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プロ野球ドラフトサイト「迷スカウト」の管理人・蔵建て男が、日本中を駆け巡り本音でトーク!

2017年ヤクルトの指名を考える

(ヤクルト指名選手)

1位 村上 宗隆(熊本・九州学院)捕手  ☆☆
2位 大下 佑馬(三菱重工広島)投手   ☆☆☆
3位 蔵本 治孝(岡山商科大)投手    指名見送り
4位 塩見 泰隆(JX-ENEOS)外野    指名見送り
5位 金久保優斗(東海大市原望洋)投手  ☆☆
6位 宮本 丈(奈良学園大)遊撃     ☆☆☆
7位 松本 直樹(西濃運輸)捕手     
8位 沼田 拓巳(BC石川)投手      指名見送り

1位の 村上 宗隆(熊本・九州学院)捕手は、打撃の評価が高い捕手。球団は、捕手としてではなく他のポジションへのコンバート前提に獲得したのだという。確かに捕手としては時間のかかりそうな素材であり、自慢の打撃を活かすのは正解だろう。特にボールの下にバットを潜らせ、かちあげるように打球に角度をつけられるバッティングは興味深い。ボールとの距離間を作るのが下手なのとトップをちゃんと作ってから振り出せないなどの欠点はあるが、将来的に中軸を担うような打者に育っても不思議ではない。いずれにしても3年~5年後ぐらいを見越した、将来に備えた指名なのは間違いない。

2位の 大下 佑馬(25歳・三菱重工広島)投手は、前評判以上に高い指名に驚いた人も少なくなかったのでは? ボールには確かな力があり、投球術・変化球・制球力とバランスが取れており、1年目からローテーション入りが期待できる新人王のダークホース的存在。3位・4位ぐらいで獲得できると美味しい指名ではあったが、ヤクルトの3位までは残っていないとの判断で高い評価での指名となった。

3位の 蔵本 治孝(岡山商科大)投手は、大学選手権の印象だと指名も微妙な荒れ荒れの素材型の印象が強い。しかし秋季リーグ戦では、近藤 弘樹(楽天1位)を差し置いて、エースとしてチームを引っ張った活躍を魅せた。秋の投球を確認できていないのでなんとも言えないが、短期間であれだけ課題の多かった選手が、プロで即戦力になりえるほどの投手になるのかという疑問はどうしても残ってしまう。しかし秋のピッチングをみて判断した、現場スカウトの判断だったのだろうから、それ相応の内容だったのだろう。この投手の活躍が、今年のヤクルトの評価を大きく別けることになりそう。

4位の 塩見 泰隆(24歳・JX-ENEOS)外野は、桑原 将志(DeNA)を大きくガッチリしたようなタイプの核弾頭。守備・走力は即戦力になりえる確かものがあるし、まともに捉えた打球は実にパンチがあって強烈。しかし指名見送りにしたのは、脆さがありプロの一軍としてはどうだろうか?という不安が残ったから。うまくハマると、面白い存在になりえるかもしれない。

5位の 金久保 優斗(千葉・東海大市原望洋)投手は、高校生にしては非常に大人びた投球をするスリークォーター。2年目あたりには、一軍戦力に加わってきそうな投球術や制球力がある。その一方で、今後の伸び代がどのぐらい残されているのか?という不安も残り、比較的短い期間で結がは出るタイプなのかもしれない。ただし投手として底が見えた場合、強打の外野手としての可能性も残されているだけに、そういった部分も見逃せない。

6位の 宮本 丈(奈良学園大)遊撃手は、大学NO.1の遊撃手の呼び声も高かった選手で、よくこの順位まで残っていたという指名。プロに混ぜてしまうと、守備・走塁がそこまで抜けていないこと。また打撃も、無駄を極力廃したスイングで、プロの球を打ち返すにはどうなのか?という疑問は残る。ただし極めて意識・集中力が高い選手であり、時間をかければどの部分でも能力を伸ばして来るのではないかという期待を抱きたくなる。即戦力にはなりえないかもしれないが、いずれは出てくる選手という気がする。

7位の 松本 直樹(24歳・西濃運輸)捕手 は、アマNO.1ではないかというぐらいのスローイングの持ち主。そのためチームに入っても、屈指の強肩捕手になりえる可能性が高い。キャッチンが少し雑な印象を受けるのと、当たれば飛ぶでしょうが確実性に欠ける打撃をどうみるか。レギュラーを狙うというよりは、チームの捕手層を厚くする刺激剤の役割が強いのではないのだろうか。

8位の 沼田 拓巳(23歳・BC石川)投手 は、米マイナー経験もあり年齢の割に経験豊富な選手。ボールは常に動く癖球で、スライダーのキレはプロでも充分通用するでしょう。ただし独立リーグでも図抜けた成績は残しておらず、詰めの甘さが解消されていません。140キロ台後半を叩き出せる能力の持ち主ですが、一軍戦力として微妙な気はします。

(ヤクルトの指名を考える)

レギュラー野手が軒並み30代だけに、次代を担う大型野手が欲しかったというチーム事情を考えれば、最下位でも高校生野手に走った理由もわからなくはない。将来の中軸候補を確保しただけに、あとはしっかり育てたい。

即戦力では、2位で指名した大下が開幕ローテーションに加わって来る可能性は力量的にも高そう。3位の蔵本・8位の沼田あたりが、球団の思惑どうりに即戦力になり得るのかどうかが大きなポイント。

塩見・宮本・松本の各野手は、チームの競争を煽るという意味あいが強い面子。1年目からレギュラーを奪えるというほどではないが、最下位に沈んだチームに喝を入れる役割は果たせそう。特に松本は、主力捕手の中村・西田との競争を煽りつつ、若手の有望株の古賀・山川が育つまでの間を埋める存在として、ちょうど好い人材を確保したのではないのだろうか。

即戦力でチーム全体の底上げを満遍なくしなくてはいけない状況に置いても、高校生の金久保もおさえているところも評価したい。特に金久保は、高校生としては早く一軍入りを視野に入れられる完成度の高いタイプというのも興味深い。この面子で、来季劇的にチームを変えられるのかと言われれば微妙だが、やれることはやった感じの上手い指名だと思う。ただし2巡目では最初の指名だというメリットも考えると、あえて大下を3位ぐらいにまわし(結果獲れたかはわからないが)、もう一步踏み込んで貪欲さを魅せて欲しかったという物足りなさは残る。指名した面子は個人的に評価している選手が多いものの、事前の前評判が高い選手が上位に少なく物足りなく感じられたファンもいたのではないのだろうか。

蔵の評価:☆☆☆ 

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