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プロ野球ドラフトサイト「迷スカウト」の管理人・蔵建て男が、日本中を駆け巡り本音でトーク!

藤井 聖(富士市立3年)投手

藤井 聖(富士市立3年)投手 174/71 左/左





               「穴っぽい存在」





今年の静岡おいて、注目の投手を抱えていた磐田東。その対戦相手の、富士市立 にも面白い左腕がいた。その男の名前は 藤井 聖 。この夏の登板は確認できなかったが、春季大会で確認。プロのスカウトも、密かに注目していると云う、まさに隠し球的存在。しかし夏の大会では、ノーヒットノーランも達成し一躍注目されることになる。

(投球内容)

球の出どころが見難く、小さめのテイクバックのためにタイミングが合わせ難い。

ストレート 常時130~MAX138キロ

出処の見難いフォームから、ピュッとキレのある球を投げ込むので、打者はワンテンポ差し込まれる。球速自体は、恐らく常時135キロ前後ぐらい。夏の大会でも、MAXで138キロぐらいだと訊いている。球威・球速自体に驚くものはないが、キレ型の球質のため打者にはそれ以上に感じるのだろう。

このストレートでポンポンとテンポよくカウントを稼ぎ、対戦の主導権を奪う。特にイニングを重ねるにつれ、丹念に低めにも集ってくる。

変化球 カーブ・スライダー・チェンジアップ

変化球はひと通り持っているが、その多くはスライダーとのコンビネーション。彼の良いところは、変化球の曲がりが凄いというよりも、低めからボールが浮いて来ないところ。低めのボールゾーンに曲げられるので、どうしても打者は空振ってしまう。

その他

クィックは、1.05~1.20秒ぐらいとまずまず。牽制は、打者刺すような鋭いものはないものの、適度に織り交ぜて来る。

(投球のまとめ)

打ち難いフォームから繰り出されるキレのある球を、低めに集められるのがこの投手の持ち味。常に有利な状況を作り出し、精神的に追い込んで低めの球を振らせるというパターン。

普通こういった打ち難いタイプというのは、結構コントロールはアバウトな選手が多い。しかしこの選手は、低めへの制球も兼ね備えるなど、非常に実戦的な投手だと言える。

(投球フォーム)

実際どの辺が実戦的ななのか、フォームを分析して考えてみよう。

<広がる可能性> ☆☆☆

引き上げた足を地面に向けて伸ばすので、お尻は三塁側(左投手の場合は)には落とせません。そういった意味では、カーブで緩急を効かせたり、フォークのような縦に鋭く落ちる球種の習得には適さず。

「着地」までのタイミングは平均的で、体の捻り出す時間も並ぐらいでしょうか。そのためか、各変化球の曲がり・キレ自体に驚くほどのものはない。しかし低めに集めることで、その変化球をうまく活かすことができている。

<ボールの支配> ☆☆☆

グラブは最後まで体の近くに抱えられているので、両サイドの投げ分けは安定。足の甲の押し付けは浮きがちで、ボールは上吊りやすい。しかしそれを「球持ち」の良さで補い、ボールをうまく操ることができている。

<怪我のリスク> ☆☆☆

お尻を落とせるフォームではないのですが、カーブやフォークといった球種をあまり投げないので、肘への負担は少なそう。腕の送り出しにも無理がなく、肩の故障の可能性も低そう。

<実戦的な術> ☆☆☆☆

「着地」までの粘りはそれほどでもないので、打者としては合わせ難いというほどではありません。しかし体の「開き」は抑えられており、ボールの出処は見難いはず。更に「球持ち」の良さもあり、ボールは中々出てきません。彼の打ち難さは、開きの遅さ+球持ちの良さから生み出されています。

腕は身体に絡んで来るように、速球と変化球の見極めは困難。そのため、多くの三振が奪えるのでしょう。ボールにはそれほど体重が乗せられていないので、球威という点では物足りません。

(フォームのまとめ)

投球動作の4大要素である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、「着地」と「体重移動」などの下半身の使い方には課題を残しますが、「開き」と「球持ち」という打ち難さの部分では光ります。

故障の可能性・コントロールを司る動作は可も不可もありませんが、その割に負担は少なそうですし、コントロールも「球持ち」を活かしてうまく補うことが出来ています。

(最後に)

球威・球速という意味では、左腕とはいえ高卒プロというのはどうでしょう? 投球スタイルとしては、フォームは違えど、山本 昌(中日)のようなタイプではないのでしょうか。

個人的には、もうワンランク・ツーランク、球威・球速のUPを望みたいところですが、今後も改善が可能だと判断するのであれば、ひょっとしての指名があっても不思議ではありません。育成枠あたりなら面白いかもと手をだす球団もあるかもしれませんが、個人的には指名リストにまだ名前を記すというほどのインパクトは感じませんでした。果たして秋のドラフト会議・彼の名前は呼ばれるでしょうか。いずれにしても、この名前覚えていて損はないでしょう

(2014年 春季静岡大会)
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