阪神3位 江越 大賀(駒沢大)外野
2014/12/21|Category:未分類
江越 大賀(駒沢大)外野 182/85 右/右 (海星出身)
「実はあまり変わっていなかった」
昨年作成した寸評には、東都で3割を一度越えたことがなく、根本的な対応力に課題があると書いた 江越 大賀 。その不安どおり、最終学年の春のリーグ戦では、打率.184厘 と絶不調に陥り上位候補からこぼれ落ちていった。それでも秋のシーズンには、自己最高の.357厘(リーグ4位)の好成績を残し復調。しかしドラフト後に行われた、明治神宮大会の頃には、また悪い江越に戻っていた。
(守備・走塁面)
右打席からでも、速い時は塁間4.0秒前後で走り抜けるなど、プロでもトップクラスの脚力があります。これを左打者に換算すると、3.75秒前後というとんでもないタイムになります。しかし2年春に6個を記録した盗塁数ですが、ラストシーズンには0個と、足でアピール意識はけして高くありません。この辺がプロに入って、どの程度変わって来るのか気になります。せっかくプロでもトップクラスの脚力があるのですから、それを活かすプレーを期待してやみません。
中堅手としても、ちょっと届きそうもないところまで追いつく、非常に広い守備範囲が特徴。時々打球への判断の甘さはあるものの、高い身体能力を活かしたプレーは必見。また肩でもプロ上位レベルの強肩であり、その身体能力の素晴らしさは図抜けています。今後更に守備力が磨かれれば、プロを代表する名手に育つ可能性も秘めています。
(打撃内容)
東都通算11本塁を放つように、ツボにハマればスタンドインの確かな長打力があります。しかしながら天性の長距離砲とかそういったタイプではなく、あくまでも身体の強さから放たれる中距離打者といった印象は否めません。最大の課題は、根本的な対応力の無さにあります。
<構え> ☆☆☆
前足を軽く引いて、グリップの高さは高め。腰の据わり具合・全体のバランスとしては並ぐらいですが、昨年よりも両目で前を見据えられるようになり、ボールを錯覚することなく追うことは出来ています。
<仕掛け> 早めの仕掛け
昨年よりは、少し始動を早めて「早めの仕掛け」を採用するようになっていました。中距離タイプだった打撃が、より対応力を重視したスタイルに変わってきています。
<足の運び> ☆☆☆☆
始動~着地までの「間」はとれているので、速球でも変化球でもスピードの変化には対応しやすいはず。強烈にベース側にインステップして踏み込んでくるので、外角を強く意識しているのがわかります。踏み込んだ足元がブレないので、外角や低めの球でも食らいつくことができます。
江越が悪い時は、窮屈な内角を意識しすぎている間に、得意であるはずの外角の球まで打てなくなるという悪循環を起こすこと。内角は捨てるのだという割り切りができている時に、彼の良さが引き出されます。その覚悟がないのならば、足を真っ直ぐ踏み出すべきではないのでしょうか。
<リストワーク> ☆☆☆
打撃の準備である「トップ」を作るのは自然体で、これに関しては問題がありません。振り出しも上からミートポイントまで無理なく振り下ろされており、ボールを捉えるまでのスイングに問題は感じません。昨年から指摘するのは、バットの先端であるヘッドが下がるので、ボールを広い面で捉えられずフェアゾーンに中々ボールが落ち難いということ。それだけ、打ち損じが多いことになります。バットに当てるのが下手というよりは、的確にボールを捉えるところに問題があるのではないのでしょうか。
スイングもフォロースルーで運ぶというよりは、しっかり最後まで振り切るスイング。遠くに飛ばすというよりは、しっかり叩くスイングということでしょう。ヘッドスピード・打球の強さには問題がないので、この辺はプロで見劣る心配はありません。
<軸> ☆☆☆☆
足の上げ下げはあるので、目線の上下動は平均的。体の開きは我慢できており、軸足も地面から真っ直ぐ伸びて問題はありません。
(打撃のまとめ)
対応力の低さは、強烈なインステップのために内角の捌きが窮屈になること。あえてこれを続けるならば、内角は捨てる割り切りが必要でしょう。あとは、ヘッドが下る悪い癖を直すこと。これにより、打ち損じはだいぶ減ると考えられます。
この選手の場合、けしてバットに当てる能力が劣るわけではないので、プロの指導次第では充分改善できると考えています。
(最後に)
快速・強肩・長打力に加え、熱いハートの持ち主という部分でも、この選手を高く評価しています。プロ入り後スイングの改善に少し時間がかかるかもしれませんが、2割6分でも、守備・走塁で魅せ20本ぐらいは期待できるスター候補生。個人的には、ぜひプロの世界で大成して欲しいと思っている一人です。こういう選手を育てられるようだと、阪神の未来は極めて明るくなるのではないのでしょうか。
蔵の評価:☆☆☆
(2014年 神宮大会)
「実はあまり変わっていなかった」
昨年作成した寸評には、東都で3割を一度越えたことがなく、根本的な対応力に課題があると書いた 江越 大賀 。その不安どおり、最終学年の春のリーグ戦では、打率.184厘 と絶不調に陥り上位候補からこぼれ落ちていった。それでも秋のシーズンには、自己最高の.357厘(リーグ4位)の好成績を残し復調。しかしドラフト後に行われた、明治神宮大会の頃には、また悪い江越に戻っていた。
(守備・走塁面)
右打席からでも、速い時は塁間4.0秒前後で走り抜けるなど、プロでもトップクラスの脚力があります。これを左打者に換算すると、3.75秒前後というとんでもないタイムになります。しかし2年春に6個を記録した盗塁数ですが、ラストシーズンには0個と、足でアピール意識はけして高くありません。この辺がプロに入って、どの程度変わって来るのか気になります。せっかくプロでもトップクラスの脚力があるのですから、それを活かすプレーを期待してやみません。
中堅手としても、ちょっと届きそうもないところまで追いつく、非常に広い守備範囲が特徴。時々打球への判断の甘さはあるものの、高い身体能力を活かしたプレーは必見。また肩でもプロ上位レベルの強肩であり、その身体能力の素晴らしさは図抜けています。今後更に守備力が磨かれれば、プロを代表する名手に育つ可能性も秘めています。
(打撃内容)
東都通算11本塁を放つように、ツボにハマればスタンドインの確かな長打力があります。しかしながら天性の長距離砲とかそういったタイプではなく、あくまでも身体の強さから放たれる中距離打者といった印象は否めません。最大の課題は、根本的な対応力の無さにあります。
<構え> ☆☆☆
前足を軽く引いて、グリップの高さは高め。腰の据わり具合・全体のバランスとしては並ぐらいですが、昨年よりも両目で前を見据えられるようになり、ボールを錯覚することなく追うことは出来ています。
<仕掛け> 早めの仕掛け
昨年よりは、少し始動を早めて「早めの仕掛け」を採用するようになっていました。中距離タイプだった打撃が、より対応力を重視したスタイルに変わってきています。
<足の運び> ☆☆☆☆
始動~着地までの「間」はとれているので、速球でも変化球でもスピードの変化には対応しやすいはず。強烈にベース側にインステップして踏み込んでくるので、外角を強く意識しているのがわかります。踏み込んだ足元がブレないので、外角や低めの球でも食らいつくことができます。
江越が悪い時は、窮屈な内角を意識しすぎている間に、得意であるはずの外角の球まで打てなくなるという悪循環を起こすこと。内角は捨てるのだという割り切りができている時に、彼の良さが引き出されます。その覚悟がないのならば、足を真っ直ぐ踏み出すべきではないのでしょうか。
<リストワーク> ☆☆☆
打撃の準備である「トップ」を作るのは自然体で、これに関しては問題がありません。振り出しも上からミートポイントまで無理なく振り下ろされており、ボールを捉えるまでのスイングに問題は感じません。昨年から指摘するのは、バットの先端であるヘッドが下がるので、ボールを広い面で捉えられずフェアゾーンに中々ボールが落ち難いということ。それだけ、打ち損じが多いことになります。バットに当てるのが下手というよりは、的確にボールを捉えるところに問題があるのではないのでしょうか。
スイングもフォロースルーで運ぶというよりは、しっかり最後まで振り切るスイング。遠くに飛ばすというよりは、しっかり叩くスイングということでしょう。ヘッドスピード・打球の強さには問題がないので、この辺はプロで見劣る心配はありません。
<軸> ☆☆☆☆
足の上げ下げはあるので、目線の上下動は平均的。体の開きは我慢できており、軸足も地面から真っ直ぐ伸びて問題はありません。
(打撃のまとめ)
対応力の低さは、強烈なインステップのために内角の捌きが窮屈になること。あえてこれを続けるならば、内角は捨てる割り切りが必要でしょう。あとは、ヘッドが下る悪い癖を直すこと。これにより、打ち損じはだいぶ減ると考えられます。
この選手の場合、けしてバットに当てる能力が劣るわけではないので、プロの指導次第では充分改善できると考えています。
(最後に)
快速・強肩・長打力に加え、熱いハートの持ち主という部分でも、この選手を高く評価しています。プロ入り後スイングの改善に少し時間がかかるかもしれませんが、2割6分でも、守備・走塁で魅せ20本ぐらいは期待できるスター候補生。個人的には、ぜひプロの世界で大成して欲しいと思っている一人です。こういう選手を育てられるようだと、阪神の未来は極めて明るくなるのではないのでしょうか。
蔵の評価:☆☆☆
(2014年 神宮大会)
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