田中 英祐(京都大4年)投手
2014/06/30|Category:個別寸評
田中 英祐(京都大4年)投手 180/75 右/右 (白陵出身)
「普通にドラフト候補」
京大の選手という話題性が先行しがちだが、一人のドラフト候補としてみても、普通にドラフト候補としてマークできる素材。むしろその魂のこもった熱い投球には、俺を観てくれ! という強烈なメッセージを感じずにはいられなかった。
(投球内容)
2イニング限定での登板という平塚合宿だっただけに、普段のリーグ戦のような第三戦まで想定したスタミナ配分を考えたセーブする投球とは違っていたのでしょう。全身をめいいっぱい使い、クレバーの先発タイプというよりも、熱いリリーバーと化していました。
ストレート 常時140~MAX92マイル(147.2キロ)
最初の1イニングは、すべてストレートを投げ込みアピール。そのボールの勢い・気迫のこもったボールは、同じような球速で投げていた 七原 優介(名古屋大)よりも、球質・勢いの点で上回っています。一見熱いだけの投球に見えますが、ボールを両サイドにしっかりコントロールされ、計算された上での力投だというのがわかります。高学歴の選手は野球人としては素材型の荒削りなタイプが多いのですが、彼は力と技を見事に使い分けている、野球脳に優れたプレーヤーです。
変化球 スライダー・フォーク・チェンジアップなど
2イニング目は、スライダーやフォーク・チェンジアップなどを交え、コンビネーションでの投球を披露。元々緩いカーブやツーシーム・カットボールなど、微妙に動かす球種もあって多彩です。絶対的な変化球はありませんが、相手に的を絞らせないコンビネーションの豊富さを感じます。
その他
1.0秒前後の高速クィックに加え、鋭い牽制なども交えます。けして、投球だけという投手ではありませんし、チームで不動のエースとして活躍している選手だけに、ある程度投球をまとめることもできます。
(投球のまとめ)
物凄く熱い面と冷静に投球できる二面性を持ち、それを上手く投球にミックスして投げています。ストレートの威力のみならず変化球も多彩で、コントロールや投球以外の部分も一定レベルに達しています。リリーフタイプの七原優介に比べると、こちらは力投派ですが先発タイプの投手だと言えます。掛け値なしに、大学から直にプロ入りできる力があると評価します。
(成績から考える)
今シーズンは、自己最高の3勝をあげるなど、充実したシーズンだったと言えるでしょう。
10試合 3勝5敗 67回2/3イニング 54安打 14四死球 54奪三振 防御率1.73
1,被安打はイニングの70%以下 △
被安打率は、79.8% と、地方リーグの選手としては図抜けてはいません。やはりリーグ戦だと、かなり力をセーブして投げているのでしょうから、そのときに相手を抑えこむほどの圧倒的なボールは少ないのではないかと想像します。その辺は、馬力で押せる七原との差ではないのでしょうか。それでも多彩な変化球を駆使して、悲観するほど悪い数字ではありませんし、3年秋までの成績に比べると良化傾向にあります。
2,四死球はイニングの1/3以下 ◎
四死球率は、20.7% であり、通算成績と比較すると、かなり良くなっていることがわかります。余計な四死球を与えないという、投手として大切な能力が備わっています。
3,奪三振は、1イニングあたり0.8個以上 △
1イニングあたりの奪三率は、0.79個 とわずかに基準を満たせていません。それでも通算成績に比べると、この点でも大幅に増加しており、良化傾向にあることがわかります。
4,防御率は1点台以内 ◯
ベストナインを獲得した昨秋の1.07に比べると、今春は1.73 と数字を下げました。それでも基準を満たすだけの数字は残しており、悲観するほどではないでしょう。ただ上位指名を目指すならば、1点台を割るような圧倒的な数字は望みたいところ。集大成となるラストシーズンに、どのぐらいの成績を残すのか期待してます。
(成績から考える)
成績をみると、まだ絶対的な数字ではありませんが、段階を踏んで成長して来ている意識の高さを感じます。現状は、図抜けた選手ではないが、適度に各部門バランスが取れており、総合力に優れた選手であることがわかります。
(最後に)
想像以上に熱い男であり、自分を強烈にアピールしようという貪欲さを感じます。まだまだ上位指名という絶対的なものは感じませんが、中位指名ならば充分に指名される力はあると評価します。
まして野球に専念できる環境が整えば、更に資質を伸ばしてゆくことも期待できます。そしてこの選手は、段階を踏んで自分を計画的に進化させることができる選手だと判断します。プロ入り宣言をするのならば、3位前後ぐらいでの指名は期待できるのではないのでしょうか。1年ぐらいファームで漬け込めば、2年目ぐらいからプロのローテーションに入ってこられる可能性を感じます。非常に、将来楽しみな選手だと評価します。
蔵の評価:☆☆☆
(2014年 平塚合宿)
「普通にドラフト候補」
京大の選手という話題性が先行しがちだが、一人のドラフト候補としてみても、普通にドラフト候補としてマークできる素材。むしろその魂のこもった熱い投球には、俺を観てくれ! という強烈なメッセージを感じずにはいられなかった。
(投球内容)
2イニング限定での登板という平塚合宿だっただけに、普段のリーグ戦のような第三戦まで想定したスタミナ配分を考えたセーブする投球とは違っていたのでしょう。全身をめいいっぱい使い、クレバーの先発タイプというよりも、熱いリリーバーと化していました。
ストレート 常時140~MAX92マイル(147.2キロ)
最初の1イニングは、すべてストレートを投げ込みアピール。そのボールの勢い・気迫のこもったボールは、同じような球速で投げていた 七原 優介(名古屋大)よりも、球質・勢いの点で上回っています。一見熱いだけの投球に見えますが、ボールを両サイドにしっかりコントロールされ、計算された上での力投だというのがわかります。高学歴の選手は野球人としては素材型の荒削りなタイプが多いのですが、彼は力と技を見事に使い分けている、野球脳に優れたプレーヤーです。
変化球 スライダー・フォーク・チェンジアップなど
2イニング目は、スライダーやフォーク・チェンジアップなどを交え、コンビネーションでの投球を披露。元々緩いカーブやツーシーム・カットボールなど、微妙に動かす球種もあって多彩です。絶対的な変化球はありませんが、相手に的を絞らせないコンビネーションの豊富さを感じます。
その他
1.0秒前後の高速クィックに加え、鋭い牽制なども交えます。けして、投球だけという投手ではありませんし、チームで不動のエースとして活躍している選手だけに、ある程度投球をまとめることもできます。
(投球のまとめ)
物凄く熱い面と冷静に投球できる二面性を持ち、それを上手く投球にミックスして投げています。ストレートの威力のみならず変化球も多彩で、コントロールや投球以外の部分も一定レベルに達しています。リリーフタイプの七原優介に比べると、こちらは力投派ですが先発タイプの投手だと言えます。掛け値なしに、大学から直にプロ入りできる力があると評価します。
(成績から考える)
今シーズンは、自己最高の3勝をあげるなど、充実したシーズンだったと言えるでしょう。
10試合 3勝5敗 67回2/3イニング 54安打 14四死球 54奪三振 防御率1.73
1,被安打はイニングの70%以下 △
被安打率は、79.8% と、地方リーグの選手としては図抜けてはいません。やはりリーグ戦だと、かなり力をセーブして投げているのでしょうから、そのときに相手を抑えこむほどの圧倒的なボールは少ないのではないかと想像します。その辺は、馬力で押せる七原との差ではないのでしょうか。それでも多彩な変化球を駆使して、悲観するほど悪い数字ではありませんし、3年秋までの成績に比べると良化傾向にあります。
2,四死球はイニングの1/3以下 ◎
四死球率は、20.7% であり、通算成績と比較すると、かなり良くなっていることがわかります。余計な四死球を与えないという、投手として大切な能力が備わっています。
3,奪三振は、1イニングあたり0.8個以上 △
1イニングあたりの奪三率は、0.79個 とわずかに基準を満たせていません。それでも通算成績に比べると、この点でも大幅に増加しており、良化傾向にあることがわかります。
4,防御率は1点台以内 ◯
ベストナインを獲得した昨秋の1.07に比べると、今春は1.73 と数字を下げました。それでも基準を満たすだけの数字は残しており、悲観するほどではないでしょう。ただ上位指名を目指すならば、1点台を割るような圧倒的な数字は望みたいところ。集大成となるラストシーズンに、どのぐらいの成績を残すのか期待してます。
(成績から考える)
成績をみると、まだ絶対的な数字ではありませんが、段階を踏んで成長して来ている意識の高さを感じます。現状は、図抜けた選手ではないが、適度に各部門バランスが取れており、総合力に優れた選手であることがわかります。
(最後に)
想像以上に熱い男であり、自分を強烈にアピールしようという貪欲さを感じます。まだまだ上位指名という絶対的なものは感じませんが、中位指名ならば充分に指名される力はあると評価します。
まして野球に専念できる環境が整えば、更に資質を伸ばしてゆくことも期待できます。そしてこの選手は、段階を踏んで自分を計画的に進化させることができる選手だと判断します。プロ入り宣言をするのならば、3位前後ぐらいでの指名は期待できるのではないのでしょうか。1年ぐらいファームで漬け込めば、2年目ぐらいからプロのローテーションに入ってこられる可能性を感じます。非常に、将来楽しみな選手だと評価します。
蔵の評価:☆☆☆
(2014年 平塚合宿)
- 関連記事
スポンサーサイト