそ135キロ前後と平凡だったが、カーブ・スライダー・チェンジアップなどを織り交ぜ、試合をまとめてくる好投手。特にチェンジアップが、フォークのように落差があって有効。マウンドセンスも良く、制球が安定する前に逆転打を打たれてしまったのは残念だった。一方の打撃の方は、辻井投手の内角攻めに持ち味を削がれる形となった。
高知の先発は、辻井 翔大(2年)右腕。投げっぷりが良くく、スケールよりも洗練されたタイプの好投手。こちらも球速は135キロぐらいだが、打者の内角を厳しく突いてくる実戦的なタイプ。カーブ・スライダーだけでなく、縦の変化球で空振りが取れるなど終盤まで的を絞らせないで好投した。
下位打線ではあったが、打力にも優れているという。この試合でも、逆転のレフトオーバーの長打を放つなど、その片鱗を魅せてくれた。外野だけではなく、将来的にショートに担えるような動きの良さがあれば、野手としての才能にも注目して行きたい選手だった。
野手では、北陸の5番・平田 海智(3年)捕手が良かった。フットワークが身軽で、友広のワンバウンドする球を、しっかり前に止める技術がある。打っても、右にセンターへと打ち返し打撃でも中軸の片鱗を魅せていた。送球でも、1.9秒前後の送球で、地肩も水準レベルがある。走っても、右打席から4.25秒前後(左打者換算で4.0秒前後に相当)と、俊足でもあった。大学などに進んで、野球を続けて行けそうな素材だった。
一方の高知の 高木 心寧(3年)も好捕手だった。周りに細かく指示の出せる選手で、特にインサイドワークに優れリズムが良い。送球でも1.9秒前後ではあるものの、コントロールに優れた走者を的確に刺すことができていた。打っても5番打者として、追加点となるタイムリーをセンター前にはじき返す活躍で存在感を示した。
また8回のピンチの場面から、来年のドラフト候補と期待している 平 悠真(高知2年)右腕が登場。球速は135キロ前後と、秋からの上積みが観られなかったのは残念。そのぶん変化球を多く混ぜ、フォークなどが有効だった。高めに甘く浮いた球を捉えられていたので、今後はそういった球を減らして行きたい。ただ素材的には、来夏までにあと10キロぐらいはまだ上積みが望める素材ではないかとみている。
友広 陸 (北陸3年)投手 185/78 右/右
平田 海智(北陸3年)捕手 170/69 右/右
辻井 翔大(高知2年)投手 170/73 右/右
高木 心寧(高知3年)捕手 180/80 右/右
平 悠真(高知2年)投手 183/78 右/右
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