渡辺 貴洋(18歳・BC新潟)投手
2011/08/03|Category:観戦記
渡辺 貴洋(18歳・BC新潟)投手 173/70 左/左 (鶴岡東出身)
「育成枠なら有力では?」
6月のBCリーグ選抜VSフューチャーズの試合で、実戦派左腕として面白い投手がいた。その男の名前は、渡辺 貴洋。ちょうど一年前の山形大会決勝戦で、大接戦の末甲子園を逃したあの投手だ。その一年後、後輩達が同じ決勝戦の舞台で、同じ相手・山形中央を破り、甲子園の切符を手に入れリベンジを果たすことになる。
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渡辺 貴洋(18歳・BC新潟)投手 2 [拍手]
(投球内容)
高卒ルーキーと言うこともあり、小柄で華奢な体つきが少し気になります。かなりトルネード気味に体を捻ったフォームから、ポンポンとテンポ良く投げ込む軽快感が魅力。その球速は、常時135~140キロ台前半ぐらいを記録。空振りを誘えるようなキレはあるのですが、球威がないので甘く入ると怖さがあります。変化球は、スライダーとのコンビネーション。私の観た登板では、この二つの球で投球を組み立ておりました。
右打者には、適度にボールが散っており、左打者には、外角低めにボールを集めます。それほど細かい制球力はなさそうですが、ポンポンとストライクゾーンに投げ込みます。牽制も鋭く、クィックも1.0秒前後で投げ込むなど高速。マウンド捌き、度胸などもよく、肉体に恵まれない分、野球センスの高さで補うタイプです。
(成績から考える)
8月1日現在の成績ですが、17試合 7勝2敗0S 防御率 2.13
と順調に成績を伸ばしているようです。
被安打は、イニングの70%以下 ×
67回2/3イニングで、被安打は65と96.1%。これは、プロを目指すならば、できれば70%以下ぐらいには抑えておきたい数字です。この辺も甘く入れば痛打されやすい、彼の球威の無さが現れている気が致します。
四死球は、イニングの1/3以下 △
四死球は、67回2/3イニングで30個。四死球率は、44.3%と、やや基準を満たしておりません。悲観するほど悪い数字ではありませんが、細かい制球力には欠ける印象があります。
奪三振は、イニング数に対し1.0前後 ×
6月に観戦した時は、24イニングで奪三振23個と、ほぼイニング数並に奪っていた三振が、この一ヶ月足らず大きく数字を落とし、現在は1イニングあたり0.75個。通常0.8個以上奪っていると、三振を多く奪っている印象なのですが、それ以下の基準まで大きく後退。本当の体力が求められる夏場に差し掛かって、球のキレを悪化させているか、シーズンも中盤に入り球筋が馴れられてきた可能性が考えられます。
防御率は、1点台~0点台が望ましい △
プロに入る選手ならば、先発ならば1点台、リリーフならば0点台ぐらいの圧倒的なものが欲しい。しかし防御率は、6月の時点よりも若干好くなっており、現在 2.13 。このままシーズンを続けて行くと、この数字もクリアできるかもしれない。
(成績でわかること)
現状成績からわかることは、やはり実力的には微妙だと言うこと。本会議での指名は厳しいが、年齢・左投手などのアピールポイントもあり、育成枠ならといった印象を受ける。
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渡辺 貴洋(18歳・BC新潟)投手 [メールフォーム]
(投球フォーム)
引き上げた足を地面に伸ばすので、お尻の三塁側(左投手の場合は)を上手くできません。従って左腕ですが、見分けの難しいカーブや縦に鋭く落ちるフォークなどの球種の修得は厳しいと考えられます。腕もスリークオーターぐらいに下がっているので、スライダーやスクリュー系の球種を磨くことで、投球の幅を広げて行くことになりそうです。着地もそれほど粘りはないので、打者が苦になると言うほどではありません。
グラブは最後まで体の近くにありますので、両サイドへの制球は悪くありません。足の甲の押しつけもしっかりできているので、低めにも球が集まります。ただ「球持ち」はよくなく、指先の感覚には優れておりません。そのため大まかにコントロールはつけますが、微妙な制球力はつけ難いフォームです。腕の振りには無理がないので、故障などの可能性は低そうです。
「着地」までの粘りはそうでもないのですが、体を大きく捻ることで「開き」自体は遅く、ボールの出所は見難いはずです。振り下ろした腕が体にもっと絡んできて欲しいですし、「体重移動」が不十分のため、ウエート乗った球威のある球は生み出しにくいです。あくまでも上半身や腕を鋭く振ることで、キレを生み出すタイプです。疲れて来ると、この腕の振りが鈍くなるので消耗の激しいタイプだと思います。長く成績を維持するのには、このキレをいかに鈍らせないかが、一つポイントになるのではないのでしょうか。
(最後に)
マウンド度胸・闘争心などには優れた選手であり、器用ではありませんが野球センスは高いと思います。左スリークオーター独特の背中越しから来るような球筋もありますから、左打者に対しては強さを発揮しそうです。
まだ体つき・年齢的にも、発展途上の段階ですが、左投手だということを考えると、魅力を感じる球団でも出てくるのではないのでしょうか。指名しても少しファームでの育成は求められそうですが、育成枠での獲得ならば充分あり得るでしょう。全国的に無名ですが、ぜひドラフトに向け、覚えておいて欲しい1人です。
(2011年 BC選抜 VS フューチャーズ戦)
「育成枠なら有力では?」
6月のBCリーグ選抜VSフューチャーズの試合で、実戦派左腕として面白い投手がいた。その男の名前は、渡辺 貴洋。ちょうど一年前の山形大会決勝戦で、大接戦の末甲子園を逃したあの投手だ。その一年後、後輩達が同じ決勝戦の舞台で、同じ相手・山形中央を破り、甲子園の切符を手に入れリベンジを果たすことになる。
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渡辺 貴洋(18歳・BC新潟)投手 2 [拍手]
(投球内容)
高卒ルーキーと言うこともあり、小柄で華奢な体つきが少し気になります。かなりトルネード気味に体を捻ったフォームから、ポンポンとテンポ良く投げ込む軽快感が魅力。その球速は、常時135~140キロ台前半ぐらいを記録。空振りを誘えるようなキレはあるのですが、球威がないので甘く入ると怖さがあります。変化球は、スライダーとのコンビネーション。私の観た登板では、この二つの球で投球を組み立ておりました。
右打者には、適度にボールが散っており、左打者には、外角低めにボールを集めます。それほど細かい制球力はなさそうですが、ポンポンとストライクゾーンに投げ込みます。牽制も鋭く、クィックも1.0秒前後で投げ込むなど高速。マウンド捌き、度胸などもよく、肉体に恵まれない分、野球センスの高さで補うタイプです。
(成績から考える)
8月1日現在の成績ですが、17試合 7勝2敗0S 防御率 2.13
と順調に成績を伸ばしているようです。
被安打は、イニングの70%以下 ×
67回2/3イニングで、被安打は65と96.1%。これは、プロを目指すならば、できれば70%以下ぐらいには抑えておきたい数字です。この辺も甘く入れば痛打されやすい、彼の球威の無さが現れている気が致します。
四死球は、イニングの1/3以下 △
四死球は、67回2/3イニングで30個。四死球率は、44.3%と、やや基準を満たしておりません。悲観するほど悪い数字ではありませんが、細かい制球力には欠ける印象があります。
奪三振は、イニング数に対し1.0前後 ×
6月に観戦した時は、24イニングで奪三振23個と、ほぼイニング数並に奪っていた三振が、この一ヶ月足らず大きく数字を落とし、現在は1イニングあたり0.75個。通常0.8個以上奪っていると、三振を多く奪っている印象なのですが、それ以下の基準まで大きく後退。本当の体力が求められる夏場に差し掛かって、球のキレを悪化させているか、シーズンも中盤に入り球筋が馴れられてきた可能性が考えられます。
防御率は、1点台~0点台が望ましい △
プロに入る選手ならば、先発ならば1点台、リリーフならば0点台ぐらいの圧倒的なものが欲しい。しかし防御率は、6月の時点よりも若干好くなっており、現在 2.13 。このままシーズンを続けて行くと、この数字もクリアできるかもしれない。
(成績でわかること)
現状成績からわかることは、やはり実力的には微妙だと言うこと。本会議での指名は厳しいが、年齢・左投手などのアピールポイントもあり、育成枠ならといった印象を受ける。
[高画質で再生]
渡辺 貴洋(18歳・BC新潟)投手 [メールフォーム]
(投球フォーム)
引き上げた足を地面に伸ばすので、お尻の三塁側(左投手の場合は)を上手くできません。従って左腕ですが、見分けの難しいカーブや縦に鋭く落ちるフォークなどの球種の修得は厳しいと考えられます。腕もスリークオーターぐらいに下がっているので、スライダーやスクリュー系の球種を磨くことで、投球の幅を広げて行くことになりそうです。着地もそれほど粘りはないので、打者が苦になると言うほどではありません。
グラブは最後まで体の近くにありますので、両サイドへの制球は悪くありません。足の甲の押しつけもしっかりできているので、低めにも球が集まります。ただ「球持ち」はよくなく、指先の感覚には優れておりません。そのため大まかにコントロールはつけますが、微妙な制球力はつけ難いフォームです。腕の振りには無理がないので、故障などの可能性は低そうです。
「着地」までの粘りはそうでもないのですが、体を大きく捻ることで「開き」自体は遅く、ボールの出所は見難いはずです。振り下ろした腕が体にもっと絡んできて欲しいですし、「体重移動」が不十分のため、ウエート乗った球威のある球は生み出しにくいです。あくまでも上半身や腕を鋭く振ることで、キレを生み出すタイプです。疲れて来ると、この腕の振りが鈍くなるので消耗の激しいタイプだと思います。長く成績を維持するのには、このキレをいかに鈍らせないかが、一つポイントになるのではないのでしょうか。
(最後に)
マウンド度胸・闘争心などには優れた選手であり、器用ではありませんが野球センスは高いと思います。左スリークオーター独特の背中越しから来るような球筋もありますから、左打者に対しては強さを発揮しそうです。
まだ体つき・年齢的にも、発展途上の段階ですが、左投手だということを考えると、魅力を感じる球団でも出てくるのではないのでしょうか。指名しても少しファームでの育成は求められそうですが、育成枠での獲得ならば充分あり得るでしょう。全国的に無名ですが、ぜひドラフトに向け、覚えておいて欲しい1人です。
(2011年 BC選抜 VS フューチャーズ戦)
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