95,96 2010年秋・福岡遠征記
2010/09/18|Category:観戦記
前日から小倉入りした管理人が目指したのは、春季九州大会以来(夏は来ていないよな?)となる、北九州市民球場。ここで九州六大学野球連盟の第一試合・西南学院大VS久留米大の試合を観戦するためだ。この試合のお目当ては、140キロ台の速球を投げ込むと昨年から話題の八木 修平(武蔵台出身 4年)投手をみるため。ただこの投手、開幕戦こそ登板したものの、その後の試合では登板なし。それだけに、この日の登板は厳しいだろうなと思っていた。
ただ試合前にピッチング練習をする彼とおぼしき18番を付けた投手がキャッチボールをしており、全く投げられない状況ではないらしい。ひょっとしてリリーフでの期待も抱くも、結局最後まで登板なし。キャッチボールのその姿を見る限り、柔らかい腕の振りと伸びて行く球筋には非凡なものがあり、それなりの素材なのかなと言う印象はある。ただ少しテイクバックが小さめで、その辺で実際の投球はどうなのかな?と言う疑問も受けた。この時期でも野球を続けていることからも、九州あたりの何処の社会人チームで野球を続けて行くのではないのだろうか?ぜひ社会人入り後には、一度観てみたい選手でありました。ただこの試合、何処のスカウトもいなかったところをみると(現在九州では、高校野球の秋季大会真っ盛り)、大学から指名されることはないのかなと思って会場を跡にしました。
小倉から次の会場となる福岡工大グランドのある福工大前の駅までは、鹿児島本線1本で、50分ほどで着くアクセスの良さ。急いでいなければ新幹線を使わずとも移動できる距離です(北九州市民~福工大Gまでは1時間半強ぐらいと考えれば)。ただ福工大前の駅から~福工大のグランドまでは、少々間違わないために大きな道を使ったため遠回りになったのもあると思いますが、15分~20分程度はかかる道のりです。帰りには、福岡大会の中継録画をして頂いている方に声をかけて頂き、あっという間に着くことができました(ありがとうございました)。
うんで私が会場に着いた時は、福岡六大学の第二試合・九州共立大VS福岡工大の試合が、5回に差し掛かっておりました。九州共立大の先発は、昨夏甲子園を湧かした大瀬良大地(長崎日大出身 1年)右腕。6月の大学選手権の模様も観ましたが、この日は先発として登場。ただ暑さも相まって、試合中盤にも差し掛かっており、それほど球の勢いは感じられませんでした。球速こそ、常時140キロ台~MAX90マイル(144キロ)ぐらいは出ていたものの(試合序盤はもっと出ていたのかもしれませんが)、球質もイマイチで、球全体が高くピリッとしない内容。それでも9回をなんとか完投して勝利したことを、素直に評価すべきなのかもしれません。現状先発では、線も細く物足りないかなと言うのが、生で観た率直な感想。春の成績で慢心することなく、もっともっと上を目指して欲しい選手であります。
福岡工大の先発は、篠原 秀平(鹿屋出身 4年)左腕。こちらは、130~135キロ程度の球速なのですが、その球速表示以上に手元まで来る球質で、適度にまとまっている左腕と言う印象。カーブ・スライダー・チェンジアップと織り交ぜ、これはと言う球はありませんが、社会人などで野球を続けていきそうな投手でした。
第三試合は、お目当ての九州産業大VS日本経済大(旧・福岡経済大)の試合です。この試合には、複数球団のスカウトが訪れており、試合前から榎下 陽大(九州産業大4年)投手の先発を予感させてくれました。一方の日本経済大は、福岡第一時代に☆を付けた郭 恆孝(3年)左腕が先発でした。
郭 恆孝は、常時130キロ台後半~MAX89マイル(142.4キロ)と、速球にはそれなりにピシッと来る勢いはあるし、スライダー・外のシュート系の球など、球一つ一つは悪くありません。ただ根本的に下半身に粘りがなく、制球が悪いのが残念。本質的には、あまり伸びてはないように思えます。来年は九州を代表する左腕として、再びドラフト候補になるとは思いますが、かなり意識を変えて行かないと、プロ入りは厳しいかなと思います。
一方の榎下 陽大(九州産業大)投手は、平塚で行われた世界大学選手権の合宿の時よりは、好かった気が致します。肘痛で内容が心配されたのですが、部員のガンではコンスタントに140キロ台を記録、私のガンでは、MAXで88マイル(140.8キロ)まででした。ただ球速自体は物足りなかったものの、球も両サイドにしっかり散っており、スローカーブ・110キロ台の縦に割れるカーブ?に、スライダー・フォークなどを織り交ぜ、多彩なコンビネーションを披露。制球・テンポ・球の勢いもそれなりで悪くはありません。この投球を見る限りは、それほど肘痛の影響は感じられませんでした。
この選手の素晴らしいのは、自分が不利な状況に入ると、マウンドをハズしたりしてパッと自分を落ち着かせようと行動に移せること。そのため追い込まれても踏ん張りが効く、天性のマウンド捌きです。制球力もありますし、追い込んでからの縦の変化にも優れます。昨秋の神宮大会が10のデキならば、平塚合宿は5ぐらい、この日は7,8割のデキだったのではないのでしょうか。
ただ気になったのは、肉体的にも、ピッチング的にも、持ち得るキャパシティや引き出しをすでに使いきってしまい投球をしているところ。そういった意味では、今後球速を伸ばすとか、球種を増やすような大きな上積みは残っておらず、今持っている能力で何処までプロで通用するのかと言うのが、一番の評価ポイントになりそうです。ただ楽天の永井(東洋大)投手のように、そのまとまりからも早くからそのまま戦力に加わり活躍して行ける完成度はあるので、今年の大学生でも故障さえしなければ、最も即戦力になり得る投手なのではないのでしょうか。ただその上積みの無さと故障への不安が拭えないことを考えると、1位の12名に入れるのは怖く、2位あたりでの指名が妥当なタイプかと思います。悲観するほどの状態ではありませんが、絶賛できる内容でもなかったと言うのが、最新の榎下の状況だったと思います。ただ昨秋の神宮大会がMAXであり、それ以上を今後何処まで望める投手かは疑問が残ります。
(最後に)
八木の投球は観られませんでしたが(一応、軽い投球練習は観られましたし)、当初期待していなかった大瀬良や
郭恆孝の投球も観られ、今回のお目当てであった榎下陽大の健在ぶりが確認できたのは大きかったです。永年お会いできそうで出来なかった方にもお会いでき、また親切にして頂くことで、気持ちの良い遠征ができました。あえてこの時期に来て正解だったと思える福岡遠征でした。
ただ試合前にピッチング練習をする彼とおぼしき18番を付けた投手がキャッチボールをしており、全く投げられない状況ではないらしい。ひょっとしてリリーフでの期待も抱くも、結局最後まで登板なし。キャッチボールのその姿を見る限り、柔らかい腕の振りと伸びて行く球筋には非凡なものがあり、それなりの素材なのかなと言う印象はある。ただ少しテイクバックが小さめで、その辺で実際の投球はどうなのかな?と言う疑問も受けた。この時期でも野球を続けていることからも、九州あたりの何処の社会人チームで野球を続けて行くのではないのだろうか?ぜひ社会人入り後には、一度観てみたい選手でありました。ただこの試合、何処のスカウトもいなかったところをみると(現在九州では、高校野球の秋季大会真っ盛り)、大学から指名されることはないのかなと思って会場を跡にしました。
小倉から次の会場となる福岡工大グランドのある福工大前の駅までは、鹿児島本線1本で、50分ほどで着くアクセスの良さ。急いでいなければ新幹線を使わずとも移動できる距離です(北九州市民~福工大Gまでは1時間半強ぐらいと考えれば)。ただ福工大前の駅から~福工大のグランドまでは、少々間違わないために大きな道を使ったため遠回りになったのもあると思いますが、15分~20分程度はかかる道のりです。帰りには、福岡大会の中継録画をして頂いている方に声をかけて頂き、あっという間に着くことができました(ありがとうございました)。
うんで私が会場に着いた時は、福岡六大学の第二試合・九州共立大VS福岡工大の試合が、5回に差し掛かっておりました。九州共立大の先発は、昨夏甲子園を湧かした大瀬良大地(長崎日大出身 1年)右腕。6月の大学選手権の模様も観ましたが、この日は先発として登場。ただ暑さも相まって、試合中盤にも差し掛かっており、それほど球の勢いは感じられませんでした。球速こそ、常時140キロ台~MAX90マイル(144キロ)ぐらいは出ていたものの(試合序盤はもっと出ていたのかもしれませんが)、球質もイマイチで、球全体が高くピリッとしない内容。それでも9回をなんとか完投して勝利したことを、素直に評価すべきなのかもしれません。現状先発では、線も細く物足りないかなと言うのが、生で観た率直な感想。春の成績で慢心することなく、もっともっと上を目指して欲しい選手であります。
福岡工大の先発は、篠原 秀平(鹿屋出身 4年)左腕。こちらは、130~135キロ程度の球速なのですが、その球速表示以上に手元まで来る球質で、適度にまとまっている左腕と言う印象。カーブ・スライダー・チェンジアップと織り交ぜ、これはと言う球はありませんが、社会人などで野球を続けていきそうな投手でした。
第三試合は、お目当ての九州産業大VS日本経済大(旧・福岡経済大)の試合です。この試合には、複数球団のスカウトが訪れており、試合前から榎下 陽大(九州産業大4年)投手の先発を予感させてくれました。一方の日本経済大は、福岡第一時代に☆を付けた郭 恆孝(3年)左腕が先発でした。
郭 恆孝は、常時130キロ台後半~MAX89マイル(142.4キロ)と、速球にはそれなりにピシッと来る勢いはあるし、スライダー・外のシュート系の球など、球一つ一つは悪くありません。ただ根本的に下半身に粘りがなく、制球が悪いのが残念。本質的には、あまり伸びてはないように思えます。来年は九州を代表する左腕として、再びドラフト候補になるとは思いますが、かなり意識を変えて行かないと、プロ入りは厳しいかなと思います。
一方の榎下 陽大(九州産業大)投手は、平塚で行われた世界大学選手権の合宿の時よりは、好かった気が致します。肘痛で内容が心配されたのですが、部員のガンではコンスタントに140キロ台を記録、私のガンでは、MAXで88マイル(140.8キロ)まででした。ただ球速自体は物足りなかったものの、球も両サイドにしっかり散っており、スローカーブ・110キロ台の縦に割れるカーブ?に、スライダー・フォークなどを織り交ぜ、多彩なコンビネーションを披露。制球・テンポ・球の勢いもそれなりで悪くはありません。この投球を見る限りは、それほど肘痛の影響は感じられませんでした。
この選手の素晴らしいのは、自分が不利な状況に入ると、マウンドをハズしたりしてパッと自分を落ち着かせようと行動に移せること。そのため追い込まれても踏ん張りが効く、天性のマウンド捌きです。制球力もありますし、追い込んでからの縦の変化にも優れます。昨秋の神宮大会が10のデキならば、平塚合宿は5ぐらい、この日は7,8割のデキだったのではないのでしょうか。
ただ気になったのは、肉体的にも、ピッチング的にも、持ち得るキャパシティや引き出しをすでに使いきってしまい投球をしているところ。そういった意味では、今後球速を伸ばすとか、球種を増やすような大きな上積みは残っておらず、今持っている能力で何処までプロで通用するのかと言うのが、一番の評価ポイントになりそうです。ただ楽天の永井(東洋大)投手のように、そのまとまりからも早くからそのまま戦力に加わり活躍して行ける完成度はあるので、今年の大学生でも故障さえしなければ、最も即戦力になり得る投手なのではないのでしょうか。ただその上積みの無さと故障への不安が拭えないことを考えると、1位の12名に入れるのは怖く、2位あたりでの指名が妥当なタイプかと思います。悲観するほどの状態ではありませんが、絶賛できる内容でもなかったと言うのが、最新の榎下の状況だったと思います。ただ昨秋の神宮大会がMAXであり、それ以上を今後何処まで望める投手かは疑問が残ります。
(最後に)
八木の投球は観られませんでしたが(一応、軽い投球練習は観られましたし)、当初期待していなかった大瀬良や
郭恆孝の投球も観られ、今回のお目当てであった榎下陽大の健在ぶりが確認できたのは大きかったです。永年お会いできそうで出来なかった方にもお会いでき、また親切にして頂くことで、気持ちの良い遠征ができました。あえてこの時期に来て正解だったと思える福岡遠征でした。
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