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プロ野球ドラフトサイト「迷スカウト」の管理人・蔵建て男が、日本中を駆け巡り本音でトーク!

2018年夏 甲子園7日目レポート・後編


第三試合 報徳学園 VS 聖光学院

聖光学院の先発・衛藤 慎也(3年)右腕は、疲労骨折の後に手術、その後も肘痛に悩まされ、なんとか夏の大会に間に合ったという苦労人。中背の体格ながら、コンスタントに140キロ台~140キロ台中盤を連発し見違えるほど力強くなっていて驚いた。縦に割れるスライダーにも威力があり、今後フォークの精度が高まってくると面白い。コントロールやフォームにも破綻がなく、順調に肉付けして行ければ素直に結果に現れるタイプ。高校からのプロ入りはないだろうが、大学などに進めば早くから存在感を示せそうなセンスの持ち主。4年後の即戦力候補として、気に留めておきたい。

聖光学院の野手では、1番の 田野 孔誠(3年)遊撃手が目立っていた。一打席目に鋭くライト方向にはじき返したと思ったら、三塁の守備位置が深いのをみてセーフティバントを決めるなど、強弱を付けたプレーができる視野の広さを持っている。遊撃手としての動きもまずまずで、一塁までの塁間も右打席から4.25秒(左打者換算で4.0秒に相当)弱で到達するなど俊足。三拍子バランスの取れた好選手で、大学などでのさらなるレベルアップを期待したい。

報徳学園では、なんと言っても上位候補の 小園 海斗(3年)遊撃手のプレーが凄みを増してきた。相手の隙きを突いて、積極的に次の塁を狙うスピード感は一級品。難しい球をレフト方向にヒットにしたり、ファールで粘ったりと、この辺は世代のトップレベルを体現してきた経験値が他の選手とは違う。遊撃手としても洗練されており、プロでも二遊間で勝負して行ける素材。それほど強肩には見えないが、深いところに守っているのは一歩目への自信の現れだろう。1位とは言わないまでも2位以内では、間違いなく消える素材ではないのだろうか。

他には、捕手の 堀尾 浩誠(3年)は好捕手だった。スローイングも二塁まで1.85秒前後で到達する強肩でもあり、ディフェンス全般に大きな欠点が見当たらない。少々打撃は地味だが、大学などでも活躍して行けるだけの下地は備えている。投手では、エースの 渡辺 友哉(3年)左腕は、左投手の球速が出にくい甲子園のガンでも135~後半を出すなど、スピード能力があり体格にも恵まれている。また2番手で登板した 木村 勇仁(3年)右腕も、小柄ながら140キロ前後の速球に、特にカットボールのキレ・活かした方には光るものを持っていた。二人とも大学でさらなる上積みがあれば、社会人などへの可能性も広がってゆくだろう。

衛藤 慎也(聖光学院3年)投手 176/74 右/右
田野 孔誠(聖光学院3年)遊撃 171/70 右/右

小園 海斗(報徳学園3年)遊撃 178/79 右/左
堀尾 浩誠(報徳学園3年)捕手 176/77 右/右
渡辺 友哉(報徳学園3年)投手 180/70 左/左
木村 勇仁(報徳学園3年)投手 172/65 右/右

第四試合 白山 VS 愛工大名電

愛工大名電の2番手として登板した 秋山 凌祐(3年)右腕は、まさに正統派という言葉がしっくり来る好投手。球速こそ130キロ台後半~MAXで144キロぐらいだが、実にスピンと効いた良い真っ直ぐを投げ込んでくる。変化球も、スライダー・カーブ・チェンジアップのブレーキもよく、マウンド捌き、コントロールも安定。大学などに進んだら、チームの主戦として多くの多くの勝ち星をを積み上げてゆくのではないのだろうか。卒業後も、追いかけてみたい好素材だった。

同じく名電では、一番を打つ・柳本 優飛(3年)右翼手が、鋭い当たりを連発。名電は各選手鋭い打球を連発していたが、その中でもこの選手が頭一つ抜けた存在のよう。一塁までの塁間を4.15秒前後とドラフト候補としては平凡で、守備含めて総合力を大学などで引き上げたい。中央の大学でも、やって行ける資質を持った選手ではないのだろうか。

一方の白山では、1番の 栗山 翔伍(3年)遊撃手が際立っていた。171/67 と身体は大きくないが、一歩目のダッシュが素晴らしく、守備範囲が広い。さらに深いところから、送球が乱れない地肩の強さも確か。一塁までの塁間も、右打席から4.25秒弱(左打者換算で4.0秒弱に相当)であり、走力もプロに混ぜても俊足の部類に入る。三重予選.458厘の打率も本物で結果は出なかったが振りの良さは確か。高校から志望届けを出しても意外な掘り出しものとして面白いかもしれない。身体は大きくはないが、ポテンシャルは高く才能では見劣ることはなさそう。育成あたりならば、指名する球団が出てきても不思議ではないぐらい。ただし常識的に考えれば、志しを高く持って大学などで資質を磨くことになりそうだ。

また4番の 辻 宏樹(3年)捕手も、打力で存在感を示した。捕手としても非常に丁寧にプレーをする選手との印象で、キャッチングなどは実に丁寧。しいて言えば、スローイングが大きな欠点。捕ってから投げるまでに時間がかかり過ぎて、どうしても盗塁を許してしまう。捕手としての適正・技術はある選手なので、そこが修正されてくると上のレベルでも存在感を示せる好捕手ではないのだろうか。

秋山 凌祐(愛工大名電3年)投手 175/74 右/左
柳本 優飛(愛工大名電3年)遊撃 172/72 右/左

栗山 翔伍(白山3年)遊撃 171/67 右/右
辻  宏樹(白山3年)捕手 176/81 右/右

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