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プロ野球ドラフトサイト「迷スカウト」の管理人・蔵建て男が、日本中を駆け巡り本音でトーク!

斎藤 誠哉(磐田東・3年)投手

斎藤 誠哉(磐田東・3年)投手 182/74 左/左





               「雰囲気はプロ級」





昨秋あたりから、ドラフト上位候補になるのではないかと評判だった本格派サウスポー。その評判を聞きつけ、春季静岡大会に足を運んだ。すでに静岡の県大会を出場を決めていた状況だったのと、股関節痛で本調子ではなかったこともあり、この日の投球は、ベストとは程遠い内容ではなかったのだろうか。

続く静岡の県大会でも調子は上がらず、背番号は18に変わっていた。富士市立戦では、最後にようやく登場。しかし、内容は前回見たときと変わっていなかった。

(投球内容)

いかにも正統派の投手といった感じで、癖のないフォームと恵まれた体格が目を惹きました。

ストレート 常時120キロ台後半~MAX84マイル(134.4キロ)

結局最初に見た掛川西戦でも、その後に見た富士市立戦でも、球速は殆ど変わらなかったように思います。掛川西戦では、ボールの勢い・球速に欠ける分、両コーナーにしっかり投げ分けるコントロールの良さが光りました。しかし富士市立戦では、コントロールにもバラつきが生じていました。掛川西戦では、球速に頼らなくても抑えられる技量を感じたのですが、富士市立戦では甘く入った球を痛打され、サヨナラを演出。

変化球 スライダー

投球の殆どがスライダーとのコンビネーションで、この球でカウントを整えることはできます。しかし相手を仕留めるほどのキレや曲がりの大きさはないので、あくまでもストレートとの球速差とカウントを整える役割に限ります。そういった意味では、本当に頼れる変化球はなく、苦しくなるとストレートで勝負しないといけなくなるでしょう。

その他

牽制はそれほど鋭いものは見られず、走者を刺すほどのものはありません。クィックは1.1秒前後とまずまずですが、フィールディングも平均レベル。そういった投球以外の技術・センスは、平均的な選手という気は致します。

大型ですが、極端に不器用とかいうことはなく、コントロール含めてもおおまかですがまとめてくる感じは致します。

(投球のまとめ)

まだ充分体が使えなかったのは、股関節痛の影響なのか、元々この程度なのかは定かではありません。腕もあまり振れておらず、もっている潜在能力の半分程度しかこの春は出せなかったのではないかと推測します。以前下級生時代の動画を見た時は、実に柔らかい腕の振りが目立っていたので。

問題は夏までに状態が回復するのか? また回復した際にどの程度のパフォーマンスを示すかにかかっています。今の状態のまま夏を迎えても、指名は厳しいでしょう。どのぐらいの違いを、最後の夏に示せるかで指名の有無は変わってくると考えられます。

(投球フォーム)

実際どの辺に問題があるのか、フォームを分析して考えてみましょう。コントロールに不安があるのか? ランナーがいなくてもセットポジションから投げ込んできます。

<広がる可能性> ☆☆☆

引き上げた足を高い位置でピンと伸ばせるので、お尻は三塁側(左投手の場合は)に落とせます。そのため体を捻り出すスペースは確保でき、カーブで緩急を利かせたり、フォークのような縦の変化を投げることに無理はありません。

しかしこの動作にこそ、今の彼のフォームの狂いを感じます。どうしても引き上げた足を高い位置で伸ばすと、お尻は落とせる反面、バランスを保つのが非常に難しくなります。もし高い位置で足をピンと伸ばすのであれば、その足を幾分二塁側に送るなどしないと、どうしてもバランスを崩して突っ込んでしまいます。突っ込んでしまうと「着地」が早くなり、充分体をひねり出す時間が確保できません。お尻が落とせる割に変化球が中途半端なのは、足を引き上げて軸足一本で立った時に、上手くバランスよく立てていないからだと考えられます。

<ボールの支配> ☆☆☆

グラブは最後まで体の近くにあり、両サイドへの投げ分けは安定しやすいはず。しかし足の甲で地面を捉えているように見えますが、実際には膝小僧が地面を捉えており、スパイクが地面を押し付けているわけでなく、浮き上がろうとする力を充分抑え込めているとはいえません。また「着地」までの粘りが作れないことが、「球持ち」の浅さにもつながってしまい、ボールが押し込めないなどの悪循環を生んで制球を乱す要因になっています。

<故障のリスク> ☆☆☆

お尻は落とせて投げているので、カーブやフォークといった球種を投げても肘を痛める心配はありません。腕の送り出しをみても、けして無理はなく肩への不安も少ないはず。足を引き上げて軸足一本で立った時のバランスの悪さがあり、それでも体を支えようと余計な力が入り、股関節への負担も大きくしていたのかもしれません。

軸足一本で立った時に、膝から上がピンと真上に伸びてしまうような力みをなくし、Yの字形で立てるのが理想的な立ち方です。

<実戦的な術> ☆☆☆

「着地」までの粘りはあまり感じませんが、極端に「開き」が早いようには感じません。そうかといって粘りを感じるフォームではないので、打者としてはそれほど苦にはならないでしょう。

また振り下ろした腕も、思ったほど身体に絡んで来ないなど腕を強く振れていないのも気になります。これでは腕の振りで、速球と変化球の見極めが出来てしまいます。またボールには適度には体重が乗せられており、股関節を痛めて投げれば、もっとグッと打者の手元までボールが来るのかもしれません。

(フォームのまとめ)

投球の4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、物凄く悪い部分はありません。しかし逆に、物凄く優れている部分もないようです。

股関節の故障という問題と、本当のコントロールがまだないこともあり、あくまでも素材を期待して、今後の伸び代を評価するかどうかでしょう。まだまだ良くなりそうですが、股関節痛が癖にならなければ良いのですが。

(最後に)

現状の内容のままならば、高校からのプロ入りは厳しいと考えます。実際秋にどのぐらいのパフォーマンスを示せていたかはわかりませんが、夏に何処まで復活を印象づけられるかではないのでしょうか。その内容次第で、いっきに上位候補に踊り出てもおかしくはありませんが、どうなるかは全くわかりません。

できれば夏に、再度確認したいところ。そのため現時点での評価は、保留というか様子見といった感じです。良い雰囲気を持った選手ではありますが、まだまだリスキーな面は否めません。今は、静かに夏の訪れを待ちたいと思います。

蔵の評価:追跡級

(2014年 春季静岡大会)
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