四国アイランド選抜(投手編2)
2014/07/02|Category:観戦記
昨日に引き続き、アイランドリーグ選抜VSフューチャーズの試合を観戦。初日に登板しなかった残り5人の投手のうち、4人が登場しました。そこで今回も、今日新たに登場した4人の投手について触れて行きます。なお昨日に引き続き登板した 宍戸 勇希(徳島)投手は、今回は割愛させて頂きます。また追加として、3日目の模様も見てきたので、三日目に初めて登場した アヤラ(徳島)投手の内容と三日目の内容を加味してあとから補足させて頂きました。
寺田 哲也(27歳・香川)投手 184/87 右/右
作新学院、作新大時代から好投手としては知られていましたが、プロという迫力はなく適度にまとまった好投手とのイメージが強かった。しかしBCリーグに進み力をつけ、ここ数年はBCリーグ屈指の投手・NPBに一番近い投手と言われ続けながらも指名されることなくここまで来ました。心機一転今季からは、同じ独立リーグでも四国アイランドリーグに移籍し、悲願のプロ入りを狙います。
しかし今シーズンは順調さを欠いているのか? 17試合 4勝4敗 防御率 3.49 と成績は平凡。しかしこれでも選抜入りしたのは、彼のこれまでの実績・実力・心意気を買ったからではないのでしょうか。その期待どおり今日は、130キロ台~MAX89マイル(142.4キロ)ながら、いつでもストライクを集められる安定したコントロール・テンポの良さは、このメンバーの中では図抜けています。緩いカーブとのコンビネーションで、他にスライダー・チェンジアップ系の球があります。凄みはありませんが、プロの一軍投手のようなテンポと制球力には見るべきものがあります。
ただ一昨年の独立リーグ・グランドチャンピオンシップの投球では、コンスタントに140キロ台中盤ぐらいの球を投げる気迫の投球を見せていたので、その時が10だとすると、今は8分ぐらいかと。それが、今シーズンの成績にも現れているのかもしれません。今シーズンの不調の理由が、肩・肘の故障によるものだとなると、指名にはマイナス要因にはなるでしょう。
指名の可能性としては、個人的には2年ぐらい前がピークでその時に指名してあげて欲しかったというのが本音。現状27歳という年齢も加味すると、本会議での指名は厳しいでしょう。ただ比較的同タイプで、内容的にそれ以下の投球をしていた 萬谷 康平(DeNA)が一年目から、一軍でセットアッパーで活躍しているのをみると、この選手もプロで全く使えないということはないのではないか、そんな気は致します。育成枠指名になるかもしれませんが、あえて即戦力として期待してみたい、そういう指名ならばアリなのではないのでしょうか。
航大 (畠山)(21歳・高知)投手 177/75 左/左
それほど体は大きくないのですが、手足の長い投手体型が目を惹きます。今シーズンは、8試合 2勝1敗0S 防御率 5.29 という成績で、何故メンバーに選ばれたのかわかりません。投球は、この長い手足を活かしたフォームで、少し腕が遅れて出てくる感じに特徴があります。球速は、130~MAX84マイル(134.4キロ)と球威・球速は厳しい内容。ただしボールがワンテンポ遅れて出てくる、左腕らしい大きなカーブが最大の武器。他にスライダーなどもあります。
成績的には、被安打・四死球・防御率・三振共に、ファクター的には基準を満たすほどのものはありません。21歳と若いですから、この経験を活かしてリーグで実績を積んでからに期待したい。
橋本 直樹(23歳・愛媛)投手 180/68 右/左
事前にこの選手は動画で確認しましたが、その時もちょっとプロはないだろうという投球をしていました。今日も球速は、120キロ台後半~130キロ前半ぐらいで、切れ味鋭いスライダーに特徴があるぐらいの投手でした。今シーズンの成績は、15試合 0勝0敗0S 防御率 0.95 という数字からも中継ぎで活躍している選手のようです。
もう少し詳しく見てみると、19イニングで被安打18本ですから、被安打率は94.7%(基準はリリーフなら70%以下)ですから、打たれ過ぎなのがわかります。アイランドリーグにおいても、球威・球速が劣っているからでしょう。四死球は5個であり、四死球率は26.3%(基準はイニングの1/3以下)と、充分ファクターを満たします。この安定したコントロールが、一つこの投手の売りなのがわかります。奪三振は8個であり、1イニングあたり0.42個(リリーフならば0.9個以上)ですから、決め手に欠け打たせて取る投球が身上なのがわかります。それでも防御率が0.95 ということは、まず連打を許さないようなコントロールミスの少ない投球が持ち味なのだと考えます。
ただこういう短いイニングでアピールするには、あまり見栄えがしません。ましてこの球威・球速でNPBで抑えられるのかという疑問もあり、指名される可能性は極めて低いだろうという判断になってしまいます。
山本 雅士(20歳・徳島)投手 172/75 右/左
上背はないのですが、ガッチリした体格から馬力のあるボールを投げ込んできます。球速はコンスタントに140キロ前後出ており、MAXで90マイル(144キロ)を記録。ボールの勢い・威力には見るべきものがありました。更に小さく手元で切れるスライダーと、小さく沈むスピリットのような縦の変化球を織り交ぜてきます。
今シーズンは、13試合 4勝4敗 防御率 3.28 と成績としては平凡。57回2/3イニングで、被安打が60本とイニング数以上なのが、ボールの威力よりもコンビネーションに課題があることが伺えます。また試合を見ていると、結構甘い球を打たれる場面が見られました。四死球は24個であり、四死球率は41.2% 。基準である1/3以下に比べると、ややアバウトでストライクゾーンの枠の中にはあつめられるが、ここぞという時の本当のコントロールがないように思います。奪三振は44個で、1イニングあたり0.76個と先発としての基準である0.8個こそ下回っていますが、比較的三振でアウトを奪えるボールの威力はあります。実績的には、まだ全体的に力不足は否めません。
年齢的には20歳ということで若く、能力的には同じ高卒2年目の 今井金太(広島国際学院-DeNA育成)投手と同じぐらいなのかという気は致します。ボールの質も悪くありませんし、素材という意味で育成枠あたりで指名して来る球団もあるかもしれませんが、まだ若いですからもう少しアイランドリーグで圧倒的な成績を残してからの方がイイのかなという気が致します。今後上積みができれば、NPB入りも充分意識できる素材ではないのでしょうか。この選手は知りませんでしたし、成績的にもあまり期待していなかったのですが、想像以上の投手でした。
アヤラ (25歳・徳島)投手 183/88 右/右
実際見てみるとずんぐりむっくりした体型で、183センチもあるようには見えません。球速は 135,6キロぐらいで、常にボールを動かす癖球。他にスライダー・チェンジアップ・ツーシーム系の球種がありそう。リーグでは今シーズン、11試合 6勝1敗0S 防御率 1.44(リーグ2位) の好成績をあげています。立ち上がりは制球定まらず、リズムが作れずにグダグダの内容。それでも一失点に抑え、以後立ち直り4回まで0で投げ切りました。
2イニング目以降は、ボールが低めに集まりだし、ことごとく内野ゴロやポップフライを打ち上げるケースが目立ち、テンポもよくなります。確かに相手にしてみれば、掴みどころのないイヤらしいタイプですが、外国人枠を使ってまで獲得する球団があるのか?と言われるとNO.! と言わざるえません。動画で別の試合を見た時は、勝負どころでは力のあるボールを投げていて、それが140キロ台を超えているように見えましたが、今日は幾ら計測しても130キロ台中盤ぐらい。やはり獲得するには、パンチ不足は否めません。
(最後に)
二日目登板した選手では、寺田(新潟)が育成あたりならば指名があるかもというのと、若さで山本(徳島)が、ひょっとしてという内容でした。残念ながらこの二人に関しては、二日目だけの登板で終わり三日目の登板はなく終わりました。シーズン最後までに、ソフトバンクとの交流戦などが組まれていたら、再度確認して最終的な判断をしてみたいと思います。
寺田 哲也(27歳・香川)投手 184/87 右/右
作新学院、作新大時代から好投手としては知られていましたが、プロという迫力はなく適度にまとまった好投手とのイメージが強かった。しかしBCリーグに進み力をつけ、ここ数年はBCリーグ屈指の投手・NPBに一番近い投手と言われ続けながらも指名されることなくここまで来ました。心機一転今季からは、同じ独立リーグでも四国アイランドリーグに移籍し、悲願のプロ入りを狙います。
しかし今シーズンは順調さを欠いているのか? 17試合 4勝4敗 防御率 3.49 と成績は平凡。しかしこれでも選抜入りしたのは、彼のこれまでの実績・実力・心意気を買ったからではないのでしょうか。その期待どおり今日は、130キロ台~MAX89マイル(142.4キロ)ながら、いつでもストライクを集められる安定したコントロール・テンポの良さは、このメンバーの中では図抜けています。緩いカーブとのコンビネーションで、他にスライダー・チェンジアップ系の球があります。凄みはありませんが、プロの一軍投手のようなテンポと制球力には見るべきものがあります。
ただ一昨年の独立リーグ・グランドチャンピオンシップの投球では、コンスタントに140キロ台中盤ぐらいの球を投げる気迫の投球を見せていたので、その時が10だとすると、今は8分ぐらいかと。それが、今シーズンの成績にも現れているのかもしれません。今シーズンの不調の理由が、肩・肘の故障によるものだとなると、指名にはマイナス要因にはなるでしょう。
指名の可能性としては、個人的には2年ぐらい前がピークでその時に指名してあげて欲しかったというのが本音。現状27歳という年齢も加味すると、本会議での指名は厳しいでしょう。ただ比較的同タイプで、内容的にそれ以下の投球をしていた 萬谷 康平(DeNA)が一年目から、一軍でセットアッパーで活躍しているのをみると、この選手もプロで全く使えないということはないのではないか、そんな気は致します。育成枠指名になるかもしれませんが、あえて即戦力として期待してみたい、そういう指名ならばアリなのではないのでしょうか。
航大 (畠山)(21歳・高知)投手 177/75 左/左
それほど体は大きくないのですが、手足の長い投手体型が目を惹きます。今シーズンは、8試合 2勝1敗0S 防御率 5.29 という成績で、何故メンバーに選ばれたのかわかりません。投球は、この長い手足を活かしたフォームで、少し腕が遅れて出てくる感じに特徴があります。球速は、130~MAX84マイル(134.4キロ)と球威・球速は厳しい内容。ただしボールがワンテンポ遅れて出てくる、左腕らしい大きなカーブが最大の武器。他にスライダーなどもあります。
成績的には、被安打・四死球・防御率・三振共に、ファクター的には基準を満たすほどのものはありません。21歳と若いですから、この経験を活かしてリーグで実績を積んでからに期待したい。
橋本 直樹(23歳・愛媛)投手 180/68 右/左
事前にこの選手は動画で確認しましたが、その時もちょっとプロはないだろうという投球をしていました。今日も球速は、120キロ台後半~130キロ前半ぐらいで、切れ味鋭いスライダーに特徴があるぐらいの投手でした。今シーズンの成績は、15試合 0勝0敗0S 防御率 0.95 という数字からも中継ぎで活躍している選手のようです。
もう少し詳しく見てみると、19イニングで被安打18本ですから、被安打率は94.7%(基準はリリーフなら70%以下)ですから、打たれ過ぎなのがわかります。アイランドリーグにおいても、球威・球速が劣っているからでしょう。四死球は5個であり、四死球率は26.3%(基準はイニングの1/3以下)と、充分ファクターを満たします。この安定したコントロールが、一つこの投手の売りなのがわかります。奪三振は8個であり、1イニングあたり0.42個(リリーフならば0.9個以上)ですから、決め手に欠け打たせて取る投球が身上なのがわかります。それでも防御率が0.95 ということは、まず連打を許さないようなコントロールミスの少ない投球が持ち味なのだと考えます。
ただこういう短いイニングでアピールするには、あまり見栄えがしません。ましてこの球威・球速でNPBで抑えられるのかという疑問もあり、指名される可能性は極めて低いだろうという判断になってしまいます。
山本 雅士(20歳・徳島)投手 172/75 右/左
上背はないのですが、ガッチリした体格から馬力のあるボールを投げ込んできます。球速はコンスタントに140キロ前後出ており、MAXで90マイル(144キロ)を記録。ボールの勢い・威力には見るべきものがありました。更に小さく手元で切れるスライダーと、小さく沈むスピリットのような縦の変化球を織り交ぜてきます。
今シーズンは、13試合 4勝4敗 防御率 3.28 と成績としては平凡。57回2/3イニングで、被安打が60本とイニング数以上なのが、ボールの威力よりもコンビネーションに課題があることが伺えます。また試合を見ていると、結構甘い球を打たれる場面が見られました。四死球は24個であり、四死球率は41.2% 。基準である1/3以下に比べると、ややアバウトでストライクゾーンの枠の中にはあつめられるが、ここぞという時の本当のコントロールがないように思います。奪三振は44個で、1イニングあたり0.76個と先発としての基準である0.8個こそ下回っていますが、比較的三振でアウトを奪えるボールの威力はあります。実績的には、まだ全体的に力不足は否めません。
年齢的には20歳ということで若く、能力的には同じ高卒2年目の 今井金太(広島国際学院-DeNA育成)投手と同じぐらいなのかという気は致します。ボールの質も悪くありませんし、素材という意味で育成枠あたりで指名して来る球団もあるかもしれませんが、まだ若いですからもう少しアイランドリーグで圧倒的な成績を残してからの方がイイのかなという気が致します。今後上積みができれば、NPB入りも充分意識できる素材ではないのでしょうか。この選手は知りませんでしたし、成績的にもあまり期待していなかったのですが、想像以上の投手でした。
アヤラ (25歳・徳島)投手 183/88 右/右
実際見てみるとずんぐりむっくりした体型で、183センチもあるようには見えません。球速は 135,6キロぐらいで、常にボールを動かす癖球。他にスライダー・チェンジアップ・ツーシーム系の球種がありそう。リーグでは今シーズン、11試合 6勝1敗0S 防御率 1.44(リーグ2位) の好成績をあげています。立ち上がりは制球定まらず、リズムが作れずにグダグダの内容。それでも一失点に抑え、以後立ち直り4回まで0で投げ切りました。
2イニング目以降は、ボールが低めに集まりだし、ことごとく内野ゴロやポップフライを打ち上げるケースが目立ち、テンポもよくなります。確かに相手にしてみれば、掴みどころのないイヤらしいタイプですが、外国人枠を使ってまで獲得する球団があるのか?と言われるとNO.! と言わざるえません。動画で別の試合を見た時は、勝負どころでは力のあるボールを投げていて、それが140キロ台を超えているように見えましたが、今日は幾ら計測しても130キロ台中盤ぐらい。やはり獲得するには、パンチ不足は否めません。
(最後に)
二日目登板した選手では、寺田(新潟)が育成あたりならば指名があるかもというのと、若さで山本(徳島)が、ひょっとしてという内容でした。残念ながらこの二人に関しては、二日目だけの登板で終わり三日目の登板はなく終わりました。シーズン最後までに、ソフトバンクとの交流戦などが組まれていたら、再度確認して最終的な判断をしてみたいと思います。
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