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プロ野球ドラフトサイト「迷スカウト」の管理人・蔵建て男が、日本中を駆け巡り本音でトーク!
巨人育成3位 田中 貴也(山梨学院大)捕手
田中 貴也(山梨学院大)捕手 178/80 右/左 (八重山商工出身)





             「キャッチングが気になる」





観戦仲間が、下級生の頃からお気に入りのキャッチャーとして推していた選手なので、この選手のことは以前から気にかけていた。それほど身体は大きくないのだが、見るからにセンスの良さを感じさせる捕手。確かに好捕手なのだが、あまりドラフト候補の臭いはして来ないタイプ。以前レポートに、打力に特徴がないので、そこら辺に成長が観られればと書いた選手で、見事に春は .394厘 の高打率を、そして大学選手権では、2安打2四球で全打席出塁し存在感を示してみせた。

(ディフェンス面)

ミットを軽く示したあと、グラブは地面に下げる癖はありません。しかし私が気になるのは、この選手のキャッチング。確かにハンドリングやグラブ捌きは柔らかいものの、ボールを捕る時にボール押し返すような力強さが全くありません。これでは、プロレベルの球威・球速のある球に対しミット負けしてしまい、審判からストライクカウントがコールされ難くなってしまいます。また低めの球に対しても、グラブを上から被せ癖があり、キャッチングがミスが起きやすいのではないかと。私が捕手に求める最初の資質は、まず捕手はボールをしっかり補球できること。この点で、この選手は疑問が残ります。

打球への反応、フットワーク自体は身軽だと思うのですが、小柄な割に何が何でもボールを身体全体で止めようという意識はあまり感じられません。リードセンス・立ち振舞などは、まさに捕手らし捕手。スローイングも捕ってから素早く、1.85~1.95秒ぐらいでまとめて来て、コントロールも結構安定しています。プロに混ぜても、スローイングは中の上レベルぐらいはあるのではないのでしょうか。

捕手らしさやセンスは悪くないのですが、この根本的なキャッチングの部分が私にはどうしても引っかかります。

(打撃内容)

右にも左にも打ち分ける器用さがありますが、特に引っ張って巻き込めた時はスタンドインのパンチ力を秘めています。この選手、この一年で体つきもだいぶガッチリしてきて、想像以上にスイングもパワフルになっているように見えました。

<構え> ☆☆☆☆

前足を軽く引いて、グリップの高さは平均的。腰を深く沈めて構えており、全体のバランス・両目で前を見据える姿勢も悪くありません。アゴをグッと引いて、高い集中力が感じられます。

<仕掛け> 遅めの仕掛け

投手の重心が沈みきって、前に移動する段階で動き出す「遅めの仕掛け」を採用。これは、典型的な長距離打者か天性の二番打者が採用する仕掛け。彼の場合、二番打者タイプなのかな?と思っていたのですが、むしろ今年の打球の飛び方などを見ると、長距離打者的な色彩が強いのかもしれません。イメージ的には、パンチ力はあるものの、中距離打者といった感じは拭えませんが。

<足の運び> ☆☆☆

始動~着地までの「間」は短く、それでも足を大きく引き上げて打ちに行くので余裕はありません。あくまでも狙い球を絞り、その球を逃さない「鋭さ」が求められます。ベース側に軽くインステップするように、外角寄りの球を意識。踏み込んだ足元はブレず、外角の厳しい球や低めの球にも食らいつけるはず。それでも内角の球は、強引に引っ張ってスタンドに運びます。

<リストワーク> ☆☆☆

バットを引くのが遅く、打撃の準備である「トップ」を作るのが遅れがち。すなわち速い球に対し、立ち遅れる心配があります。バットの振り出しに癖はなく、インパクトの際にもバットの先端であるヘッドが下りません。このことで、ボールを幅広く捉えることができ、フェアゾーンに落とせる確率が高まります。

<軸> ☆☆☆☆

足の上げ下げが大きい割に、目線は大きく動きません。体の開きも我慢でき、軸足も安定。軸を起点に、綺麗に回転出来ています。

(打撃のまとめ)

以前は好打者タイプだった感じがしますが、今は強打者タイプになりつつあります。トップの形成が遅いのは気になりますが、あとは大きな癖はありません。プロのスピードになれれば、捕手でも全く打てないということはないと評価します。

(最後に)

捕手としては、キャッチングの部分がどうしても引っかかります。また打者としては、レベル高い投手のスピードに、何処まで対応出来るのかは気になる材料。そう考えると個人的には、指名リストに入れるまでの評価には至りませんでした。

それでも筋の好い選手ですし、一軍のレギュラー捕手といった器ではないと思いますが、育成枠でもファームの正捕手や一軍の控えレベルぐらいにまで昇り詰めても不思議ではありません。今後プロでどのぐらいやれるのか、私にとって一つの指針となりそうな選手です。

(2014年 大学選手権)
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