2014年 都市対抗レポート9
2014/07/28|Category:観戦記
後日追加予定の3試合を除くと、今回の更新分で出場全チームが出揃うことになります。
大会六日目第二試合 三菱日立パワーシステムズ横浜 VS HONDA熊本
HONDA熊本の先発は、高卒4年目の 荒西 祐大(22歳・玉名工業出身)右腕。昨年は高卒3年目ということで、ドラフト指名も期待されたが、その期待に応えられる内容を魅せられなかった。しかし今年は、都市対抗予選からチームの主力として活躍、東京ドームに戻ってきた。
右サイドからの荒れ球が特徴で、コンスタントに145キロ前後をマーク。ストレートの球威・球速は、昨年よりもワンランク向上したように見える。その一方で、スライダー・カーブ・シンカーなどの各変化球の曲がりが早すぎて、打者としては見極めやすい。制球も甘いゾーンへのボールも多く、序盤であっさりK.Oされた。昨年からの成長は感じられるものの、まだ素材型の域を脱しておらず、今年も指名となると厳しいだろう。もうワンランク上の制球・変化球を望みたい。ストレートの威力だけならば、充分プロを意識できるレベルに到達した。
三菱日立パワーシステムズ横浜の先発は、高卒3年目の 野村 亮介(21歳・静清出身)右腕。選抜に出場しスカウトからも注目を集めた素材で、当時からプロ志望届けを提出すれば、4,5位ぐらいで指名されるぐらいの力がある選手。むしろ彼ぐらいの能力があれば、高卒2年目ぐらいからモノの違いを魅せてもと思ったが、チームのエースに成長したのは3年目の今年から。
球速もコンスタントに140キロ中盤を刻んでおり、リリーフでは、MAX149キロまで到達。明らかにボールの勢い・球速と、昨年よりも逞しくなっている。変化球は、カーブ・スライダー・フォークなどで、特に要所でフォークを使えるようになってきており、縦の変化で空振りが奪えるようになってきたことは大きい。元々ゲームメイクできるセンスと技術があるので、そこにうまくパワーがついてきた。
課題は、あまり打者が苦にならない何気ないフォームだということ。またストレート全体が、意外に真ん中~高めのゾーンに集まりやすく、この辺が一軍の打者達が見逃してくれないのではないかという不安は残る。それでも高卒3年目という若さで、ここまで出来るとなると、ドラフト指名は濃厚で2,3位ぐらいでの指名も充分期待できるのではないのだろうか。この順位で先発が期待できる若手が取れるとなれば、各球団美味しい指名になるのではないのだろうか。
HONDA熊本のリレーは、若手の宝庫。僅か1/3イニングでの登板であったが、竹安 大和(20歳・熊本ゴールデンラークス)右腕が魅せてくれた。オーソドックスなフォームながら、常時140キロ台~MAX145キロを記録。来年のドラフト候補として、存在感を示したのは間違いない。この選手、伊東商時代に知り合いのスカウトに教えてもらい、夏の予選を見にいった思い出深い投手。この時は、130キロ前後~中盤ぐらいがやっとで、正直良さがわからなかった。しかしこの春、ソフトバンクとの交流戦で見た時に、常時140キロ台を刻んでいて、来年の候補に浮上するのではないかとTwitterで呟いたもの。あとは、突き抜けた武器がないので、そういったものを来年までに身につけられるかが、指名の有無を左右するだろう。
また 狭間 正行(23歳・九州共立大出身)右腕も、圧巻の投球を魅せてくれた。この選手もソフトバンクとの交流戦で、勢いのある球を投げていたので触れた一人。その期待通り、常時145~MAX153キロを記録するなど、スピード能力は図抜けている。当然、来年の候補としてマークされる存在だろう。竹安同様に、あまり苦にならないフォームなので、打者としては球速ほど速く感じられないのかもしれない。あと細かいコントロール・変化球含めて、どの程度なのか来年は見極めてゆきたい。
ちょっと残念だったのは、今村 幸志郎(25歳・西都ガス)左腕。クロスに踏み込むんでスリークオーターで投げ込む独特のフォームのため、左打者にとっては背中越しから来る感じで厄介な球筋。そして外角低めの最も遠いゾーンにスライダーを落として来る投球は、社会人随一。しかしこの日は、球速も130キロ台後半止まりで、ボールのキレ・精度共にやや物足りないものだった。そのため3イニング目に勝ち越しを許すことになる。
個人的には、大学・社会人NO.1左腕だと評価していた選手だけに、今回の内容は物足りない。いまや全日本のにも選ばれる実力ではあるが、上位指名という評価にはならないだろう。特に元々キレ型で球威・球速に欠ける傾向にあり、甘く入り出すと痛打を浴びやすい。現状は、下位指名での中継ぎ候補という位置づけにはなるのではないのだろうか。しかし個人的には、今でもイチオシの投手であることには変わりはない。左の実戦派だけに、指名も恐らく揺らがないのではないのだろうか。
大会六日目第三試合 HONDA VS JR西日本
HONDAで二番手登板した ルーキーの 石橋 良太(23歳・拓殖大出身)右腕が力投。4回2/3イニングを、3安打・4奪三振・無失点に抑えて魅せた。オーソドックスな右上手投げで、体格は175センチと中背。しかし明徳義塾・拓殖大時代は、140キロ前後の好投手のイメージが強かったが、この試合では145キロ前後(MAX148キロ)を記録するなど、力強さを増していた。また低めに切れ込む140キロ弱のカットボール・フォークなどの変化球にも威力があり、これだけの内容を魅せられると、来年のドラフト候補としてマークしないといけないだろう。
HONDAでは、そのあと 仲尾次 オスカル(23歳・白鴎大出身)左腕が登板し、相変わらず肘の突っ張ったフォームながら、左腕から140キロ台を連発。変化球は軽くスライダーを投げたのみだったが、もう少し見てみたかった。JR西日本では、以前ドラフト候補と注目された 中元 勇作(26歳・伯和ビクトリーズ)左腕が投げるも、相変わらず130キロ台中盤の技巧派で、それでいてまとまりはもうひとつ。また 入江 達也(24歳・伯和ビクトリーズ)右腕も登板し、コンスタントに140キロ台を記録するも、あまりボールが手元まで来る球質ではなく、昨年から見栄えがしないままだった。
JR西本は、最後に 関根 裕之(23歳・創価大出身)右腕が登場。ライアン・小川の陰に隠れがちで、中々公式戦で見ることができない投手だった。球速はコンスタントに140キロ台を刻んで来る投手だが、ボールを動かす癖球のせいなのか、球速ほど速くは感じられない。スライダーとのコンビネーション投手で、指名候補という感じではなかった。
むしろ指名が可能性があるとするならば、HONDAの最後に登板した 福島 由登(24歳・青学大出身)右腕。こちらも中背の体格から常時140キロ台~144キロぐらいの伸びのあるストレートに、カーブ・スライダー・チェンジアップ・フォークなど球種は多彩。球速には驚くほどのものはないものの、低めに集まりやすい球筋なのと、勝負どころでズバッと良いところに決められる爽快感が最大の魅力。
青学時代の下級生時代の勢いを取り戻しており、ゲームメイクできるまとまりもあることを考えると、指名の可能性は否定できない。今年はチームの主戦として活躍し、実績的にも充分といったところ。実戦派だけに、順位以上の貢献度を一年目から魅せてくれるかもしれない。ドラフトでは、中位ぐらいでの指名があるのではないのだろうか。
野手では、ルーキーの 春原 直登(23歳・関東学院大出身)中堅手の振りの良さが光った。地元関東学院の選手ということで、昨年散々見た選手。走攻守のバランスも取れているだけに、来年に向け楽しみな選手。願わくば、もう少し足でも存在感を示して欲しい。
大会六日目第二試合 三菱日立パワーシステムズ横浜 VS HONDA熊本
HONDA熊本の先発は、高卒4年目の 荒西 祐大(22歳・玉名工業出身)右腕。昨年は高卒3年目ということで、ドラフト指名も期待されたが、その期待に応えられる内容を魅せられなかった。しかし今年は、都市対抗予選からチームの主力として活躍、東京ドームに戻ってきた。
右サイドからの荒れ球が特徴で、コンスタントに145キロ前後をマーク。ストレートの球威・球速は、昨年よりもワンランク向上したように見える。その一方で、スライダー・カーブ・シンカーなどの各変化球の曲がりが早すぎて、打者としては見極めやすい。制球も甘いゾーンへのボールも多く、序盤であっさりK.Oされた。昨年からの成長は感じられるものの、まだ素材型の域を脱しておらず、今年も指名となると厳しいだろう。もうワンランク上の制球・変化球を望みたい。ストレートの威力だけならば、充分プロを意識できるレベルに到達した。
三菱日立パワーシステムズ横浜の先発は、高卒3年目の 野村 亮介(21歳・静清出身)右腕。選抜に出場しスカウトからも注目を集めた素材で、当時からプロ志望届けを提出すれば、4,5位ぐらいで指名されるぐらいの力がある選手。むしろ彼ぐらいの能力があれば、高卒2年目ぐらいからモノの違いを魅せてもと思ったが、チームのエースに成長したのは3年目の今年から。
球速もコンスタントに140キロ中盤を刻んでおり、リリーフでは、MAX149キロまで到達。明らかにボールの勢い・球速と、昨年よりも逞しくなっている。変化球は、カーブ・スライダー・フォークなどで、特に要所でフォークを使えるようになってきており、縦の変化で空振りが奪えるようになってきたことは大きい。元々ゲームメイクできるセンスと技術があるので、そこにうまくパワーがついてきた。
課題は、あまり打者が苦にならない何気ないフォームだということ。またストレート全体が、意外に真ん中~高めのゾーンに集まりやすく、この辺が一軍の打者達が見逃してくれないのではないかという不安は残る。それでも高卒3年目という若さで、ここまで出来るとなると、ドラフト指名は濃厚で2,3位ぐらいでの指名も充分期待できるのではないのだろうか。この順位で先発が期待できる若手が取れるとなれば、各球団美味しい指名になるのではないのだろうか。
HONDA熊本のリレーは、若手の宝庫。僅か1/3イニングでの登板であったが、竹安 大和(20歳・熊本ゴールデンラークス)右腕が魅せてくれた。オーソドックスなフォームながら、常時140キロ台~MAX145キロを記録。来年のドラフト候補として、存在感を示したのは間違いない。この選手、伊東商時代に知り合いのスカウトに教えてもらい、夏の予選を見にいった思い出深い投手。この時は、130キロ前後~中盤ぐらいがやっとで、正直良さがわからなかった。しかしこの春、ソフトバンクとの交流戦で見た時に、常時140キロ台を刻んでいて、来年の候補に浮上するのではないかとTwitterで呟いたもの。あとは、突き抜けた武器がないので、そういったものを来年までに身につけられるかが、指名の有無を左右するだろう。
また 狭間 正行(23歳・九州共立大出身)右腕も、圧巻の投球を魅せてくれた。この選手もソフトバンクとの交流戦で、勢いのある球を投げていたので触れた一人。その期待通り、常時145~MAX153キロを記録するなど、スピード能力は図抜けている。当然、来年の候補としてマークされる存在だろう。竹安同様に、あまり苦にならないフォームなので、打者としては球速ほど速く感じられないのかもしれない。あと細かいコントロール・変化球含めて、どの程度なのか来年は見極めてゆきたい。
ちょっと残念だったのは、今村 幸志郎(25歳・西都ガス)左腕。クロスに踏み込むんでスリークオーターで投げ込む独特のフォームのため、左打者にとっては背中越しから来る感じで厄介な球筋。そして外角低めの最も遠いゾーンにスライダーを落として来る投球は、社会人随一。しかしこの日は、球速も130キロ台後半止まりで、ボールのキレ・精度共にやや物足りないものだった。そのため3イニング目に勝ち越しを許すことになる。
個人的には、大学・社会人NO.1左腕だと評価していた選手だけに、今回の内容は物足りない。いまや全日本のにも選ばれる実力ではあるが、上位指名という評価にはならないだろう。特に元々キレ型で球威・球速に欠ける傾向にあり、甘く入り出すと痛打を浴びやすい。現状は、下位指名での中継ぎ候補という位置づけにはなるのではないのだろうか。しかし個人的には、今でもイチオシの投手であることには変わりはない。左の実戦派だけに、指名も恐らく揺らがないのではないのだろうか。
大会六日目第三試合 HONDA VS JR西日本
HONDAで二番手登板した ルーキーの 石橋 良太(23歳・拓殖大出身)右腕が力投。4回2/3イニングを、3安打・4奪三振・無失点に抑えて魅せた。オーソドックスな右上手投げで、体格は175センチと中背。しかし明徳義塾・拓殖大時代は、140キロ前後の好投手のイメージが強かったが、この試合では145キロ前後(MAX148キロ)を記録するなど、力強さを増していた。また低めに切れ込む140キロ弱のカットボール・フォークなどの変化球にも威力があり、これだけの内容を魅せられると、来年のドラフト候補としてマークしないといけないだろう。
HONDAでは、そのあと 仲尾次 オスカル(23歳・白鴎大出身)左腕が登板し、相変わらず肘の突っ張ったフォームながら、左腕から140キロ台を連発。変化球は軽くスライダーを投げたのみだったが、もう少し見てみたかった。JR西日本では、以前ドラフト候補と注目された 中元 勇作(26歳・伯和ビクトリーズ)左腕が投げるも、相変わらず130キロ台中盤の技巧派で、それでいてまとまりはもうひとつ。また 入江 達也(24歳・伯和ビクトリーズ)右腕も登板し、コンスタントに140キロ台を記録するも、あまりボールが手元まで来る球質ではなく、昨年から見栄えがしないままだった。
JR西本は、最後に 関根 裕之(23歳・創価大出身)右腕が登場。ライアン・小川の陰に隠れがちで、中々公式戦で見ることができない投手だった。球速はコンスタントに140キロ台を刻んで来る投手だが、ボールを動かす癖球のせいなのか、球速ほど速くは感じられない。スライダーとのコンビネーション投手で、指名候補という感じではなかった。
むしろ指名が可能性があるとするならば、HONDAの最後に登板した 福島 由登(24歳・青学大出身)右腕。こちらも中背の体格から常時140キロ台~144キロぐらいの伸びのあるストレートに、カーブ・スライダー・チェンジアップ・フォークなど球種は多彩。球速には驚くほどのものはないものの、低めに集まりやすい球筋なのと、勝負どころでズバッと良いところに決められる爽快感が最大の魅力。
青学時代の下級生時代の勢いを取り戻しており、ゲームメイクできるまとまりもあることを考えると、指名の可能性は否定できない。今年はチームの主戦として活躍し、実績的にも充分といったところ。実戦派だけに、順位以上の貢献度を一年目から魅せてくれるかもしれない。ドラフトでは、中位ぐらいでの指名があるのではないのだろうか。
野手では、ルーキーの 春原 直登(23歳・関東学院大出身)中堅手の振りの良さが光った。地元関東学院の選手ということで、昨年散々見た選手。走攻守のバランスも取れているだけに、来年に向け楽しみな選手。願わくば、もう少し足でも存在感を示して欲しい。
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