東南西北
プロ野球ドラフトサイト「迷スカウト」の管理人・蔵建て男が、日本中を駆け巡り本音でトーク!
宮本 幸治(富山・富山第一3年)投手
プロに進みませんでしたが、今後のことを考えてどうしても高校時代のプレーを寸評しておかないといけないドラフト指名級の選手の寸評を何人か残しておりました。そこで今回は、年度が変わる前にそんな選手の寸評も何人か行って行きたいと思います。

宮本 幸治(富山第一3年)投手 179/83 右/左 (法政大進学予定)





          「3位前後で指名されていたはず」





もしプロ志望届けを提出していたら、ドラフトでも3位前後で指名されていただろう選手が、この 宮本 幸治 。この春から、名門・法政大学に進むことが決まっているという。4年後のドラフト候補として、ぜひこの時期までに寸評を残しておきたかった。

(投球内容)

ワインドアップから、ゆったりと振りかぶって投げ込んできます。

ストレート 常時135~140キロ台中盤

甲子園の秋田商業戦では、初回から2回ぐらいまでは140キロ台の球を連発していました。しかし3回ぐらいから、130キロ台中盤ぐらいに球速を落とし、コースを突く投球に切り替えています。

特にこの選手、意図的なのかわかりませんが、内角よりの球はツーシーム気味に、外角の球はカットボール気味にボールが動く癖球。もちろん力を入れて投げたフォーシームのストレートには、それなりの威力を感じます。特に右打者内角を、強気に攻める投球が印象的。

変化球 カーブ・スライダー・チェンジアップ

最大の武器はスライダーで、カウントを稼ぐ小さく横滑りするものと、ボールゾーンに落ちてゆく縦のスライダーを使い分けています。更に緩いカーブを時々混ぜたり、チェンジアップも結構左打者に使います。ただし秋田商業戦では、このチェンジアップが決まらず、ストレートでカウントを取りにゆく球を左打者に痛打されていました。

その他

ランナーに注意は傾けますが、それほど鋭い牽制は入れてきません。クィックは、1.15~1.25秒ぐらいと平均的。肉体のポテンシャルに優れているというよりは、野球センスと野球頭脳を活かして相手を討ち取ってゆくタイプだと言えるでしょう。

(投球のまとめ)

元来は、コースを突いて打たせて取るのが身上。更に多彩な変化球も織り交ぜ、コンビネーションで抑えるタイプ。特に北陸の選手には珍しい、全国レベルで通用する実戦力を武器にするタイプ。

それでいて、適度なボールの威力・コントロール・変化球と兼ね備えピッチングのできる総合力があります。安定して140キロ台の球を刻める体力・パワーを身につけたら、プロでもローテーション投手として活躍できる素材ではないのでしょうか。

(投球フォーム)

ワインドアップから、ゆっくりと高い位置まで足を引き上げます。軸足にも力みは感じずに、バランスよく立てています。

<広がる可能性> ☆☆☆

引き上げた足は、地面に向けて伸ばしており、お尻は一塁側にそれほど落ちません。そういった意味では、体を捻り出すスペースは充分ではなく、カーブで緩急をつけたり、フォークのような縦の変化球にはあまり適しません。その辺を、チェンジアップや縦のスライダーで代用しているピッチャーです。

「着地」までのタイミングも平均的で、それほど体を捻り出す時間も確保出来ていません。いろいろな球種を投げられる器用さはありますが、絶対的なキレのある変化球を修得できるかは微妙。それでも、スライダーをボールゾーンに落とす術があり、変化球を上手く活かすことは出来ています。

<ボールの支配> ☆☆☆

グラブは最後まで体の近くにあり、両サイドの投げ分けは安定。しかしながら、足の甲の地面への押し付けは充分ではなく、ボールは真ん中~高めに浮きやすいフォーム。「球持ち」も並で、それほどボールをまだ押し込めないので、あと一歩ボールをコントロールできず四球を出してしまう場面が見られます。指先の感覚が悪いと思いませんが、まだリリースも発展途上なのでしょう。

<故障のリスク> ☆☆☆

お尻を落とせないフォームですが、それほどカーブを多投するわけでもないので、悲観する必要はないと思います。腕の角度はありますが、送り出しに無理は感じません。元来力投派ではないので、消耗も激しくはないでしょう。無理をしなければ、特に故障しやすいフォームではないように思います。

<実戦的な術> ☆☆☆

「着地」までの粘りは平均的で、打者としてはそれほど苦になるフォームではありません。体の「開き」も平均的だと思うのですが、左打者から結構打たれていたのを見ると、打席ではもう少し見やすいのかもしれません。

腕の振りは、投げ終わったあと身体に絡むように速球と変化球の見極めは困難。ボールへの体重の乗せは充分ではなく、まだ発展途上だという気が致します。もう少し上手く乗せられるようになると、打者の手元までグッと生きた球が投げられるのですが。

(フォームのまとめ)

投球の4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、すべての部分で可も不可もなしといった程度。特別実戦的でもなければ、これから成長の余地を残しています。

コントロールを司る動作もボールが上吊りやすい課題や微妙なリリースの不安定さがまだあり、故障の可能性も可も不可もなしと行った感じ。特別悪いところはありませんが、推せる材料もありません。極めて平均的なフォーム、そう言わざるえません。

(最後に)

ボールの威力・制球力・変化球・コントロール共に、一定の総合力をすでに持っています。しかしここから、何か突き抜けるものを身につけられるかではないのでしょうか。特に中途半端に器用なところがあるので、癖球に頼ってストレートを磨かない投球に走ってしまうと、小手先のつまらない投手に落ち着いてしまうのが怖いところ。

その一方でこの選手を見ていて「おっ!」と思えたのは、打者の背中を通るようなボール球を投げた後に、続く投球では内角のストレートを投げて相手を討ち取った場面を見た時。この選手は、良いハートと技術の持ち主だなと強く実感致しました。

すでにドラフト中位級の素材ですから、当然大学に入れば1年秋ぐらいにはリーグ戦に登場。2年春ぐらいには、主戦投手としての活躍を期待したい器。そして卒業するときには、1位指名の上位12名に入るぐらいの活躍を期待します。そのぐらいでなければ、アマに残った意味はありません。

そのぐらいの自覚を持って、高みを目指して欲しいと思います。そのぐらいの器があると評価していますし、期待して今後も彼の成長を見守って行きたいと思っています。

蔵の評価:☆☆

(2013年夏・甲子園)
関連記事
スポンサーサイト

テーマ:野球全般 - ジャンル:スポーツ

コメント
コメント
コメントの投稿
URL:
本文:
パスワード:
非公開コメント: 管理者にだけ表示を許可する
 
copyright © 2017 東南西北 all rights reserved.
Powered by FC2ブログ.