2019年夏 甲子園レポート6
2019/08/11|Category:テレビ・動画観戦
大会三日目・第四試合 敦賀気比 VS 富島
敦賀気比の先発・笠島 尚樹(2年)右腕は、腕の振りが素晴らしい下級生エース。球速こそ130キロ台後半~140キロ台中盤だが、打者の手元まで勢いが落ちないままミットに収まる。変化球も体の近くで小さくキュッと曲がるスライダーに、チェンジアップ系の球種を織り交ぜる。内外角にしっかり投げ分けられるコントロールがあり、特に左打者インコースを厳しく攻めることができる。来年に向けて体が一回り二周り大きくなって球威・球速を増して来ると、来年の上位候補に入ってきても不思議ではない好素材だった。
富島の方では、核弾頭の 松浦 佑星(3年)遊撃手が躍動した。172/68 と体格には恵まれていないが、一歩目の鋭い軽快で広い遊撃守備に、宮崎大会.647厘のハイアベレージを残した対応力の高さも魅力。中でもスピード感を活かし、盗塁を連発した走力は光っていた。さらにキャッチャーと三塁手に挟まれても、投げる瞬間に加速していっきにタッチを掻い潜りホームを陥れるなど、試合感覚の良さはピカイチだった。おそらく大学などに進学することになると思うが、こういったイケイケ系はアマよりプロの方が個性が生きるタイプ。なんか育成あたりならば、チームに混ぜてみたいと思わせる魅力あふれるプレーヤーだった。
敦賀気比では、4番の 木下 元秀(3年)左翼手のパワフルなスイングが目立っていた。高校通算30本塁打を記録し、右に左へと大きな打球を飛ばせる。一塁までの塁間は、4.2秒前後と基準レベル。左翼手だけに守備では目立たないが、肘を痛める前は主力左腕だっただけに肩も悪くはないのだろう。いずれにしても高校からプロというよりは、大学などで資質を伸ばしたいタイプだった。
富島では、黒田 直人(3年)捕手。捕ってから素早い送球で、大きく飛ばしたランナーに鋭い送球で刺しにゆく場面が目立った。またそういったプレーを可能にするのは、視野の広さがあるから。大学などで、キャッチングや打撃が磨かれると面白い存在になりえそうだ。
笠島 尚樹(敦賀気比2年)投手 177/71 右/右
木下 元秀(敦賀気比3年)左翼 182/86 左/左
松浦 佑星(富島高校3年)遊撃 172/68 右/左
黒田 直人(富島高校3年)捕手 170/70 右/左
大会四日目・第一試合 鳴門 VS 花巻東
県大会でも何度かとりあげた 西館 勇陽(花巻東3年)右腕が、3回から登場。少し小さめなテイクバックから投げ込む、右の正統派。球速は140キロ前後~中盤ぐらいで、県大会終盤で魅せた140キロ台中盤~後半を連発したようなリミッターを外したピッチングではなかった。変化球は、スライダー・チェンジアップなどを織り交ぜてくる。この投手、フォームが合わされやすいのか? このぐらいの球速帯だと苦にポンポンポ~ンと連打を食らうことがあり、相手をねじ伏せるには140キロ台後半を連発しないと厳しいのかもしれない。プロ志望届けを提出すれば、下位指名~育成ぐらいだと思うが、持っている潜在能力は低くない。大化けする可能性を秘めていて、個人的には意外に面白いのではないかとみている。
鳴門の方では、4番の 浦 和博(3年)右翼手が抜けていた。ボールを捉える能力・見極める眼はたしかで、徳島大会では、打率.611厘と打ちまくった。ただしこの選手、長打で魅了するタイプでもなければ、守備・走力が突出しているわけではない。右翼の動きも並で、肩も平凡といった感じだった。走力も、左打席から4.2秒弱と基準レベルぐらい。そのため打撃には良いものがあるが、大学などに進むことになりそうだ。
西舘 勇陽(花巻東3年)投手 184/80 右/右
浦 和博(鳴門3年)右翼 172/74 左/左
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