２０１９年 大学選手権２日目・東京ドーム2

第三試合　環太平洋大　VS　宮崎産業経営大



宮崎産業大の先発・杉尾　剛史（宮崎日大出身・４年）右腕は、１７２センチと上背ない小柄な好投手。球速は１４０キロ前後で（MAX１４４キロ）、力みなく投げ込んでくるのが特徴。変化球はスライダー・チェンジアップ　などを織り交ぜて来るが、全体的にボールが高かった、甘く入ってくることも少なくないのが気になる。マウンド捌きに優れた実戦派だけに、繊細な部分まで追求したい。個人的にはプロとしては厳しいかなと見ているが、興味を示している球団もあると言う。

また野手では、３番を打っていた　八木　大輝（れいめい出身・３年）遊撃手の、潔いスイングで、甘い球を呼び込んで思いっきり引っ張ったく。一塁までの塁間は、右打席から４．３秒前後（左打者換算で４．０５秒強）ぐらいと中の上ぐらいで、遊撃手としての動きは軽快に見えたが、あわな内野安打みたいな当たりもあったので少し送球までが緩慢なのかもしれない。

また環太平洋大では、３番手で投げた　佐々木　龍志（崇徳出身・３年）右腕が目立っていた。球速は１３０キロ台中盤～１４０キロ台前半ぐらいだったが、ボールの勢いはそれ以上に感じさせる勢いがある。ブレーキのあるカーブやスライダーなど織り交ぜるオーソドックスなタイプだが、最終学年の内容次第では社会人などへの扉も開かれるかもしれない。来年に向けて、頭の片隅に入れておいて損のない投手ではないのだろうか。

杉尾　剛史（宮崎産経大４年）投手　１７２／８０　右／右
八木　大輝（宮崎産経大３年）遊撃　１７１／７０　右／右

佐々木　龍志（環太平洋大３年）投手　１７５／７３　右／右

第四試合　東北福祉大　VS　創価大



創価大は、前日に引き続き２日連続の登場。今回は、大会初登場となった東北福祉大について取り上げてゆきます。山野 太一（高川学園出身・３年）左腕は、１７０／７０　の体型とは思えないゆったり感のあるフォームから投げ込んでくる。球速は１３０キロ台後半～１４０キロ台中盤。変化球は、カーブ・スライダー・チェンジアップなどがあり、特にスライダーに落差があるので、低目のボールゾーンに投げ込んで振らせるのが上手い。福祉大の１年時から活躍してきた選手で、来年の有力な候補であるのは間違いない。

野手では、５番を打つ　元山　飛優（佐久長聖出身・３年）遊撃手の守備が光っていた。元々来年の上位候補と位置づけられる選手で、広角に打てる対応力のある打撃と安定感抜群のディフェンス力が光る。全国レベルの投手相手に、どの程度打撃が通用するのかが今後のチェックポイントだろうか。

福祉大は、さすが昨年の日本一チームだけにタレントが豊富。一番の　里見　治紀（花咲徳栄出身・４年）右翼手は、柔らかいハンドリングを活かした巧打と塁間３．９秒台の俊足が光る。早稲田とのオープン戦の時から、この選手のセンスには目を惹くものがあったが、ドラフト候補というよりは社会人などで野球を続けてゆくタイプではないのだろうか。

今大会見ていて、４番の　清水　聖也（智弁学園出身・４年）中堅手は、強烈なスイングと対応力があり福祉大でも４番を任せられる片鱗が感じられた。守っても安定感のある守備力が魅力で、攻守にバランスの取れた右の強打者だった。

また捕手の　岩崎　魁人（九州国際大付出身・４年）捕手も、福祉大の捕手らしくキャッチングがよく基礎がしっかりしているのが特徴。体つきもガッチリしていて、上背はないがスイングにひ弱さは感じられず力強い。しっかり周りに指示を出せる、俺についてこいタイプの捕手。まだプロという匂いはしないが、社会人でも続けて行ける素材だろう。

福祉大はリリーフで、ドラフト候補の　津森　宥紀（和歌山東出身・４年）右腕が登場。サイドハンドから１４５キロ前後（MAX１４９キロ）の速球には力強さがあり、ストレートに勢いがあるので時々投げるスライダーも効果的。ストレートはかなり暴れて制御できないところはあるが、このスライダーでカウントが整えられるのは強味。全体的にボールが高めに集まるのは気になるが、下から浮き上がるように迫ってくる真っ直ぐを振らせるのが、この投手の真骨頂であるのも間違いない。投げっぷりの好いリリーフタイプという意味では、今年の大学生でもトップクラスの存在。ドラフトでも中位（３位～５位）ぐらいの中では、指名されるのではないかとみている。

山野　太一（東北福祉大３年）投手　１７０／７０　左／左
元山　飛優（東北福祉大３年）遊撃　１８０／７３　右／左
里見　治紀（東北福祉大４年）右翼　１７７／７３　右／左
清水　聖也（東北福祉大４年）中堅　１８０／７４　右／右
岩崎　魁人（東北福祉大４年）捕手　１７１／７６　右／右
津森　宥紀（東北福祉大４年）投手　１７７／７８　右／右