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プロ野球ドラフトサイト「迷スカウト」の管理人・蔵建て男が、日本中を駆け巡り本音でトーク!

(25) 関東一 VS 横浜高校

毎年6月に、江戸川区民球場を利用して関東一高が他校を招待して試合が行われる。今年は、横浜高校が呼ばれ午前と午後1試合ずつの試合が組まれた。

関東一 VS 横浜 第一試合

横浜高校の先発は、木下 幹也(2年)右腕。185/85 という堂々とした体格から投げ込む正統派。球速は130キロ台中盤ぐらいと物足りなかったが、実際観ていると要所では140キロを越えていそうな力強いボールも観られた。変化球も、カーブ・スライダー・フォーク・チェンジアップ など多彩な球種を上手くコンビネーションに交えてくる。まだ投球に絶対的なものは感じられないが、適度に試合をまとめという意味では現状の横浜高校では安定感NO.1。体格は先輩の藤平 尚真(楽天1位)を彷彿とさせるものがあるが、ピッチング内容は柳 裕也(明大-中日1位)に近いタイプ。果たして来夏までに、スケールを増して来るのか? より実戦的になるのか? それともその両方で資質を伸ばしてくるのか気になるところ。

横浜高校の野手では、内海 貴斗(3年)内野手のスイングの強さと打球の速さが目を惹いた。けしてオーバー・フェンスを連発するような長距離ヒッターではないが、やはり打者としての潜在能力は同校の中でも一番ではないかと。しかし気になるのは、第一試合がセカンドで第二試合はショートで出場するも、守備ではミスが多かった。旧チームでは一塁を守っていた選手だけに、上のレベルだとニ遊間では荷が重そう。総合力の物足りなさからも、高校からプロというよりは、有力大学などに進むタイプではないかとみている。

関東一では、一番を打っていた 大久保 翔太(3年)中堅手の守備・走力が目立っていた。中堅手としての動きにも無駄がなく、出塁すればすかさず盗塁を決めたりとプレー全体のスピード感が素晴らしい。3番の 藤松 丈一郎(3年)右翼手も、難しい打球を好捕したり、足もかなり速い。投手としても140キロ台を記録する地肩もあるらしく、身体能力は高そう。5番の 野口 洋介(3年)捕手は、第一試合で木下の高めに浮いたスライダーをニ打席連続でレフト前にはじき返し、続く打席ではライト横を破る長打を放つなど、打撃で最も存在感を示してくれた。しかし捕手としては、地肩は平均的といった感じがする。3人とも高校からプロということはないと思うが、夏に再度見る機会があったら気に留めてみたい。

第二試合 横浜 VS 関東一

第二試合になると、ドラフト上位候補である 及川 雅貴(横浜3年)左腕が投げるということで、続々とスカウトたちが集まってきた。センバツでは序盤に打ち込まれ初戦敗退となり評価を下げたものの、その後の試合では一位候補の呼び声も再び上がり出すなど、立て直しに成功しつつあると訊いていた(春季大会では確認したけれど)。

ブルペンから明らかにモノの違いを感じさせるボールを投げていたものの、試合に入ってからは130キロ台中盤~MAXで89マイル(143キロ)程度と球速は地味め。相変わらずストレートを中心に球筋が定まらず、四球を出して失点に絡むなど悪い時の及川が顔を覗かせていた。しかし春季大会でも触れたが、スライダーだけではなくチェンジアップ系の球を織り交ぜるなど、夏に向けてピッチングの幅を広げようと努力の跡は伺える。

しかしこの日の第二試合は、控え選手がスタメンに並んでおり、そのメンバーに打ち返されていたのは正直気になる。特に自慢のストレートが、並の高校生にはじき返されてしまうのはドラフト上位候補としては物足りない。好素材だと思うが、1位でゆくのには怖いなというのを改めて実感した試合だった。夏までに、何処までそういった不安定な部分を改善できるかだろう。

今日足を運んだ最大の理由は、関東一の 谷 幸之助(3年)右腕を確認したかったから。立ち上がりから135キロ前後(MAXは86マイル・138キロ)ながら、非常にキレの好い球をポンポンと投げ込んで来る。スライダーのキレも良く、カーブやフォークといった球種も上手く投球に交えることができていた。この投手は、日によって調子の波が激しいのだという。今日は、そういった意味ではかなり好い部類だったのではないのだろうか。

しかし3イニング目ぐらいになると、彼の投球に目が慣れてきた横浜の打線に捉えられるようになる。序盤の勢いで押すだけのピッチングでは通用しなくなり、失点を重ねてしまった。やはりこの投手は、現状リリーフタイプなのだと思う。まだ高校からプロとか、そういった選手ではないのだろうということ。今後進む先の環境がマッチすれば、生田目 翼(日ハム)のように、大学で才能が爆発する可能性は秘めていそうだった。

以上簡単ではあるが、両校の有力選手をご紹介してみた。両校の中でも今年の指名となると、なんやかんや言っても 及川 だけなのだろうなと言う気がした。

木下 幹也(横浜2年)投手 185/85 右/右
内海 貴斗(横浜3年)二塁 182/77 右/左
及川 雅貴(横浜3年)投手 183/74 左/左

谷幸之助(関東一3年)投手 177/78 右/右
野口 洋介(関東一3年)捕手 右/右
大久保翔太(関東一3年)中堅 右/左
藤松丈一郎(関東一3年)右翼 左/左

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