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プロ野球ドラフトサイト「迷スカウト」の管理人・蔵建て男が、日本中を駆け巡り本音でトーク!

2018年夏 甲子園6日目レポート


第一試合 木更津総合 VS 敦賀気比

野手が投手をやっている感じが否めない 野尻 幸輝(木更津総合3年)投手だが、早めに追い込んで主導権を握る投球で安定。球速的には135~140キロぐらいと並で、スライダーやフォークなどを織り交ぜるスリークォーター。大雑把そうにみえて、意外に繊細というか投手らしい一面があるのには驚いた。投手としても、強豪相手に驚くほど試合を作って魅せる。それでも将来性では、やはりパワフル強打者としての才能。左の中距離ヒッターという感じで高校からのプロ入りとなると厳しいが、元々は三塁手でフィールディングなどの動きはさすが。大学などで、強打の三塁手として実績を残せれば面白いかもしれない。特に三塁をきっちり守れるという付加価値を示せれば、その可能性は多いに広がるはず。特に今年の木更津総合は、まさに彼のチーム。チームの中での存在感は、際立っている。彼が序盤でマウンドを降りるような展開になると、一気にガタガタとゆきそうだ。ちなみ肩幅が広く、顔の形などは、大魔神・佐々木主浩(元ベイスターズ)を彷彿させるものがある。けして投球フォームや内容が似ているというわけではないのだが・・・。

またリリーフでは、根本 太一(2年)右腕が登板。コンスタントに140キロ台後半の重い速球を、右打者外角にズバズバ決めて来る。変化球はスライダーとのコンビネーションで単調だが、それでも来年の有力な上位候補なのは揺らがない。秋以降、関東を代表するドラフト候補として大いに注目を浴びるだろう。現状は速球に頼った投球のためか、球威・球速の割に被安打が多い。的を絞らせない投球術を磨いたり、球種を増やすなど身につけることも多そうだ。

敦賀気比では、4番の 阪口 竜暉(3年)一塁手のスイングが際立っていた。高校通算20本塁打を超える長打力を持つが、一塁手ということもありドラフト候補としては厳しい印象。確かな打力はあるので、強打の敦賀気比においても頭ひとつ抜けた存在。プロを目指すのならば、やはり一塁以外のポジションも担えることが条件となる。走力も並な選手だけに、何処まで打撃以外の付加価値を上のステージで身につけられるかではないのだろうか。

野尻 幸輝(木更津総合3年)投手 178/78 右/左
根本 太一(木更津総合2年)投手 180/78 右/右

阪口 竜暉(敦賀気比3年)一塁 179/88 右/右

第二試合 折尾愛真 VS 日大三

日大三の 日置 航(3年)遊撃手は、対応力が高いうえに強烈な打球が持ち味の強打者。ショートとしても球際に強く、走力も兼ね備えた三拍子揃った好選手。リーダーシップ溢れるキャプテンで、今後もアマの王道を突き進んでゆきそうな存在。派手さはないのだが、仮にプロ志望届けを提出したら4位以降ぐらいで指名される力はあるのではないのだろうか。ただし意識も高い選手なのだが、不思議と高校からプロといった匂いはしてこない。

他にも日大三は、自分の叩き込めるツボを持っている4番・大塚 晃平(3年)右翼手の長打力。癖のないスイングに潜在能力の片鱗を感じさせる 佐藤 コビィ(3年)一塁手。高い対応力を秘めている 上野 隆成(3年)左翼手など能力の高い選手が揃っている。大学などで、一気に才能が爆発しても不思議ではない。

一方の折尾愛真も、野手にタレント揃い。中でも最もプロから注目されていたのが、松井 義弥(3年)三塁手の破格のパワーなのだとか。しかしステップが狭く前に体重が移ってゆかないスイングで、どうしても手打ちになってしまっている。スイングスピードもまだまだ鈍く、一定レベル以上の投手の球に対しては厳しいのではないかという気がした。三塁手としては動きは悪くなかっただけに、もっと鍛えればまだまだ上手くなれるだろうし、外野手として強肩を活かして存在感を示せるかもしれない。しかし現状では、プロでは厳しいのではないかという気がした。

同じ北福岡大会決勝戦で2本塁打を放った核弾頭・長野 匠馬(3年)左翼手は、バット振れる強さとアッパー気味のスイングがハマれば破格のホームランを放つことができる。しかしこちらも、対応力が粗くまだプロといった段階ではないような。また予選で6本塁打の 野元 涼(3年)一塁手も、スイングが鈍くこちらも一定レベル以上のキレのある球に対し木製バットではまだ苦しみそう。むしろ135~140キロ台前半を記録した、投手としての可能性の方が魅力を感じたぐらいだった。

そういったなかで目を惹いたのは、二遊間の 上地 龍聖(3年)二塁手と 斉藤 隼人(2年)の方。二人とも上記の3人ほど癖がなく対応力が高そうなのと、確かな守備力がある。それだけに上のレベルで活躍するとしたら、彼らの方ではないかと感じた。特に軽やかな守備に、試合ではレフトスタンドにもホームランを放った斉藤は、来年の福岡を代表する内野手に育ってゆくのではないのだろうか。

日置 航 (日大三3年)遊撃 176/77 右/右
大塚 晃平(日大三3年)右翼 181/78 右/右
佐藤コビィ(日大三3年)一塁 184/83 右/右
上野 隆成(日大三3年)左翼 180/81 右/右

松井 義弥(折尾愛真3年)三塁 191/88 右/左
長野 匠馬(折尾愛真3年)左翼 175/86 右/右
野元 涼 (折尾愛真3年)一塁 179/90 右/左
上地 龍聖(折尾愛真3年)二塁 173/77 右/右
斉藤 隼人(折尾愛真2年)遊撃 165/67 右/右

第三試合 羽黒 VS 奈良大付属

羽黒の先発・篠田 怜汰(2年)右腕は、スラッとした投手体型。球速は、130キロ台後半~MAX144キロで非常に回転の好いボールを投げ込んでくる有望株。緩いカーブ・スプリットなどを織り交ぜるが、中間球であるスライダーをもう少しうまく扱えるようになりたい。フォームにも癖がなく、制球にも大きな狂いはない。このまま順調に来夏までにレベルアップして行ければ、有力なドラフト指名候補と育って来るはず。秋以降、東北を代表する逸材として話題になるだろう。

一方の奈良大付属の先発・木村 光(3年)右腕も、オーソドックスなフォームから投げ込んでくる。球速はコンスタントに140キロ前後を刻んできて適度な勢いがあり、こちらは曲がりながら落ちるスライダーが大きな武器。さらに縦に沈む球などあるようだが、まだこれはモノにできていない印象。この投手は篠田とは対照的に、今後は緩急をつけたり、縦の変化をしっかり身につけて投球の幅を広げるのが課題ではないのだろうか。すでにある程度形ができている投手なので、大学などでも早い時期から実戦に入って行けるレベルに達している。関西の大学あたりで、スキルアップを図っていて欲しい。また野手としてのセンスもあり、打撃能力だけでなく相手の隙きを突く走塁など視野も広い。

野手では、羽黒の4番・竹内 大貴(3年)二塁手のパンチの効いた強打。県大会でも目立っていた選手で、セカンドができるのも大きい。大学などでも、充分続けて行ける高い資質を秘めている。また奈良大付属では、1番の 宮川 寛志(3年)右翼手が、ホームランを放つなど鋭い当たりを連発していた。兄の哲は、上武大時代にドラフト候補として注目され東芝で活躍している血筋。大学などに進んでも、追いかけてみたい才能の二人だった。

残念だったのは、山形県大会でエースナンバーを背負い140キロ台後半を連発していた 佐藤 幸弥(3年)右腕が最後まで登板なく終わったところ。特にリリーフで甲子園のスピードガンならば、150キロをも期待できただけに惜しかった。高校からプロとなると厳しいとは思うが、大学や社会人でもその球速が話題になることがありそうだ。

篠田 怜汰(羽黒2年)投手 178/70 右/右
竹内 大貴(羽黒3年)二塁 177/80 右/左
佐藤 幸弥(羽黒3年)投手 175/77 右/左

木村 光 (奈良大付3年)投手 172/67 右/左
宮川 寛志(奈良大附3年)右翼 177/70 右/左

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