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プロ野球ドラフトサイト「迷スカウト」の管理人・蔵建て男が、日本中を駆け巡り本音でトーク!

2019年 大学選手権2日目・東京ドーム1


第一試合 上武大 VS 福井工大



上武大の先発・本定 史好(遊学館出身・4年)右腕は、オーソドックスなフォームから130キロ台後半~140キロ台中盤を記録する好投手。変化球は、スライダーや縦系のボールを織り交ぜピッチングを組み立ててくる。特に絶対的なものはないのだけれども、適度に力がありまとまっている。甘く入る球を、相手が打ち損じてくれるほどのボールの力、フォームの嫌らしさに欠けるのが物足りないところか。大卒プロといった匂いはして来ないが、社会人では1年目からと重宝されるタイプではないのだろうか。社会人で上積みがあるようだと、プロも視野に入ってくるかもしれない。

捕手の古川 裕大(久留米商出身・3年)捕手は、全日本の候補メンバーに選出されている来年のドラフト候補。特にきめ細やかさやインテリジェンスに特別なものは感じられないが、きっちり捕球できることと、今春のリーグ戦で5本塁打を放ったように打撃では目立つものがある。プレーが、ちょっと全体的に雑かなといった印象は受けたのだが。

また2番手で登板した 吉野 光樹(九州学院出身・3年)右腕は、非常にオーソドックスなタイプ。球速こそ140キロ前後に、スライダー・カーブなどを織り交ぜてくるピッチングだが、1つ1つの球筋がハッキリしている点が好いところ。派手さはないが、安心して見ていられる好投手だった。

一方の福井工大の先発は、立石 健(大体大浪商出身・1年)右腕。角度を感じさせる球筋で、球速も140キロ台~MAXで146キロを記録。またスライダーに加え、縦に大きく沈むチェンジアップが厄介な球種。昨年も大阪では注目の投手だったが、大学に入り全体の出力がさらに高まった感じがする。順調にゆけば卒業する頃には、地方リーグを代表する素材として、ドラフト戦線を賑わせてくれそう。

福井工大では、捕手の 宮石 翔生(佐久長聖出身・3年)のインサイドワークが光った。強豪校の上武大も、的が絞れず翻弄された形に。こちらはキャッチングなどは平凡だが、インサイドワークに優れた捕手で、細かいところまで意識のゆくタイプではないのだろうか。塁間1.9秒前後ぐらいで、地肩よりも制球に改善が欲しいところか。。打撃では結果は出なかったが、チームでは5番打者を務め春のリーグ戦では.375厘の好成績をマーク。打球も右方向に強い打球を飛ばしており、けして打撃で見劣る選手でも無さそうだった。

本定 史好(上武大4年)投手 177/84 右/右
吉野 光樹(上武大3年)投手 174/70 右/右
古川 裕大(上武大3年)捕手 182/85 右/左

立石 健 (福井工大1年)投手 183/81 右/右
宮石 翔生(福井工大3年)捕手 175/82 右/右

第二試合 東海大 VS 立命館大



東海大の先発・山崎 伊織(明石商出身・3年)右腕は、常時145~153キロの圧巻のパフォーマンスを見せつけた。春先のリーグ戦で見た時は、140キロ前後の投球に正直伸び悩んでいるのではないかと心配していた。しかしこの試合では、高校時代よりも遥かにスケールUPしたところを見せつけてくれた。変化球は、打者の手元で小さく曲がるスライダーで、この球でカウントを整えてくる。基本は、速球とスライダーをコーナーに集めてくるというシンプルなスタイル。まだまだ投球に奥行きは感じられないものの、来年の有力な1位候補であることを印象づけた試合だった。

一方立命館の先発は、坂本 裕哉(福岡大大濠出身・4年)左腕。球速は130キロ台中盤~140キロ台前半ぐらい驚くような球威・球速はないものの、球筋に角度を感じさせるストレート。変化球は、カーブ・スライダー・チェンジアップを織り交ぜるオーソドックスなスタイル。特に特筆すべき球はないが、速球と変化球を両サイドに散らして試合を作ることができる投手だった。言い方は悪いが、球が走らない時の先輩・東 克樹(DeNA)みたいな投球であり、先輩に比べると見劣ることは否めない。ある程度試合が作れるサウスポーといったことでは、4位前後ぐらいの位置づけにはなってくるのではないのだろうか。昨年に比べると着実にレベルUPはしており、指名圏内に入ってきたと評価できそうだ。

東海大では、山崎のあとに大学球界屈指の速球派である 小郷 賢人(関西出身・3年)右腕が登場。独特のゴツゴツしたフォームながら、常時150キロ前後(MAX153キロを記録)の速球に、抜群の落差を誇る縦スラは健在。特に変わった印象はなかったが、来年の有力な上位候補との印象を改めて再認識させられた。こちらはゴテゴテのリリーフタイプといった感じで、1年目からプロでもセットアッパーかクローザー級の活躍が期待できるかもしれない。

またドラフト上位候補の呼び声高い・海野 隆司(関西出身・4年)捕手は、落ち着いたプレーぶりが光った。フレーミングを駆使するようなキャッチングにも成長の跡が感じられ、盗塁の際にもいち早く刺しにゆくというよりも正確に送球することを重視していた印象。実際に試合では、二度の盗塁の機会を的確にアウトにした。打っても、決勝の逆転タイムリーを放つなど、地味ながらきっちり仕事を果たす技量がある。日に日に評価は高まっており、下手すると外れ1位の12名の中にまで入ってくるかもしれない。

またチームメイトの 杉崎 成輝(東海大相模出身・4年)遊撃手も、攻守に力のあるところを見せていた。スピード感のある動きに加え、安定感もあり無難にこなす守備。甘い球を逃さない鋭さに、確実性を兼ね備えた打撃で、2安打・2打点の活躍。一塁までの塁間は、4.0弱とドラフト指名レベルでも俊足の部類。それだけに大学からのプロ入りを印象づけられる内容で、大学時代の 田中兄弟(広島&巨人)より上で、東海大から直にプロ入りが実現するかもしれない。位置づけとしては、中位(3~5位)ぐらいを狙えるのではないのだろうか。

宮崎産業経営大戦で先発した・原田 泰成(東海大望洋出身・4年)右腕は、力みからコントロールが定まらず2回で降板。球速は140~中盤ぐらいとリーグ戦以上に強い球を投げていたが、それが返って裏目に出た感じ。破れた準決勝の佛教大では、リリーフでコンスタントに140キロ台中盤ぐらいの勢いのあるボールを投げていた。小さく曲がるスライダーに、チェンジアップだかフォーク系の沈む球を織り交ぜていてヒットは打たれていたが内容は悪くなかった。今大会痛かったのは、この原田がエースとしての力を存分に発揮できなかったことではないのだろうか。そのため秋よほどアピールできないと、社会人なのかなといった気はしている。

山崎 伊織(東海大3年)投手 181/71 右/左
小郷 賢人(東海大3年)投手 180/80 右/右
海野 隆司(東海大4年)捕手 174/76 右/右
杉崎 成輝(東海大4年)遊撃 173/70 右/左
原田 泰成(東海大4年)投手 180/92 右/右

坂本 裕哉(立命館大4年)投手 179/75 左/左

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